仕事一筋で、冗談等飛ばしたことも無い真面目ぶりが評価され、若くして課長までに上り詰めたキャリアウーマン。しかし中間管理職のやるせなさに打ちのめされる日々が続き、彼女は生き甲斐とも言える仕事が、次第に苦痛に感じるようになっていった。
部下
に一人、不真面目で冗談ばかり言う男が居た。初めこそは疎ましくも思えたが、打ち解けるきっかけはある日男が差し入れた一本の缶コーヒーであった。
「課長、たまには早めに切り上げて、遊びにでも行きませんか? 勿論課長の奢りですがね」
女は不思議とその言葉に怒りを感じなかった。それ程までに自分は疲れているのだと、その時は言い聞かせたが、男と行った気晴らしのボーリングは、学生時代に行った物とは比べ物にならないほどに、彼女を楽しませた。
しかし彼女には、悲痛な現実を報せなくてはならない使命があった。
「なんて言ったら良いんだ……!!」
悲痛なる人事。経営不振のあおりを受けたリストラ辞令。そのメンバーの中に、男の名前が挙がっていた…………。
※遥彼方さんの『イラストから物語企画』参加作品です!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-15 05:56:11
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会話率:59%