「どこへ行った?」
「あっちだ!」
バタバタと複数の足音が遠ざかる。時折聴こえてくるシャラシャラという清い音が頭をずきずきと響かせた。傷だらけの自分の腕を撫でた。滲んでいた血がじわりと広がった。
ここまでか。
多勢に無勢。随分傷を負ってしま
った。今はいいが、いずれはここに隠れていることもバレてしまうだろう。
ねえ、大好きよ
透き通る水のような声が蘇る。さらさらと流れ、滑り落ちていく。
もうあの声を聴くこともないし、自分にはその資格はない。
彼女の隣にいられる唯一の証の羽根は真っ黒に染まってしまった。シャラシャラと頭痛を呼び起こす音が近付いてくる。ロザリオの鎖が揺れる音。かつては自分も愛していた美しい音だというのに、今やそれは自分の消し去る存在だ。
誰かが目の前に立ちはだかった。シャラン。鎖が揺れる。
「早く」
手を差し伸べられた。
「逃げるよ!」
それは、鈴がコロコロと転がるような声だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-21 16:11:49
34687文字
会話率:39%
いつか、父をも越える世界的な大魔術師になることを決意した少女、朧月希。彼女が、探偵を志す少女──佐倉真奈美の通う高校へ転校してきたときから、二人の物語は動き出した。 何気ない日常の片隅に転がる、小さな謎の数々。不可解な失踪事件、奇妙な数列の
暗号、灰色の頭脳を持つ黒猫、一斉に吠え出す犬、そして遊園地での強盗事件……不思議と魅力で溢れた、魔術師と探偵の学園生活をこっそり覗いちゃいましょう。「日常の謎」を扱ったライトでキュートな青春ミステリ! ※なお、この作品は縡月葩鵺士様の『Seasons』を原作とした二次創作作品となっております。原作者様から掲載及び二次創作の許可をいただけたことに深く感謝します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-02 16:09:40
283159文字
会話率:44%
生きることに何の意味も見出すことができない、二十七歳無職の男。
人間だれしもが迎える、大人と言う役割を受け入れ、大人として生きていくことが、これほど難しく、退屈で、面白みのないことだとは理解していたつもりだった。
子供の方が大人よりも
何倍も輝いている。何でもできる。
そうは自覚していながらも、もう子供には戻れない。
そこに転がる一つのラッキーアイテム、五百円玉。
彼にとっては些細なものかもしれないが、それは彼にとって大切な物なのかもしれない。
誰かがバカやって、楽しんでいる時は誰かに迷惑をかけている。
だから楽しいことを、やらないなんて、ありえない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-22 16:48:35
4279文字
会話率:24%
冒険者は王の窮地を救った。
偉大な王は昔は冒険者であった、魔法の剣に選ばれる前までは。
王は冒険者に自らに似ている部分を感じながらも、望みについて尋ねる。
そこに出てきたのは、とある骸の話であった。
時空モノガタリ 第五十八回 テーマ【
転がる石のように 】 作品折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-15 14:48:34
2262文字
会話率:36%
俺は存在する価値もない、そこら辺に転がってる石のようなやつだ。
せっかく上京してきたのに、いまだにくすぶっている。
そんな時、俺はおせっかいな爺さんに出会ったんだ。
時空モノガタリ 第五十八回 テーマ【 転がる石のように 】 作品
最終更新:2014-06-14 23:43:58
1803文字
会話率:57%
俺の妻はたんぽぽのようだ。
そんなことを語る、そのへんにいくらでもいそうな男。
暖かいような涙ぐましいようなそんな話。
時空モノガタリ 第五十八回 テーマ【 転がる石のように 】 作品
最終更新:2014-06-12 23:00:52
1878文字
会話率:9%
日常の片隅に転がる、いろんな恋のカタチ。
1話完結の恋愛SS集。
たまに恋愛っぽくないのも混じっている……かも?
最終更新:2014-03-02 17:16:11
181402文字
会話率:41%
『痛い』。―――だから『憎んだ』。青年は一度死んだ。不条理に貫かれた胸は痛くて苦しかった。けれども、何の因果か命を取り戻す。そして二度目の不条理と出会いによって、青年はその生命を焦がして夜を駆ける。
選んだ世界の先には、無数に転がる選択肢。
正解は既に失っている事にすら気付かない。故に、この物語の終わりに手に入れたモノなんかに微塵の価値も存在しない。だってこれは――――結局生きるか死ぬか、失うか失わないか――――ただそれだけの話なのだから。
ただただ厨二病な話を書きたかった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-20 21:38:57
30201文字
会話率:20%
半透明でぷかぷか浮かぶ私に、足元に転がる自分の身体。どうやら、私は幽霊になってしまったらしい。途方にくれる陽菜子を見つけてくれたのは、琥珀色の目をした霊感少年だった。彼に連れられて行ったお店で出会ったのは、風変わりな店長さんで……。美しい尾
裂狐に、おしゃべりなつくも神、季節外れの雪童子。ちょっと不思議な陽菜子の日常を覗いてみませんか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-22 00:04:13
58596文字
会話率:28%
「てきとうテーマったー」で出たお題で書いた。「異種間に果たして絆は生まれるか否か!?」などというお題では無かった筈だが気付いたらこうなってた。俺、可愛い女の子描く練習しようと思う……。これじゃだめだ。や、毛玉描くのは好きだけど。
最終更新:2013-10-20 12:04:28
200文字
会話率:0%
手入れされずに伸び放題な川原に転がり、弾んだ息を整える。
其処に転がると、まるで音が降って来るみたいだといつも思う。
あちこちに散らばり、飛び跳ねる様に奔放に。
気ままに耳を擽るそれを耳にしたのは、偶然部活をサボった時の事。
土手の上、マンションの一室で、毎日、この時間にピアノの練習をしているのだ。
この間カーテンが開いていて、「猫ふんじゃった」を鼻歌付きで弾く少女が見え、揺れる三つ編みに胸がほんわかした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-24 23:12:28
200文字
会話率:0%
異世界召喚。用事終わりで即送還。
そんな便利物扱いされた男のお話。
召喚作用により超能力を得て、それを使い現代を生きていく。
現代と言っても裏世界ありのため、現代ファンタジーという扱いです。
まだまだ脳内プロットのため、どこに転がるか分
かりませんが、よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-06-09 23:00:00
7163文字
会話率:39%
食料の尽きた貧しい村の最後の一人となった少女が村を出ようと山を彷徨う。空腹と疲労で朦朧とする彼女の前に転がってきた赤い実を口にすることから少女レナとおかしな連れの物語が始まる。不思議な連れとともに歩くレナもその世界の傍観者ではいられない。巻
き込まれていく彼女の行く先は、そして、おかしな連れは?
そんな物語です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-26 16:07:39
146427文字
会話率:29%
人間の里在住の一般人、伊野和博。最恐の妖怪、風見幽香。ちぐはぐな二人の織り成す物語。バトルに転がる?恋愛路線?ほのぼの?
どうなるかは全く謎の物語!
※これは東方の二次創作です。嫌いな方は戻るボタンをお願いします。
最終更新:2013-02-20 17:45:52
5140文字
会話率:34%
中学3年、学校ではいじめられている、俗に言うキモヲタであるワタルがじいちゃんと異世界に冒険に行き四苦八苦しながらも成長していく物語である
キーワード:
最終更新:2012-12-22 19:28:39
264文字
会話率:34%
普通の平凡な男子高校生、|平山佑都《ひらやまゆうと》は、帰ってゲームをする事で頭がいっぱいで、後ろから来たトラックに一瞬反応が遅れた。
しかし佑都は、(こんな狭い道なんだから向こうがブレーキ踏んで止まってくれるだろう。)なんて事を思って
いた。だがしかし、そのトラックには本来あるべきブレーキペダルが無かった。=止 ま れ な い ☆
もちろんそんな事は微塵にも思ってない佑都は、引かれたのであった。
「ん、え?あ、あわ!・・・・」ギィィィィィ!!!!
それと同じ時間、天界では、火が消えたロウソクと、その傍に転がるダンベル。それを絶望した表情で見つめるガチムチと、背中から可愛らしい羽を生やした絶世の美女が、絶望+怒りが混ざった表情で、消えたロウソクを見つめていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-12-08 00:50:02
193文字
会話率:0%
起きたら突然ドラゴンになってました。
って訳もわからず討伐されたりは御免こうむる。
というわけで主人公は何とか死亡フラグを回避するために
近くの町の人たちと仲良くなって町おこしの為に協力しますから
命だけはご勘弁をというお話。
もうな
んか初めてですので
感覚だけを頼りに書いています。
あー、頑張ってるなという生温かい目で見てやって下さい。
どう転がるかわからないのでR15と残酷は完全に保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-24 22:33:23
12422文字
会話率:1%
久々に帰省した理沙。星の綺麗な夜、ビール片手に流れ星に願ったのは幼馴染との再会。十年前に事故で他界した新との再会はそれこそ星にでも願わないと無理な願いで。風で転がるビールの空き缶を追いかけようと立ち上がって出逢ったのは、十年前のそのままの姿
の新だった。幽霊・死にネタ含みますので苦手な方はご注意下さいませ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-22 20:53:01
6577文字
会話率:30%
公園に転がる傘、そこには誰も知らない物語がある。
三題話恋愛小説縛りシリーズです 等分は角砂糖2個くらい?
最終更新:2012-07-23 20:00:00
3299文字
会話率:15%
面倒なのにかわいい。会いたくないけど会いたい。幾つも転がる矛盾の中、交じり合って行く。恋愛願望ゼロの冷めた慧と、恋愛経験ゼロの熱いみどりの、じれったいプラトニックラブ(ラブになるまでにもかなり時間がかかります…)。「Home Sweet H
ome」のスピンオフですが、一応HSHを読まなくてもわかるようには書いているつもりです…つもり(汗)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-06-05 21:57:35
42673文字
会話率:25%
石ころは旅に出る。
例え人間に気づかれなくても。
転がることをやめない不器用な大人たち。
そして、転がり始めた大きな子供たちに捧げます。
最終更新:2012-02-06 22:00:00
6432文字
会話率:45%
最近、道ばたで首の無い死体が転がるという奇妙な事件がこの町 「川崎」で起きている
おかげで町中大混乱「死」への恐怖が充満したこの町で生きていく事は想像以上に萎える。
俺達はまるで檻の中の豚だ。
俺は早乙女龍貴、俺の夢、それは、この不可解な事
件の犯人を暴く事だ。そしてその犯人が絶望に満ちる顔が見たい。
暴く方法なんて思いついてないけどな
これから起きることで僕は知る、「危機は突然」
「近付いてくる」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-01-08 23:00:28
10975文字
会話率:38%
何の変哲もない日常なはずなのに、それは疎外感に居心地悪く思えてしまう。
普通の高校生を演じようとしても、彼にはそれが難しい。
桐生ジョーイ──過去の事件のトラウマを引きずるアメリカ生まれの無口で無感情なハーフ。見かけだけで人と違っていた。
そんな時、駅のホームで少女がビー玉を散らばせた。
少女が呟く。
「I lost my marbles」(ビー玉を失くした)
それがジョーイの記憶を突くきっかけとなった。
だが、その言葉にはもう一つの意味が含まれていた。
まるで何かを知らせたいがために足元に次々転がるビー玉。
無意味ととるか奇跡ととるか。
ジョーイはその転がるビー玉を追いかける。
その先で一体ジョーイは何を見るのか──。
ピタゴラ装置のようにビー玉が転がり、謎解き、事件、暗号が、次々連鎖反応を起こして飛び出してくる。
果たしてゴールの先には何が待つ。
青春の一ページに残したい、胸キュンな青春ミステリー恋愛小説です。
※2017年 加筆・修正し、結末を変更しました。【改訂版】
(自サイトからの転載)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-10-01 18:00:00
182704文字
会話率:37%