貴方が今日の依頼人ですか。手付金は用意されましたか?
ふむ……結構。いや、身なりに見合わぬ大金、どうやって用意されたのか気になりましてね……
おっと気分を害されたなら申し訳ない。思ったことをつい口にしてしまうのが、私の悪い癖でして。どうかお
気になさらず。
……ほう、自分のほぼ全財産を成功の暁には支払うと。それほどまでのお覚悟ですか、なるほど、なるほど。
お嬢様は今、身支度中でございます。それまでどうぞこちらへ。パルフォール産のお茶をご用意しますので、少々お待ちを。
どうぞ、こちらがお茶とお茶菓子になります。……本当に「祓って」くれるのか、ですと?
ご安心下さい、私たちの成功率は、これまで10割でございます。ええ、失敗などございません。「討伐」はもちろん、難度の高い「浄化」であっても、です。
教会ではなく、わざわざ私たちにご依頼されたということは……何が何でも転生者を消してほしいか、あるいは「受肉」させられた方を何としてでもお救いになられたいかどちらかでしょう?
貴方の場合は……恐らく後者。どうです?ああ、やはり。
「討伐」ですと受肉させられた方ごと滅せねばなりませんからね。「浄化」ならば、「取り憑いた」異世界人の魂だけを滅し、貴方が愛する人は助かります。
私たちが法外とも思える値段で依頼をお受けするのも、それが命の価値に見合ったものだからです。
転生者とは真に厄介なものです……受肉した対象の魂を食らい、乗っ取るだけではない。転生者は皆、超常の力……「恩寵」を持っております。異世界の智慧、そして恩寵。世界に混沌をもたらす者ゆえ、狩らねばならぬのです。……何としてでも。
力が入り過ぎてしまいました。そろそろお嬢様が戻られます。ええ、「祓い手」は我が主、ジャニス・ワイズマンにございます。私はただの執事にございます。
本当に大丈夫なのかと?信用ならぬならお断りしても構いませんが。私たち以上の「祓い手」など、この国にはいないでしょうから。
お嬢様は少々性格に難がございますがね。我が儘で美食家で大食漢。おまけに守銭奴ときている。しかも……
おっと、不安に思われたなら申し訳ございません。ただ腕は確かでございますよ。フリード皇太子の「祓い」を行ったのも私たちでございます。
……よろしい。金額に見合う仕事は、必ず遂行致します。
では、ご依頼を詳しくうかがいましょうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-27 19:06:55
549180文字
会話率:46%
異能力テキサスホールデムを舞台に、この世のクズ賭し逝けるものに捧ぐ王道ギャンブルファンタジー今ここに全回転。
伏見遊都はパチンカスだった。全財産を賭けたパチンコに負けた遊都は、爺さんに端数のパチンコ玉を譲って助ける。その後の身の振り方を考
えていると、助けた爺さんは神を名乗り、異世界に連れて行ってくれるという。思わず異世界へ行ってしまった遊都は確定眼・言語理解・乱数支配のスキル能力を得て、再びパチンコを打つ為、地球へ戻る旅に同じく異世界に連れてこられた徳川巴と出かける。遊都たちは王都を目指し、冒険者ランクを上げようとするが、それは異能力テキサスホールデムのランクと連動していた。冒険者ランクの最高峰大祓シリーズで優勝すると王都が1つ願いを叶えてくれる。冒険者ランクをあげるにつれ異世界の闇にも近づいていく。異世界を救うのが先かパチンコ中毒で死ぬのが先か。地球への帰還を目指すギャンブルファンタジー物語。
※テキサスホールデムの話題が出てきますが18歳未満はカジノ厳禁です。
※パチンコの話題が出てきますが18歳未満はパチンコ厳禁です。
※こちらの作品はカクヨムでも連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-27 06:32:09
307727文字
会話率:51%
コルスカ王国は「自由・平等・財産」を掲げた民衆が起した革命により、崩壊した。しかし、新たに誕生したコルスカ共和国では革命派が革命性の違いにより分裂、さらに革命の広まりを恐れた周辺国から宣戦され大規模な戦争に突入してしまう。コルスカの若き天
才ナブリオーネ将軍は周辺国との戦争を勝利に導き、国民の圧倒的支持を受けて国の実権を握る執政官に就任した。
そんな中、革命で全財産を没収されたソワン伯爵家の召使アンヌは自らをソワン伯爵家の一人娘カロリーナだと偽り、ナブリオーネに自らを売り込み、没落した家の復興を要求するのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-26 07:42:47
13044文字
会話率:59%
売れない小説家の長谷川真治は昴皇子という売れっ子作家の替え玉として、とある祭典に参加することになる。その祭典とは資産家百瀬光一氏が主宰し、最優秀者には彼の全財産を与えるというものだった。
祭典の参加者は『これからの日本を変える若者50人』
に選ばれた人間で、その中から百瀬氏がさらに選りすぐった人達であった。百瀬氏はその中から一人を選んで最優秀者にするという。
百瀬氏はメディからは隔絶された山奥にある麗美山荘と言う名前の山荘に住んでいる。そこで『選択と対応』といった一風変わった催しで祭典が進行されていく。
祭典参加者は6名で全員が癖のありそうな人たちである。
そして祭典が始まる。
部屋決め、食事などを参加者が選択していく形になっており、それによって対応が変わって行くという。
夜になって事件が起きる。なんと主催者の百瀬氏が殺されるのだった。さらにはそれは密室殺人であった。山荘の責任者でもある執事の与那が言うには百瀬がこの殺人を予見していたという。つまり百瀬氏の祭典目的は犯人を見つけてほしいということになる。
続いて山荘までの道が崖崩れで閉ざされる。完全なクローズドサークルになってしまうのだ。
はたして長谷川真治は犯人を見つけ、謎解きが出来るのか、はたまた真治にまとわりつく謎の美女中村知里は何者なのか、登場人物すべてがあやしく見える。
さらに惨劇はこれだけでは収まらない。その後連続して起きる殺人事件。はたしてそれはどういう謎を秘めているのか、真治は謎解きをして生き残ることが出来るのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-17 14:56:41
112666文字
会話率:57%
暗殺剣術の使い手であり、それを正しく用いて王国を救いたいと考えている英雄願望のある青年ルクス。
幼馴染であり《天下五剣》の一人であるロベルトと共に戦場を駆け抜けて魔王軍と戦った。
しかし、ルクスの剣術は《四大門派》ではなかったので正派の武人
からは酷く疎まれていた。
ある日、正派の剣術ではないことを理由に親友であるロベルトからも邪道と宣告されて《武術連盟》を永久追放されてしまう。
この世のすべてに絶望したルクスは、武人を引退して辺境でスローライフを送ることを決意する。
新天地に到着後、全財産を使って新しい住居を購入した。
スローライフを送ろうとした矢先、それを快く思わない地元の荒くれ者たちが大量にやってくる。
最初は穏便に追い払ったが、徐々にエスカレートし、一週間後には100人を超えた。
さらに人質を取り、全員が武器を所持していた。
荒くれ者たちの暴虐な振る舞いに、普段は温厚なルクスもついにキレた。
片手で数えられる秒数で、100人以上もいる相手をすべて倒してしまったのだ。
彼らは気付いていなかった。
目の前にいるルクスは、《天下五剣》を遥かに凌駕するほどの"史上最強"の達人であることに……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-14 18:59:02
150496文字
会話率:30%
人を乗せて飛ぶ大きな鳥、ランフォル。16歳の少女セシルはランフォルの飼育員だ。
育て親を亡くして天涯孤独だけど、大好きなランフォルに囲まれて楽しく暮らしていた。牧場主が変わって、牧場を突然クビになったその日までは。
そんなセシルに届いた
スカウトの手紙。差出人は、若き牧場主オスカー=オークランス。行ってみれば何か誤解があったようで、撤回したいようだがもう遅い。セシルは来てしまった。オスカーの手紙を信じ、全財産を片道の馬車代に突っ込んで。何とかオスカーを説き伏せ、彼の牧場で、セシルはまたランフォルの飼育員として暮らし始める。
卵を探し、雛をだっこし、大人のランフォルに抱きつき背に乗って共に大空を飛び、セシルの楽しい牧場の日々は過ぎていく。
見た目は男らしいのにお母さんみたいな性格の、優しい苦労性上司オスカー。かっこいいランフォル、クァクァ追いかけてくる可愛い雛たち、楽しいご近所さんたちとあったかい温泉・ごはんに囲まれて送る、セシルの楽しくて幸せな牧場生活。
同じ屋根の元で暮らす、セシルの保護者的立ち位置のオスカーといつだってランフォルのことで頭がいっぱいなセシル。少しずつ変わっていく二人の気持ちと、それらをニヤニヤしたりヤキモキしたりしながら見守るご近所さんをお楽しみください。
なおランフォルは鳥と魔物の中間くらいの生き物です。どうぞファンタジーとしてお読みください。彼らは神秘の力で飛んでいます。
毎日更新、全31話で完結します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-24 05:31:46
118363文字
会話率:55%
平民の船乗りダリアスは、高額な報酬に釣られてうっかり性悪貴族の依頼を受けてしまったばっかりに全財産を失ってしまう
金貨1000クラウンもの報酬を貰えるはずだったのに、全財産と引き換えに手に入れたのは根拠の怪しい宝の地図と乗船許可証のみ
絶対
絶命の状況に追い込まれた彼は、その怪しい地図を頼みの綱に、新大陸へ向かう船に乗り込み一世一代の大博打に打って出る──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-19 07:33:59
3519文字
会話率:32%
私は妾の娘。
母が死んで引き取られた男爵家で、使用人のように扱われている。
ある日男爵家族が全財産を持って逃げ、残されたのは私一人。
借金取りがぞくぞく押し掛け、絶望の私。
そこに老紳士が現れて、契約しましょうと声を掛けてきた。
最終更新:2024-02-06 22:56:43
2846文字
会話率:36%
私と彼女の関係性は、歪で、複雑で、どう頑張っても誰にも理解されない。
ただ一つ言えるのは、彼女は平たく言えばメンヘラという存在で、子供の様に無償の愛を求め続けるという事。
そうして適当にあしらい続ける事に快感を覚えるという事。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
これくらいが良いと思うんですよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-19 18:27:07
948文字
会話率:45%
白黒付けがたい裁判沙汰に、最後の審判を下す儀式、決闘裁判。
その決闘における代理人を生業とする無位無官の自由騎士ジャック・ノワールの元には、わけありの依頼が多く舞い込んでくる。
もう後がない程に追い詰められた依頼人が最後に駆け込む場所。
そ
れ故に『最後の騎士』と呼ばれる彼の元に、一人の貴族令嬢が駆け込んで来た。
悪女と呼ばれる彼女は、婚約者である王子から冤罪を掛けられ、決闘裁判を挑まれたのだという。
彼女の事情を聞いたジャックは、彼女に告げる。
「依頼料は、君の全財産から払えるだけ全て。それが依頼を受ける条件だ」と。
覚悟を問うジャックへと、彼女が出した答えは。
そして、決闘裁判の行方は……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-28 05:00:00
19568文字
会話率:29%
アメリカ。コーラ茶のレシピを全財産で買った薬屋の店員。
しかし売れ行きは悪い。
いろんな人物にどうすればおいしく飲めるか聞いていると・・・
最終更新:2023-10-03 15:47:32
3244文字
会話率:53%
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第1
48話「幼女&偕老同穴」。さて、今回はスーパーヒロインの娘が誘拐され、ほぼ全財産に等しい身代金が要求されます。
内部事情に詳しい者の犯行とみたヲタッキーズは離婚準備のための母親による狂言誘拐と見抜き、実行犯の姉ともども逮捕するのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-10 20:23:59
17318文字
会話率:72%
主人公ミキュルはSNSで知ったコールドスリープ屋さんに全財産を注ぎ込んで、新たなる未来を旅するのでした〜〜〜しかしその世界はミキュルの考える世界とは異なる異世界だったのです。さぁ、ミキュルとのコールドスリープツアーを楽しもう!
最終更新:2023-08-21 12:09:39
2711文字
会話率:30%
大富豪の娘である財前杏華(ざいぜんきょうか)は、金持ちであることを鼻にかけて、貧乏な幼馴染の少女、金梨(かねなし)じみ子によくちょっかいをかけていた。
しかし、杏華の父が闇のゲームに敗れ、全財産を失うと、その状況は一変し……?
※
本作はエブリスタ(https://estar.jp/novels/26131837)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-18 01:09:12
7544文字
会話率:42%
イブの逆境超克、第一弾、【シャンドラーの遺書】。
私、ルドルフ・シャンドラーは、ここに遺言を綴る。
私の全財産、つまり、屋敷、宝石、車、美術品、その他の物体たちは、全て子供達に、均等に分けることとする。そして、長男には、私の立ち上げた
会社の経営権を譲る。もし異論がある様なら、社内できちんと話し合ってくれ。詳しい事を書いた紙は、私の机の引き出しに入っている。
さて、本題に入ろう。
もし私が死に、この遺書が家族の手に渡ったのなら、それは私が他殺されたということだ。必ず、誰が私を殺したのか、見つけ出してくれ。
世界一の探偵と名高い日暮隆司探偵、そして私の大学時代の恩師、ジョンソン教授を、私の死の真相を探すため、屋敷に招いてくれ。
健やかなれ。シャンドラーの幸運を、願っている。
三日前、IT企業のCEO、ルドルフ・シャンドラーが死んだ。彼の遺書には、自分は他殺で殺されたと綴られているが、真相は…?
一体、彼の言葉の意味は?彼は本当に殺されたのか?
主人公のアメリカ人女性探偵、イブ・ジョンソンが、若い女性という逆境を乗り越え、事件を追ってゆく!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-19 10:04:34
51996文字
会話率:56%
(※ノンフィクション)
ブラック企業での社畜生活に疲れた俺は、これまで貯め込んできた2000万円を高利回りの投資会社『みんなのクレジット』に出資。
配当金で憧れの脱サラを実現したものの、その直後に不正が発覚。
なんと虚偽の説明で集められた4
0億円が、親会社に横流しされていた。
関東財務局から業務停止命令を受け、31億円が貸し倒れ。
さらにはこの事件をきっかけとして、ソーシャルレンディング会社で次々と不祥事が発生。
何千何万という投資家が損失を被る阿鼻叫喚の地獄絵図の中で、俺は固く決意した。
「命より重い金を、必ず取り戻してやる」
これは軽い気持ちで全財産を失った世界一愚かな投資家が、数年の裁判を乗り越えて命金を取り返すまでの物語である。
(取り返せるとは言ってない)
※この作品の原作は「貴方を幸福にするFXブログ」に掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-18 16:58:47
49379文字
会話率:8%
永遠の若さ。それは一部の女性には、大枚をはたいても、全財産を、全てをなげうってでも手に入れたい喉から手が出るくらい欲しいもの。かもしれない。
この世界には、神の声を聴くことができる清らかな身体をもった聖女と呼ばれる女性たちがいた。
彼女た
ちは聖女の務めとして、祈りを捧げ、神の声に、民の声に耳を傾け、神と民の橋渡しを行っていた。
彼女たちへの信仰は厚く、教会はこの世界に点在している。聖女を巡って国が亡んだり戦争を起こしたという歴史も残っているくらい、彼女たちは各国にとって重要な存在であった。
中でも特に神々の声を聴く力が強い女性は、大聖女と呼ばれており、現在は世界では1人しかいない。
そんな、大聖女のエリスは、大聖女の名に恥じない豪華絢爛な大聖堂で暮らしていた。しかし、彼女は大聖堂を飛び出して、放浪の旅をしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-01 00:08:30
8314文字
会話率:70%
「グレイくんさぁ。もういいよ、お前クビ」
魔物に襲われやすい『不幸体質』を持って生まれたグレイ=アトラクは、人々に忌み嫌われながらも冒険者としてギルドの依頼をこなす日々を送っていた。しかしある日、貴族の護衛任務を失敗した全責任を擦りつけら
れ追放されてしまう。
グレイが無実なことは明らかであったが、迫害対象である彼を守ろうとする者はいない。グレイは罰として全財産を没収されてしまった。
職を失い一文無しになったグレイは、"死の峡谷"へと訪れ命を絶つ決心をする。しかしそこで出会ったのは、5年前に突如姿を消した幼馴染のアンナだった。そんな彼女は魔物を祓う"聖女"として見違えるほど強くなっていたが……。
「実は私、強すぎて魔物と全く遭遇できないんだよね」
「……へ?」
「だからさグレイくん。一緒にお金稼ごっ?」
なんと、アンナは聖女として強くなり過ぎたが故に、目の前に一切の魔物が現れなくなってしまったというのだ。そして『不幸体質』のグレイといることでそれを解消できるとの考えたのだが──作戦は見事に成功した。
Sランクの魔物やSSランクの魔物まで、寄り付いた不幸を流れ作業のように倒していくアンナ。そこに居るだけで不幸を呼び寄せるグレイ。不幸を繋ぐ無敵のコンビがここに結成された。
一方、グレイを追放したギルドの役員は、彼が居なくなったことで数々の"不幸"に襲われることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-23 20:45:26
14974文字
会話率:54%
のっぴきならない事情により神殿から逃亡した聖女エステル。森に隠れ住む闇魔法使いアルファルドに「自分を呪ってほしい」と依頼するが、彼の依頼料は全財産を出しても足りないほど高額だった。「金がないなら出ていけ」と放り出されそうになるも、闇魔法使い
の同居人らしい男の子ミラが助けてくれる。なんだかんだで一緒に暮らすことになったけれど、二人には何か秘密があるようで……。さらにエステルを探す追っ手も迫り、森の隠れ家生活に不穏な影が──。
ほのぼの&シリアスからのハッピーエンドなお話です!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-07 08:00:00
93624文字
会話率:41%
ヴァレリー法律事務所に新しい弁護士がやってきた。中国系アメリカ人のリュウガ・シェリンフォード。
入所のその日に彼は事件に巻き込まれる。行きつけのベトナム料理店の女将が頭部を怪我して救急搬送されたのだ。通行人の目撃証言によると、金髪の男性が「
コロナと共に国へ帰れ」とコンクリート片を投げつけ、走り去ったという。
息子のダンが病院へ駆けつけた時には、彼女は既に帰らぬ人になっていた。
ダンはテレビドラマや映画の端役を演じたり、スタントのバイトをしていた。役者仲間のアドルフとジリーのコスビー兄弟は、フランス人の父とドイツ人の母を持ち、アドルフはドイツ系、ジリーはフランス系の容貌をしていた。
ピラールという目撃者は、二人が出演したテレビドラマ『外人部隊』を見ていて、現場から走り去った金髪の男はアドルフであることに気づく。ラファエル警部がアドルフのアパルトマンを捜索した時は既に遅く、アドルフは行方をくらまし、唯一の証拠である指紋も綺麗に消していた。
コスビー兄弟の祖父ヨアヒムは年とともに国粋主義的傾向を強くしており、娘がフランス人と結婚することにも大反対し、親子の縁を切ったという。ドイツ警察がヨアヒム宅を監視するが、アドルフを匿っている様子はないという。
そのヨアヒムから、コスビー兄弟の母クリスタに奇妙なメールが届く。クリスタは警察に届けるべきか悩み、偶然出会ったエラリイにヴァレリー法律事務所に連れてこられる。エラリイがドイツ語がわかる竜導幸葉とエースにヨアヒムのメールを見せると、二人はこれはヨアヒムのSOSで、状況はかなり切迫しているのではと言う。
アドルフは、ヨアヒムの通いのヘルパー、エーリヒの家に匿われており、エーリヒはそれをネタにヨアヒムを脅し、全財産を自分に譲るという遺言書を書かせている可能性があるというのだ。
クリスタは、幸葉とエースの解読に、長い間、父とアドルフの発していたメッセージに気づけず、二人の人格を誤解していたことに気づく。不幸な行き違いを正すため、彼女はラファエル警部達と共にドイツへ向かう。
一方、ダンは、リュウガに依頼して、母を失ったために経営が立ち行かなくなったベトナム料理店の破産申立を進めていた。ところが、父親が一部の債権者に弁済をしてしまい、手続きに問題が生じる。リュウガは、九回二死のピンチから、逆転打を放てるか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-31 00:31:30
36849文字
会話率:42%