春の終わり。
大学生活を始めた白は、偶然訪れた喫茶店で、かつての憧れの人・茜先輩と再会する。
ふたりは少しずつ距離を縮めながら、ある日、山頂のカフェへ出かけることに。
変わらないようで、少しずつ変わっていく時間。
そして思いがけず訪れた“あ
る出来事”をきっかけに、ふたりの心には小さな変化が訪れる。
季節のうつろいとともに描かれる、はじまりの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 00:20:32
5411文字
会話率:38%
赤司大牙がひとりでグラウンドの隅に立っていたのは、春の終わりの夕暮れだった。
部活が終わった放課後だった。彼はひとり黙々と壁に向かってボールを投げていた。
フォームはひどかった。軸足が流れ、リリースも甘い。投げた球はたいてい浮い
て、ガシャンと鈍い音を立ててフェンスに当たった。
――それでも、大牙は毎日投げていた。誰に褒められるわけでもなく、誰かに見せるでもなく。
「おい」
そんな彼に、ある日声をかけたのが――遠野青葉だった。
制服のスカートに、だるそうに肩を落としたカバン。耳にはいくつものピアス。ぱっと見で「関わるな」と言わんばかりの空気を纏っていた彼女が、唐突に、芝の上に座りこんだ。
「お前、それじゃ肩ぶっ壊れるぞ」
第一声がそれだった。
大牙は驚いて振り返る。誰だ、この怖そうな人は――と一瞬思ったが、彼女はすでにボールを拾い上げ、勝手に構えを指導してきた。
「リリースポイント高すぎ。そんなんじゃスライダーもまともに曲がんねえし、インハイ抜けるだろ」
「……なんでわかるんだよ」
「うちの親父、元プロだからな。……まあ、クビになってからはロクなもんじゃなかったけど」
その日からだった。
最初は半信半疑で彼女のアドバイスを受け入れ、何度かキャッチボールをするようになり――気づけば、それが日課になっていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 22:41:42
27385文字
会話率:21%
春の終わりの曇りの日のお話し。
最終更新:2025-06-14 01:22:27
2119文字
会話率:18%
春の終わり、夜の神社でひとり桜を見に来た「私」は、白いリボンをつけた少女に出会う。
静かな夜、風に舞う桜と彼女の髪。交わされる言葉の中に、どこか懐かしさが混じる。
最終更新:2025-06-11 14:22:14
2973文字
会話率:19%
物語は、都会から余市に引っ越してきた少年・結城が、明るくドタバタな櫻と穏やかで頼もしい静流、そして豪快な酉城と出会うところから始まる。春の終わりから初夏にかけて、4人は余市の果樹園や農作業を通じて絆を深めていく。
**春の始まり(3月)**
では、結城が余市に慣れずとげとげしい態度を見せる中、櫻の母親が提案したリンゴジャム作りがきっかけで仲間になる。櫻の笑顔が眩しく、静流の丁寧なサポートに助けられ、結城は少しずつ余市に馴染んでいく。リンゴジャムのチラシ撮影で、櫻の照れた表情がプリントされ、後に話題の種となる。
**初夏(5月末~6月)**に入ると、イチゴ収穫やイチゴ飴作りが始まる。櫻がイチゴを潰して騒ぐ中、結城の提案で「恋色いちご飴」が誕生。道の駅で売られたこの商品は、櫻の写真付きパッケージで注目を集め、彼女が悲鳴を上げて逃げるほどの大騒ぎに。静流はノートに出来事をまとめ、結城が余市の賑やかさを少し好きになり始める。
**桃の摘果(6月中旬)**では、静流が結城に手伝いを頼み、仲間たちで作業に励む。静流はハート型の未熟な実に自分の気持ちを重ね、結城への信頼と櫻への友情の間で葛藤を抱く。結城の心に「櫻」と「静流」の二つの実が育ちつつあるが、どちらかを選ばねばならない運命が暗示される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 10:10:00
223647文字
会話率:37%
無邪気さを振舞うことを許される、その刹那。
儚かったと、そう苦笑することしかできない程に、18の俺達にとってそれはほんの刹那の時の事だった。
青春という体のいい綺麗ごとを虚飾とし、それを隠れ蓑にすることしかできなかった俺達の、その正しさを偽
る唯一の手段には、当然の事のように期限があった。
※この作品はフィクションです。
また、本作品は、同名義(奏月脩名義にて)アルファポリス様、カクヨム様にも投稿されております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 19:34:01
3082文字
会話率:0%
あらすじ
ユルダン女学園の高校生6人がゼミ合宿で、鎌ヶ谷の梨畑に囲まれた古い宿を訪れる。
主人公の福沢裕美は、その合宿をひそかに心待ちにしていた。
それは、1学年上の憧れの先輩小笠原まきえと、久しぶりに時間を共にできるからだった。
——春
の終わり、桜の舞う校庭で差し出された手。
「スールになりましょう」と囁いたまきえの声は、遠くの鐘のように澄んでいて。
その瞬間から裕美にとって、まきえは"光"となった。
誰にも気づかれなかった裕美の小さな痛みに、まきえだけが静かに目を留めてくれた。
スール——姉妹という絆の名のもとに、ふたりの世界は優しく重なっていた。
だが、合宿2日目の朝。
まきえが姿を消した。
鍵のかかった部屋、乱れたベッド、机の上には「ユミ、ごめんね」と震える文字で書かれたメモと、腐りかけた梨の実。
まきえは自らいなくなったとされ、合宿は打ち切られる。
だが裕美は納得できなかった。
あの人が私に「ごめん」と言うわけがない。伝えたい言葉は、きっと別にあったはずだ。
裕美は、クラスメイトの島津ちはるとともに、まきえの行方を追い始める。
梨畑に伝わる“実を結ばない木”の伝説、消えた地元の少女たちの記録、夜な夜な聞こえる「見たでしょ」という声。
夢の中、白猫とともに立っていたのは——まきえに、よく似た“誰か”。
そして裕美は気づく。
この梨畑は、ただの果樹園ではない。
ここには、誰かの記憶と、声と、悔いと、祈りが根を張っている。
そして“選ばれた者”が、迎えに来る。
スールの絆は、生と死の境を越えられるのか。
裕美はもう一度、あの日と同じように手を伸ばす。
その手が掴むのが、人のぬくもりか、それとも“別の何か”かも知らずに——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 16:48:11
7211文字
会話率:21%
桜の散るころにふと浮かんだ思いを。
最終更新:2025-04-11 23:19:49
588文字
会話率:86%
春の終わり、教室の窓際で風に髪を揺らす君の横顔に、私は心を奪われた。
友達として過ごしてきた時間のなかで、気づかないふりをしていたこの想い。
でも、あの日の笑顔が、私の中で何かを変え始めていた――
それは、恋のはじまり。まだ誰にも知られたく
ない、私だけの秘密。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 07:00:00
1433文字
会話率:14%
退屈な日々を過ごしていた俺の世界は、彼女と出会った瞬間に色を変えた。
教室の片隅で静かに本を読む少女、水瀬紗月。
黒髪を揺らし、どこか遠くを見つめるその横顔に、俺はいつの間にか心を奪われていた。
一緒に過ごす時間が増えるたびに、彼女の笑顔
が俺の日常に染み込んでいく。
けれど、彼女は時折、まるで何かを惜しむような瞳をしていた。
まるで、春の終わりを知っているかのように――。
「もし、私がいなくなったら、寂しい?」
その言葉の意味を、俺は知らなかった。
知らないまま、ただ彼女に溺れていった。
やがて訪れる「春の終わり」。
残されたのは、彼女の想いが綴られた日記。
春に溺れた俺は、それでも前に進めるのか。
彼女のいた季節を抱いて、春の外へと歩き出すことができるのか。
切なくも美しい、ひとつの春の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-17 12:30:00
12924文字
会話率:36%
田之上司は二十一年ぶりに幼馴染でありプロ野球選手として一流の活躍を見せた福井雄太郎からキャッチボールに誘われる。
あまり乗り気ではないが、一緒にキャッチボールをする事になる。
プロの身体能力や技術に驚かされる中、これまで雄太郎とのキャッ
チボールを避けてきた理由を吐露して……
真冬の苦く止まったままの青春の終わりとこれからをはじめる青春と壮年期にかかる野球小説折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-07 20:45:44
5394文字
会話率:33%
かつての革命家エリクスと、彼を慕った僕らの話。――『赤色勇士』の赤は、生命の色だった。
最終更新:2024-12-29 23:04:00
1620文字
会話率:33%
私、立見結は今日高校を卒業する。
長くて短かった高校生活が終わって、私は今日、先生に告白する。
三年間、先生はいつも『卒業までは先生だから』と言って取り合ってくれなかった。
でも、もう卒業するんだから良いよね?
卒業式が終わって、
先生が来るのを待っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-26 20:10:53
991文字
会話率:33%
勉強。勉強。勉強。そして青春。
高校三年生である冬乃は、受験勉強の真っただ中にいた。
難関大を志望する彼女の日々は、受験が近づくにつれ、勉強に満たされていく。
そんな彼女には、一千奈という大切な親友がいて――。
最終更新:2024-12-07 08:03:19
13357文字
会話率:34%
林 拓海(はやし たくみ)は、幼い頃のある出来事が原因で、他人との関わりを避けてきた高校生だ。かつて友人だった者にさえ裏切られ、孤独を選んだ拓海は、勉強だけに集中し、毎年トップの成績を取るものの、誰とも深く関わらない生活を送っている。孤独こ
そが彼にとって最も安心できる存在だった。しかし、ある日、人気者の西村 海斗(にしむら かいと)に冷酷に振られた藤村 愛子(ふじむら あいこ)と出会ったことで、彼の静かな日常は一変する。ずっと他人との関わりを避けてきた拓海が、思いもよらない形でその孤独な青春を揺るがされることに…。これは、彼の孤独な青春の終わりの始まりの物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-27 00:41:16
6061文字
会話率:30%
吹奏楽部をふと辞めたいと思った浅倉智は、なんとなくズル休みをしてしまう。辞めたところで特にやりたいことのない智は、一体何をすればいいのかと自分のやりたいことが分からないでいる。
それでも青春の終わりが近づいているという焦燥感だけは日々確かに
感じている。
そんな青春真っ只中のちょっとしたお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-22 22:01:40
5720文字
会話率:26%
レイナは昏睡から目覚め、春の終わりに高校生活をスタートさせた。病室の窓際に置かれたビスクドールに目を留め、夢の中での出来事を思い出す。
彼女は、このビスクドールが何か重要な役割を持つことを直感するが、今はただの人形であるように見える。
少
女たちがドールと出会い、夢の中を駆ける。
執筆:ちゃとぴ
設定・原案:はーちゃむ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-30 04:07:47
24329文字
会話率:33%
桜は疾うに散り果てた春の終わり、先生に捨てられた私(わたくし)は自分が蝉だと知りました。
土の代わりに布団を被り、夏が来るのを待ちました。
最終更新:2024-07-30 20:14:20
849文字
会話率:3%
春の終わりのまぼろし
最終更新:2024-05-13 01:02:13
201文字
会話率:0%
サムギョプサルとは韓国料理の一つであるのは周知の通りである。これはそんな韓国料理を愛する一人の少年が池田バレルスタビライザーと呼ばれる少女を助けるお話である。
比較的暑くなってきた春の終わりを告げる4月12日。俺、ともぞは友達とナガシマス
パーランドに遊びに行っていた。
「まずはスチールドラゴンだな」
「お前まじで好きだよなそれ」
「何せ世界最長のジェットコースターだしな。スリルを長く味わえるし高さもあってこのジェットコースターの右に出るものは無いな。」
「あっふーん」
友達のたかしは基本的に話し相手のことを盛り上げる役割である。友達からは全肯定少年と呼ばれ、別にいてもいなくても変わらない奴程度にしか、ともぞは感じていなかった。
「おい、あれ見ろよ」
たかしが遠くを指さして言った。
「なんだよ...おいまさかあれって」
そこにあったのは「サムギョプサル」と書かれた韓国料理の店だった。なぜナガシマスパーランドにそんな店があるのかというと、ナガシマスパーランドの社長の親族が運営している店だからだ。本来、外部の店が出店をすることは許されないが、この店だけは特別に許されたのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-09 20:56:43
483文字
会話率:55%