政治家なんて、クソくらえだ。
俺、高遠 陸(たかとお りく)は、そう思って生きてきた。ゲーム会社で好きなゲームを創り、気の合う仲間と酒を飲む。それが俺の全てだった。親父が永田町でどんなデカい顔をしていようと、知ったことか。
――あの男が、
「心不全」というあまりに都合の良い死に方をするまでは。
親父の急死。涙も乾かぬうちに後援会に担ぎ出され、気づけば俺は、望みもしない議員バッジを胸につけていた。世間が言うところの、典型的な「ボンボン二世議員」の誕生だ。
退屈な国会、腹の探り合いばかりの派閥会合、頭を下げるのが仕事の陳情対応。永田町という名の伏魔殿で、俺は魂の抜け殻のように日々を過ごしていた。
だが、運命は、そんな俺を見逃しはしなかった。
親父の書斎で見つけた、一冊の古びたノート。そこに記されていたのは、にわかには信じがたい、巨大な陰謀の断片だった。
メディアを炎上させる、くだらない社会論争。国民がそれに気を取られている裏で、静かに、だが確実に進められる売国計画。この国の電力、通信、港湾――まさに生命線(ライフライン)とも言うべき重要インフラを、虎視眈々と狙う**アジアの大国“中国”**に売り渡そうというのだ。
そして、その計画を主導していたのは、親父の長年の盟友であり、この国の権力の中枢に座る、あの男だった。
ふざけるな。
軽い気持ちで首を突っ込んだ俺を待っていたのは、想像を絶する永田町の闇。親父の死は、ただの病死などではない。この国を売ろうとする裏切り者たちに、消されたんだ!
これは、単なる汚職事件じゃない。
この国の根幹を揺るがす、まごうことなき『国家反逆罪』だ。
気づいてしまった以上、もう引き返せない。見て見ぬふりなど、できるはずがない。
ボンボン? 親の七光り? 上等だ。
連中が俺をそうやって侮っているうちに、こっちは牙を研いでおいてやる。
これは、世間知らずのボンボンが、亡き父が遺したたった一つの「情報」を武器に、この国のど真ん中に巣食う裏切り者たちに戦いを挑んだ、その全記録である折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:00:00
101855文字
会話率:36%
その旅の果てに、我らは光を手にするだろう。
星の海に漂う一つの惑星・フィアト。その星は、光に恵まれなかった。
星に住まう人々は土地と資源ーーー特に文明を支える光を巡り絶えず争いながらも文明を発展させていった。幾度となく繰り返された
争いの果てに人々から熱は失われ、星を照らす恒星からも光が失われた。
空から前触れなく訪れる災害と闇に閉ざされた星を覆う堅氷。天に浮かぶ抜け殻と化した恒星と輝かない星々。
人々が繁栄を謳歌していた様は見る影もない、多くの生命が失われ、残されたモノたちは苦しみから逃れるように息を潜めて生きていた。
そんな世界で目覚めた自分が誰なのか、いつからここにいるのかもわからない名無しの少女・ハクシ。彼女にあるのはいつのまにか握っていたカンテラだけ。
彼女はこの世界で何を感じ、何を想い、何を得て何を残し、何をもたらすのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 23:46:47
2160文字
会話率:18%
ある日、魔王を倒した勇者が身動き一つ取れなくなった。
死んでいるわけではなさそうだ。
最終更新:2025-07-01 07:13:13
499文字
会話率:39%
侯爵令嬢アマ―リアは母の死をきっかけに、家を追い出されることになる。
恐ろしい目にあった彼女は、精神的ショックから抜け殻となり、アマ―リアの中にいた魂を呼び起こす。そして、自分がとある恋愛RPGの悪役令嬢であったことに気が付いた。しかし、気
が付いたその時には舞台から強制させられていたのである。
その後、優しい養父母に拾われた彼女は『レオノア』と名を変えて生きることになった彼女が辿る数奇な運命とは……。
☆ほぼ同一タイトルで書いたもののセルフリメイクバージョンです。
☆独自の世界観で書いています。細かいところは気にせず読んでいただけると助かります。
☆以前書いた時とは主人公の性格やら時系列やらが若干異なります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 06:00:00
242612文字
会話率:40%
フリーズドライした野菜が腐っている。
台所でこっそり始まる、季節と感情の“うにゃうにゃ”共鳴。
飽きて、空いて、そして秋。
やる気の抜け殻たちが、台所で静かに揺れながら、意味のない共鳴を繰り返す。
そんな詩です。うにゃうにゃ。
最終更新:2025-06-24 12:43:43
457文字
会話率:0%
夢を追っていた元地下アイドル・咲。
燃え尽きた日々を過ごしていた彼女は、ある夜、公園で壊れたキーホルダーと不思議な少年・悠人に出会う。
彼はゴミではなく「夢のカケラ」を拾い集めていた。
その言葉に、忘れていた情熱と過去の自分が、少しずつ蘇
っていく。
拾ったのは、想い出の抜け殻。
だけどそこには、まだ“誰かの物語”が残っていた──
夢を失った大人たちと、夢を拾う少年が織りなす、再生と希望の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 10:26:16
1166文字
会話率:24%
小学生の頃、龍(りゅう)は同級生の沙耶(さや)と「大人になったら結婚しよう」と約束を交わした。
草の指輪で交わしたその言葉は、彼にとって“未来そのもの”だった。
だが、小学6年の冬。
沙耶は病に倒れ、静かにこの世を去る。
最期まで笑っ
ていた沙耶の姿が、龍の胸に深く突き刺さり、彼は心の色を失った。
それからの3年間、龍はまるで抜け殻のように過ごす。
誰とも深く関わらず、ただ時間に身を任せるように生きてきた。
──そんな彼が、高校の入学式で出会ったひとりの少女。
風に揺れる髪、どこか懐かしい面影、そして沈黙の中に宿る強さ。
彼女・柚希(ゆずき)との出会いが、止まっていた龍の心を、少しずつ動かしていく。
過去を乗り越えるとは、忘れることじゃない。
思い出を胸に抱いたまま、“今を生きること”。
そう気づいたとき、龍はもう一度、愛を信じる勇気を手にしようとしていた――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 11:27:38
2198文字
会話率:19%
どこにでもありそうな普通の恋愛だけど、そのひとつひとつが全て尊くて愛おしいものであると思います。
キーワード:
最終更新:2025-06-04 13:30:54
1612文字
会話率:36%
かつて神とは、人々の信仰を糧として神器に宿る、“情報生命体”の一種であった。 しかし文明の開花と科学の発展により、次第に信仰は薄れ、やがて神々は“壊死”した。 主を失った神器は、概念と力のみを残し、神という存在の抜け殻を蓄えたまま、静かに
朽ちていく――はずだった。 だが、かつて深く信仰されていた神器ほど、強大な“信仰エネルギーの残滓”が宿っていた。 それは何者かの手によって黒い「神因子」として外部へと流出し、やがて人間に触れる。 神因子に触れた者の内側に、かつての神が宿り始める。それは信仰ではなく、“侵蝕”であった。 人々は心の内――《心界》に神の鱗片を育て、自我も身体も、神と共に蝕まれていく。 やがて言葉を失い、名を失い、意志を失って、“影虫”と化し崩れ落ちる。 それが、奇病――《神喰症候群》である折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 20:41:21
5624文字
会話率:30%
いきなり訳も分からず。目が覚めると草原だった。どうやら異世界らしい世界で全知全能機構とともに生きることになるのだが、無事に生きていけるのだろうか?
最終更新:2025-05-16 18:44:17
66233文字
会話率:20%
飄々とした中年のおっさんが主人公のニッチなお話。
とある巨大な悪の組織に所属する三十路にして一般戦闘員の尾方巻彦であったが、
ある日、何者かの手によって所属していた組織が壊滅してしまう。
一人生き残った尾方は、塞ぎこみ、抜け殻のような生活
を続けていた。ところがある日、所属していた組織のボスの孫娘を名乗る少女が乗り込んできて―――――
※初投稿です。生暖かい目で見守りください。まだまだ勉強中、忌憚なきご意見募集中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 19:24:57
397020文字
会話率:38%
終末を迎えた灰色の世界。人々は希望を失い、ただ日々をやり過ごすだけの抜け殻のような存在となっていた。そんな絶望の街の片隅に、夜ごと現れる謎のサーカスがあった…
最終更新:2025-04-26 09:32:46
952文字
会話率:10%
法の整備もない昭和に生まれ、虐待、いじめ、宗教的洗脳、母子二代で奴隷扱いされ、お金の無心をされ、自由を奪われ夢も希望もなく、ただただ息子の幸せだけを願い必死に生きていた私の半生の記録です。
最終更新:2025-04-10 19:49:29
135856文字
会話率:9%
「もう誰にも見えない君を、俺はまだ見ている。」
誰かを救うことは、ただ「そばにいること」だと信じていた。
転校を繰り返し、孤独と無理解にまみれた少年・牧原秋は、
暗い影を抱える少女・結城澄香と出会う。
「あなたは、わたしのヒーローだよ
」
たったその一言が、彼の人生をすべて変えた。
少女を守ることが、彼のすべてになった。
けれど世界は、あまりにも無力な“善意”に冷たく、
そして残酷だった。
それでも彼は信じ続ける。
抜け殻の中に、彼女は生きていると。
――これは、救えなかった少年が、救おうとし続けた話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 02:24:52
7857文字
会話率:10%
塩化ビニルモノマーで出来た怪獣。近在の浜辺で拾った犬の下顎骨。
セミの抜け殻。それと対となるように集められるたくさんの虫の亡骸。
到底八歳の少女が好まぬようはそれらを愛でる彼女は、いつもいつだってそれだけで満ち足りているように見える。
さりとて『|ギフテッド《神からの贈り物》』を生まれ付き得てしまった彼女の孤独感は誰にも分からない。
彼女に興味のない父。彼女に関心を持たぬ母。如何にも相容れぬクラスメイトたち。
そんなひとりぼっちの彼女を。どうしても惹き付けてやまぬモノがいる。
彼女はそのモノを見付けてから、恋心と云うものを知らずして、尚、そのモノに恋をしていた。そう、近在の邸宅に設えられた一体の異形なる石像に。
彼女のように逸脱するものはただ弾かれ、『いじめ』と呼ばわれる暴言や暴力を受ける。そうして彼女、いやさ小夜子と云う名の少女に転機が訪れる。
ある日石像へと歩み寄り、二人だけの密約を交わしたその夜、小夜子に夢にまで見た使者が訪れて、彼女の未だ小さな体へと手を添わせ、小夜子をまるで冷たく、しかし何故か温度を感じさせぬ世界へと誘《いざな》わせる。
「助けるから、助けてと云ったろう?」
そのモノはそう発して、小夜子を今まで感じたことのない世界へと攫って行く。 待っていたのは何処までも青い洞に据え置かれた石くれと石礫ばかりの静謐な世界。
彼は云う。「この世界は美しい世界であった」と。そうしてそれを小夜子に取り戻してもらいたいと。
果たして小さな小夜子に彼らの地を取り戻すことは出来るのであろうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 21:56:42
172334文字
会話率:26%
これが愛でも恋でも、そんなんじゃない全然くだらないものでも、私は胸に刻んで死んでいく。
最終更新:2025-02-27 15:30:00
9530文字
会話率:12%
竜のような紋章が身に刻まれ、魔術という超常的なチカラを扱える〈竜紋人〉という人種がいた。
みずからを優れた人種と考えた竜紋人たちはグレイゲル王国を興し、普通の人間が治めるその他諸国を支配しようとした。その他諸国は連合軍を組織し、抗うが、その
圧倒的な力になすすべもなく蹂躙される。
まったく勝機が見出せず、降伏も余儀なくされたとき、人間は神から〈奇蹟〉というチカラを授かった。その奇跡によって連合軍は戦況を覆し、ついには勝利を手にしたのだった。
終戦から一年が経つ。
グリフィス共和国の都市エイブラムに、ブドウジャム屋を営む少年エリオットがいた。
エリオットは戦争時、竜紋人に妹のイヴを殺されていた。イヴの死で抜け殻となってしまったエリオットは、無気力に日々を過ごしていた。
そんなエリオットがブドウジャムを保管している地下倉庫にある夜、何者かが忍び込む。
その者は、ミアという少女だった。
ミアは、死んだイヴと驚くほどに顔がそっくりだった。
※「カクヨム」にも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 18:06:02
88024文字
会話率:32%
林シュウエンは皇龍連邦の城壁に立ち、足元で咆哮する妖獣の群れを見下ろしながら、腕に浮かぶ三つの霊気の渦を蒼き光輪へと変えた。測定器が「黄級九階」と表示した時、彼の精神世界で丸まっていた雪霊蛇が龍の瞳を開いたことに誰も気づかなかった。
「こ
れが人類最強の力か?」クレイ連邦から届いた降伏勧告書を踏み潰すと、背後にある虚空の裂け目から九尾火狐の鋭い爪が現れた。六連邦の連合軍が百里先で集結しているというのに、彼の妖獣たちは最後の妖核を誰が食べるかで喧嘩していた。
この世界は知らない──
ノーザ砂漠が禁術で人造妖王を作り出した時、彼が道端で拾った傷ついた小蛇が、一振りで機甲軍団全体を海底に沈めたことを。
デノス連邦が霊媒師を獣使いより劣ると嘲笑した時、彼が三つの渦を逆転させて造り出した神殺しの槍が、白濤連邦の護国巨鯨を氷崖に串刺しにしたことを。
そして最も皮肉なのは──
六連邦が血眼で争う「霊力コア」が、実は雪霊蛇の抜け殻に過ぎないことを。
「人間と妖獣の戦争?」紫薇連邦の交渉団を見やりながら、林シュウエンは肩で霜を吐く雪霊蛇を撫でた。「心配すべきは…」
空間を引き裂く手振りと共に、九頭の妖獣の幻影が背後に現れた。
銀鱗蛟龍が皇龍連邦の誇る龍脈結界を粉砕し、
玄甲地犀がデノス連邦の不落を謳う砂塵要塞を蹂躙する。
そして常にペットと間違われる雪霊蛇は、額の龍紋を輝かせて戦場の妖獣たちを次々と懐柔していく!
連邦上層部は絶対に認めまい──
この「人類反逆者」が妖獣契約紋で彼らの霊力ネットワークを逆侵食していることを。
この「黄級の落伍者」が三霊気渦覚醒時から玄級妖獣を素手で握り潰せたことを。
そして最も致命的なのは──
衛星で追跡中の「妖獣女帝」が今、林シュウエンの寮で滅世龍炎を使って焼き芋を作っていることを!
「追殺令か?」六連邦の秘法が刻まれた霊気の翼を広げながら、林シュウエンは笑った。雪霊蛇が氷晶の剣となって掌に収まる。
剣先が指す先で、クレイ連邦の浮遊島が龍の咆哮と共に崩壊する。
「教えておくが──」ノーザ最強の体術師の残骸を踏み台に浮上しながら、彼は宣言した。「妖獣契約紋を精神空間に刻んだ瞬間から…」
「この戦争の名前は『俺の契約獣征服計画』に変わるべきだったんだ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-03 16:10:22
2502文字
会話率:21%
ある辺境に住む"ハッピー姫さま"と、クール執事の日常のお話。
姫さまが髪をのばす決心をするまでの、ミニストーリーです。
恋愛成分はほんのちょっと香るくらいしかないです。
つたない文章ですが、2人のほのぼのエピソードを
読んでほんわかを感じてくださると嬉しいです。
初投稿につき、ある程度はご容赦ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-28 21:52:15
1889文字
会話率:20%
勉強も運動もしっくり来ない。夏休みの通知表は最悪。そんな僕と友人のボブはひょんなことでセミの幼虫探しに出かけることになって...?
これは、「希望」を実感した、ひと夏の記憶の話。
最終更新:2025-01-09 22:22:26
6360文字
会話率:66%