文芸社より2017年 自費出版。
1985年。排卵障害の不妊症である亜沙子は、不妊治療で病院に通っている。
夫の俊とは、大学時代に知り合い、不妊症であることを告げ、それを承知の上で結婚した。夫、俊の転勤先の浜松に住んでいたが、東京へ転勤で帰
ってきたのを機会に、HMG・HCG療法という排卵誘発剤による不妊治療を始める。学生時代に、医者の姉に紹介された病院で、結婚前に検査をした病院である。排卵しない体なので、妊娠は無理だと諦めていたが、病院の治療で排卵することが解り、子供が出来る期待が高まる。
俊の実家近くの湯島のマンションに住む。亜沙子は、結婚前から、俊の実家の楯端家の下町の家族の雰囲気が好きで、そこに家族の理想像をイメージする。長男の子供、舅姑に内孫となる子供を産みたいという願望にもなる。
注射の副作用に苦しみながら続けるが、排卵誘発剤で排卵させ、その時期に合わせて性交するタイミング療法では、なかなか妊娠せず、医者から人工授精を勧められる。戸惑いながらも人工授精を行って、やっと妊娠する。亜沙子の喜びは大きかった。病院スタッフや家族とも喜び合う。しかし、直ぐに稽留流産となって掻爬の手術する。その手術の日は、姉の3番目の子供の出産日と同じだった。手術後、亜沙子が静養していた実家に、姉が赤ん坊を連れて退院してきた。
気持ちの葛藤が有りながら、翌年から、また治療を始める。
直ぐにまた妊娠できると考えていたが、前年の治療期間を過ぎても、再度の妊娠は無く、医者から、不妊治療専門窓口の有る、体外受精に成功した病院を紹介され転院する。そこでの他の人の体験や、更に高度の不妊治療の情報を見聞きする。そのうち、その病院の雰囲気に違和感を感じ始める。
高度の技術のある病院での人工受精に期待が大きかったが、結局その病院でも人工授精に失敗して、不妊治療を続けることに疑問を感じ始める。
再び俊が浜松に転勤になる時期が近づき、俊の意見に従って、夫の良き伴侶で有れば良いと考え、不妊治療を諦めてしまう。
その後も不妊治療を自ら諦めたことに敗北と罪悪感を抱き続ける。一連の喜びと悲しみ、全ての想いを心の奥底に沈殿させた。
2012年。4月から東京に戻ることになった。25年の期間を経て至った今の心境。押し殺してきた『沈めた想い』を今一度、見つめ直したいという気持ちになる。。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-22 10:00:00
59632文字
会話率:26%
沈めた想い 続き
1985年。排卵障害の不妊症である亜沙子は、不妊治療で病院に通っている。
夫の俊とは、大学時代に知り合い、不妊症であることを告げ、それを承知の上で結婚した。夫、俊の転勤先の浜松に住んでいたが、東京へ転勤で帰ってきたのを機会
に、HMG・HCG療法という排卵誘発剤による不妊治療を始める。学生時代に、医者の姉に紹介された病院で、結婚前に検査をした病院である。
排卵しない体なので、妊娠は無理だと諦めていたが、病院の治療で排卵することが解り、子供が出来る期待が高まる。
俊の実家近くの湯島のマンションに住む。亜沙子は、結婚前から、俊の実家の楯端家の下町の家族の雰囲気が好きで、そこに家族の理想像をイメージする。長男の子供、舅姑に内孫となる子供を産みたいという願望にもなる。
注射の副作用に苦しみながら続けるが、排卵誘発剤で排卵させ、その時期に合わせて性交するタイミング療法では、なかなか妊娠せず、医者から人工授精を勧められる。戸惑いながらも人工授精を行って、やっと妊娠する。亜沙子の喜びは大きかった。病院スタッフや家族とも喜び合う。しかし、直ぐに稽留流産となって掻爬の手術する。その手術の日は、姉の3番目の子供の出産日と同じだった。手術後、亜沙子が静養していた実家に、姉が赤ん坊を連れて退院してきた。
気持ちの葛藤が有りながら、翌年から、また治療を始める。
直ぐにまた妊娠できると考えていたが、前年の治療期間を過ぎても、再度の妊娠は無く、医者から、不妊治療専門窓口の有る、体外受精に成功した病院を紹介され転院する。そこでの他の人の体験や、更に高度の不妊治療の情報を見聞きする。そのうち、その病院の雰囲気に違和感を感じ始める。
高度の技術のある病院での人工受精に期待が大きかったが、結局その病院でも人工授精に失敗して、不妊治療を続けることに疑問を感じ始める。
再び俊が浜松に転勤になる時期が近づき、俊の意見に従って、夫の良き伴侶で有れば良いと考え、不妊治療を諦めてしまう。
その後も不妊治療を自ら諦めたことに敗北と罪悪感を抱き続ける。一連の喜びと悲しみ、全ての想いを心の奥底に沈殿させた。
2012年。4月から東京に戻ることになった。25年の期間を経て至った今の心境。押し殺してきた『沈めた想い』を今一度、見つめ直したいという気持ちになる。。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-22 09:30:15
39970文字
会話率:24%
その少女は、深夜の闇の影に浮きたつように座っていた。
少女と私の奇妙な一期一会。
最終更新:2023-02-22 07:24:45
5236文字
会話率:63%
カプセル内で赤ん坊ができる世界の話
キーワード:
最終更新:2022-12-14 17:49:31
1299文字
会話率:0%
人類が宇宙に進出し、地球に似た惑星を発見した事により
亜人と呼ばれる人類から魔法を学び、さらに発展した異世界
そこに人工授精で誕生したダイゴは適正検査で宇宙艦隊士官になり
与えられた宇宙駆逐艦"シマカゼ"に乗艦する事と
なる
宇宙には人類の敵となる魔物が存在し、魔王指揮下の元
人類と長きに渡る戦争を繰り返して来た
艦長ダイゴは"天の声"に導かれ宇宙艦隊と共に魔王軍に立ち向かうのだった
宇宙艦隊モノを書きたくて異世界ファンタジーを組み合わせてみました
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-05 00:00:00
23973文字
会話率:43%
妻の夢にうなされるジェイクは神経の一部が焼ききれていた。そのうちの1本をつないだことから真実が明るみに出されてゆく。
アンドロイドと人間との、愛、友情、どうしても乗り越えられないギャップが露わになっていく。
※この作品は『カクヨム』にも掲
載しています。
また、SSG(ショートショートガーデン )で、4回に分けて掲載したものを1本にまとめ、加筆修正した作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-16 01:37:16
1538文字
会話率:50%
“ロマンティックジャスティス”として厳重に保管されていた白い布。かつて“パンティ”と呼ばれたそれは、女性たちが下着として当たり前のように身に着けていたもので、男性たちの胸を高鳴らせ興奮状態にさせるものだったらしい。興奮した男性と女性は、お
互いに、LOVE”と呼ばれる最大の幸福とも言える感情を抱き、そこから子孫繁栄に繋がっていたと、クロニクルには記されている。
しかし子孫の繁栄といえば、今や人工授精が当たり前。人工授精で生まれた子供は、生活力のある1人または複数の大人によって育てられる。一度育児を開始した大人は、その子が成人するまで責任を持って育てることが義務付けられており、成長した子供は大人となり、また子供を育て始める。確かに人類には、男性と女性という形の違う2種類が存在するが、だからといって特別な感情を抱くことなどない。
それが当たり前になっていた現代。“LOVE”の存在に気づきつつある一部の集団がいること、人々はまだ知らなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-17 22:00:00
35897文字
会話率:45%
人口が管理され、人間は「生産」されるようになった未来。ヒトは二種類存在する。
人間とシュプリオン。
労働力として生産されるシュプリオンとは、遺伝子操作によって自我を奪われ、働かされ、廃棄される、パッケージ化された新しいヒトだった。
労
働階級であるジョルジュ、ロバート、ダクタリの三人は同じ住居を共有する同居人。ある日、シュプリオンを人形の玩具と言って憚らないダクタリが家に持ち帰ったのは持ち主不明の少女体のシュプリオンだった。
まだ動くものを廃棄するのは勿体無い。そんな消極的理由で少女を一時的に家に置いた三人だったが、その少女は間違いなくシュプリオンであるにも関わらずまるで自我があるかのように振る舞い、三人を驚かせる。
少女の行動に戸惑う三人は、けれどまるでその先を予想できなかった。
少女との出会いが、三人の生きる「世界」を揺るがしていく。
学生時代に書いた短編を分割して投稿します。完結済み、短め。
某SF短編賞にあっさり落ちたので供養。
カクヨムとの並行掲載です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-07 06:59:25
16866文字
会話率:19%
人工子宮や人工授精など方法はいくらでもあるのに、『自然出産』を強行した望んだ母親は、
2035年双子の女の子が生産みます。
ですが、二人は余命1年以下の致命的な遺伝子疾患にかかっていました。
細胞分裂の際のエラーレートが高すぎて、成長すれば
するほど細胞が変異する病気です。
乳幼児から『がん細胞』の増殖、細胞分裂の機能そのものがおかしいため切除も遅滞処置にしかなりません。ナノマシンのNK細胞を使えばコピーミスの細胞は破壊できるものの、一生乳幼児のままです。
つまりこの子達に未来はありません。
母親は自分の身体を呪い、出産の後遺症で死亡し、人工知能とヒューマノイドの研究者だった父親は
人工脳に娘をアップロードし、育てる事にしました。
姉はヒューマノイドとして、別の親に…。妹は乳幼児の義体を貰い、人間として育てる事になりました。
つまり人の脳をアップロードした機械の比較対象実験です。
成長する度義体を乗り換え、10歳で大学を卒業し父親の研究所に雇われた妹に父親はすべてを話しました。
その年『人間側のちょっとしたミス』がキッカケで、ヒューマノイドが敵視されていく事になります。
妹の名前は『コンパチ・ビリティ』。
この物語は、人間とヒューマノイドの互換性(コンパチビリティ)と名前を付けられた、のちの『エレクトロンの長老』『エルダー・コンパチ・ビリティ』の550歳の回想録となります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-12 23:26:06
21833文字
会話率:16%
近未来、あまりにも虐待が多かったため、人々は恋愛と子作りを禁止したシェルターを作り
子作りは全て人工授精と人工子宮によって行われるようになっていた
最終更新:2019-12-04 20:20:12
2297文字
会話率:12%
結婚すれば誰でも母親になれると思ってた。
母親になりたい
この思いが強ければ強いほど私を苦しめる…
最終更新:2019-01-20 18:55:39
5892文字
会話率:42%
不妊。最初から分かっていたが、私達夫婦にはチャンスがあった。
それは始めから“体外受精”を選択出来たことだった。
男性の目線の体外受精。恥ずかしい告白なのであまり見られたくなひ…。
※これは長岡更紗さまのパパママ誕生企画、参加作品です。
最終更新:2018-07-29 06:35:33
7056文字
会話率:11%
アメリカ・ニューヨークに短期留学していた高校生の真田和嵩。だがホームステイしていたアパートの爆発事故により、留学していた1カ月間の記憶を失ってしまう。
アメリカでの治療を終え、帰国した和嵩。だが記憶喪失のためか、常に喪失感を抱えていた。
高
校最後の夏休みに入ったある日。小学校6年生の時に迷子だったところを助けたイリスが現れる。なんとイリスは和嵩が留学していた時に再会し、恋人になったという。もちろん記憶にない和嵩は困惑するが、イリスは強引に和嵩の家に住み着いてしまう。戸惑いながらも、記憶を失くした罪悪感から和嵩はイリスと向き合っていく。
しかし、そんな中で和嵩はイリスの言動が過去の記憶と食い違っていることに気づき始める。疑った和嵩がイリスを追求すると、とんでもない事実が発覚する。
和嵩の前に現れたイリスは本人ではなく、双子の妹のハーピアだった。イリスはすでに死亡しており、ハーピアはイリスの生家でもあるナイトクラウド家の命で和嵩と接触していた。ナイトクラウド家は遺伝子操作を用いた人工授精によるデザイナーベイビーの製造を行っていた。イリスは非合法な手段に平然と手を染めるナイトクラウド家に反発して出奔し、偶然和嵩のホームステイ先に匿われていた。そしてナイトクラウド家は口封じのためにホームステイ先ごとイリスを抹殺したのだ。
しかし、偶然イリスと同級生だった和嵩が生還したためにナイトクラウド家は遺伝子サンプル収集を兼ねて高名な物理学者の息子である和嵩を懐柔、反抗するようなら口封じに抹殺しようとしていた。
自分を置いて出奔したイリスを憎んでいたハーピアは和嵩を殺そうとしていたが、和嵩に惚れてしまい、手を出せずにいた。ハーピアの本心を知った和嵩はナイトクラウド家と対決するためにアメリカへ再び旅立つ。
そこでFBI捜査官フェリシティ・シラノと出会った和嵩は全てを思い出す。イリスはそもそも和嵩と恋人関係ではなかった。お互いに顔も合わせないままホームステイ先のアパートで共生していた。そんなイリスが密かに書いていた日記を読み、彼女の想いを知った和嵩は追いかけてきたハーピア、フェリシティと共にナイトクラウド家と対立する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-08 01:00:00
154593文字
会話率:49%
子どものいない夫婦。子どもがほしい妻、だが夫が無精子。自分を責め荒れていく夫。妻は人工授精の選択をする。
夫は心を病んで自殺。妻はめでたく妊娠出産。だが不思議なことに・・・。妻の過去が・・。
最終更新:2017-08-17 16:33:55
13992文字
会話率:10%
~近未来電脳ミソジニー小説SF~
密やかに人工授精が発達し、
男性の分離独立化、女性の生殖的優位が揺らぎ
無生殖化へとひた走る警鐘も鳴り始める
そんな近未来、
憎悪の「女人絶滅運動」を舞台に
機械兵器を操る男と電脳娼婦を描いた
ありとあ
らゆる大量虐殺の戦記
――それが「デス・ペラード」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-01 07:44:58
242文字
会話率:43%
人工授精が主流になった近未来、人工授精で生まれて16歳になった紅は、貧血で倒れて入院する。そこで出会った病弱な男性、蓮と出会い、お互い惹かれあう。しかし二人には悲しい運命が待ち受けていた。
最終更新:2009-04-01 23:48:02
5433文字
会話率:10%
アメリカに住む今日子は、子供が欲しくなり精子バンクで、優秀な男性の精子を選別。そして人工授精で、子供を授かる。その精子の提供者は、政府に拘束されてた危険人物だった。
最終更新:2008-03-29 10:49:54
1738文字
会話率:5%