『終わる…―――今日で私の命は、くしゃくしゃに丸まった紙屑の様に、風に飛ばされ消えていく――――…』
身に覚えのない罪により、クラスメイトからいじめを受け追い詰められ疲れ果てた楠森薫は、ビルの屋上から身を投げるため柵の外に立っていた。
覚悟を決め身を投げたその時、地面が大きく波打ち路面に追突するはずだった薫の体は地下に水没する。どこまでも落ちていく事に恐怖を感じた時、下方に光が見えそれは大きくなっていった。
膜を突き抜ける感覚を覚えた時、下方にとてつもなく巨大な異形の“胎児”が見えてくる。目を閉じて眠る灰緑色の胎児の威容の傍を降下しながらこのまま眠っていてくれと薫が願ったその時、胎児の一つ目がうっすらと開きーーー中の四つの瞳孔がバラバラに蠢いて薫を凝視する。
異音に気付くと、下方から胎児の何本も枝分かれした指が薫に迫ってくる。自身の顔に触れる胎児の感触にゾッとした時、薫の頭の中に何人もの赤ん坊の声を重ねた様な異様な笑い声が響く。
指が薫の口の中へ入ろうとしたその時、轟音と共に薫の体は強烈な力で胎児から引き離され下方へと降下した。
同時につんざいた胎児の絶叫が遠くなり、恐る恐る自分を抱えた正体を見て薫は驚愕する。
灰紫色の装甲に全身を覆ったーーー体長数メートルの人型の異形が自分を抱え、はるか遠くに見える地上に向け高スピードで落下していたのだ。
その事実に慌てふためく薫に異形が声を発した時、薫は信じられない思いで異形を振り返った。
五〇〇年に一度起こる異界“ヒラニヤ・ガルバヤーツ”との融合ーーーー選定者(ブハヴァ・アグラ)となりヒラニヤ・ガルバヤーツの神に次の世界を願うーーーー薫の世界の人間のほとんどが屍鬼(ヴェーダラ)と化し魔神や魔族、魔獣や精霊などが闊歩する異界で、自らの生に絶望し終わらせようとした楠森薫は数多の出会いと別れを経験し、過酷な試練に苛まれつつ自らの生を問われる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-10 19:38:49
40323文字
会話率:41%
ある日、小学生の並川健太は校庭で”くぼみ”を見つける。
※カクヨムにも掲載。
最終更新:2024-04-19 22:40:00
3154文字
会話率:38%
·········。
最終更新:2024-02-01 23:20:21
935文字
会話率:0%
期末テストを終え帰宅する道中、1人のおじいさんに会った。
片手には区指定の袋を、もう片方の手には火ばさみを持ち下を向いて歩いている。
袋の中を見るとそこには破れたりくしゃくしゃになった『夢』が入っていた。
最終更新:2024-01-29 12:01:14
1055文字
会話率:15%
この世界には2種類の奇病がある。
1つは生まれつきのもの。
もう1つは呪いによるもの。
しかし、必ずしもそれが悪いものだとは限らない。なにせ奇病を患う者だけが、魔法を使うことができるのだから。患者が精神的に苦しめば苦しむほど魔力は増大す
る。
故に奇病との付き合い方は人それぞれである。
それを治療し魔力を失うもの。
その苦しみに耐え魔法を使い続けるもの。
それに侵し尽くされ永い眠りにつくもの。
そもそもそれを自覚していないもの。
そしてこの世界には、自身が奇病を患いながらも、その魔力を使って他者の奇病を治療する“奇病医”が存在する。
そう、この街にも。
読者の中にも知らないものはいないだろう。
若く優秀だが冷酷かつ守銭奴。
かの天才奇病医、
「エスメ・ガザニア」
深く帽子を被った少年はそう呟いて、写真の中の燃えるような赤い髪を見つめた。そして持っていた新聞をくしゃくしゃ丸めて運河に捨てる。
きらめく水面を、ポロポロ紙くずを切り離しながら新聞は滑っていき、やがて小橋の側面に貼りついた。その小橋をコツコツとハイヒールが鳴らす。
彼女は長い赤髪を日に透かしながら、エメラルドの宝石眼に大きな屋敷を映した。ふう、と息を吐き、呼び鈴を鳴らす。
そして屋敷の扉が開いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-27 17:41:59
4607文字
会話率:68%
ディアは、家族を喪い王宮で育てられた公爵令嬢だ。
婚約者である第一王子から婚約破棄を伝えられたディアは、愛する人が、数日後に迫った舞踏会で自分を殺そうとしていることを知っていた。
これは、長い夜の国の王宮で、何不自由なく一人ぼっちで生
きてきたディアが、自分の心をずたずたにした者達を、せめて最後にくしゃくしゃにしようと頑張るお話。
そして、そんなディアを見ていた、美しくて残忍な夜の国の王様が、なぜだかとても振り回されるお話です。
2020/02/06:
本編完結済み後、その後のお話を追加しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-27 19:06:42
279390文字
会話率:30%
ゴミ箱の中からくしゃくしゃに丸めたルーズリーフを取り出す。上っ面に煤けた言葉は、どれだけ擦っても火が着かない。
最終更新:2021-11-16 01:13:51
346文字
会話率:0%
【暗室から出てくる先輩の顔は、ちょっとどころではなく面白い。顔全体をくしゃくしゃに縮めた出来の悪い梅干しみたいな姿を見るたび、私は心の中で「どうかこの人が一生誰からも恋しく思われませんように」と祈ってしまう。】
ノウゼンカヅラをクチナシに改
造したり、カブトムシをセミに改造したりする変な男の人と、彼を慕う女の人の話。作者がみた夢を小説として書き直したものです。
(別名義で書いていた小説の再アップであり、この作品はnote、カクヨム、エブリスタ、Tumblrにも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-25 18:39:38
1779文字
会話率:62%
ホテル・ベイ……全国顧客満足度No.1、2030年ワールドホテルガイド五つ星獲得という華々しい業績を上げている日本最高峰のホテル。
このホテルの中にある三つ星レストラン『エデン』で、主人公である八意 実は料理長として働いていた。
あ
る日のディナー営業のラストオーダーの時間になったとき、エデンにウェイター曰くかなり変わった服を召したお客様が来たらしい。
その人は料理を頼むことはせず、ただ主人公の八意 実に置き手紙を残して消えた。
そして残された置き手紙には、八意 実への宛名と共に英語で「Invitation」……日本語訳すると招待状と書かれている。
いざその置き手紙を開封してみると、中には複雑な魔法陣が描かれた紙が同封してあった。
それを見てただの悪戯だと判断し、置き手紙をくしゃくしゃに丸めて捨てようとしたとき……実は運悪く紙の縁で指を切ってしまう。
その傷から流れ出した血がたまたま、描かれた魔法陣にポタリと垂れた時……彼の足元に紙に描かれた魔法陣と全く同じものが現れ、そこから溢れだした光が彼を飲み込んだ。
これは右も左もわからない異世界に転移してしまった彼が料理の腕一本で生きていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-01 20:00:00
440057文字
会話率:59%
行こ、とナナに誘われ、ステージから降りてバレーコートの準備をするべく体育倉庫の方へ足を向けると、誰かの視線がこちらへ向かっている。
自然とそちらに視線を向けると、まだ髪の毛がくしゃくしゃのままの一宮くんだった。
最終更新:2019-04-26 08:55:49
1731文字
会話率:22%
小学校の通学路にあるボロボロの家に、ボロボロの服。
ボサボサの髪に、黒い肌。
「よぅ!元気か!」
そして、くしゃくしゃの笑顔。
「私、タメともっと遊びたい…」
「ちーちゃん!タメと話しちゃダメだよ…」
「タメは無事、不審者認定されまし
た」
田舎ホームレスのタメと、小学生の女の子の物語。
「ちーちゃん、もう俺と関わるなよ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-11 22:58:02
645文字
会話率:49%
私をフッたこの男に憑りついてやる!!!
私たちの出会いは、、、?
同じジムに来ていた事。
同じトレーナーの人で、自然と私たちは仲良くなって、、、。
その流れで、付き合った。
私は、彼の人柄を好きになったの、、、!
優しくて、誰にでも気
さくに話してかけてくれる、、、!
彼の笑う顔が好き。
くしゃくしゃと飾らない笑い方をする彼の事が私は大好き!
だから! 私たちは上手く行くと思っていたのに、、、!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-27 03:00:00
2090文字
会話率:40%
ふと思いついた作品です。
キーワード:
最終更新:2018-08-21 00:01:56
1102文字
会話率:32%
俺は、仕事で忙しい両親の代わりに、奈々の面倒を見てきた。
買い物に行った時、頼りない足取りで、
けれど一生懸命に俺の背中を追いかけてくる妹を、
子供ながら愛しく思っていた。
奈々の前ではかっこいい兄でいたかった。
だから奈々が上手にお遊戯した時やお手伝いを覚えた時など、
奈々が頑張ったことを、髪の毛がくしゃくしゃになるくらい頭をなでてやったりした。
お漏らししたときだって嫌がらずに世話したし、
小学校にあがった時は、一緒に手をつないで登校した。
【奈々は、かわいい】
世話も焼けるし、行動も危なっかしいけど、
兄として、妹の成長を見守ろうと思っている。
でも最近ちょっと困ることがある・・・。
お兄ちゃんと妹のドタバタラブコメ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-10 21:10:29
242178文字
会話率:60%
僕との関係を望まない彼女に僕は、一体何をしてあげられるんだろう
キーワード:
最終更新:2018-06-12 14:40:23
349文字
会話率:0%
平成二十九年六月十六日、金曜日。ぼくは一匹の白い子猫を拾いました。小さくて、顔はくしゃくしゃで、お世辞にも可愛いとは言えないねこさんを、今までねこを飼ったことがない、ねこ素人のぼくが拾ったはいいけれど、スピリチュアルの能力に長けた友人からは
「こいつ、生きることを諦めているからさ」と言われ、なんとしても命を繋げなければと奮闘するも、その道のりはあまりにも山あり、谷ありで……
生きることを諦めたねこさんと、ぼくと同居犬ひなさん、スピリチュアルな友人ハットリを交えた笑いと涙の物語。
ひとつの命を拾うこと、それを一緒に考えてみませんか?
※猫風邪をこじらせ、肺炎で入院し、生きるか、死ぬか。そんな子猫の闘病生活を描いています。
※違うタイトルで他サイトにも掲載しています。
※完結まで毎日朝六時更新予定。
※拾った当時からの日替わり写真と自作漫画も掲載中。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-29 18:00:00
113475文字
会話率:26%
干からびた大地から三羽の鳥を見上げる僕。やがて涙は海となり、くしゃくしゃになった僕はその海に浮かぶ。
最終更新:2017-04-13 11:22:51
852文字
会話率:18%
存在しているようで、存在していない。そんな話。
最終更新:2016-08-07 23:53:35
1732文字
会話率:50%
最近のラノベっぽい題名で一作書いてみたかっただけなのです。
最終更新:2015-05-31 18:48:00
4050文字
会話率:4%
私のもとに届いたくしゃくしゃの手紙をあけてみた。
最終更新:2011-07-17 23:12:49
260文字
会話率:0%
貴方に出会い 笑って
貴方との別れで 泣いた
もう一度会いたいと 祈ったの
くしゃくしゃな私を見てほしいの
貴方よりも年をとった私を今度は貴方が笑ってちょうだい
手を伸ばせばあの頃のたくましい手
私の手は、、、
最終更新:2011-03-10 01:43:41
754文字
会話率:11%