仕事一筋で、冗談等飛ばしたことも無い真面目ぶりが評価され、若くして課長までに上り詰めたキャリアウーマン。しかし中間管理職のやるせなさに打ちのめされる日々が続き、彼女は生き甲斐とも言える仕事が、次第に苦痛に感じるようになっていった。
部下
に一人、不真面目で冗談ばかり言う男が居た。初めこそは疎ましくも思えたが、打ち解けるきっかけはある日男が差し入れた一本の缶コーヒーであった。
「課長、たまには早めに切り上げて、遊びにでも行きませんか? 勿論課長の奢りですがね」
女は不思議とその言葉に怒りを感じなかった。それ程までに自分は疲れているのだと、その時は言い聞かせたが、男と行った気晴らしのボーリングは、学生時代に行った物とは比べ物にならないほどに、彼女を楽しませた。
しかし彼女には、悲痛な現実を報せなくてはならない使命があった。
「なんて言ったら良いんだ……!!」
悲痛なる人事。経営不振のあおりを受けたリストラ辞令。そのメンバーの中に、男の名前が挙がっていた…………。
※遥彼方さんの『イラストから物語企画』参加作品です!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-15 05:56:11
2514文字
会話率:59%
平日の朝食を終えて、仕事用の服に着替えようとクローク部屋に入っていると、慌てたように妻が呼びかけてくる。見ると、ずっとテレビ画面に見入ったままだ。送還後の空港のロビーで、警察に連行されていく映像だ。男女混在の5人の中にその人物を見つけ、自
分でも確認するように指さしながら私に押し示す。「ほらっ、ほらっ、この黄色いキャップの男の人、あの人に間違いないよ。保護猫の猫カフェで説明してくれたひとだよふーん、|篠田優希《しのだゆうき》って名前だったんだ」
「わたしたち夫婦にとって、ユウナがわが子であることは何ら変わらない。そのことだけは揺るがない真実です」養親のアメリカ人夫婦は、インタビュアーに対してそのことだけを淡々と繰り返していた。アシスタントの女性アナウンサーは放送事故と思われないよう、あの事件のとき3歳だったユウナちゃんは成長して5歳になっています。日本語も日本人であったことも知らずに、現在のご両親の愛情に包まれ幸せに過ごしていたそうです、と手元のメモを読みあげた。
シルバーヘアーのコメンテーターが「今回のことの不可思議さ、奇妙さは兎も角も、まずは良かった。虐待されて死んでしまったと皆んなが思っていたあの3歳の女の子が生きていて、幸せに暮らしていたんだから」といった。
三歳のときのその女の子の写真がアップになる。ただただ「愛おしい」しか浮かんでこないその幼い顔をみつめていると、事件のやるせなさ切なさがフラッシュバックされる。あのとき、なんでこんな非情さが本当の現実として目の前に現れてこなければならないのかと、誰もが沈痛な想いにとらわれた。殺されたものが無垢であればあるほど、やり場のない気持ちはどこか別の場所におけずに自分の処へ戻ってくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-14 08:20:22
4207文字
会話率:50%
死にたいと言う母…私はどうしたらいいのかな?
私はどうしたいんだろ?私は…私は…私は…
ただの愚痴?ですね…自分の気持ちを整理するために書いただけです…もし時間があれば読んでください…なんとなく救われるような気がします…(私が)
最終更新:2020-05-11 10:11:19
1245文字
会話率:0%
一話一話が独立している童話…集となっております。
タイトルでも分かるかと思いますが、やるせなさというか、消化不良というか、憂鬱になっていただくことを目的としたダークメルヘンを目指していますので、ご注意ください。
また、ジャンル『童話』
ということで意図的に読点(、)なしの平仮名が多い文体となることもありますので、それにもご注意を。
「それでも構わない」というお方は、先へどうぞ…
※各話間に、繋がりは一切ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-10 15:11:20
19891文字
会話率:38%
ツイッターやソニースケッチを通じて、ロシアと触れ合い感じたこと。
最終更新:2019-08-25 11:54:11
640文字
会話率:0%
好きになってしまった綾乃の望みを叶えるため、雅久は恋のキューピットの役を引き受ける事に。
やるせなさを紛らわすため、立ち寄る公園のベンチ。
灯された街灯のオレンジが、滲む。
それは初めて味わう恋の痛みだった。
「遥か彼方のきみへ」に掲載済み
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-08 12:41:59
58972文字
会話率:42%
戦乱の時代が終わり、大国葵羅奈帝国支配下の下、民は帝国の凶悪な圧政に苦しんでいた。そして、戦乱の時代に戦場で死ぬ事ができなかった武人たちが各地で殺し合い(死合)をして己のやるせなさを晴らしていた。さらに黄泉の軍勢が密かに恐ろしき陰謀を唱え始
めていた。気性はかなり荒いが、正義感は人一倍ある武人の忘れ形見夢津美龍雅とその仲間たちの戦いと正義の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-09 00:36:16
4694文字
会話率:45%
私は傘です。安価な、ビニール傘です。
私を開いてくれた方の心の声は、私にははっきりと分かります。
雨に降り込められ渋々私を買ったやるせなさも、他人の傘と知りつつ手に取った醜い心も、全部。
それでも、私はあなたを守ります。それが私の、唯一の使
命ですから。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-17 22:02:09
14360文字
会話率:14%
クラスごと異世界召喚されてから十五年。一般市民として埋没してしまった『俺』は、英雄として称えられるかつてのクラスメイトの姿を、やるせなさを感じながら見つめていた。
最終更新:2017-12-16 15:19:49
3379文字
会話率:29%
自殺を希望した少女達が殺された事件にゾッとした。
だって私も中高生の頃に「死にたい」と願って居たから。
今思えば、「死にたい」じゃなくて「一番愛して」「心配して」「苦しいよ」「助けて」って言葉の要約のようなものだった。
「死にたい」と願って
自殺方法を考えては、痛いのは嫌とか、迷惑をかけたくないとか、葬式代が…とか沢山の理由をつけては行動に移す勇気のなかった自分の臆病さを私は今称賛している。
そして、本来的、彼女達もそうなるんじゃなかったのだろうかと思っている。
今は闇の中でも、10年後には「死にたい」って思ってしまう自分ごと愛せるようになっていたのでは…と。
もし私があと10年遅く、都心で生まれていたら、あの中に私の名前が刻まれていたかもしれないと思うと他人事に思えなくて心が張り裂けそうになる。
彼女達の事は知らないが、彼女達の中にはきちんと愛されている子達が居ると思う。
優しすぎて、身近な人に「助けて」って言えない弱さにつけこんだ最悪の事件だ。
そんな優しい我が子を愛情が伝わりづらい時期に上手く伝えられなかったために奪われるなんて、こんなのありかよって思わずにはいられない。
今は闇の中でも10年後、20年後に待っていただろう彼女達の輝かしい未来と愛情を上手く伝えられなかった遺族のやるせなさを思うと泣きそうになる。
本編と個人的には関係があるけど、無関係にしか見えないかもしれません。
それでも言いたかった。
不適切だと思われた場合、あらすじは削除します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-05 12:02:42
2205文字
会話率:1%
恋と愛とやるせなさを出した、少し悲しめの詩です。自分なりにアレンジしてみました。長いですが、頑張りました(笑)
最終更新:2017-09-28 19:40:33
514文字
会話率:0%
ツヨイココロを求めるモロイココロの少年とその物語です。
やや嗜好性の強く、近親相姦的な要素もありますのでご注意ください。
この作品はFC2ブログ「母子相姦 禁断の母を夢みて」にも掲載しています。
最終更新:2017-07-21 13:00:00
3493文字
会話率:3%
雨は淋しさややるせなさ。それがやがては終わるのを待っている詩です。
キーワード:
最終更新:2017-06-26 20:26:14
209文字
会話率:0%
雨が降る平日のこと、いつもと違うバスの中での出来事。私は考える、何が正解で何か不正解なのか、
何が善で何が悪なのか。答えはその日にならないとわからない。
最終更新:2017-04-27 00:23:05
1981文字
会話率:16%
とある夜に起きた不思議な出来事。父親の事故にやるせなさを募らせていた亜子は、いつもとは何かが違う街へと迷い込む。街の案内人、キネムに導かれ進むその懐かしくも美しい街で出会う人々、そして知る『大切な事』。この夜の終わりに亜子が得るものとは。
最終更新:2016-02-28 21:58:51
41098文字
会話率:40%
友人への餞、日常の切り抜き、退屈な思索、思考の停滞、記憶に残留した言葉……
タイトルの通り毒というか、一部人害となる性質があります。
悪気はないのですが…
長篇追加中(・o・)ゞ
・pistachio
・flat day
二十六扁終了予定
後一篇で完結.
現在完結に向け、修正中.
完結予定日 4/〜
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-03-04 23:19:45
9058文字
会話率:0%
年をとった祖父と大きくなった孫。祖父の家を訪ねた孫は彼の老いを感じて・・・。孫のやるせなさ、無力感を物語にしてみました。
最終更新:2010-02-01 02:32:41
6567文字
会話率:13%
キツネ君のやるせなさ
最終更新:2010-01-14 03:26:17
790文字
会話率:38%
グラジオン王国の第一王女、レミュート・アンファイン・グラジオンは目的の持てない日々の生活にやるせなさをもっていた。幼い頃からかつて世界を救った英雄達の物語、国王である父の武勇伝を聞かされて育った彼女は世界を巡る旅を夢見るようになる。自由を求
める心、王族としての責務を果たさなければならない未来。彼女はその旅路の果てに何を見いだすのか。魔法と剣が織りなす異世界冒険活劇。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-08-28 00:40:37
37825文字
会話率:44%