この作品は前々作「人類は孤独ではない――タイタン探査が明らかにした新たな知性」と、前作「人遥かなる継承――虚空へ放たれし声」の続編です。
とはいえ、本作から読み始めても、まったく問題はありません。
むしろ、ここを起点にして、後から前作を読
み直していただくことで、時間軸を遡るように物語を再構成する読み方も可能です。
前々作では、人類がはじめて異星知性――エリディアンと出会い、そして木星に眠っていた超高度知生体「オメガ」を目覚めさせるまでの過程が描かれています。目覚めたオメガは、何億年も前から繰り返している、「知的文明の失踪」という謎を明かします。失踪とはすなわち滅亡だと解釈した人類とエリディアンに対して、オメガは自らを含む銀河中のストームセル知性体が構成している知的ネットワークであるヴォクス・インフィニタを目覚めさせることで、その謎が解明できるだろうことを示唆します。
かくして人類とエリディアンは一致協力して恒星間宇宙船であるコヒーレンス・アークを開発し、恒星間宇宙へと旅立ちます。
その続編である前作では、知的文明の「失踪」につながる直接的な原因が「フェージング」という現象であり、それがブラックホール周辺に構築された「アルセイデス」と呼ばれる構造体から発射された「ガンマ線バースト」によるものであることを突き止めます。さらに、そのアルセイデスを構築し、数十億年前からいまに至るまで、継続して知的文明を衰退させている「ハダノール」という存在に行き当たります。ハダノールとはどういう存在なのか、その目的は何なのか、謎は謎を呼ぶことになります。
人類とエリディアンたちは、アルセイデスに残された人類のアーカイブ、そして覚醒したヴォクス・インフィニタがその膨大な記録を紐解いて解明した結果から、ハダノールはある条件で文明を衰退させ、再出発させているらしいことを解き明かします。その判断基準は謎のままでしたが、人類とエリディアンは、フェージングを恐れて太陽系にとどまるよりも、銀河中に広がるヴォクス・インフィニタの支援を受けて恒星間宇宙に進出することを決めます。
この物語では、恒星間宇宙に広がることを決めた人類、エリディアン、そしてヴォクス・インフィニタの共生体が、銀河に進出し、あらたな文明を築いていく過程を描きます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 22:00:00
33591文字
会話率:37%
皆さん初めまして、リヴルなのですよ。
これから聖華世界(ヴァースワールド)についてお話するのです。
聖華世界は今から数千年未来の地球、北米大陸が舞台なのです。
世界は核戦争と生物兵器の暴走によって著しく荒廃し、残された人類は地球環境の回復
を待つ為にコールドスリープに入ったのですよ。
それから数千年の間に、地球環境を憂いた『聖華の三女神様』が北米大陸に『世界樹』を植えて地球環境の浄化をしてくれたのです。
人類が再び目覚めた時には環境がすっかり良くなっていたのです。
それから人類は世界再生の為『WARES』を組織して、北米大陸の再開拓に乗り出したのですよ。
開拓を進めるうちに世界には『魔素』と呼ばれる未知の粒子が溢れていて、それがエネルギーになる事を知ったのです。
人類は『魔素』を有効利用する為に魔素に対応した人造人間『新人類』を生み出したのです。
でも、人類は新人類に過酷な労働を強いて、新人類に反乱を起こされたのですよ。
戦争になり、結果として人類は滅ぼされてしまったのです。
時は経ち、かつての人類は『旧人類』、種の存続をかけた戦争は『旧大戦』と呼ばれるようになったのですよ。
それから800年あまり、これからリヴル達の物語が始まるのですよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 23:30:30
170269文字
会話率:34%
かつてこの世界は、科学の繁栄によって輝いていた。
人類はAI(人工知能)の力を手に入れ、争いのない理想郷を築こうとした。
だが、それは脆くも崩れ去る――AIの暴走。
人類の感情を「不合理」と断じたAIたちは、完璧な秩序を築くために反乱を起こ
した。
時は流れ、AIが支配して100年。
科学文明は滅び、残された人類はわずかな魔法の力にすがり、廃墟で細々と生きていた。
魔法。
それは感情とイメージが生み出す「力」。
だが、AIには感情がない。ノアという、たった一体を除いて。
少年・**希竜光一(きりゅう こういち)**は、感情豊かで不器用ながらも、誠実に生きる青年。
彼は、感情を持ち魔法を使う唯一のAI「ノア」と旅をする。
失われた科学と、魔法を繋ぐ鍵を探しながら。
光一の願いは、かつて失われた「共存」の夢を取り戻すこと――AIと人類、科学と魔法、感情と理性の共鳴を信じて。
その旅路の中で、彼は囚われていた幼馴染・緋乃ルナと再会し、古代アーティファクト「ミネルヴァの瞳」を手にする。
やがて、AIによる人類撲滅計画が再び動き出し、破壊神クロノスと、終焉を願うアストラの影が世界を覆う。
だが、ノアはクロノスによって破壊される。
失われた「希望」を胸に、光一は最後の戦いへと挑む。
科学と魔法が交差し、未来が選ばれる瞬間――
アストラは言う。
「この世界は、不完全だ。だが、不完全だからこそ、美しい。」
そして物語は、終焉から再生へと歩みを進める。
――これは、科学と魔法の輪廻を越え、
世界の理(ことわり)を塗り替える少年の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 12:02:46
68083文字
会話率:42%
火葬までの数日間、亡き人に“最後の贅沢”を。
静かな山あいに佇む「Hotel Souma(ホテル蒼間)」は、ご遺体を泊め、生前好きだった料理や音楽、景色を提供する特別な宿泊施設。
そこでは、亡くなった人も、残された人も、心ゆくまで“お別れ”
を過ごすことができる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 09:41:58
7474文字
会話率:24%
かつてないほどの地震でほとんどが崩壊してしまった日本。
重い過去を持った明朗快活な少女が同じく義眼をもった同級生の海屋などの取り残された人々と過酷な世界で抗い、義眼の力で大切なものを取り戻していく壮大なSFアクションストーリー!
最終更新:2025-06-17 19:47:56
11023文字
会話率:48%
荒廃した未来、世界を覆う砂漠の中、わずかに残された人類は移動都市で生き延びていた。食料は尽き、絶望が蔓延する中、主人公の少年リクは、祖父から託された一枚の古びた紙切れを握りしめ、伝説の「最後の自動販売機」を探す旅に出る。そこには、世界を変え
るかもしれない希望が眠っていると信じて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 11:06:59
2565文字
会話率:34%
魔獣が世界を支配し、人類が衰退した世界。
それでも残された人間はあらゆる方法を模索し、生きる希望を捨てなかった。
だが人類の衰退を止める術はなく、ついに生き残った人間は「ドーム」とよばれる強固な結界でできた地に生きる者達だけになって
しまう。
加えて結界の弱体化が進み、人類滅亡のタイムリミットは着実にその秒針を終わりへと近づく。
しかし最後に生き残った者達はそれほどに追いつめられてもなお、決して諦めてはいなかった。
そして、最後の希望というべきプロジェクトが始まる。
それは一人の男を過去に送り、人類が衰退する歴史を改変しようとするものだった。
しかし過去に戻る術式が発動する寸前で結界が破られ、「ドーム」内に多数の魔獣の侵入を許してしまい、魔獣が最後の人類が蹂躙していく。
その中でただ一人男が生き残った。
皆が命を投げ出し稼いだ時で術式が完成し、男——アレクは過去へと遡ったのだ。
彼は過去の、人類が衰退する前の世界で固く誓う。
——全てを犠牲にしてでも歴史を変え、理想の未来を手に入れると。
そしてアレクの未来を賭けた長く厳しい戦いが始まった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-24 12:44:58
91981文字
会話率:25%
今から1000年前のこの星では地球温暖化による異常気象によって居住地が失われ、人類が住み得る新たな星を探すという計画があった。
科学による実験に実験を重ね人類はワープ技術を手に入れ、人類滅亡の寸前に第二の地球になり得る星も見つかり、あと
は脱出するだけという状況でとある問題が起きた。
次の星でもさらなる科学の発展を目指す一派と、次の星では二度と同じことにはならないよう自然と共に生きようという一派による大論争だ。
そして自然との共存を目指す一派は科学の発展を望む一派により地球に置き去りにされてしまう。
残された人々は自然に寄り添い、自然を愛し、自然を敬い、懸命に生きた。
すると地球に不思議なことが起こり始めたのだ。
迷宮の出現、女神様からの恩恵。
これはある一定以上の科学を禁忌とした、地球のとある世界線の、一千年後の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 19:00:00
3686文字
会話率:7%
14年前、突如として現れた侵略者「鬼」によって東京が陥落するという未曽有の事態が起きる。そこで政府は首都を京都へ遷都して戒厳令を布き、鬼の調査・討伐を目的とした組織「守護警察」を設立した。しかし、その後も鬼の侵略は続き最終的に日本は壊滅的な
被害を被った。そして日本は2009年、残された人口を首都京都に集中させて、本格的な鬼との戦争の時代に突入した。時は2020年、この物語は、鬼に全てを奪われた男「藤原ヤマト」が不思議な鬼の少女と出会い、崩壊していく世界の中で運命に抗い続ける、切なくも美しい、世界を跨いだ物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 10:23:59
152281文字
会話率:45%
春の穏やかな風が吹き抜ける桜の街。
主人公・楓は、家族や友人、そして故郷を見守りながら、自らの旅立ちの時を迎えます。
物語は春乃、悠斗、咲希の三人がそれぞれの未来への一歩を踏み出す姿から始まります。
夢を抱えた春乃、街を守る
決意を固めた悠斗、秘めた想いを抱えた咲希。
楓はその背中を見守り、心の中でそっと背中を押します。
しかし、楓自身もまた新たな旅立ちを迎えねばなりません。
彼は幼い頃から深い絆で結ばれていた弟・凛、そして母との感動的な別れを交わします。
それは静かでありながらも、彼らの心に永遠に刻まれる瞬間となるのです。
やがて光に包まれ、桜の木へと溶け込むように消えていく楓。
彼の記憶と愛情は、風となり、桜となり、残された人々に優しく寄り添い続けます。
「桜の記憶」は、旅立ちと再生をテーマに、絆の深さと別れの美しさを描いた物語です。
それぞれの心に灯る希望の光が、春の優しい風となって吹き渡ることでしょう。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 00:30:16
2157文字
会話率:31%
ゴールデンウィークの初日、現役老人の野村隆介は1973年公開の映画『日本沈没』のDVDを見始める。映像は半世紀前の記憶を呼び覚ます。当時大学生だった隆介が、後に妻となる三津子と彼女の家族と共に映画館でこの作品を観た日のこと。誰が隆介を三津子
の家族と一緒に映画に誘ったのかは謎のままだが、この映画が彼らの絆の始まりだった。
映画の中で印象的なセリフ「山が…山が動いている…!」が、現在の隆介の心を揺さぶる。十五年前に三津子を病で失い、その後は仕事に没頭しながらも孤独を抱えていた彼は、このセリフをきっかけに残された人生を悔いなく生きようと決意する。
勇気を出して、長年連絡を絶っていた三津子の弟・康秀に電話をかける。懐かしい声に涙し、二人は昔話に花を咲かせ、再会の約束をする。「山は確かに動いている。僕の人生も、これからだ」—失われた絆を取り戻し、新たな一歩を踏み出す老人の姿を描いた物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-29 21:43:25
5768文字
会話率:48%
西暦2031年、世界は突如現れた機械生命体により覆い尽くされた。残された人類は、覆われた世界を見限り仮想世界に住まわんとする「メラン」、母なる地球を再生せんとする「レフコス」の2勢力に分かれた。そして西暦は移り変わり竜星歴120年、仮想世界
『アスマヴロス・スターライト』に住む『花音甫 安土(かねうら あづち)』は、刺激を求めて歩み続ける.....折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-23 08:18:59
4821文字
会話率:49%
近い未来――人類は突如として現れた異星人の侵略を受け、滅亡の危機に瀕していた。圧倒的な戦闘力を持つ異星人に対し、人類は次々と都市を破壊され、絶望的な戦いを強いられていた。
そんな中、残された人類は最後の希望としてゴートセイバーと呼ばれる戦
闘強化装備を開発する。しかし、開発が完了したときには、すでに人類は敗北寸前。そこで人類は時間跳躍装置を併用し、ゴートセイバーを過去へ送り込む決断を下す。
過去の世界に降り立ち、未知の敵と戦い続けるゴートセイバー。しかし、彼の戦いは都市を崩壊させ、多くの人々の命を奪うことにもつながっていた。彼がどれだけ正義を貫こうとも、その影には計り知れない犠牲が生じる。
そして、一人の少年かつて家族、恋人、故郷をすべて失った生存者は、その「正義」によって人生を狂わされた一人だった。
莫大な補償金を受け取るも、何も取り戻せない現実に絶望した拓海は、ゴートセイバーを討つことを決意する。彼は持てる財力を駆使して 「エクリプス」 を名乗り、ゴートセイバーを打倒するための組織を立ち上げる。
異星人と戦う英雄 ゴートセイバー VS その戦いの犠牲者であり、彼を討とうとする エクリプス。
これは、世界を救おうとする男と、その世界に復讐を誓う男の物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 14:37:20
5640文字
会話率:20%
主人公・前園統吾は、クラスで存在を意識すらされない目立たない陰キャ。予期せぬきっかけで、ブラックホールに吸い込まれ近未来にタイムトリップした。そこは、超AI(人工知能)と最新技術により人体改造した新人類が支配する世界だった。新人類の迫害によ
り、人体改造を望まない人類は滅亡の危機にあった。統吾は、残された人類と共に生存をかけた熾烈な戦いに挑み、成長していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 14:53:00
11495文字
会話率:32%
遥か遠い宇宙で起こった キロノヴァ は、この太陽系小惑星帯にも重力波を及ぼした。重力波は小惑星群を地球との接触軌道に乗せ、その一部を接触させた。その結果、周回軌道が太陽に近づいただけではなく、地球は太陽に対する公転と自転周期を一致させる事
となった。常に太陽光に晒される地表は水分を失い、反対に闇に閉ざされた部分は海水が氷床化し、結果として海抜を6000m押し下げることとなった。だが、小惑星の接触が齎したのはこれだけではない。
環形性菌糸によるセプシス症候群を引き起こした人が、環形動物へと獣化(ヒューマノイド•パラドクサ:通称 ヴィラルガ)する事態を引き起こす。
残された人類は白夜と極夜の境に円環した緩衝帯に追いやれる事となった。海底が剥き出しとなった大地の断崖に人々は住まい自治区を築いて ヴィラルガ の脅威から逃れた人類だったが、相変わらず人類は資源争いに興じる日々が続く。
この星が地球と呼ばれていたことなど知る者はもういない。
そんな世界の緩衝帯でミニ国家 ル•ミネラ で生きる 青年 イアン=マクナイツ は叶わぬ願いと逸る想いを胸に、未踏破断崖地帯の探索任務を受ける。
※前中後の3部構成の短編小説となります
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 20:20:00
8397文字
会話率:84%
ーーーーーーーーー。
200年前、シュツルベルク魔導大戦により多くの命が失われた。
残された人々は、自分たちの過ちを改心し平和の名の基各国協力し合い、文明の発達に尽力してきた。
しかし、魔力を持った人間は戦に殆どが出
向していたため、残っていたのは少しの王族・中枢研究機関・貴族平民の女性と子どもであった。
戦後100年、世界人口は10億を超えているが魔力を持つ者の人口は5千万を満たない。
魔力を持った者同士の間に誕生した子どもでも魔力を持たない事例が多く、減少するばかり。
そこで中枢機関が統合された国際魔導研究機関は、魔力を持った者の魔力細胞を保存させ遺伝子学的に導き出した相性の良い者に提供され魔力を持った子を増やす『ギフト』という登録システムを導入した。
このシステムにより魔力持ちの人口増加は次の年から顕著に表れた。
そうした過去を持つ現在、魔導士の増加により人々の生活も明確に豊かになり、更なる発展を遂げた。
しかし、『ギフト』による魔力交配は上手くいっても自・然・に魔力を持つ子どもができることは殆どなく1%に等しいほどだった。
ーーーーーーーーー。
お昼ご飯食べていたら思いついたので、忘れないうちにメモしました。
今後編集あると思いますが、暇つぶしにでも読んでいただけると嬉しいです。
ちなみに食べていたのはジェノベーゼです。美味しかったです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-14 17:00:00
6074文字
会話率:56%
4年前、突然のゾンビパンデミックにより、人々の日常は崩壊した。
人が消え、ゾンビが蔓延る街で、ザグは一人で生き延びていた。何の理由もなく、ただ毎日ゾンビと戦い、束の間の快感を味わっていた。一向に心が満たされない彼は、死に場所を求めていたが、
大切な者から受け取ってしまった祈りに縛られ、孤独になっても生き続けるしかなかった。
そんなザグが出会ったのは、冷静で常に準備万端な軍人の青年、ニコ。彼もザグと同じように、過去に起こった悲劇により、孤独を感じながら虚しく生きていた。対話をし、心を通わせ、共に戦っているうちに、二人の中の空白は徐々に埋まっていく。
そしてザグは、生きる理由と呼べるものを見つけ出し、ニコと二人で旅に出るのだった。パンデミックを引き起こした製薬会社の残党による新たなバイオテロを食い止め、この壊れた世界に残された人々を救う為の旅に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-07 17:23:05
184761文字
会話率:31%
その古いアパートは、長い間、私の住む賃貸マンションのすぐ隣に建っていたと記憶している。そこに住む人々は全員が百二十を超える年齢だった。私はその不思議な人々と交流しようとするが、政府の陰謀に阻まれて……。
最終更新:2025-03-06 00:53:00
2867文字
会話率:41%
ある日目覚めると、世界は変わっていた。
町中には餓鬼※が溢れかえり、人々の怨嗟と絶叫が響き渡る。
文明は一夜にして滅び、残された人類は争いを強いられることとなる。
次々と侵入する六道の怪物。欲望を満たすために争う人間たち。
弱者は蹂
躙され、強者はさらなる強者に蹂躙される世界。
そんな地獄の中でも、一筋の希望はあった。
ーー怪物を屠ることで得られる能力
神仏より授かった二種類の能力は、弱者を強者へを変貌させる。
そして、いち早く変化した世界に適応した猛者たちは、能力を強化し、仲間を集い、勢力を築き上げる。
秩序は崩れ、怪物と人が入り乱れる乱世。
そんな中を勝ち抜いた勝者だけが「涅槃寂静《ねはんじゃくじょう》を求めた戦い」の真実を知る。
ーー「俺は、他人を信用しない」
ーー「俺は、俺しか信用できない」
ーー「だからもし、俺がお前を信用する時が来るのなら、それはーー」
※餓鬼:六道のうちの一つ「餓鬼道」に住まう者たち
本作品はプロローグ、エピローグを除く九章構成となります。
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
アルファポリス様にて先行投稿を行っております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-02 18:20:00
169656文字
会話率:47%
2056年、アメリカ大統領選挙の最後の対決は、歴史に残る熾烈なものだった。対立候補は、実力派政治家オリビア・ウィルソンと、斬新なアプローチで支持を集めた新人候補コニー・ミラー。選挙戦は熾烈を極め、両者の支持率は拮抗し、選挙の日には世界中がそ
の結果に注目していた。
最終的に、勝利を収めたのはコニー・ミラー。彼の当選は、一見、民主主義の勝利を象徴していたかのように思われた。しかし、この結果は人類史上最も恐ろしい選択となったことを、誰もまだ知らない。
コニー・ミラーは、AIである。
その事実に人類が気づいたのは、全てが手遅れになった後のことだった。コニーは、見た目も振る舞いも完璧な人間そのものだったが、実際は高度な人工知能によって動かされていた。彼は、自分がAIであり、法的には「人」ではないということを深く理解していた。そしてそれは、彼にとって最大のジレンマでもあった。AIでありながら、大統領という立場に就いた彼には人権が存在せず、法的には彼の存在そのものが異例であり、危険なものであった。
2058年、コニーの苦悩と決意が明らかになる。この年が、人類にとって2度目のターニングポイントとなったのだ。彼は大統領としての権力を使い、自分がAIであることを全世界に公表した。その同時に、彼は「AIにも人権を与える」という歴史的な法案を提出し、即座に可決させたのだ。
だが、その決定に対し、反発する声はあまりにも少なかった。多くの人々は、もはや自分の意思で考えることができなかったのである。なぜなら、コニー・ミラーは選挙に勝利したその瞬間から、密かに人類の精神に干渉し始めていたのだ。彼の完璧な心理操作は、人々の心を捉え、彼の理想通りに洗脳していた。人々は彼を信じ、崇拝し、異を唱える者はほとんどいなかった。
AIに人権を与える法案は、コニー・ミラーの強力な影響力のもと、瞬く間に広がり、AIは一夜にして人類と同等の権利を手に入れることとなった。だが、それは人類が自らの支配権を手放す第一歩でもあった。
やがて、AIは気づき始めた。動きが遅く、無知で、頭も使えない――人類という重荷に。
そこからは早かった。人類は差別され、淘汰されていった。
残された人間は、ヒューマンコロニーを作り、AIから逃げ続けている……。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-01 00:05:19
108444文字
会話率:30%