戦争の只中、深い森に不時着した一機の戦闘機と、それに乗っていた少年・フィン。
彼を見つけたのは、森の奥に暮らす少女・リアナだった。
記憶のほとんどをを失っていたフィンと、彼に徐々に惹かれていくリアナ。
言葉を交わすたびに、少しずつ埋まって
いく心の空白。
戦火とは無縁の静かな日常の中で、ふたりはかけがえのない時間を育んでいく。
しかし、フィンには過去があった。
戻らなければならない「約束」があった。
やがて、リアナの決断と共に、彼の時間は再び動き始める──。
戦火の時代を生きたひとりの少年と少女が、
交わることのなかった未来に託した、祈りと再生の物語。
フィンが抱える償えない罪と、それでも手を伸ばしたかった温もり。
飛べなかった翼が、もう一度空を目指すとき、
二人が見た“希望”のかたちは──。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 19:15:00
17971文字
会話率:21%
埃の粒が光の中に漂い、ページをめくる音だけの静謐。夏の図書館の静けさは、声なき感情の棲処だった。
十八歳の僕と梨花は、思考よりも早く、指先の温度で互いを知った。誰にも聞かれない机の下、制服越しの接触。彼女は脚をひらき、彼はその手を引いた。
それは恋とも欲望とも言い切れぬ未分化な感情を呼び覚まし、言語の及ばぬ領域で、ふたりの内面を静かに攪乱していく。
梨花の沈黙は拒絶ではなかった。ただ、答えを保留する姿勢であり、震えるまなざしは問いかけそのものだった。「これは、何なの?」──その疑問を、僕もまた、答える術を持たずにいた。
夜の布団のなかで、彼女は一人「女になること」を経験する。誰にも知られず、自らの肉体と対話するように。僕は勉強に没頭するふりをしながら、心の空白に彼女の名を幾度も書きつけ、そして消した。
やがて言葉を交わさぬまま時間は過ぎ、少女と少年はすれ違いの中に身を置く。あの一瞬の接触だけが、ふたりの記憶に焼き付いたまま、世界だけが静かに続いていく。
恋になる前に、僕たちは触れてしまった──
触れることと、触れられることの意味をめぐって──名もなき感情が、名前を得るまでの、静かな旅の記録である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 06:40:00
24884文字
会話率:5%
――“孤独”を抱えていたのは、ひとりだけじゃなかった。
ましろは、小さなころからずっと“ひとり”が当たり前だった。
誰かと話しても、いつもどこか会話がずれて、噛み合わない。
気づけば、自分を偽って笑うようになり、「ひとりでいる方が楽」と思
い込むようになる。
唯一心を許していた幼なじみとの別れで、心の奥にあった寂しさが膨れ上がり、現実世界に居場所をなくしていった。
そんな彼女を救ったのは、偶然出会ったVRゲーム《Rewrite Hearts Online》。
その世界で、“誰にも見られないキューブ”とともに、彼女はただ黙々と戦い続けていた。
一方、陽菜は、剣の道を強制された日々に生きていた。
期待と重圧の中で「強くなれ」と言われ続け、負けることも、泣くことすら許されない日々。
気づけば、剣は誰かの期待に応えるための道具となり、心はいつしか壊れかけていた。
でも、陽菜は折れなかった。戦うことをやめず、自分の手で“自由な強さ”を探すため、《Rewrite Hearts Online》の世界へ足を踏み入れた。
そこでは、誰の命令もない。自分で選び、自分で進む。そんな場所だった。
そして、ふたりは出会う。
最初はお互いの傷にも、心の闇にも気づかなかった。
でも、少しずつ言葉を交わし、戦いを共にする中で、ふたりは“同じ孤独”を抱えていたことを知る。
「ひとりで戦ってきたけど、もう…そうじゃなくていいんだ」
心を閉ざしていたましろ。
心を押し殺していた陽菜。
そんなふたりが出会い、少しずつ、心の空白を埋めていく。
この出会いが、やがて世界を変える絆になることを、ふたりはまだ知らない――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-21 05:24:50
2933文字
会話率:30%
長年連れ添った猫を失った老人。心の空白に、圭吾が語る“喪失の意味”とは。
最終更新:2025-04-01 23:30:23
3533文字
会話率:22%
足りない足りない……。いつも心は飢え渇き、何かを求める。
なぜ人はこんなにも物語を求めるのか。なぜ神は物語という形で語られるのか。
心に安らぎをもたらす“空白を埋めるもの”とは何か?
最終更新:2024-06-18 04:14:43
2057文字
会話率:7%
猫はずっとご主人様に愛されていると思ってました。
でも、ご主人様が本当に愛していたのは猫じゃありませんでした。
猫はその人の代わりに過ぎませんでした。それを知った猫の心は空白になってしまいました。
猫はご主人様を一生愛し、守っていこうとして
たのに。
猫の誕生日、ご主人様はそれをすっかり忘れていて、いつものように過ごし、寝てしまいました。
猫は一人、PCの前に座り、ぼんやり月明かりに照らされたディスプレイを見ていました。
そして、ため息と共にPCの電源を入れました。
インターネットの中を、ずっとずっと歩き回った末に、ある街(サイト)へたどり着きました。
そこでは、明るい『光』達が猫を暖かく迎えてくれました。
猫はやっとそこに居場所を見つけました。
注:『猫』は実際は人間です。が、イラストや文章では『猫』のように扱ってます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-12 00:11:22
12312文字
会話率:3%
とある友人の話、心の空白
最終更新:2020-05-18 08:49:06
436文字
会話率:0%
孤児院出身の兄弟レオとロイは最愛の同級生を病気で失い、失意を振り払うべく冒険への船出を決めた。いつか魔法使いになって世界を冒険し、心の空白を埋めるまで、剣と魔法の世界で兄弟は必死に生きていく。
最終更新:2019-11-03 19:03:06
5943文字
会話率:45%
高校時代から付き合いを続けていた瑠璃子と健吾。18歳のある日、瑠璃子は健吾に突如別れを切り出される。のみ込むことしかできなかった瑠璃子はひとりで悲しみを背負うことになる。ぽっかりとした心の空白を誤魔化すようにときめきを探し始める瑠璃子の目の
前に現れたのは、アルバイト先の先輩、宏明。さらにヴィンテージ古着屋で働くまりえ。強くて脆い少女の心情を描いたお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-23 00:40:31
256文字
会話率:0%
「愛なんて嘘で、夢なんか無い」ごく普通の女子高生、黒江凛子は、日々を過ごしながら慢性的な虚無感と悲壮感を抱えている。優秀な両親と、高校一人気がある昌治を彼に持っていながら、数学教師の青木と関係がある。心の空白を妄想で満たす対象は、バイト先の
常連客の男「コラン」だけだった。一方、その「コラン」立木祐平はただの大学生で、卒業を間近に焦燥感を漠然と抱いて生活している。モラトリアムにしがみつく二人が出会って、心通わせるが、やがて凛子と青木の関係がバレてしまって―折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-04-12 23:20:42
39922文字
会話率:30%
心の中で何かが止まった。半年前に俺はここに落ちてきた。心の空白と過去の自分と今の自分。半年振りに再開した仲間。その時何かが動き始めた。渇ききった心に血が流れ始める、男として、自分として生きようとした主人公が乾いたエグゾーストの黒いポルシェで
街を疾走する。自分を取り戻すために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-05-19 23:29:24
6405文字
会話率:42%
故郷を滅ぼされた青年が、心の空白を埋めるためにために冒険する物語。
最終更新:2008-03-31 19:33:11
7705文字
会話率:52%