塩化ビニルモノマーで出来た怪獣。近在の浜辺で拾った犬の下顎骨。
セミの抜け殻。それと対となるように集められるたくさんの虫の亡骸。
到底八歳の少女が好まぬようはそれらを愛でる彼女は、いつもいつだってそれだけで満ち足りているように見える。
さりとて『|ギフテッド《神からの贈り物》』を生まれ付き得てしまった彼女の孤独感は誰にも分からない。
彼女に興味のない父。彼女に関心を持たぬ母。如何にも相容れぬクラスメイトたち。
そんなひとりぼっちの彼女を。どうしても惹き付けてやまぬモノがいる。
彼女はそのモノを見付けてから、恋心と云うものを知らずして、尚、そのモノに恋をしていた。そう、近在の邸宅に設えられた一体の異形なる石像に。
彼女のように逸脱するものはただ弾かれ、『いじめ』と呼ばわれる暴言や暴力を受ける。そうして彼女、いやさ小夜子と云う名の少女に転機が訪れる。
ある日石像へと歩み寄り、二人だけの密約を交わしたその夜、小夜子に夢にまで見た使者が訪れて、彼女の未だ小さな体へと手を添わせ、小夜子をまるで冷たく、しかし何故か温度を感じさせぬ世界へと誘《いざな》わせる。
「助けるから、助けてと云ったろう?」
そのモノはそう発して、小夜子を今まで感じたことのない世界へと攫って行く。 待っていたのは何処までも青い洞に据え置かれた石くれと石礫ばかりの静謐な世界。
彼は云う。「この世界は美しい世界であった」と。そうしてそれを小夜子に取り戻してもらいたいと。
果たして小さな小夜子に彼らの地を取り戻すことは出来るのであろうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 21:56:42
172334文字
会話率:26%
ある辺境に住む"ハッピー姫さま"と、クール執事の日常のお話。
姫さまが髪をのばす決心をするまでの、ミニストーリーです。
恋愛成分はほんのちょっと香るくらいしかないです。
つたない文章ですが、2人のほのぼのエピソードを
読んでほんわかを感じてくださると嬉しいです。
初投稿につき、ある程度はご容赦ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-28 21:52:15
1889文字
会話率:20%
勉強も運動もしっくり来ない。夏休みの通知表は最悪。そんな僕と友人のボブはひょんなことでセミの幼虫探しに出かけることになって...?
これは、「希望」を実感した、ひと夏の記憶の話。
最終更新:2025-01-09 22:22:26
6360文字
会話率:66%
殻つなぎの樹。
その樹には夏になると、セミの抜け殻が集まる。
それこそ数珠つなぎのように、すき間を惜しんでつながる形で。
最終更新:2021-11-20 23:49:46
2378文字
会話率:0%
その年は、記録的な冷夏。
子供だった私は、それでも夏の勲章たるセミの抜け殻を探し、近所の山の中へ分け入った。
頂上付近を目指す私だが、その日はいつもより、頂が遠い気がする。
そこで出会ったものは……。
最終更新:2021-03-01 23:00:00
2745文字
会話率:0%
かつて、セミの抜け殻集めが夏の勲章と思っていた、年ごろのこと。
私の友達に、玉虫色に輝く抜け殻を持ってきた奴がいたんだ。
これまで数や大きさを競ってきた中で、この乱入は印象的。
どうやってこのようなものをこしらえたのか、友達に尋ねてみたと
ころ……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-16 23:00:00
2616文字
会話率:3%
今朝、セミの抜け殻が垣根の中頃につかまっていたので、それを文章にしてみました。それが僕にとって必要ことだというような気がしたから。
最終更新:2021-07-08 23:07:47
1632文字
会話率:9%
廃墟にセミの声が響く。。
この作品はショートショートガーデンに投稿済みです。
https://short-short.garden/S-uCTpCV
最終更新:2021-06-12 21:34:44
281文字
会話率:0%
ある宇宙船で起こったプリンアラモードをめぐる出来事。彼女は、無事プリンアラモードを手にすることができるのだろうか!?
この作品は「テツのプリンアラモード」「時計」「セミの抜け殻」をテーマにのんびりとダラダラ書いた処女作です。どうぞお手柔らか
に。(ペコリ)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-03 16:00:00
4074文字
会話率:48%
セミの抜け殻の中に中身が。切ないセミの物語です。
最終更新:2013-08-15 19:43:14
256文字
会話率:0%
とっても微妙な顔をした”ふやけたお麩人形”とかいうシロモノ。
最終更新:2011-07-30 23:28:07
1087文字
会話率:32%