双子の一方を交通事故でなくした中学生の崎森澪。父の仕事の関係で、海に近い小さな町に引っ越し、転校してきた。母親は亡くなった双子の梓と気が合う母娘だったので、梓の死後前のような気力がない。澪はときおり自分の方が死ねばよかったのか、と思うことが
ある。
澪の同級生、守生リョウは、小さいころから「そこにはないものの精」が見える少年だった。リョウは、転校してきた澪の背後に澪とそっくりな少女の姿を見ていぶかしく思っている。リョウは、昔からこの町の海の社を守る家に生まれつき、未婚でリョウを産んだ母は早くに亡くなって、そのせいか、リョウは祖父(母の父)に疎まれていると感じながら大きくなった。
夏休みの宿題としてこの町のことを調べようとした澪とリョウは、海の社で出会う。
一方、時代をはるかに遡ったこの町。藤原不比等はこの町にやってきて、玉藻という美しい海女の娘との間に子どもをつくった。玉藻は実は海の龍神の娘で、海の中から不比等を見て恋するようになったのだった。
このふたりの話は町の人魚伝説として、子ども向けの昔話になっている。
そして、リョウの家が守る海の社には、人魚の墓と呼ばれる場所があった。
海の底では、竜王がなくした娘にかわる後継を求めて、リョウを竜宮へ連れてこようとしていた。リョウの母は、かつて海を泳いでいて海の命を飲み込んでしまったためにリョウを身ごもったのだ。
龍の社で、リョウと澪、そして人魚の玉藻と梓の霊、不比等と玉藻の間に生まれた藤原房前らが竜王と対峙する。
かつて玉藻の許嫁でありながら、彼女が不比等のもとに行くままにさせた和仁はリョウが人間界にとどまることを竜王に進言する。
この後、澪は次第に自分が生きていっても大丈夫だと思えるようになっていく。リョウも祖父との間の関係が少し変わったのを感じている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 18:42:53
26308文字
会話率:22%
雲海を泳ぐ長命の鯨の背中で、肺呼吸の生き物たちは生きている。
一体の鯨が老いて死ぬとき、選ばれし王の血族が新しい鯨と契約をし、新たな大地を生み出さなければならない。
さて、奴隷の少年イース=イーダは、先の戦争で理由もわからず地下牢にとらわれ
ていた。彼には古の王族の血が薄く流れていたのだ。血筋を理由に解放され、契約者として命を握られたイース=イーダは、政治家たちの言いなりになることを嫌悪し、鯨上都市の片隅で雲海を睨みつける。
イース=イーダが身投げをしようとしていると勘違いし、声をかけてきたのは、海女として生きる少女ヘルミだった。
空の上の歪な街で、少年と少女が出会い、小さな白鯨を連れて、旅をする。これはそんな、どこか温かくて、さみしくて、優しい物語。
※ノベルアップ+、カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-13 00:34:37
31149文字
会話率:65%
[17歳のリリアナ・マリンクロード、愛称リリィは海辺のカフェで働く普通の女の子。
ある日、親友と出かけた先の砂浜で突然の大波に飲み込まれ、海の中へ。。。
絶対に死んだと思っていたリリィだが、目が覚めるとそこはなぜだか見知らぬ岩の洞窟。
波
に流されたリリィは母国からは遠く離れた何処ぞの入江にたどり着いていた。
溺れた彼女を助けてくれたのは、青い肌に金の瞳を持つ"海人族"の男性。
魚人のような見目だが、その彼は大層美しかった。
人間とは違う種族の人に出会い戸惑いつつも、母国へ送ってくれるというその男性の背中に乗り、夜の航海へと繰り出したのだが、そこで恐ろしい"海の魔物"と遭遇してしまい。。。
リリィが次に目覚めたのはなんと海底の王国。その国の第二王子が、まさかのあの人。
さらに、その海の王国では何故だか皆がリリィのことを"海女神の愛し子"だと崇めだして。。。?!]
と言うお話です。
こちらは完結済みでして、全74話となります。1年3.4か月ほどかけて、ゆっくり執筆しました。海を舞台とした魚人?の彼との恋愛小説が読みたくて書いてみました。楽しんでいただけると嬉しいです。
※この小説は現在こちらの「小説家になろう」でのみ、掲載しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-26 10:18:22
608873文字
会話率:38%
海の底にいる小さななまこと、海をただよう大きなくらげのお話。
※このお話は、江戸時代の俳人、黒柳召波の句「憂きことを海月に語る海鼠かな」(出典:『春泥発句集』)より着想を得ています。
最終更新:2021-02-03 01:49:07
2799文字
会話率:35%
美しく厳しかった祖母との思い出話です。
最終更新:2021-01-11 13:02:58
1580文字
会話率:0%
祖母から聞いた怪談をうろ覚えながらまとめたものです。
最終更新:2020-10-10 18:30:23
654文字
会話率:0%
「おそらくは、そうじゃろうと思う。この先の海中の岩の間に、青く澄み切った丸い空間があるそうな。そこは竜宮の井戸と呼ばれていて、海女は決して近寄ってはいけない所と言われているのじゃよ」
と、老女は痩せて皺が沢山ある指を伸ばして、海の方を差した
。
老人保養施設にいるお婆ちゃんを訪ねた二人は、そこで戦後に起こった五人の海女が行方不明になった事件を知る。不思議少女・琴代はその事件を調べ始めるが、事件は次第に自分たちの身のまわりに繋がりはじめる。
カクヨムにも同じタイトルで出しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-20 08:13:47
59681文字
会話率:47%
言葉が通じない海女の女性に拾われた王子の話
スカイリリー執筆仮書き
最終更新:2019-12-07 04:53:18
1187文字
会話率:17%
海には何かが住んでいる。
最終更新:2016-11-18 18:03:33
1000文字
会話率:25%
婚期を逃した40越えのタツコ。
彼女は玉の輿狙いの、ロマンチックな出会いを求める女。最近巷で人気の恋愛小説家、海女室ユカリの描くような恋愛結婚が夢。だが現れたのはガリガリで無口、おまけ性格も最悪の夢とはかけ離れた男、タケトシ。仕方なく結婚し
た二人だが住居を訪れた際、タケトシはタツコに日給3万円で良き妻の振りだけしろと言い出す。実はタケトシの正体は海女室ユカリだった……中年契約夫婦を演じることになったタツコと、女嫌いタケトシの愛の行方は!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-24 06:34:33
16706文字
会話率:31%
鉄パイプの水魔法使いが、
寄生植物が、
獅子族の女戦士が、
飛べない甲殻虫人が、
変態する魔法人形が、
伝説のサバニ漁師とその妻の海女さんが、
猫族の女盗賊(老女)が、
頭から光が出る親父が、
ファンタジーでサバイバルする話。
2015年
5月8日、完結しました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-08 00:00:00
399510文字
会話率:22%
この二編において用いた謡曲は、奈良のご時世に藤原淡海公(不比等)が唐土より贈られた宝玉を、讃州志渡の浦の海で失くしちまって、かの所の海女と契りを結んでその玉を海底に探させたっていう話によるものだ。海女は健気にも身を捨てて千尋の波間に潜り、
龍神に守られたその宝玉を奪ったが、悪龍毒魚に追いかけられてどうしようもなく、乳の下を切り裂いて玉をその中に隠して海面へと浮かび上がって来た。そのくだりを鑑みつつ乳母の忠義に書き換えて綴ってみようとぽつぽつと思ってはいるが、龍神が迫ってくるよりも烈しい書房の催促・・・。急かされると考えもまとまらないものだというのに。志渡の浦に縁ある二条院讃岐の恋歌にこうある、
有磯海の浪まかきくわけてかつぐ蜑
息もつきあへずものをこそ思へ
ああ、有磯の海ほどの深さもない、この浅い才能で作り出したこの物語の思案に暮れて、かづきの白水郎(あま)の息よりもっと苦しんでいる作者の心であることよ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-16 23:44:26
16088文字
会話率:48%
母親から海に近づくなと言われて育った澪。
両親の死をきっかけに生まれ育った街を離れていたが、高校入学を機に戻り、けんか別れした幼馴染・雄飛と再会するが仲直りできないでいた。
そんな折、親友ふたりに強引に誘われ、海に行くことになってしまい・・
・
※注※題材としてノアの大洪水を使用しています。洪水の直接的な表現はない予定ですが、気分を害される可能性はあります。読むのは自己責任でお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-07-11 22:45:07
721文字
会話率:6%
双子の姉妹の三木谷海女音|(みきたにあまね)と彩音は幼馴染の同じく双子である達池竜馬|(たついけりゅま)隆瑛|(りゅうえい)と一番下の龍樹|(たつき)達と仲がよくてみんな同じ高校のM高に通っていた。
前に起こった事故をきっかけに。
五人の関
係が少しずつ変わっていく。
「守りたい」と言う思い・・・
もう、悲しませたくない。
その思いはみんな一緒のはずだった。
そんなドキドキの青春ラブストーリー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-06-01 12:48:04
676文字
会話率:59%
都内の高校に通う少年ゆうたは、夏休みを利用して悪友マモルの田舎、瀬戸内海の阿手内島にやってきた。
本来ならば一緒に来るはずだった女の子達にドタキャンを食らい、失意の中の旅。
そんなゆうたの前に、3人の少女が現れる。からんできた観毛内島
の少年達を瞬く間に叩きのめした彼女たちの正体は、海女僧島に住む女だけの部族アマゾニスの末裔だった。
自分より強い男の『モノ』になるというアマゾニスのしきたりを知ったゆうたとマモルはバラ色の夏休みを求めて海女僧島を目指す――――!
数年前に他サイトに投稿した作品です。
もし楽しんでもらえたら嬉しい限りです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-01-03 01:22:10
96634文字
会話率:55%