歩く死体、ゾンビ、アンデッド――様々な創作で描かれてきたそれらは、もはや想像の産物ではなくなった。
地球温暖化が進み、日本から四季が失われるという異変の中、竜也、美優、勝治にとってはごくありふれた日常が続いていた。しかし、華やかな卒業式の
日にその日常は崩れ始める。
後悔、憎悪、悲しみが渦巻き、恐怖に支配されたこの世界で、彼らは希望を掴み取ることができるのか。
これは、ぼくたちの黙示録である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-04 02:07:36
80852文字
会話率:38%
紫煙と外連味と一抹の寂寥感漂うレトロフューチャー風味スペースオペラ百合
かつて栄華を誇ったが国力の衰退著しいある国の国策企業による、安全性を黙殺した『圧縮恒星炉』開発が失敗した結果、その国民と国土の大半を吹き飛ばす事故を起こしただけでな
く、その残骸の膨大な熱量によって超々地球温暖化を招き、陸地の7割を海に沈めてしまう、という大惨事を起こしたことによって、人類は否応なく宇宙進出を果たさざるを得なくなり、衛星軌道上には大小様々なスペースコロニーがいくつも点在している新たな時代を迎えていた未来の太陽系。
系内の各地に潜む賞金首の犯罪者を追って宙を飛び回る賞金稼ぎを生業とする、通称『ロウニン』と呼ばれる人々の一員で、ぶっきらぼうな一匹狼の女性・ザクロは、根城にしている人口の約半数を同業者が占めるスペースコロニーの格納庫にて、どこからか逃亡して忍び込んだとおぼしき、常にオドオドしている様子を見せる若い女性・ヨルと遭遇する。
どこか不思議と惹かれる雰囲気を纏う彼女と関わる内に、ザクロはヨルの抱える事情に首を突っ込む事になり――。
※未成年者喫煙は法律で禁止されています。たばこは二十歳になってから。正しいマナーと節度を持って吸いましょう。
※この小説はフィクションであり、実際の出来事や個人名、団体名とは異なります。また、作中の描写には差別や受動喫煙等を肯定する意図はありません。
※無断転載お断り
カクヨムでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 20:00:00
320114文字
会話率:67%
西暦2153年のニホン。地球温暖化の臨界点を超え、度重なる災害により環境や社会のあり方が大きく変化した後の世界。ニホンでは各地に散らばる共同体単位で社会を築いていた。主人公の雨宮有菊(あまみやあきく)は、親との関係がうまくいかず、生まれてか
ら16歳まで過ごしてきた共同体を離れ、祖父母の住む町へ移り住むことになった。しかし、引越しの直前に祖父母は行方不明になったと連絡をうける。それでも親と離れる決意は固く、単身で祖父母の住んでいた町へ向かうが、なぜか次々とイレギュラーなことが起き、有菊を取り巻く環境が変化していく。それらはやがて、一つの大きな出来事へと発展していき……。
※現在の世界がモデルになっていますが、現実の国家、民族、宗教、団体等は一切関係ありません。
※科学的な表現は創作ですので、ご了承ください。
※不定期更新ですが週一回以上の更新を目標にしています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-23 12:09:31
411607文字
会話率:43%
俺の趣味は釣り、だから大金を得た後は釣り三昧の生活を続けている。
なろうラジオ大賞6参加作品です。
最終更新:2024-12-19 13:00:00
527文字
会話率:0%
人類は人間そっくりなアンドロイドを開発し、気候変動で過酷な夏の作業をアンドロイドにやらせていたのだが……。
コロン様主催企画「菊池祭り」参加作品です。
最終更新:2024-08-02 13:00:00
931文字
会話率:5%
地球温暖化で無くなりかけている氷河を写真に収めたいと、恋人を連れて真冬の南米に来た。
しいな ここみ様主催企画「砂糖菓子みたいなラヴ・ストーリー企画」参加作品です。
連載の「生存者」の「異国にて」を加筆修正した作品です。
企画に参加し
ておきながら何だが、此れ甘々か? 全く自信が無い……です。
先に謝っておきます、ゴメンナサイ。
m(_ _)m
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-21 13:00:00
1693文字
会話率:32%
大テーマ
現実と仮想にまたがる、新しい世界と新しい人間関係の模索と創造
あらすじ
小説を愛する高校生八人が、国策プロジェクトに巻き込まれ「物語を通じて世界を創っていく」お話。
日本政府は、地球温暖化対策の切り札として、生産・消費活動を抑
えるために『仮想世界の創造と移住』を計画している。その世界をデザインを任されたのは、小説コンクールのファイナリストとなった八人の高校生たち。彼ら彼女らは那須にある政府の研修センターの合宿所にて『新世界の創造』に取り組む。
ヒロインは、グランプリ受賞者城崎瞑(きのさきめい)。彼女には一緒に生まれてこれなかった双子の姉、城崎舞(きのさきまい)がいて、瞑はこのプロジェクトを利用してバーチャルの世界に舞を蘇らそうとしている。
語り手は順グランプリの湯沢誠。瞑とパートナーを組んで新世界をデザインしながら、舞の探索と復活に協力する。
七日間の合宿で、構築されつつある仮想世界を巡り、瞑と誠は、舞と出会うが彼女はこの世界で生きていくことを拒む。
①果たして、瞑と舞はともに仮想世界で生き、理解しあうことはできるのか?
②人間とAIで創造されたノン・プレイヤー・キャラクター(NPC)ははたして心を通わすことができるのか?
③新世界を創り出し、生産活動から精神活動へのパラダイムシフトを引き起こすことができるのか?
この物語では、この三つの問いに対する答えを探し求め、これらを実現する新しい世界観を提示します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-03 21:10:00
176423文字
会話率:44%
平和と繁栄の女神が挑む、人類最大のミッション
万物と生命の創造神ガイアの命を受け、女神エイレネと3人の神々――自然を守る月の女神ディアナ、希望の女神へと生まれ変わったパンドラ、知恵と技術を象徴するプロメテウス――が、人類と共に挑む壮大な冒険
!
2035年までに地球温暖化を阻止し、地球政府を樹立する。
この大胆不敵なミッションに、彼らはかつてない知恵と戦略で挑む。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-01 21:38:05
1537文字
会話率:8%
地球温暖化の現状を踏まえて、イケザワミマリス氏が小説として『おやすみ、エイレネ! 神々と温暖化阻止と地球政府樹立に挑む!』を作成しました。
AI:ChatGPTを用いてIPCCの予測から現状と今後の課題を整理しました。
最終更新:2024-11-29 10:26:39
10840文字
会話率:48%
2025年現在の地球において、ギリシャ神話の神々が地球温暖化の阻止や地球政府の樹立に挑むという壮大なテーマです。
主人公 エイレネは、ギリシャ神話の「平和と繁栄の女神」です。神々と協力してこの難題に挑みます。この小説は彼女の成長物語であり、
読者の皆様と一緒に彼女が成長していく過程を追っていくことになります。
主な登場人物 パンドラ。エイレネの友人、パンドラの箱を開けてしまったほど好奇心が旺盛、ギリシャ神話では人類初の女性。この物語では箱を開けたことを後悔して悲しんでいたパンドラをゼウスが憐れんで希望の女神にしたという設定です。
ディアナ。エイレネやパンドラのお姉さんみたいな存在、ディアナは「月の女神」、後世ではダイアナの方が一般的、本人の希望でディアナのままにしています。狩猟と自然と女性の守護神、楽観的で大胆、美しくて野性味がある素敵な女性。
プロメテウス。かれは人類に火を与えた人間想いの協調的で博愛精神にあふれる筋肉質のカッコいい男性。エイレネたちと行動を共にする。
この4人が、万物の創造神であるガイアから2035年までに、地球の温暖化を阻止するようにという使命を授けられる。大変な問題に取り組むために一から勉強を始めます。人間とは何か、地球規模の問題群とは何か、それを理解するための学問や解決するための手法まで、短期間で学びます。
その成果をもとに温暖化だけを防止しようとしても全人類の協力は得られないということに気づき、地球政府の樹立が必要だと決意を固めます。
予知能力のあるガイアが人類の未来を預言した結果、地球政府はもっと早く作らなければならないという緊急事態に直面。思わぬ助っ人が登場し、エイレネたちはこれまでの勉強の成果を生かして一気にクライマックスへ!
果たして、温暖化は阻止できるのか、地球政府は樹立できるのか、一緒に学んで、考えて、挑戦してみてください。
なお、この作品は、ほぼ完全にChatGPTのAIに指示して小説化した作品です。愛一部までは、ChatGPTに依頼した内容を各節ごとに■で書き、ChatGPTが作成した小説は★以降に書いています。指示の内容がAIでどのようにストーリー化されるのか、そのことも読みどころの一つにしています。どうぞ、お楽しみください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-30 09:08:25
68889文字
会話率:45%
地球上のあらゆる問題に気づいてもらいたい。その為には発信力を上げるべきだ。その手段として、ある若者がアイドルグループ(STE)を作った。ボランティア活動、激しい歌とダンス。度肝を抜く彼らの手法は瞬く間に世界を席巻する。しかし、それを快く思
わないあるグループがSTEを誘拐してしまう。誘拐されたSTEは逃げられるのか。
地球温暖化、海洋プラスティック問題、核兵器廃絶、アメリカの銃規制。様々な地球規模の問題に立ち向かう彼ら。日本政府やアメリカ社会も巻き込んで大立ち回り。果たして、彼らは生き残れるのか。
メンバー内の恋愛も織り交ぜ、難しい問題をスパッと解決する究極のエンターテインメント!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 15:26:22
117300文字
会話率:52%
日本だけでなく、世界中で今までにない規模の洪水被害が発生しています。これは偶然ではありません。インドネシアの首都ジャカルタでは、将来首都が水没します。地球温暖化は、海水面上昇、海水温上昇、酷暑や熱波、大干ばつ、森林大火災等、洪水以外の被害を
もたらしています。20年後、30年後にもっと真剣に取り組んでおけばよかったと後悔する事になるでしょう。温暖化進行は想定より早く、世界の取り組み(解決策)は想定より遅いです。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-04 19:06:11
4185文字
会話率:0%
地球温暖化で熱帯サイズとして生き残るのか
キーワード:
最終更新:2024-08-29 10:13:05
1172文字
会話率:0%
地球温暖化の影響で自然は枯れ人類の人工も減りつつあった。
当時政府は事態に焦り極秘で開発していた装置、地球冷却装置を使ってしまった。その結果地球温暖化は解消されたものの、地球寒冷化が始まり人類は四人にまで減ってしまったのだ。
その四人こ
そが今の世界を創った最初の騎士、規律を司る騎士「オーダーエレン」自由を司る騎士「リバティファンド」公平を司る騎士「フェリナス」幸福を司る騎士「ユーフォリア」だったのである。
現代、騎士に憧れるひとりの少女がいた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-18 16:27:19
651文字
会話率:0%
地球は、地球温暖化により自然・海洋生物・地上動物は消え掛けていて、この世のすべての国の食料自給率は一気に下がりとてもまずい状況だった。
そんなこともあり、国民は地球が使えなくなるなど色々うわさをしていた、そこにNASUから
「えー、我々NA
SUの研究により地球は来年にはその他生物などは消え、地球はつかえなくなるでしょう」
と、発表され世界中が驚き慌てていた。
あやしい15年間宇宙の研究をしている2つの調査機関…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-15 16:57:38
3989文字
会話率:35%
地球は地球温暖化で、使えなくなった。
そこで、人類は他の星に移住しようとしたらレッドベースという敵に襲われてしまい星はもうほぼすべて使えなくなった!
唯一残されたのは、敵がまだ知らない人口地球に人類は移住したが、敵が気がつきはじめた。
だが
、そんな危機にグレートベースという反レッドベース組織として活動する組織が現れた!
グレートベースの目的は、敵もまだ研究していない「ブラックホール」を目に付けブラックホールを探っている!
逆にレッドベースの目的は宇宙のすべての星・銀河系を支配し、すべてを自分の物にしようとしている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-30 17:05:47
4509文字
会話率:75%
ある所に、さみしい漁村がありました。
寒くて、寒くて、貧しくて……。
村人たちは とってもツライ想いをしておりました。
そんな村人たちが、救われる おはなし……。
最終更新:2024-08-01 19:20:47
737文字
会話率:0%
地球温暖化が深刻化して、四季も夏と冬だけになった日本で、海底に学校を建てる夢物語を実現させた人がいた。
「ねぇ、魚と会話できるって言ったら君は笑うかい?」
海原学園に通う兄からの手紙が来なくなった理由を知りに、同じく通う事になった光
太郎(こうたろう)は入学式の前、絶滅した筈のシファクティヌスと遭遇し────
数年前に別名義でとあるメモでお流れになった企画ものが原型。自分が考えたキャラしか登場しませんので覚えている方はご安心下さい。
魚に詳しい人に監修して貰えれば化ける筈だけどそんな機会ないのでファンタジーを受け入れられない人は逃げて下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-27 17:45:51
1295文字
会話率:45%
地球温暖化とプラスチック汚染の対策がうまくいかなかった今から100年後の世界で、一種のディストピア。
第1話は、海洋プラスチックごみを処理する国連施設が舞台で、何者かが遺伝子操作で作ったと思われるプラスチックを食べる生き物が見つかるという話
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-26 21:00:00
50956文字
会話率:2%
夏の素敵な過ごし方って、
今はどんなふうなんでしょうかねー。
最終更新:2024-07-21 07:05:36
678文字
会話率:0%
信長は天下布武の野望を達成することなく、光秀の謀反によって早すぎる生涯を閉じてしまった。
長年、信長の成長と天下統一を見守ってきた熱田大神は信長を、より強力なハイパー信長として転生させることにする。
しかし、天下人として転生するために
は、修業のため一度女性として生まれ変わり、いくつかの欠点を克服しなければならない。
短気なところ、言葉足らずなところ、人の失敗や欠点に容赦がなさすぎるところなどを熱田大神に指摘され、天下人信長として生まれ変わる、一つ手前の人生を女子高生として生きることになる。
『鳴かぬなら 殺してしまえ 時鳥』を封印し『鳴かぬなら 自分で鳴こう 時鳥』の人生を熱田大神に指示される。
しかし、転生した戦国武将は信長だけではなかった。
また、転生した日本は令和の時代を迎えていたが、微妙に、読者が生きている令和の日本とは異なっていた。
果たして、信長は女子高生として令和の時代を生きて、さらに次の転生で、ハイパー信長としてさらなる転生が果たせるのだろうか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-10 11:47:52
350732文字
会話率:53%
2152年 22世紀 世界にネコ型ロボットは現れておらず、世界の終りの予兆なように度重
なる地震といった自然災害や地球温暖化や環境汚染といった環境問題が起きていた。
世界はこの事態を重く受け止めていた。そこで、世界は争っている暇はないと考え
一つに
なろうとしていた。
しかし、そんな日に問題が起きた、世界各地の様々な場所にいきなり街や海には大陸が突
然現れた。その影響で津波や地震といった災害も起きた。その突然現れた大陸や街には俗
にいう異世界人がいた。
異世界人の文明こそ中世のヨーロッパという感じで、現代の私たちよりも進んでいない感
じではあるが、魔法によることが進んでいた。
最初の10年ほどはお互いに色々と仲良くなろうとし、魔力についての研究もしていたが、
異世界人には魔力の少ない人を蔑む分化があり、現代の人たちには魔力がなくその対象と
なっており、徐々に亀裂が入り始め、2167年の魔法による世界の要人の集まる集会の攻撃
により戦争が始まった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-05-29 22:17:44
311421文字
会話率:29%
今あるこの地球は、小さな惑星が合体を繰り返した事により。
何十億年もかけて出来上がったと言われている。
しかし、古来からある世界の神話などでは、神様がこの世を作ったっとも、闇の世界かから光の世界が生まれたとも言われる。
また、あるネ
イティブアメリカンの部族に残る予言では、人類はこれまで4度にわたって高度な文明を築き上げ、そのうち3度はバランスを失って天変地異で滅び、今まさに4度目の大切な分岐に差し掛かっているという。
そんな始まりも定かではない不思議な地球。。
その上で生きている自分は一体何者なのだろう。
どこから来てどこに向かって行くのだろう。。
なぜここに居るのだろう。
。。。
想像しいて欲しい。
雄大な海に浮かぶ美しい夕焼け空。
暗闇の中輝く満点の星。
広大な大地の上を一面咲き乱れる色とりどりの花畑
大きな月が照らす藍色の草原。
こんなにも美しく、本当に素晴らしい世界。
なぜ。
こんな素晴らしい景色があるのだろう?
美しい、しかし、その反面、自然や人までも私たちに牙を剥いている。
身近では海水温上昇による地球温暖化や、大森林の大炎上、未知のウイルスによる大量死、地震による大津波の発生、巨大なストームによる町の崩壊。。
今、自然災害や人為災害が多発しさらには、大多数の行方不明者、この日本だけでも1年間で8万人以上にものぼる、この消えた人たちは一体どこへ?
もし、、
もし、この美しい世界が本当に些細なバランスの中で成り立っていたのだとすれば。
もし、その些細なバランスが崩れ始めてしまったら。
このままでいいのだろうか?
あなたの側にある大切な人を、大切な物を、大切な景色を、守ったら良いのだろう。。
過去 未来 異世界 バランスを崩し崩壊に向かい世界の中で必死に戦う彼らの話。
バランスを崩した止める事ができず、世界は終わりを迎えるのだろうか。。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-15 09:35:12
824256文字
会話率:26%
人類の生活圏全体の地表は、アスファルトに似た質感の濃い銀色で覆われていた。
遥か未来の地球で、人々は植物を人体に有害と断じ、拒絶していた。むろん、それには理由がある。また遥か昔、ある日突如として植物たちが毒素を出し始めたのだ。嘔吐。高熱
。失明。脳の萎縮。あらゆる不調の原因が身の回りまた遠くの山々にある植物たちと気づくまで、多くの犠牲と怨嗟の声を生んだ。
ゆえにその原因が植物だと分かった時、当時の権力者たちは地表を覆い、閉じ込め、死滅させることを決定した。
地球温暖化が原因だったのか、人類の好き勝手な振る舞いを自然は咎めたのか。木や雑草、花などの自然界で生きる植物たちが突然、人類に反旗を翻したその理由までは解明できず、人類は罪の意識を抱いたが、蓋をすることを選ぶしかなかった。
野菜など人工的に育てられたものは人体に害を及ぼすことはなかった。よって、それ以外の地表、人類の生活圏をコンクリートで覆いつくし、他の地域は薬剤の散布、兵器による焼却、また環境変動の後押しにより地球が海と荒野の惑星になった頃には、植物の本来の役割である酸素の放出、大気汚染物質の吸収などは発展を遂げた科学技術で補えた。尤も、植物を餌とする動物や昆虫の死滅は避けられなかったが。
恒久的な平和が齎され、各家庭には毎月まとめて配給食が届けられた。あくせく働かずとも一応は暮らせる豊かな生活により人々が心に余裕を取り戻すと、これまで嫌悪されてきた植物も人工物ではあるが町に色を添えるようになった。青い芝生に青い葉の木々。それらは文字通り青色だが、かつて自然界に存在した植物たちを忘れ、埃塗れの文献から再現した人々の勘違いではなく、あくまで意図的であった。
紫の桜。虹色の花。元にない色で蘇らせるそれらは人類が植物に勝利したことの証。支配の象徴であった。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-05-13 11:00:00
6954文字
会話率:20%
あなたの街にいるかもしれない、狂人ヒーロー、イノセント田中。
最終更新:2024-03-08 23:44:41
1005文字
会話率:56%