壬申の乱初期、不破関を守る近江軍の武官・佐伯竹良は、大海人皇子軍の接近を察知する。最新の軍事技術を駆使した守りを固めるが、大海人皇子軍は予想以上の新技術を持っていた。
水牛の角を用いた強力な弓、改良された挂甲、そして潜水具や軽量はしごなど、
近江の技術を凌駕する装備で攻め込んでくる。三重の防衛線で応戦する竹良だが、敵の巧妙な戦術と技術力の前に、徐々に追い詰められていく。
最後は信濃からの増援部隊の到着と、伏兵の出現により包囲される形となり、夜明けとともに降伏を決意。この戦いは、日本の軍事技術が大きく進歩する契機となった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-28 19:32:01
10813文字
会話率:37%
時は遡ること約1300年前。あの世とこの世が背中合わせの飛鳥時代。
国を二分する古代史史上最大の内戦「壬申の乱」を経て、都が近江から飛鳥へと遷り変わる中、政争の具にされ、儚く散った皇女がいた。
彼女から始まる因縁の物語をオムニバス形式
で綴る。
第一章「十市皇女の悲憤」
第二章「大津皇子の抵抗」
第三章「氷高皇女の逆襲」
彼らと彼らを取り巻く宮廷人たちはどう動くのか。抗い切れない最高権力に肉薄する様を描く。
※第一章が救いのない話になってしまったので、第二章と第三章は救いのある結末にしました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-05 07:06:07
109132文字
会話率:50%
美濃 (岐阜県)は西日本と東日本の中間にある。
故に、吉野を脱出した天武天皇は美濃で体制を整えて『壬申の乱』を起こし、この美濃にある不破の関を閉ざしたことで勝利を呼びよせ、|北条《ほうじょう》-|泰時《やすとき》は美濃の|墨俣《すのまた》で
『|承久《じょうきゅう》の乱』に勝って鎌倉幕府第2代執権となった。
また、北朝の|足利《あしかが》-|尊氏《たかうじ》は迫ってくる|北畠《きたばたけ》-|顕家《あきいえ》率いる南朝軍を抑えるべく|土岐《とき》-|頼遠《よりとう》を派遣し、美濃の|青野原《あおのがはら》で決戦となった事もある。
どれも天下の|趨勢《すうせい》を左右する大戦であった。
美濃は日の本の中心であり、戦国時代の乱世となった世では英雄・奸雄が|跋扈《ばっこ》した。
その一人である|斉藤《さいとう》-|利政《としまさ》(後の道三)は、下の者が上の者を倒して成り上がる|下剋上《げこくじょう》を体現し、親子二代で油売り商人から身を起こし、遂に美濃の守護代 (国主)まで上り詰めた覇者であり、『美濃の|蝮《まむし》』と恐れられた。
そんな利政が小さな赤子を抱きかかえて天に|翳《かざ》し、強面の顔をだらしなく崩して赤子を見つめた。
「其方は|胡蝶《こちょう》〔夢〕だ。我が胡蝶。我が帰るべき所よ。故に其方を|帰蝶《きちょう》』と名付ける。可愛いのぉ~」
まったく奸雄と思えぬ親馬鹿であった。
この物語は乱世の覇者と呼ばれた蝮の娘、|帰蝶《きちょう》のお話である。
◆この物語は史実に則った戦国大河です。
歴史解釈の違いはございますので、その点はご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-27 09:48:59
64638文字
会話率:28%
かつて、一人の年若い皇子がいた。
時の帝の第三子。
容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。
自由闊達で、何事にも縛られない性格。
誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。
皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。
皇子の名を、「大津」
という。
かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。
壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。
父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。
皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。
争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。
幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。
愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。
愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。
だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。
ーー父についていくということはどういうことか、覚えておけ。
壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。
遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-18 21:04:04
116398文字
会話率:40%
大学生の僕は夏休みを利用して奈良にある叔父夫婦の家に来ていた。ある日、見知らぬ老人に呼び出されて春日大社へ行ってみると、謎の美少女とともに飛鳥時代へタイムスリップすることに……。千三百年の時を超え、地球外生命体をも巻き込みながら、歴史を守る
ため壬申の乱の渦中へ飛び込んでゆく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-12 20:26:21
65634文字
会話率:53%
萬葉集の歌から連想した現代高校生の日常生活の短編小説を添え、さらに歌の時代背景や登場人物の経歴などを解説したもの
最終更新:2020-07-29 08:00:00
47253文字
会話率:6%
万葉の昔、寄り添い合うように生きた鏡王女(かがみのおおきみ)、額田王(ぬかたのおおきみ)姉妹の物語。
最終更新:2020-02-02 00:00:00
2014文字
会話率:10%
時は、奈良時代。
古代の名門物部氏の血を引く石上堅魚は、朝廷の重鎮である石上麻呂を父に持ち、父祖の地である石上神宮の神域で生まれ育った。
だが、父は何故か堅魚を忌み嫌い、唯一の理解者であった腹違いの兄の豊庭も突然姿を消してしまう。
孤
独に育った堅魚は、父の死後一応は家を継ぐものの、何一つ自由になるものもなく、無為な日々を送っていた。
そんな堅魚に、突然宮中から密命が下る。
失われた石上神宮の秘宝、天璽十種瑞宝を探し出し、ある高貴な魂を黄泉国から呼び戻せ!
堅魚は、黄泉国へ通じているという伝説の地、出雲へと旅立つ……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-06 18:29:56
129356文字
会話率:29%
平成18年9月、城之内敏夫は白河清二郎の訃報に接する。
彼は奈良県桜井市の三輪山の麓に住んでいる。妻の冴子と2人暮らし。彼の家は千数百年続く名家である。
後日、城之内は白河邸を訪問。冴子は多忙で留守。賄婦の二階堂妙から白河清二郎の死は自
殺である事。彼の書斎の机の上に習字紙に――大化改新――と血文字で書かれていたと告げられる。
城之内が白河邸を始めて訪問したのは20年前の事。以来白河清二郎から聞かされていた事は、
日本の古代史――奈良朝は新羅系天皇家、平安朝は百済系天皇家が支配していた、というものだ。しかも大化改新は当時の新羅の国内事件であって日本には大化改新は無かったと主張していた事だ。
そして中大兄皇子と天智天皇は別であり、中大兄皇子のモデルは新羅の太祖武烈王であり、彼こそが白河家の先祖であると明らかにした。
奈良朝末期、新羅の滅亡により、奈良の朝廷はその後ろ盾を失い滅亡。代わって百済系の桓武天皇の平安朝になる。
以後、武家の台頭により百済系から新羅系天皇家に代わる。明治になり明治天皇すり替えにより百済系天皇となり現代に至る。
奈良朝で栄華を極めた新羅系渡来人(白河家の先祖)は平安朝以降百済系渡来人にとって代わられ、地獄の日々を送る事になる。
この悪夢の連鎖を断ち切るために白河清二郎は彼の代で白河家を終わらせようとしたのだ。しかし白河家傍流の縁者たちの抵抗にあい、自殺を強要され、冴子もまたその後を追う事になる。
白河清二郎亡き後、実弟の娘が白河家を継ぐ。彼女は城之内に古代史の研究を許すが、それを世間に公表してはならないと厳命する。そしてお目付け役として二階堂妙との結婚を命じるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-28 15:04:13
39520文字
会話率:6%
今の関ケ原を舞台に繰り広げられました壬申の乱を大海人の目線で辿ってみようと思います。
最終更新:2018-04-08 14:52:07
12345文字
会話率:96%
皇位継承をめぐる壬申の乱!
最終更新:2015-09-22 07:33:40
1548文字
会話率:0%
建築士の見習い長柄陽一は気になる大学時代の友人、桧枝りらと親友、鄭竜成と共に出雲旅行をすることに。そこで拾った不思議な勾玉の力によって、なんと神話時代のイズモ王国へと飛ばされてしまったのだった。同じく飛ばされてきた他の若者たちと、オオクニヌ
シの元で過ごしていると、高天原から不穏な挑戦が…。そして、イズモ王国から再び不思議な力によって飛ばされた先は、7世紀のヤマト。イズモからやってきた陽一たちは隠された出自を持つ大海人王子の仲間となり、壬申の乱に巻き込まれていく。これはイズモ王国時代から続く、神々の戦争なのだった…。
※pixivと個人ブログに重複掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-13 22:20:16
505579文字
会話率:50%
百済・高句麗滅亡後の倭国では、近江に都を移した天智帝が逝去し、政権は天智の子の大友皇子が太政大臣として引き継ぎます。これを機に反近江朝廷派が大海人の皇子を中心に動き出します。当時の国際情勢を見ながら壬申の乱を描いていきます。
最終更新:2009-04-08 20:29:59
25073文字
会話率:12%