グレミィル半島と呼ばれし領土には、旧き時代より多種多様な種族が混在していた。
南部で暮らす純人種達――『人の民』。
北部に棲息する亜人種達――『森の民』。
大別して二つの民に分類される領民達は、互いに生活圏を隔てて対立し続けてきたが
英
雄ベルナルドが半島を統治する大領主に封じられたことを皮切りとして徐々に諍いは静まり、二つの民は融和への道を歩み出そうとし始めた。
然れど、英雄は焼却された。
冬の居城。多くの者にとっては突然に。謎と呪詛を撒き散らす怪死を以て、歯車が狂い出す。
英雄ベルナルドは、ハイエルフの妻との間に二人の子供を設けていた。
即ち、英雄とその妻が成した『人の民』と『森の民』による混血の双生児。
双子の姉、ノイシュリーベは父の持つ高潔な精神と大領主の座、そして母に似た脆弱な身体と莫大なる魔力を継いだ。
双子の弟、サダューインは父に似た優れた身体と脆弱な魔力、そして己の手を汚してでも二つの民の融和を願う母の理念を継いだ。
英雄亡き後の時代を託された双子達は半島で生きる者達を護る為に奔走する。
足元で燻る対立の火種。蔓延する呪詛。大国の思惑が絡み合い、やがて双子の絆を蝕み始めた頃、
一人の女性の亡命を受け入れることにより大きく物語は動き出す。
歪に絡み合った因縁と恩讐。半島が抱える紫棘の開花を以て、歯車は更に狂い尽くす。
其は後戻りの利かぬ宿痾の清算。
刻曜の翠擲<グラナグラム>は誰の掌に――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 07:10:00
175005文字
会話率:31%
北部と中央部の境目、岩石の外壁とマダラ模様に彩られた道が自慢の街。領主として君臨するは、侯爵家の一つ【スノーフレーク家】。早いうちに両親を亡くし、軍に在籍する叔母夫婦の後ろ盾を受けた年若き女侯爵がいた。自公軍の所持を許され、王家を毛嫌いし
つつも自由を謳歌していた。
ある問題を起こし、王城を追われ、晴れて身軽となった女侯爵は自らと同じ黒曜石の瞳を宿した一卵性双生児を産み落とす。
かくして、双子の男児は政争の渦に揉まれていくのであったーー。
これはロジェリアを一途に愛し続けたアルジェランと、その子ら双子の兄、ジャスパーと弟のジェットを取り巻く物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 22:04:17
2631文字
会話率:54%
【死を恋う神に花束を 白百合を携える純黒なる死の天使】をスマホ向けに修正した作品です。大幅な加筆修正も加えており、少し違った作品となっております。
兵士の罪を、背負うことを定められた青年カイム。そして、最強の幼き人外である、無性別のヘルレ
イア。愛なき契りを求められ、思惑で結ばれる二人は、本当の愛を見つけられるのか。
兵士達をまとめる最高主権者、カイム・ノヴェクは、純黒の軍服まとい白百合を携える。その姿の彼を、誰もが天使と呼んだ。
死の具現、ヨルムンガンド・ヘルレイア。神話の大蛇を号して、世界最強の力を誇り、人界に災厄をもたらす死の神。
だが、この二人は生と死を違えた。
守るために殺め続ける人間。
過去の愛に不殺を誓う死神。
気紛れな糸に引き合わされた二人が、戦いの末に下す、決断とは――。
世界へ災いを喚ぶ、双生児ヨルムンガンド。人間が認知しうる究極の美を誇り、黒い髪に白い肌、その瞳は青く蛍火のように灯る。双生児は人間と愛を交わすが為に美を具えた。自身は性を持たず、番として交わった人間と、相反する性別へと自在に変化する。性別を得て幼蛇は大人になり、番となった人間の地位に寄生し、己の巣として支配下に置くのだった。そして、双生児はただ互いを殺し合う為に存在する。双子は社会に死と苦痛を蔓延させ、紛争を裏から手引きし、終わりのない災禍を招くのだった。
ヨルムンガンド・ヘルレイア――ヘルレア
王であるヘルレアは、十代半ばを迎えており、既に死期も間近に迫る。世界蛇は、番を持たなければ、十代半ばまでしか命がない。そんなおり、民間軍事会社〈ステルスハウンド〉の代表カイム・ノヴェクが、ヘルレアの番として名乗りを上げる。ヘルレアと交渉した彼なのだが、その風貌で突っぱねられてしまうのだった。番の話しは破談。だが、些細なきっかけでヘルレアと再開。今度は、舞い込んできた紛争で、双方の思惑が一致し、共闘することに。カイムの兵士は、自らを猟犬と呼んだ。猟犬の一人ジェイドは、雪深い東占領区へと、ヘルレアと協力して潜入していくのだが、猟犬達と王は仇敵。猟犬はヘルレアへ憎しみを抱いている。ただ主人であるカイムの言葉を胸にして、王と歩む道を選んだだけにしかすぎない。
王と猟犬。
相容れない二者は、苦難の道行きに希望を見い出せるのか。双生児、その相対する二王の壮絶な戦いが始まる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 16:38:25
584863文字
会話率:42%
“向こう側の女達”と呼ばれる者達の手によって、“こちら側”にもたらされる双生児は、双方が王と呼ばれ、人間社会には知られず密かに息づいている。王は組織に寄生して支配し、対となる王を滅ぼす為だけに存在していた。
その王の一人であるヘルレアは、十
代半ばで既に死期を迎えようとしていた。何故なら王は番いを得なければ性別を持てず、同時に命もままならなくなるのだ。そこで双生児を追う組織の一つ“ステルスハウンド”が名乗りを上げた。代表であるカイム・ノヴェクを王の伴侶として推薦するのだが……。
最終話エピローグ投稿後しばらくお休みします。再開は7月30日から一ヶ月後を目安にお待ち下さい。変更があればこちらに掲載します。
評価、感想、レビュー、誤字脱字など、どのような厳しいお言葉も歓迎いたします。ご意見お待ちいたしております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 12:05:05
531369文字
会話率:43%
一片雫(ひとひら しずく)は、一卵性双生児の姉として生まれた。
——たった一時間、楓より早く。
それだけの理由で、雫の人生は決まってしまった。
「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい。」
「お姉ちゃんなんだから、譲ってあげなさい。」
「お
姉ちゃんなんだから、楓の面倒を見なさい。」
両親も祖母も、楓を優先し、雫には「姉」としての役割を押しつけた。
いつしか雫は、感情を表に出さなくなった。
泣くことも、笑うことも、怒ることもなくなった。
唯一の願いは、いつかこの怪物(家族)たちと離れること——それだけだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 16:51:10
86375文字
会話率:30%
古賀柚希と悠希は男女では稀だが一卵性双生児で、姉の柚希がターナー症候群という症状で140センチ程の低身長であること以外はそっくりで明るく仲良しな姉弟である。
一方、小柳和月と美月は柚希と悠希の同級生でこちらは男女の二卵性双生児の兄妹であ
る。
二組の双子たちは音楽を通じ心を通わせ、次第に柚希は和月に、悠希は美月にそれぞれ惹かれていってしまった。
しかし、小柳ツインズにはそれぞれ心に深い傷があった。
古賀ツインズは小柳ツインズの傷を癒せるのか?
音楽に魅せられた高校生ツインズたちの恋と葛藤物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-16 13:44:21
6930文字
会話率:34%
二卵性双生児の双子の弟として生を受け、兄は最も身近な友人として学生時代を過ごす。しかし18歳の時に兄が交通事故に巻き込まれ亡くなってしまう。血液型に関する遺伝の話が絡みます。説明が不十分で理解しづらかったら申し訳ないです。
最終更新:2024-07-14 00:00:00
1927文字
会話率:25%
一卵性双生児の姉妹「リマ」と「エマ」。姉妹は双方に信頼し合い、掛け替えの無い存在であった。しかし成人となる2人の18歳の誕生日の直前。とある事件で色々なものが壊れてしまう。結末の部分の全てを描写するとR-18を越えそうな気がしましたのでボカ
しましたが是非に読解してもらいたいところでもあります。人を呪わば穴二つ(物理トラップ)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-13 00:00:00
1642文字
会話率:15%
僕と妹は二卵性双生児、だから外見だけでなく性格も正反対。
エブリスタにも投稿してます。
最終更新:2024-07-06 13:00:00
659文字
会話率:28%
網島舞香は、新興宗教団体の施設で暮らす友人を助けるために教団に潜入するが、逆に拉致されてしまう。舞香の恋人である浜城彰は、教団に乗り込んで舞香を奪還しようとするが、舞香とともに拉致され、抵抗分子を“処分(処刑)”するための部屋に送り込まれる
。そこには、チンピラの清水康介とその愛人である高柳瑠理、カジノの雇われ店長だった榊原洋平とディーラーの坂沼亜紀、そしてすべての財産を奪われた宗教二世の一卵性双生児・屋舗翔太と翔次という六人の先客がいた。
一度は死を覚悟した八人だったが、教祖の子どもが生まれたことから、恩赦がおこなわれることが明らかになる。その内容は、「奇数番目に部屋を立た人物は助かり、偶数番目に部屋を出た人物は“処分”される」というものだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-22 18:00:00
59324文字
会話率:17%
二卵性双生児の唯と永遠。二人の成長を描きます。
最終更新:2023-11-28 09:12:37
5240文字
会話率:23%
一卵性双生児として生まれるはずだった希(のぞむ)と望(のぞみ)の波乱万丈記
最終更新:2023-11-01 00:00:00
18176文字
会話率:58%
僕はプロ棋士である弟からある尻ぬぐいを頼まれた。
公式戦の対局にどうしても遅れそうだから、代わりに将棋を指してくれという頼みだ。
一卵性双生児で見分けがつかないほど似ていると言われるが、どう考えても無理筋。むちゃくちゃな話だったが、僕はその
依頼を受け入れる。
ただ、その対局途中、記録係の坂上桂花ちゃんが僕に話しかける。
「あの、西丘六段。すこしお話しましょうか」
この作品はカクヨム(https://kakuyomu.jp/works/1177354054921135101)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-07 15:09:09
11827文字
会話率:25%
家に帰ると、同棲相手の美穂ちゃんが「浮気したでしょ」と怒っている。何を言っているんだか。私はいつでも、美穂ちゃんしか見ていないのに。そんな恋人同士のよくある一日。
現代双子百合。
最終更新:2023-09-11 18:07:00
6017文字
会話率:40%
双子の兄は優しい。
兄だけが優しい。
それは兄ができる子で、私ができない子だからだ……。
現代が舞台の話ですが、この作品独自の設定が多々あります。
苦手な方はご注意ください。
5000文字弱の短編です。
最終更新:2023-07-19 23:00:00
4269文字
会話率:0%
十七歳のシャーリーは、失恋と親の突然死という不幸に直面し、今までは行ったことがなかった王都でいちから人生を始めようと決意して町を出た。王都での出会いから本来の立場へと戻ることになり、目まぐるしく動き出した自身を取り巻く環境に翻弄されつつも、
シャーリーは前向きに生きていく。
ご都合主義の恋愛物です。
優しい目でお読みください。
途中、火傷や出血等のシーンがあります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-03 21:40:30
180004文字
会話率:28%
一卵性双生児の笑奈と笑真。笑奈は真面目で成績優秀なエリート。笑真はおしゃれであざと可愛くモテモテ。そんな笑真に学生時代も、成人してからも恋人を奪われた笑奈の絶望の波動が隕石を呼び、笑奈は死んでしまう。
使命が残っていた笑奈は、自分が好きだっ
た小説の世界に生まれ変わると狭まの世界の番人に言われる。聖女か悪役令嬢か。笑奈が選ばなかった方が笑真になると聞き、彼女が選んだのは‥。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-02 15:10:03
366578文字
会話率:49%
その日は陽光が花々を照らし、小鳥のさえずりが村の中にこだまするようなのどかな日だった。王都から離れた場所にある村で笑い合う双子の兄妹とそれを見守りともに笑い合う村人たち。そんな和やかな光景は一瞬で終わりを告げた。村にやってきた一人の銀の鎧を
まとった男に村人は虐殺された。逃げようとしたものも男に立ち向かったものも皆平等に死を与えられた。双子の兄妹は武器を握り男に立ち向かうという選択をした。しかしあえなく二人とも腕を断ち切られた。死を覚悟した二人だったが何故か男は双子を置いて立ち去っていった。鮮血と数多の死体によって様相を変えた村に残ったのは復讐に駆られた隻腕の双子だけ
さあ復讐に生きよ隻腕の双生児折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-25 16:17:24
4916文字
会話率:27%
陰キャで虐められていた主人公、千堂律は、高校デビューを果たそうと決意する。
しかし入学式当日、事前にSNS上でグループが出来上がっている事に気づき、早速失敗してしまう。
絶望の気持ちで不安を抱えていると、同じクラスに一卵性双生児の美人姉妹が
現れる。
天使が二人並んでいる。
誰もがそう呟く中、主人公は過去の記憶を思い返していた。
幼い頃、ひと夏の間だけだが、もの凄く可愛い美人姉妹と遊んだ過去の思い出。
無事に入学式を終え教室で待っていると、その姉妹が姿を現した。
しかしまっすぐに主人公に向かってくる。
「ねえ、もしかして律?」
「律くんですよね? お久しぶりです」
これは、S級美少女姉妹と高校デビューに失敗した主人公が、三人で幸せにラブコメしていく物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-17 19:17:31
101717文字
会話率:42%
一卵性双生児の主人公の真子
結婚相手を見極めるために、彼氏にある作戦を仕掛ける。
最終更新:2023-02-10 20:53:27
1261文字
会話率:18%
結合双生児の学者である冬木博士の元で育てられているのは、4本の腕。4本の脚。4つの眼を持った、「蜘蛛人間」だった。
彼は自由を求め脱走し、ある女性に助けられる。
最終更新:2022-12-27 22:13:34
11767文字
会話率:23%
資産運用会社、桐生アセットマネジメント勤務の高梨天輝(あき)は、幼少期に両親を事故で失い、二卵性双生児の妹、海晴(みはる)の他は近親者がいない、天涯孤独一歩手前状態。しかし並の人間以上に活発な妹に加え、姉妹を引き取った遠縁の桐生家の面々に
囲まれ、色々物思う事はあったものの無事に成長。
長じるに従い、才能豊かな妹や義理の兄弟と己を比較して劣等感を感じることはあったものの、25歳の今現在はアナリストとしての仕事にも慣れ、比較的平穏な日々を送っていた。と思いきや、突如として異世界召喚という、自分の正気を疑う事態が勃発。
しかもそれは既に家族が把握済みの上、自分以外にも同様のトラブルに巻き込まれた人物がいたらしいと判明し、天輝の困惑は深まる一方。果たして、天輝はこれまで同様の平穏な生活を取り戻せるのか?
以前、単発読み切りで出した『備えあれば憂いなし』の連載版になります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-23 20:42:59
121943文字
会話率:71%