蒸気機関車が国を駆け抜け始めたころ。
山と水に抱かれたクロノフェルデ王国では、鐘楼の音が朝・昼・夕に響きわたり、人々の暮らしを律していた。
王国を導くのは、時と歯車の神を掲げるヴェルツ正教。
正確な時を刻むことが、人としての正しさとされるこ
の国で、村々にも教会と時計塔が建ち並び、司祭たちが時の教えを説いている。
ルーシュはその教会に育てられた少年だった。
物心つくころにはすでに鐘楼の歯車に魅せられ、振り子の規則的な揺れに耳を澄ませていた。
ともに育った領主の娘エルザとは、幼い頃からどこか噛み合わないままも、並び歩く日々を送る。
家の名誉を背負うエルザと、教会に生きるルーシュ。立場は違えど、互いの歩む時間が交差することを、ふたりは心のどこかで願っていた。
だが、穏やかなはずの村にほころびが訪れる。
御神木の倒壊、古井戸の異変、水車小屋の崩壊。
まるで何者かが、村の「時」を狂わせようとしているかのような事件が次々と起きる。
誰もがそれを天の兆しかと恐れるなか、ルーシュは積み重ねた観察と技術を武器に、疑念の先へと踏み出す。
導かれるように機械の中を覗き込み、わずかなズレと変化を見つけ出していく。
ヴェルツ正教が掲げるのは「時の理」。
しかし、理が人を救うとは限らない。
村でひそかに積み重なってきた歯車の狂いは、やがて国全体を巻き込む大きなうねりとなっていく。
やがて少年は青年へと成長し気づいていく。
小さな村で回る歯車も、大きな国の歯車も、繋がらないようでいてひとつの機構の一部だと。
そして、どんなに細く小さな歯車であっても、たしかに時を動かす力があるのだと。
時間は止まらず、歯車は巡る。
──すべての歯車が重なるとき、少年はその手で何を動かすのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 15:00:00
93240文字
会話率:31%
絶望の中で希望が渦巻く………。
そんな王国を治めるスタームーン一族の一員である主人公ルルア。 長い間、誰からも蔑まれていた彼女は一族「時計の悪魔を殺すという使命」を背負わされ、無理やりその悪魔の元へ行かされてしまう。
しかし、そこにいた
のは、人々からの憎しみを背負うが、悪魔とは思えない優しい少女だった。
一族の敵である悪魔との出会いの中、彼女の心は揺れ動く………。
「時間」が進むごとに明かされる悪魔の真実、そして使命と想いの狭間で惑うルルアの「時間」。
暗くも明かりを求める世界が今、幕を開ける………。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 07:29:53
18406文字
会話率:43%
全ての世界は『時計塔』の仕組みによって動いている。しかし、ある日時計塔が止まり世界が崩れ始める。時計職人のアミリアは時計塔がある『幻界』へ入り、時計塔を再び動かす為に旅に出る。
最終更新:2025-05-11 16:59:09
4686文字
会話率:43%
炭鉱の閉山した田舎町で、貧しい孤児の少年は靴磨きをしていた。
ある日紳士の客が落としたロンドン行きの切符を、少年は拾う。
「この街から出たい、都会へ行きたい」
そんな思いを胸に、少年の足は一歩を……。
最終更新:2025-05-04 16:16:34
1825文字
会話率:14%
その学校には時計塔があった。
最終更新:2025-04-12 13:00:00
564文字
会話率:0%
魔法使いオフィーリアの楽しむ物語。
倒したり、ボコったり、笑ったりするオフィーリアが見られるかも。
世界最高峰の魔法機関「時計塔」
時計塔に所属する魔法使いたちの戦いと日常生活。オフィーリアを中心に物語は進みますが、他の魔法使いたちにも物語
があります。
よければ、見ていってね♪折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 20:56:29
22544文字
会話率:21%
呪われた時計塔の屋上で起こる連続殺人。調査を依頼されて、轟木家に招かれた鏑木慎一郎だが、事件は彼を悩ませる難事件だった..............。
最終更新:2025-03-22 01:14:53
13115文字
会話率:61%
この国では、死者は花に変わり、遺された者たちの祈りを受け止める。
主人公の少女・想花(そうか)は、一週間前に母親を失い、深い悲しみに沈んでいた。母親は通勤途中に事故で亡くなり、想花が病院に駆けつけた時には、すでに赤い花となって「壊れた時計塔
」に飾られていた。想花は、母親との最後の日々に後悔を抱え、喧嘩別れしたまま「いってらっしゃい」を言えなかったことを悔やんでいた。
青い蝶。彼らは生きた人間の「負の感情」を食べ、前向きに生きられるように導く存在だ。しかし、想花は自分の悲しみを奪われることに抵抗し、蝶を振り払い続けた。彼女は、母親への想いを忘れたくないと願う。
※主題小説コン葬華参加:テーマ『葬華イラスト』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-18 00:49:51
5443文字
会話率:34%
オルゴニア皇帝直属の空騎兵が大鳥を駆り、払暁の時計塔へと襲い掛かる──。それはあの日、帝都大学での光景だった。
最終更新:2024-12-26 21:23:49
8553文字
会話率:29%
霧に覆われた工業都市クラウズタウン。その中心にそびえる蒸気時計塔で、天才発明家オーガスト・クラフトが謎の死を遂げた。
事件の現場では蒸気機関が異常な動きを見せていた。
元勇者で今は探偵として生きる一条零は、警察からの依頼を受けてこの奇妙な事
件に挑む。
調査を進める中で、零は機械の神を崇拝する秘密結社「メカノイド」が暗躍していることを突き止める。
彼らの目的は、オーガストが設計した「時空制御機構」を完成させ、都市全体を支配することだった。
だが、その計画の鍵となる「歯車の核」は行方不明となっており、零はその真相を追う。
情報屋クロウや発明家の弟子リリィの助けを借り、零はメカノイドの隠れ家や廃蒸気工場を訪れ、数々の罠や襲撃を切り抜けていく。そして、暴走する蒸気時計塔の最上階で、秘密結社のリーダー・ヴァルターとの決戦に挑む。
だが、ヴァルターの計画は想像を超えた規模で進行しており、零は歯車の核を巡る最後の選択を迫られる。
蒸気と歯車の音が鳴り響く都市で、零はこの事件の真相を暴き、メカノイドの野望を阻止できるのか――
緊張感あふれる戦いと謎が交錯するスチームパンクミステリーが今、幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-16 06:50:00
12114文字
会話率:36%
主人公である三浜夏帆(みはまかほ)は小説家志望の大学生。
スランプ中で新しい分野に挑戦しようと考えた夏帆は、心霊スポットの時計塔に向かう。そこで煙草を吸うミステリアスな雰囲気の女性アザミに出会った。何故ここにやってきたのか聞かれた夏帆は、小
説のネタ探しである事を告げる。夏帆も彼女に「何か秘密は無いの?」と聞くと、アザミは「実は吸血鬼って言ったら、嫌?」と言って微笑んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-01 21:52:52
58423文字
会話率:56%
霧に包まれた港町ミストヘイブン。そこでは、時間が少しずつ狂い始めていた。
若き時計職人イーサン・フォグは、街のシンボルである大時計塔で不可解な現象に気づく。同時に、街では奇妙な連続殺人事件が発生。被害者の体は、まるで霧に飲み込まれたかの
ように変色していた。
イーサンは、親友の警官オリバーや変わり者の科学者ヴィクター博士と共に、事件の真相に迫っていく。そして彼らは、時間を操る不思議な物質の存在を知る。
果たして、この物質は何者かによって操られているのか? 霧の正体とは? そして、街の時間を歪めようとする黒幕の目的とは?
イーサンたちの戦いが始まる。彼らが守るのは、ただの時計ではない。この街の、そして人々の人生そのものなのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-21 06:40:03
11523文字
会話率:50%
異世界の中心にそびえる巨大な時計塔。その管理人として任命された主人公は、実は「時間を盗む能力」を持っていた。時間を操ることで住人たちの運命を変えたり、過去や未来を覗いたりするが、その能力には大きなリスクが伴う。時計塔の秘密と、時間を巡る様々
なドラマを描きながら、彼が本当に守りたかったものを見つけていくストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-04 22:34:59
2267文字
会話率:42%
1800年代のパリ。ナポレオンの時代。
パリの古い時計塔に隠された「時の鍵」を見つけた主人公は、その鍵を使って過去と未来を行き来できることに気づきます。彼はナポレオンの運命を変えるために1815年のワーテルローの戦い前夜に戻り、ナポレオン
に助言を与えます。しかし、歴史の流れを変えるたびに、別の不幸が生まれてしまい、彼は真の「分水嶺」がどこにあるのかを見つけ出さなければなりません。彼が時計塔に戻るたび、現代のパリも少しずつ変わっていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-29 17:30:00
21811文字
会話率:29%
12時になるとその存在を他人から忘れられてしまう少女――レザリアは、その体質のためにその日暮らしの生活を送っていた。レザリアはある日、絶対記憶能力を持つ青年店長の噂を聞きつけ、半信半疑ながらもギベオン書店を訪れる。しかし、12時の鐘が鳴ると
レザリアは絶望し、街の中心にある背の高い時計塔へと駆け出した。命を終わらせようとしたその時、レザリアは背後から叫び声を聞く。振り返るとそこには本を一冊抱えた青年の姿があった――
※本作はかなり前に書いたもので、大幅な書き直しを予定している作品です。が、せっかくなので読み切りとして小分けで投稿いたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-27 17:11:54
108342文字
会話率:60%
ごく普通の大学生 斎藤時也はある日突然見知らぬ世界へトリップしてしまう。
そこは様々な物語の時間を管理する役割を担っている世界で、時也がたどり着いたのは1番大事な軸になる世界時間を刻んでいる時計塔"デウスエクスマキナの塔"がある"
ヘヴシア王国"。
話を聞くと、この国では数年に一度、時計塔の時間が狂い大災害が起きるため、それを鎮めるために生贄が呼ばれるんだとか…
今回は時也が生贄として呼ばれ、彼は大災害の原因についてを調べるため他の生贄たちと世界の謎を解き明かすことに……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-10 22:57:38
8567文字
会話率:49%
この世界は、人間が住む「現世界」と幻とされる生き物達が住む「夢世界」の二つに分かれています。
夢世界に住む「時計の妖精」の少年、ココルはそこで現世界の時間を司る時計塔を守っていました。
しかしある日、現世界の時間を動かす七つの時計の歯車を花
の妖精達に抜き取られてしまい、そのせいで現世界の時が止まってしまったのです。
ココルは歯車を取り戻す為、仲間達と現世界に旅立ちます。
ほんの少し無鉄砲な少年と、個性的な仲間達の世界を救う冒険譚………ここに開幕です。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-07 18:23:06
29169文字
会話率:69%
動かない針の時計塔、少し高い丘に咲き乱れる金色の曼殊沙華。
異変に歪む四つの国。
まがいものと戦う四季天使。性格の悪いしぶとい住民。ちょっとおっちょこちょいな反国家主義の男。
たった一人だけの時の国の住民であり王である少女がいう
「あなた
がお望みならば、あなたはあなたの国の王になれますよ」
そのときアナタは何を選ぶのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-20 12:00:00
14994文字
会話率:34%
桐生 陣(きりゅう じん)は、過去の過ちによって心に大きな後悔を抱えていた。自分自身を許せず、暗い影に囚われたまま日々を送っていた彼は、ある日、不思議な時計塔を訪れる機会を得る。
その時計塔で陣は時の番人、時蔵と出会い、時間を越えて過去をや
り直すことを許される。陣はこのチャンスを受け入れ、過去の後悔を修正し、新しい未来を築く決意をする。
過去を変える陣は新たな友人、浅葱 志乃(あさぎ しの)と出会う。彼女の前向きな姿勢と励ましによって、陣は徐々に勇気を取り戻していく。
そして、過去を変えることによって生じる影響や時間の法則に翻弄されながらも、陣は未来への希望を抱き、過去の後悔と向き合いながら自らの運命を切り開いていく。
時蔵の導きのもと、陣は過去の罪を許し、未来の勇気を持って新たな旅に出る。彼の決意と成長の物語_。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 22:02:15
1860文字
会話率:35%
捜査一課の警部である船引太郎の机に置かれた一通の手紙。
そこには謎の暗号が記されていた。
太郎は頭脳明晰な弟の次郎と共に暗号の解読に挑むが………。
読者への挑戦状 あなたはこの謎が解けるかな?
いせすきかがでやまとす
でちとせーとしてか
つらぎくだこんごうさいあやなみ
3月21日 午前10時 シーサイドパーク時計塔前
たぬき折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-21 03:36:40
2398文字
会話率:66%