フランソワは両親の事故死で突然女伯爵になることが決まった。領主教育は受けていたもののお嬢様で過ごしていたが、親族の魔の手から家と領地を守る為には、後ろ盾の祖父や古参の上級使用人達に協力してもらいながら、寝る間も惜しんで経営の勉強を始める必要
があった。。
喪が明ける頃には漸く成果が出始め平穏が戻ると、釣り書が執務室の机にうず高く積まれるようになった。だが調査を入れると禄でもない相手が殆どだった。
フランソワは報告を聞き結婚が嫌になっていた。
その中で最後に残ったのが王宮文官で真面目なアランだった。子爵家の三男で家を継がない彼は美形だが令嬢たちの結婚相手では無かった。遊び相手として誘われても上手に躱していたことが今回の選考に残った理由だった。
男性たちの不実ぶりにげんなりしていたフランソワに侍従の一人が契約結婚はどうかと勧めてきたのだ。家の為だと割り切って契約結婚を持ちかけてみることにしたフランソワだったが、そこには誠実に愛を捧げようと誓うアランがいた。
お嬢様の幸せに繋がるように、真面目だけのアランに侍従達は婿の心得と
腹黒系の貴族紳士の身の処し方を教えることになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 09:28:44
33955文字
会話率:52%
子爵令嬢ローズマリーには才色兼備の幼なじみがいる。彼女にばかり注目が集まるためローズマリーは等閑に扱われ、いい年頃になっても浮いた話どころか釣り書き一つ届かない。心配した父親と弟に見合い話をセッティングされたところ、そこで運命の出会いを果た
す。
意気投合した二人は婚約することになるが……高位貴族から呼び出されたり、母親と仲違いしたり、幼なじみのほうが相応しいから譲るべきだと噂を立てられたり、二人の仲を引き裂くような出来事が続くのだった……。まぁ、返り討ちにしているんですけどね!
※作者の完全オリジナル異世界(魔法も剣もないけど階級はあるよ!)です。中世ではありません。もっと発展していますが、電気はなくてガソリンもないです。
※氷雨そら先生主催『#愛が重いヒーロー企画』参加作品です!
※今回は企画モノなので感想欄は閉じておきます。
中編で、完結まで連続投稿します。しばしお付き合いください!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 08:00:00
39743文字
会話率:33%
六年前、侯爵令嬢の馬車が襲撃される事件が起きた。
私は『被害者』となった。
……月が綺麗な夜だった。
廃工場に打ち捨てられ、ただ死を望む私を見下ろす男がいた。
銀色の髪に、青の瞳の背の高い男。
ぼろぼろの屋根の下に差し込む月
明かりを背景に、吸血伯爵と呼ばれる男が笑った。
「フォーリー……俺こそが犯人だ。俺を恨め。……悔しければ追いかけて来い」
……ああ、そうだ。
こいつが、犯人だった。
私を襲わせた、全ての元凶。
全てを狂わせた男。
ーー絶対に、許すものか。
復讐を誓った私は侯爵令嬢としての生活を捨て、剣士として生きてきた。
しかし。
十八になった私にはそろそろ結婚相手が必要だと、お父様が釣り書きを用意した。
提案されたのは……犯人の吸血伯爵!?
ついに復讐の好機がやってきた。
因縁に燃える侯爵令嬢と、不老不死の吸血伯爵の間に、果たして愛は生まれるのか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-13 09:00:00
104681文字
会話率:28%
父から呼び出された。
ああ、いや。父、と呼ぶと憎しみの籠る眼差しで、「彼女の命を奪ったお前に父などと呼ばれる謂われは無い。穢らわしい」と言われるので、わたしは彼のことを『侯爵様』と呼ぶべき相手か。
「……貴様の婚約が決まった。彼女の命を
奪ったお前が幸せになることなど絶対に赦されることではないが、家の為だ。憎いお前が幸せになることは赦せんが、結婚して後継ぎを作れ」
単刀直入な言葉と共に、釣り書きが放り投げられた。
「婚約はお断り致します。というか、婚約はできません。わたしは、母の命を奪って生を受けた罪深い存在ですので。教会へ入り、祈りを捧げようと思います。わたしはこの家を継ぐつもりはありませんので、養子を迎え、その子へこの家を継がせてください」
「貴様、自分がなにを言っているのか判っているのかっ!? このわたしが、罪深い貴様にこの家を継がせてやると言っているんだぞっ!? 有難く思えっ!!」
「いえ、わたしは自分の罪深さを自覚しておりますので。このようなわたしが、家を継ぐなど赦されないことです。常々侯爵様が仰っているではありませんか。『生かしておいているだけで有難いと思え。この罪人め』と。なので、罪人であるわたしは自分の罪を償い、母の冥福を祈る為、教会に参ります」
という感じの重めでダークな話。
人によっては胸くそ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-17 22:23:31
3815文字
会話率:67%
大魔法将軍の息女ドナーレンは、適齢期をすぎている。ある日、ドナーレンは父と共にお見合いの釣り書きを見ていた。お相手は、生真面目で有名な騎士団長ヴァントだ。聖剣継承者であり魔法の天才である彼は、垂れ目の美男子であった。しかし、飛行騎士団を率い
るにあたり、自ら開発した笊を飛ぶための道具に選ぶほどの奇人だ。なかなか結婚相手が見つからないのだという。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-20 15:00:00
21584文字
会話率:63%
ニューヨークのマンハッタンにある証券会社に勤めるメアリー。仕事も恋も失い、最悪の気分で両親の住むニューヨーク郊外の高級別荘地ハンプトンズへ行く。謎の日本人女性との出会いから、メアリーの運命は思いがけない方向へ回り始める。
最終更新:2021-05-05 19:00:00
2281文字
会話率:30%