〝魔法弓技〟は、年間二シーズン国際大会が開催されるほど、世界的なスポーツとしての地位を確立しつつある。
華やかな衣装(ユニフォーム)を身に纏った選手たちが愛用の弓を片手に、草原や都市などの広大なフィールドを駆けまわり、最後の一チーム(三
人一組)になるまで、互いの力をぶつけ合う競技である。
ただし、その〝魔法弓技〟には、通常の競技とは異なる点が大きく二つある。
一つは、各選手の弓から射放たれる矢である。弓道ようなカーボン矢でも、アーチェリーのようなアルミニウム合金矢でもない。
選手たちが体内から生み出す〝魔力〟が、まるで矢のように姿かたちを変え、対となる〝魔弓〟を通じて、一般弓術とは比べ物にならない威力で射放たれる。
無論、ただの人間にそんな芸当ができるはずもなく、ましてやそれを受け止めるほどの肉体強度もない。
それこそが、従来の競技とは一線を画する理由の二つ目だ。
魔人。
この競技に出場する選手は例外なくこの人種だ。体内に生まれ持った魔力器官から魔力を生み出し、仮に攻撃を被弾しても、彼らの肉体特有の魔力耐性により、しばらく時間が経てば試合への復帰も可能となる。
世界の総人口の約十パーセントがこの人種にあたり、基本的な姿は人間と大差ないが、強いて挙げるなら頭から生えている一対の小さな角が特徴か。
普段は魔力という異能をとある方法で抑えながら人々と共存しているが、一度試合となれば、その演武で人々を魅了する華麗な舞台役者へと転身する。その目麗しさと、命中させるのが難しい弓矢を活用する競技性の高さ、そして普通の人間では実現できないド派手なぶつかり合いが、世界的スポーツたらしめている要因である。
そして、そんな魔法弓技が栄える二〇七七年、とある初夏の晩。
――その日人々は、流れ星を目撃した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-04 14:07:33
11963文字
会話率:28%
御機嫌よう、読者の皆様。
私(わたくし)はヨランテ・キュラソー・オズワルド・ルイン・ラヴェンナ・エリクサー・セルカリア・トランセンデンス・オーマ・レディオアクティブ・スパルガヌム・カインドネス……
ガス爆発事故に巻き込まれ命を落としたと思っ
ていたらなぜか乙女ゲームの世界に転生してしまっていた、どこにでもいる戦闘型悪役令嬢ですわ。
破滅エンドの回避序でに、ゲーム世界の裏に潜む陰謀と闘いながら元の世界に戻るべく日々東奔西走していた私は、ある時あの憎き女……ゲームの主人公を務める我が仇敵フーミカー・キヨミズ・ヴォーカムエー・ヨスティークォ・シェンギエンの罠により、乙女ゲームの世界でも元居た世界でもない謎の平行世界に飛ばされてしまいましたの!
これだけでももう意味不明、どうにかなってしまいそうなカオス極まる状況ですけれど、その上飛ばされて早々、ホラー映画差乍らのゾンビ軍団に襲われ大ピンチ!
さらには何故か戦う力も奪われて、ただの"若干格闘技が上手くて微妙に身体能力が高いだけの悪役令嬢"になってしまった私にできることといえば、精々逃げることくらい!
まさに絶体絶命! 体力も限界になりかけてもうお終いと思ったその時、私を助けに現れたのは……
コート姿の変質者!? しかもなんだか薄気味悪いお面なんてつけて、爆弾でゾンビを吹き飛ばして……いやちょっと、それはおかしいでしょう!?
普通こういう時って明らかにヒーローめいたイケメン様とか、今一パッとしないような、なんか平凡で冴えないけど確かな信念と優しさを持った殿方なんかが駆けつけてくれるものではなくて!?
なんでよりによってこんなゾンビと大差ない……いやもうゾンビよりヤバげな妖怪変化にしか見えない、絵に描いたような変質者が現れるんですの!?
……まあ、危ない所を助けて頂いたのは紛れもない事実ですけれども……なんか納得できませんわ……!
しかも話を聞くにどうやらこの変質者、私以上の"ワケあり"だったようで……?
ああんもう! これから一体どうなってしまうんですのー!?
※本作は『デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者共々殺された筈が俺だけゾンビ化したのでとりあえず下手人に復讐します-』本編第10話ぐらいの時間軸で起きた出来事を描く番外編のようなものですが、本編未読の方でも多分お楽しみ頂けると思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-22 19:23:35
40425文字
会話率:59%
貧乏男爵の次男ルートルフ・ベルシュマンは、生後六ヶ月で突然大人並みの意識に目覚める。同時に今生きているのとは違う世界の『記憶』が何かを告げてくるのを感じる。
焦らず周りの状況認識と言語習得から始めるルートルフだが、間もなく、借金まみれで
領民が餓死しかねない男爵領の窮状を知る。
誰もが持つショボい魔法もどきの『加護』と実の兄の存在を知り、兄の力を借りながら領地救済に乗り出していく。
一見ショボい『加護』なるものと主人公の訳分からない『記憶』を除いては、読者と作者の生きる世界と大差ない自然摂理の世界と思ってください。
開始後しばらくは主人公とともによく分からない状況の中を逍遥していただきますが、おそらくは第13回辺りからこの世界の常識のまとめがあります。それまでしばらく、ご辛抱ください。
※ 2020/08/23 第2章開始しました。
※ 2021/02/08 第2章終了しました。
※ 2021/02/27 第3章開始しました。
「カクヨム」にも同時掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-10 22:00:00
897697文字
会話率:42%
【自称】心優しき令嬢のイザベラは、とある夜会で見かけた苛烈なご令嬢を『悪役令嬢』だと思った。
んが、自身の侍女から『イザベラお嬢様も大差ない』と言われてしまう。
しかも、相思相愛だとばかり思っていたクール系で無表情が基本の婚約者ユリシーズか
らは嫌われており、婚約破棄を願われていたらしい。
衝撃的事実を知ったイザベラは立ち上がる!
「わたくし、真人間になりますわ」
「え、お嬢様、人間じゃなかったんですか?」
忠誠心が微妙な侍女にやんや言われながらも、イザベラは頑張って真人間を目指すことにした。
「真人間って……どうやってなるのかしら?」
「お嬢様、躓くの早すぎます」
「う、煩いわねっ!」
頑張って頑張って頑張って、なんやかんや頑張っているうちに、婚約者ユリシーズの態度が軟化していることに気がつく。
「もっ、もしかして、もしかすると……わたくしのこと、好きになってくださいましたの⁉」
「…………どうだろう?」
「って、なぜに焦らしプレイですのぉ⁉」
「ハハッ」
だんだんと、心からの笑顔を見せてくれるようになったユリシーズ。
この笑顔を守るため、イザベラは今日も明日も明後日も、真人間目指して斜め上に突っ走る!
******
閲覧ありがとうございます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-14 20:28:26
28407文字
会話率:48%
容姿端麗、文武両道な姉、南沢真琴と凡人な弟、南沢和馬。
血の繋がった姉弟の二人の仲は一般的な家庭と大差ないはずだったのだが……二人の間には血縁がない!?
しかし、長年姉弟と信じて和馬にとっては大した問題ではなく、関係が変わることはないと信じ
て疑わなかった。
一方、枷(血のつながり)が外れたことで、気持ちが抑えられなくなった真琴は、獲物(弟)を狙う!
姉→義姉となったヒロインが欲望のままに弟を襲う!
果たして、和馬は無事に貞操を守ることができるのであろうか
襲われ系ラブコメ開幕!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-30 00:59:08
46839文字
会話率:48%
飛んで火に入る夏の虫
これは人と大差ないのかも知れません
最終更新:2022-05-31 23:16:15
377文字
会話率:0%
超能力者である女子高生、明日見 遥(あすみ はるか)は見知らぬ森の中で目を覚ました。
だが彼女にとってそれはあり得ないことではない。眠っている間に誤って瞬間移動を使ってしまい、起きたら知らない場所にいるということはままあるからである。
だから冷静に、家に戻ろうとした。しかし何故か能力を使っても家に戻ることができない。千里眼を使って見れば見慣れぬ髪色の人間だらけ、見慣れぬ文字や動植物――驚くべきことに、そこは異世界であった。
元の世界に戻る道を探すべくまずはこの世界に馴染もうとした遥だったが、重大な問題が発生する。この世界では魔力の多さこそが正義。魔法が使えない者に人権などない。異世界人たる遥にも、勿論魔法は使えない。
しかし彼女には、超能力がある。使える力は魔法と大差ない。よし、ならば超能力を使って生きていくしかないと心に決めた。
――まずはそこの、とても根が良さそうでお人好しで困っている人間を放っておけないタイプらしいお兄さん、申し訳ないが私が生きるために巻き込まれてください。
これは超能力少女が異世界でなんやかんやと超能力を駆使してのんびり(自称)と暮らす物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-23 13:05:11
172374文字
会話率:41%
今日も明日も大差ない日常で、誰しもが生きづらさを抱えている。でも何か、ほんのちょっとしたことで、心が軽くなることも、ある。そんなほんのちょっとした、地味で小さな優しさの物語__。
最終更新:2021-09-23 09:05:26
884文字
会話率:30%
世界最強の存在、魔王シリウス。それが我である。二度の勇者襲撃もワンパンで一発KOしてきた。まさに最強の存在である。ある時、第三の勇者が攻めてきた。そいつは異世界から召喚されたとかいう勇者だった。
能力値だけを見ればほかの勇者とは大差ないそい
つだったが、ただ一つ、他の勇者と違うスキルを持っていた。そのスキルの名は『地球人Lv1000』。「『魔王攻撃無効』?『魔王防御無視』?『対魔王攻撃力1000倍』?なんだ『地球人Lv1000』って!?ズルいではないか!?」我を殺すためだけに居るようなそいつに我はなすすべなく殺されてしまう。しかし頭のいい我は事前に保険として自身に転生の秘術を掛けていたのでもう一度生き返る事が出来る!そして今度こそは異世界勇者なんかに殺されないように生きてやる!
そう、思っていたのに……。
女神によって転生先を捻じ曲げられてしまい、我にとって地獄の世界、地球に転生させられてしまう。
地球のステータスを持った生物は全て『地球人Lv1000』を持っていて……。
虫も殺せない系(強制)魔王による爆笑コメディーここに爆誕!?
人間><魔物>動物>虫>魔王(笑)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-08 20:05:52
70726文字
会話率:36%
小説は文字だけだが、主人公はイケメン、イケ女のイメージが明確にできている。
敵さんも同じ。ヴィジュアル説明なんて流し読みだけど、まあ不細工なんだろう。
乱雑な読み方だけど、詰めいっても結果は同じ。
それどころか現実だって大差ないのでは
?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-20 18:10:20
2491文字
会話率:8%
この作品は「不思議の国のミスティフィカ」に登場予定の人物を簡単に紹介した超短編エピソードです。
前回は「赤ずきん」を紹介しました。「マッチ売りの少女」って検索すると割と「赤ずきん」と大差ない見た目してますよね。見た目イメージ被るよなぁ...
最終更新:2020-12-11 19:00:00
559文字
会話率:31%
冒険者のシオンは、駆け出しと大差ない底辺アマチュア冒険者。
そんな彼がいつものように簡単な冒険をしている最中、出会った少女、エリスは異世界から来たらしくて……?
魔法やモンスターが存在する世界で、冒険者の少年ととんでも異世界人な少女の物語
が始まります。
異世界転移してきたチートな現代っ子を、現地の冒険者視点で描く「俺Tueee」ならぬ「あいつTueee」系ファンタジー冒険活劇!
感想やご意見等、いつでもお待ちしております。
戦闘を行う都合上、残酷な描写が含まれる可能性があります。苦手な方はご注意下さい。
*完結しました。読んで下さった皆様、ご愛読ありがとうございました。
現在定期的に番外編を投稿中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-01 12:00:16
775439文字
会話率:45%
久しぶりのエッセイです。
内容としては結局一月のエッセイと大差ないのであまり読む必要はないかもしれません。
おそらくこのエッセイを読むと不快に思ってしまう方がいらっしゃるかと思います。そういった場合はブラウザバックしていただければ、と思
います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-06 01:27:48
984文字
会話率:0%
ある日、主人公である高校生 季丘 春美(スエオカ ハルミ)は、ひょんなことから並行世界に迷い込む。そこは、元の世界と大差ない場所で…帰る手段さえ見つければ、それでおしまいに思われた。けれど、彼が並行世界に転移したことには、隠れた意味があった
のだ。それに気付いた彼は、自分の役割を果たそうと駆けだす。『もうひとりの自分』のために…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-12 18:38:36
14056文字
会話率:55%
2060年、VRMMO初のRealizeSystem(以下略RS)を搭載したゲームが一世を風靡している。そのゲームの名は『EarthONLINE』。現実と大差ないほどまでにプレイヤーが操作するアバターを動かせることからプレイヤー間では、敬意
を込めて第2の地球とまで呼ばれていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-31 00:55:29
30851文字
会話率:48%
不幸な人生が幕を閉じる際、謎の声に導かれて俺は転生した。
そこははるか未来、初代皇帝が悪魔と手を組み、「管理者」と呼称される神を殺害し興した大帝国だった。
今世の俺は強い魔力を有しつつも、イマイチそれを活かせず、状況に振り回されながら宇宙
を旅する事となる。
※1話は短めでほぼ日刊で更新したいと考えています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-05 00:10:15
151351文字
会話率:37%
私はどこにでもいるような、普通の中学生だった。……その日までは。
ある日、いつも通り生活していると、突如少年が現れた。彼は、私がこの世界の裏にある世界、そこにある国の王女にあたる人物であり、ついこの前その国王が攫われたのだと聞かされる。
ひとまずその裏世界に行ってみることになった。いつでも行き来できるらしいので、とりあえず。
裏世界では魔法も剣も当たり前。正直私はそういったファンタジー系の話が大好きだったから、それが楽しくて仕方なかった。私にも頑張れば使えるそうで、しかも素質みたいなものはかなりあるらしい。(やった~!)
裏世界は表世界と比べても大差ないほど綺麗なところで、そこにいた兄弟や従妹も、皆優しくて面白かった。まさに夢のような場所。
二つ世界を行ったり来たり、のんびりまったり。ときどき危険も……?!
※注意…
・0.と1.は主人公の話ではありませんので、「ストーリーの方を早く読みたい!」という方は、2.から読むことをお勧めします
・ちょくちょく改稿するかもです、主に修正だけで、大きく変わることはないと思うので気にしないでください
・更新日時・時刻については作者ページにて確認お願いします
こちらでも更新中です
https://arissia-story.hatenablog.com/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-28 17:25:58
104139文字
会話率:60%
父は吸血鬼、母は人間という特異な家庭で生まれ育った半吸血鬼の圷真琴。
しかしながら現実はまさに非情で、人間として暮らすには吸血鬼的に苦手なものがおおすぎて、吸血鬼として暮らすにはあまりにも能力が中途半端であるために、結果としてどちらに
もなり損ねるという残念な事態を引き起こしていた。
最早そんなことはどうでもいいと日々惰性で過ごしていたそんなある日、突如として神を名乗る人物に友人達と共に異世界に転移させられてしまう。
半端者な真琴に与えられたのはひとつの祝福と、地球では得ることの出来なかった吸血鬼としての権能。
「え、今更こんなもの貰ってもこっちは困るんですけど」
そんなことを言っているうちにも客寄せ体質の幼なじみ、異世界に大興奮中の委員長、空気を読まない腐女子達は次々とトラブルを引き寄せてきて、ゆっくりと落ち着く時間を作ることすら許されない。
「こっちもあっちも大差ないな! いい加減死ぬからトラブルに俺を巻き込むな!」
何故自分は半端者なのか。そんな自分がどうしてこの世界の新住民として選定されたのか。
これは半端者な彼が、周囲と共に自身のあり方を見つめるお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-01 12:33:37
20659文字
会話率:40%
「すぐに貰える1万円と、1ヶ月後に2万円貰えるとしたらどちらがいい?」
なんて質問がありますよね。行動経済学の双曲割引とか呼ばれているアレです。いわゆるせっかちな人や待てる人の話です。異世界小説の主人公に例えるなら、「チート」と「成長」ど
ちらがいい? みたいなもんですかね。まあ、小説の主人公はどちらの型にせよ、読者時間軸で測れば大差ないことが多いかもしれませんけれど。
この「すぐに成果が欲しい」という欲求は、自分が考えているより大きいなと最近思ったんですよ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-15 18:07:56
1850文字
会話率:5%
時は2245年。突如現れた人類の支配者をなのる謎の生物。見た目や基本的な生態は人間と大差ないが彼らは血を摂取する事で尋常ならざる身体能力と不老不死に近い肉体になる性質から人は彼らを「吸血鬼」と呼ぶ。
彼ら人類に対し攻撃を開始したった200年
で世界の殆どの地域を支配下に置いた。残る地域は日本、イギリス、アメリカ南西部、三国は協力を強固にして吸血鬼と戦っていた。そんな世界で戦争孤児の少年アレンは吸血鬼の真祖アリスによって吸血鬼となり、混沌の世界を強く生き抜く。
完全不定期ですが、ほぼ週一投稿です。
登校時間は夜が多めです!
何だか寝れない時、暇な時など是非呼んでください!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-25 02:42:14
21970文字
会話率:46%