世界を旅する男がひとり。
フードの下から覗くのは、吸い込まれそうなほどに美しい漆黒の双眸。
瞳と同じ色をしたローブを羽織り、胸元にはブローチがひとつ。
艶やかな青から夏空のような水色へ、そして白へと続くグラデーションのかかったそれは鳥を模
している。
────────────────────
何の変哲もない日常が突然終わりを迎えた。
瞬く間に変わった景色に焦り戸惑いながらも進んだ先には…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-03 22:28:37
1006145文字
会話率:41%
これは、光と影、聖性と呪いという、相容れぬ運命を背負った二人が、互いの欠落を埋め合うように惹かれ合い、世界の常識と自身の存在意義に挑む、仄暗くも美しい異世界転生譚。
前世で工業デザイナーの夢破れ、不慮の事故で命を落とした相馬巧(そうま た
くみ)。彼が異世界アステリアで与えられたのは、【呪物創成】――所有者に不幸をもたらす「呪い」の品しか生み出せない、忌むべきスキルだった。王都の裏路地、陽も差さない煤けた工房で、彼は世間から忌避されながらも、モノづくりへの執念を捨てきれず、歪んだ美しさを放つ呪物を打ち続ける孤独な日々を送る。「タクミ」と名乗る彼は、自身の存在を呪い、光の世界とは無縁の影として生きることを受け入れていた。
一方、王国で唯一無二の存在として崇められる「暁の聖女」セレスティアナ。彼女はその聖なる力で人々を癒し、導く光の象徴。しかし、その内面では、制御不能なほど強大すぎる聖性に苛まれ、常に力の暴走の恐怖と、完璧な聖女を演じ続けることへの重圧に苦しんでいた。白亜の神殿は、彼女にとって美しくも冷たい牢獄であり、その孤独を理解する者は誰もいない。
ある祭りの日、力の制御に苦しむセレスティアナの手に、偶然、タクミが落とした呪物のブローチが触れる。瞬間、荒れ狂う聖性が嘘のように凪ぐ感覚――生まれて初めての「平穏」――を知ったセレスティアナは、そのブローチの作り主を探し始め‥
本作は、単なる異世界転生ラブコメに留まらない。
光と影の対比と融合: 聖女と呪物鍛冶師という対極的な存在を通して、善悪、聖俗、祝福と呪いといった二元論的な価値観に疑問を投げかけ、それらが時に交錯し、互いを補完し合う可能性を描く。
存在意義と自己受容: 望まぬ力や境遇を与えられた主人公たちが、自身の存在意義を見出し、他者との関係性の中で自己肯定感を取り戻していく、普遍的な成長の物語。
繊細な心理描写と情景描写: 登場人物たちの心の機微や葛藤を丁寧に描き出すと共に、煤けた工房、荘厳な神殿、月下の庭園など、光と影が織りなす情景を豊かに描写することで、物語世界への没入感を高める。
果たして、黄昏の鍛冶師と暁の聖女は、世界の偏見と陰謀を乗り越え、互いの手を取り合って新たな未来を紡ぐことができるのか? 煤けた指先が触れた禁忌の輝きは、世界に破滅をもたらすのか、それとも、新たな時代の暁を告げる光となるのか―折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-03 20:00:00
158830文字
会話率:25%
パーティ―会場での婚約破棄。そんな事を仕出かした二人がどうなるかは誰もが知るよくある話。
最終更新:2025-03-11 21:53:57
10996文字
会話率:20%
カイロ・テンマは、叔母アキの大切なブローチが消えた謎に巻き込まれます。明らかな手がかりは見当たりませんが、カイロは何かがおかしいと感じ、ひとりで調査を始めます。次第に、普段は冷静で遠くから見守るような親戚のリュウトが関わっている可能性が浮上
します。何年後、カイロは未来の謎を解決する決意を固めつつも、リュウトというライバルがまだ自分の前に立ちはだかっていることを確信しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-11 04:23:01
2169文字
会話率:8%
公爵令嬢のミシュリアは、婚約者である第一王子に夜会で婚約破棄をされてしまう。
しかも、本命の令嬢のお腹には子がいるらしい。
特に未練もないのであっさりと受け入れたミシュリアだったが、存在が邪魔だと命を狙われ、国外脱出をすることに。
幼馴
染が旅のお守りにと渡してくれたブローチを、訳あって旅の途中で出会った人にあげたことから、なぜか物々交換のような出来事が続き……。
わらしべ現象で、気付けば新たな結婚相手と幸せを手に入れていた令嬢のお話です。
ハッピーエンドの短編なので、気軽に読んでいただけると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-14 21:16:07
21300文字
会話率:37%
激しい雷雨の夜、ディアーヌ・バトン公爵令嬢は自室にて一人、人生のどん底にいる気分を味わっていた。
彼女の手には、彼女が幼い頃から大切に想ってきたはずの婚約者、弟、幼馴染の三人から贈られた思い出のブローチがある。
しかし十七歳となった今では
もう、三人との関係はディアーヌが何をしようとも修復不可能なところまで壊れてしまっていた。それだけでなく、学園内では悪役令嬢だと生徒たちから嫌われ、長年の婚約も一方的に破棄されて、父からは勘当宣言もされた。
すべてに絶望したディアーヌは、ブローチを片手に開け放った窓の前に立つ。
そして……
手に持っていたブローチを思いっきり空にぶん投げ、吠えた。
「絶対に、負けてたまるものですかーーー!!」
その叫びが、彼女の怒りが、一つの出逢いを引き寄せたのである。
◇
魔法の存在しない世界で生きる、生粋の負けず嫌いである公爵令嬢が、魔法の存在する異世界からやってきた勇者とともに悪を討ち、日常を取り戻すために奮闘するお話。
※全四十七話予定(完結済み)
※毎日一話更新予定
※一部、暴力・残酷描写あり
※この物語は作者独自の世界設定であり、フィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-25 15:31:44
255630文字
会話率:43%
『音楽魔法具店 店員求む。業務内容:ミュージカリー・カップの鑑定。勤務地:ロンドン ピカデリーサーカス』
風変わりな広告を片手に、元ロンドンの歌劇場の歌姫はその店の門をたたいた。「やぁ、ティナ。待っていたよ」
そこにいたのは顔の左半分にマス
クをしたピアノ弾きの男―-まさかの元彼だった!
過去に手ひどく裏切った彼の元で働くなんて。
だが、音楽学校に通いたいという妹のために、ここはこらえるしかない――。
元気な妹チュチュがティナのために購入したバロタン・ボックスに隠された謎とは?
出張先の湖水地方にあるという、人の才能を奪う音楽魔法具の宝庫を訪れる女性の隠された想いとは?
何の変哲もない一音だけを奏でる六色のブローチが織りなす意味とは?
そして、ヒューがただ一つ、命がけで探している音楽魔法具とは――。
ミステリー色が少々降り注ぐ、ミュージカル・ファンタジーの開幕です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-26 12:01:54
102813文字
会話率:39%
ある夜会でひとりの令嬢がブローチをぶん投げたことにより、その場にいた幾人かの運命が大きく変わっていく。極小範囲のバタフライエフェクト(?)全7話、1話1話が短いです。
最終更新:2024-11-08 19:18:18
20860文字
会話率:24%
色鮮やかなドレスや豪華なアクセサリーよりも
剣が好きという風変わりな伯爵令嬢のアザミ。
騎士団に所属し、勇敢な騎士の称号である"エーデルワイスのブローチ"を与えられた亡き父に憧れながら、騎士見習いとして奮闘する話。
た
だ、それには条件があり...。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-04 15:00:00
35466文字
会話率:45%
ある朝目覚めた時に、別の女性が「妻」になっていた。
それは、夢の中での出来事のせい?
最終更新:2024-09-23 02:03:02
3567文字
会話率:27%
私アリア・グルーシスは次期国王のダリス・シュツェーリア様に婚約を申し込まれました⁉特に何もなく家族で幸せに暮らしていたのですがこの一言で日常がガラッと変わってしまいまいました。ダリス様と私にはブローチという過去に接点がありました。これからど
うなるんですか~!?(泣)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-21 21:34:56
1394文字
会話率:66%
ある日アデルは婚約者に贈られたブローチを見て、自分がハマっていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生していることに気がついた。
それも本編前に死ぬ、推しの元婚約者のモブとして。
すぐに婚約解消すれば死なないだろうけれど、ヒロインが婚約者のルートを選
ばなければ、婚約者の冤罪は晴らされないままだ。
なんとか婚約者の冤罪を晴らして、死ぬ運命を回避したい!
そのあとは推しとヒロインとの出会いのために身を引くので、今までの浮かれた行動は許してください! 婚約破棄されたら国外へドロンしますので!
と思って行動していたら、周囲と婚約者の態度が変わってきて……。あれ?もしかしてこれって溺愛ってやつ?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-11 15:50:00
98863文字
会話率:48%
それは決して実らせてはいけない恋だった。
アシルス帝国皇妃ソフィーヤは、娘のアナスタシアが見つけた意匠が凝らされたペリドットのブローチを見て、過去を思い出す。
それはソフィーヤがナルフェック王国の王女ソフィーだった頃の、決して実ることが
なかった初恋の話。
ロシア系の名前を使っておりますので男女で苗字が違う場合があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-06 17:00:00
14513文字
会話率:27%
アンナマリア学院の高等部2年、神戸 星水晶(かんべ せいら)は飛行機事故に巻き込まれて亡くなる寸前、異世界へ飛ばされた。
そこで行方不明のお姉さまの足跡を見つける。どうやらお姉さまもこの世界に飛ばされているらしい。
生前、お姉さまに託された
ブローチにはどうやらご先祖様が憑いていて、なぜか一緒に異世界へ飛ばされてきたらしい。
有能なご先祖様たちに助けられて異世界を生き抜き、星水晶は最愛のお姉さまと再会することを決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-04 16:30:55
176608文字
会話率:34%
何千年も前、確かにそこに生きていた魔女達は、自分達の存在を示す為、遺物を遺した。
不良高校生の風間蓮斗は、喧嘩っ早い性格の割には平和を好み、流木の様に生きたいと思っていた。
しかし、彼の体には遺物によって得た魔力と刻印が秘められてい
た。
それ故に運命は彼の期待を裏切る事となる。
ある日、クラスメイトの伊吹涼香が落としたブローチを届けようと、駆ける風間だったが、力を狙う刺客の手によって、絶体絶命のピンチに陥る。
初めて味わう今際の感触に、彼はその力を振るった。
魔術と日常が交差する異能ファンタジー。
遺物に隠された真実とは……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 00:00:00
225708文字
会話率:34%
ぶっちゃけ——顔と性格が好みではなかった。
「聞いていますこと? ハルフィリア・ソルフェリノ。私、レナート様からこのようなものをいただきましたのよ!」
ブローチを見せてそう主張するヴァーミリオン公爵家令嬢のナタリアは得意げだ。
「どうかしら
? 私、レナート様と将来を誓い合いましたの。婚約者であるあなたはこれをいただけなかったのでしょう?」
「ええ、まあ、いらないけど」
私はそう言うしかなかった。だってレナートは私の婚約者ではないもの。
ウィスタリア王国に政略結婚のために来た私ハルフィリア・ソルフェリノは、さっそくの破談をさておき、次に向かう。次の花婿候補マリユスの情報を片手にやってきたのは、イヴ・リラと名乗るすみれ色の髪の男性で——?
※この作品は他小説投稿サイトにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-09 12:00:00
20177文字
会話率:44%
佐倉唯は、お母さんのお使いで街まで買い物に出ていた。その時、歩道橋から転落しそうなおばあちゃんを見つけて助けようとするが、落ちてきたおばあちゃんを受け止められずに頭を強く打った。
そして目が覚めると不思議な空間におり、女神フローラに「エレメ
ントプリンセスになって世界を救ってほしい」と言われ、フローラのエレメントブローチである「フラワーブローチ」を託され、異世界でエレメントプリンセスとして戦うこととなった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-26 11:56:24
87406文字
会話率:50%
リストにしてみたけど、よけいにうんざりする。
最終更新:2023-11-23 07:00:00
403文字
会話率:0%
神界では、地球で生きている人間たちの魂や記憶が一つのレコードとして保管されている。地球で人が死ぬとレコードにはヒビが入り、また新しい生命としてレコードは修復されていく。
要するに「レコードの破壊=生命の死」
天使フレンは神界で働いており、レ
コードの管理の一部を任されている。仕事の休憩中、自分が無くした女神エルタナ様から頂いたブローチを探していたところ、立ち上がった際にレコードに当たってしまい、地面に落としてしまう。脳裏に浮かぶのはレコードを落として傷をつけてしまい、殺されてしまった先輩天使。自分も死にたくないと考えた結果、自分が地上に降りてその人間を死なせないように守ることにした。
守るべき人間と共に地球で生活していくにつれて人間を好きになってしまった天使は絶望することになる。
※この作品はカクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-20 12:00:00
10534文字
会話率:70%
魔女のマーメイルは、森の中で薬草を採取していると三ツ目カラスに襲われる。
そんな彼女を助けたのは、黒い子犬。呪われているらしく、その姿も仮のもの。
名前を言おうとしないので、マーメイルは勝手にピースケと命名した。
魔力を封じたブローチを見付
け出せばピースケは元に戻ると聞き、マーメイルはお礼の代わりに失せ物探しの術で手伝うと申し出る。
本当に見付けられるのかと疑うピースケとともに、マーメイルは森の奥へと足を踏み入れた……。
全十回折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-12 19:00:00
46651文字
会話率:43%