いつの間にか、空は黒に落ちていた。まるで、星の消えた宇宙のような暗闇が窓の外に広がっていた。そこには何もかもが存在し、また何もかもがなかった。その闇に潜んでいるものがいるとすれば、そいつは何を望んでいるのだろうか。
舞の顔からは血の気が
失せ、白というよりはそのまま霞んで消えてしまいそうな色をしていた。舞の後ろに拡がる漆黒とその色の不思議なコントラストが僕を我に返らせた。
「ごめん」と言い、僕は舞の手首を放した。
舞は放心したかのように、血に染まった包帯を見つめていた。まるで、今まで生きていると思っていた友達が、実はぬいぐるみだと気付いた子供のように。
僕がナースコールに手を伸ばそうとすると、舞がその腕にそっと触れた。
舞は造形美を目的に作られたような、ぞっとするほど優しい笑顔を顔に張り付け、綺麗な涙を一滴、僕の腕に落とした。その涙はまるで生きているみたいに僕の体に入ってきた。
僕も舞と同じように、涙を流すという行為をしたかった。でも、僕に涙を流す資格は無いらしい。たまらなく悲しく、空しいのに涙は一滴も流れてくれなかった。
<本文より>折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-11-06 03:06:14
12881文字
会話率:7%
私なんか、泣く資格なんてこれっぽっちもないのに…
最終更新:2009-06-27 11:04:45
481文字
会話率:0%
負け犬からアラフォーと時代を先取り(?)しながら、不器用なりに前向きに幸せを求める女性を描きました。
最終更新:2009-05-04 16:51:50
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会話率:3%
《2012/10/9現在第4話-6まで修正完了。それ以降は読まないで下さいませ》古からの魂と意思を受け継ぎ、深海のようで、蒼穹(そうきゅう)のようで、強く、艶やかで、溶けるような青い瞳を持って生まれる――それこそが【青薔薇姫】の資格。『外に
出てはいけない』そう教えられたフツキは唯一の肉親である叔父が失踪し、一人屋敷で待っていた。しかしある日突然何者かに追われる羽目になり、外の世界へ飛び出した。そこで一人の青年から告げられたのはフツキが世界を護る為に生まれた青薔薇姫であるということ。青薔薇姫は一体何を護り、何を壊す?青薔薇姫を襲う彼等の目的と隠蔽された過去には何が?儚くも、美しい青薔薇姫と従者達の運命は?ダークで甘く、少し切ないゴシックファンタジーを今、貴方に。(魔法のiらんど様にて同時執筆開始)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-04-15 17:14:18
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とあるとこにやる気のない少年がいた。その少年は主人公の資格がない主人公だった。そのことに怒った神様は1年のうちに主人公として何かしろといい。やる気のない少年「小野田」は特技のとあることを言い主人公らしくなるために学芸会に出る・・・
最終更新:2009-03-11 22:54:14
1761文字
会話率:69%
世界の行方を決める戦いに参加した少年、高月真人。神機・エルテルーゼとともに、彼はこの世界を導く「正義」となれるのか?
最終更新:2009-03-06 22:23:03
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会話率:51%
戦闘のスペシャリスト資格ソルジャー…そのソルジャーの育成や訓練をするスクールの特別選抜のメンバーに、ある新人をチームに入れろとの指示が出る。表向きは特選としての扱いだが、実際に特選として選ばれているのは二人のうち一人。もう一人はコネでスクー
ルに入った最弱のソルジャー候補だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-12-23 06:37:00
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会話率:39%
友達の好きと恋愛の好きが分からなかった自分の資格についてかな?読んでくださった人は、絶対にこんな恋をしないで下さい!自分の気持ちを伝えるのは難しいけど…自分に正直に生きて下さい!
最終更新:2008-12-05 23:45:14
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『浮かぶ国』と呼ばれる、浮遊する大陸の一国ロッシュで領主令嬢の専属教師を務めるファン・ナバーロ。平穏な生活を望む彼だが、彼の知らないところで、運命は大きく狂っていく……。認定者と呼ばれる強化された仲間達を通して、生きていく事の資格について思
い悩む主人公を描いた異世界ファンタジー。***筆者未熟のため、頻繁に修正・加筆があるかと思いますがご了承下さい***折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-12-05 11:56:49
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会話率:30%
「誰かに理解してほしい。褒めてほしい。愛してほしい。ギュっと抱きしめてほしい」そんな性的衝動(リビドー)が私の根源なのかも知れませんね。現実の厳しさを真に理解できていない俺には、とうぜん人生(ギャンブル)を語る資格はありません。しかし、諳(
そら)んじることはできます。ま、戯言ですけどね。そんな感じで『日野愛歌の口裂けスパイラル』−盤上の戯言遣いと夢色サヴァン−でした。それでは、観客の皆々様。確かにここで手を止めるのも一つの方策だと想いますが、気が向きましたら、どうかひき続き≪世界(ザ・ワールド)≫をご堪能くださいませ。2008年12月01日10:13指揮者日野愛歌の中の人折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-12-01 11:23:04
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会話率:17%
人はそれぞれ異なる物語を持っている――。彼の物語の中ではヒロインだけれど、また別の彼の物語の中では少女Aにすぎないときもある。あなたの物語のヒロイン役には、別の人の名前が記されていないだろうか……。
最終更新:2008-09-19 17:04:21
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会話率:47%
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で、その辺りはお手柔らかにご覧下さいませ。<(__)>)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-04-05 00:55:16
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会話率:58%
「死神」と名乗る青年から「死神の資格」をもらった僕は、ある女性を助けるために病院へ行く。その後「死神」とは連絡を断っていたのだが、意外な形で再会する。
最終更新:2008-02-21 20:53:43
13561文字
会話率:41%
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最終更新:2008-02-09 00:41:05
3581文字
会話率:30%
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最終更新:2008-01-11 20:45:21
1250文字
会話率:0%
現行司法試験という薄れゆく狭き門かつ、「資格」という性質上避けられないお上の采配。この門の前に今、一人の女性が立ち向かった!
最終更新:2007-05-06 09:48:39
2674文字
会話率:43%
狂気を宿した悪魔がこの世に降り立つ。法も正義も知りはしない。己が己であるために彼は剣を振るう。邪魔をするなら容赦はしない。生きたくば喰らえ!弱気存在に生きる資格はない!
最終更新:2006-10-15 01:58:02
1783文字
会話率:20%
地図に存在しない、絶海の孤島。その島は常に暗雲に包まれ、中央に位置する、雲に隠れた山の頂上には、あるものがあった。「手にした者の願いを叶える」事ができると言われる、詳細不明の存在。島に辿り着いた百人の資格者は、それぞれの望みを叶えるため、「
それ」を手にしようと島に挑む。求める先に、待ち受けるものを知らず――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2006-05-10 17:18:43
171125文字
会話率:41%
「母さん―…」母に憧れ『ドラゴンレース』に出たいという少年の夢から始まる。今現在少年は青年となりその夢を果たそうと、今まで居た居場所を出る。レースに出るための資格を掴むために――――――……。竜の出てくる純ファンタジー物。
最終更新:2005-11-18 09:00:24
11383文字
会話率:44%
バブルがはじけてしまった。ある大企業の社長は頭を抱えて困り果てる。そのとき、ひとりの社員が手を挙げた。
最終更新:2005-06-30 01:47:56
971文字
会話率:40%
頭が良く、面白い俊樹がハブにされてしまった。このストーリーは、かかわり合う人に物語があって、悲しい物語。これを見て、いじめを知ってください。
最終更新:2005-04-22 21:21:48
6671文字
会話率:32%