『シカトリス』
そこは死者の言葉が生きる街。
亡き生者を敬い、祈りを捧げる対象とするアニミズム信仰が息づくその街では、皆が亡き者の言葉に従い生きている。そうすることこそが、自身の生きる意味であるとでも言うように――。
街で花屋【Mich
ele-rose】を営む、「ミシェル=アンダーグラウンド」もまた、街に暮らす者として、死者の言葉に従い生きている。
花に囲まれ、花を求めに来る人々で賑わうミシェルの日々。しかし、彼にはもう一つの『副業者』としての顔があった……。
これは花と死と生者に囲まれた、「ミシェル=アンダーグラウンド」の惨憺たる日々を綴った物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-27 22:15:17
144409文字
会話率:53%
狂気とは何だろうか。それは度が過ぎた感情である。ただ、“普通”というものよりも少し、いやとても抱く感情の振れ幅が大きいだけで、狂気なんてものは誰もが持つ感情と変わりはないのである。感情だからこそ、自分で制御できないのだが。
世界は混沌
に包まれていた。“普通”という秩序で守られた世界は、とうの昔に跡形もなく消え去った。狂気が人々に理性という名のブレーキを緩ませて、その人々が欲求を押し通そうとした、その結果である。
それでも世界は回っている。そう、回ってしまうのだ。世界が狂気という混沌に満たされても、そんなことは関係ないとばかりに、変わりようがなく在り続けた。
というのも、狂気というのは、一般に悪い方に捉われることがほとんどであるが、正義となりたい、自分を削ってでも他者を救いたい。そんな、善方面とでも言うようなものであっても、過ぎれば狂気でしかない。
悪を遂行する側と悪を駆逐する側、そのどちらもが狂気に存在するなら、ある程度どちらもが、抑圧されるというものだ。それもすべての人間は生まれながらにして、狂器という異能を持ち、狂気を胸に抱いているからだろう。簡単に欲求を叶えてしまえる武器があるのなら、人は躊躇いもなく振りかざすだろう。
そんな世界は混沌とした世界と表現するにふさわしいだろう。しかし、そんな世界であっても、法則というものはあり、均衡というのは自然と保たれるものだ。
その結果、混沌とした秩序が形成されるに至ったのだ。
そんな世界で、一人の青年が“普通”を探す物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 11:00:45
29884文字
会話率:69%
とある学校の生徒達が異世界召喚された。
生徒達を呼び出した賢者ユリシアに世界を救ってくれと頼まれるがこれに反発するとユリシアは見せしめとでも言うように数人の生徒を殺す。
それに恐怖する生徒達であったが一人の男子生徒がユリシアに反発するとユリ
シアはその男子生徒にも魔法を放つが魔法が当たってもその男子生徒は何事もなかったかのように立っていた。
そのありえない光景にユリシアは鑑定を使いその男子生徒のスキルを見るのだった。
「スキル『ギャグマンガ』?」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-05 20:05:30
8152文字
会話率:71%
大学2年に上がって半ばを過ぎた。
暇を持て余しながらコンビニバイトに勤しんでいると、制服を着た1人の少女が入店してきた。
そのままなにも買わず、イートインスペースにまっしぐら。
最初は見て見ぬふりをしていたが、テーブルに突っ伏した
ままピクリとも動かない。
心配になって声をかけると、返事の代わりにお腹の音が鳴り響く。
羞恥心に身悶える制服少女に、しょうがないと弁当を買い与える。
最初は突っぱねられたけれど、結局空腹に負けたのかぐしゃぐしゃに泣きながらお弁当をかき込みだす。
野良犬に餌を与えたような無責任な、一時の優しさ。
それだけのはずだったのに、バイトを上がると待ち伏せしていた制服少女にいきなり腕を掴まれ、ささやかな少女の胸を手に押し付けてきた。
まるで昨日の弁当はこれでチャラとでも言うようだった。
これで、豆腐素材の糸よりも脆い制服少女との関係は終わりだと思っていたのだけれど、
「私がどこにいようと勝手ですよね?」
なぜか俺のシフトの時ばかりイートインスペースに入り浸るようになってしまい、深夜だというのに俺の未来に影が差すのだった。
※この作品は「カクヨム」「小説家になろう」に投稿しております※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-05 08:00:00
97690文字
会話率:24%
僕は○なんだ。
でも、なぜか☓っぽくみられてしまう。
普通にやってるのに☓っぽいと言われてしまう。
そして、なぜかついには☓子校に通うことになってしまった。
ホントになんでこんなことになってしまったんだ!
何度でも言うよ!僕
は○なんだ!!誰がなんと言おうと○なんだ!!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-05 20:51:22
155321文字
会話率:44%
科学が、進みに進んだ地球。
その科学の力によって、人は新たな力を得た。
「異能力」「スキル」「超能力」。呼び方はさまざまだが、特異な力を得たのだ。
「念動力」「透視」「未来予知」「錬金術」「テレパシー」「再生能力」「身体能力向上」など、さま
ざまな能力。
だが、そんな力が悪用された場合、世界に計り知れない影響を及ぼす。
そのことを考慮した政府は、能力の一般使用を禁じた。
しかし、力があったら使いたくなるのが人というもの。
そんなルール知らん、とでも言うように能力を使った犯罪が後を絶たない。
だが、そんな犯罪に対して立ち上がる者もいた。
それが、「ヒーロー」。
彼らは、事件が起きれば直ちに現場に急行し、事件を解決する。
犯罪を起こした者がいたのなら、全力でそいつを捕まえる。
そんな彼らは、世界中から感謝され、英雄のような扱いを受けている。
が、公にはされてはいないが政府公認のとある組織がある。
その名も、「悪党組織」。
その名の通り、悪党達の組織である。
しかし、本当の悪党ではない。
ヒーローを目立たせるため、悪党を演じているのだ。
彼らは、現代の必要悪。
悪党組織の構成員は、全員が少しだけ更生された死刑囚達である。
彼らは今日も、演じる。
ヒーローを目立たせ、真の悪を無くすために。
さて、今日はどんな依頼が来るのか・・・!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-10 17:19:09
1822文字
会話率:57%
余命わずかな、主人公紅美と彼氏春人の
闘いの物語です。
最終更新:2022-08-06 15:20:32
9435文字
会話率:47%
その世界において、神は存在こそすれど、その敷居は高すぎるがために、生き物如きが上がることは許されない、とされていた。
しかし、ここに。文字通り足を踏み入れた者がいた。
紅蓮の魂を持つその者は、どのような道を辿ったのか。
これは、とある成り上
がりの神の過ごした、人生というよりは神生とでも言うような、一つの伝説である。
※初投稿です。拙い文章もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
※R15等は保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-18 07:00:00
360390文字
会話率:65%
僕を抜き去っていった選手はあまりにも冷酷だった。僕の走りなんて眼中にないとでも言うように、あっという間に置いて行ってしまった。
その選手の名前は新藤孝樹。
東京からの転校生だった。
新藤は全国でもトップを走る選手だった。
その新藤が島の高校に進学すると聞きつけた僕は、中学からの戦友の賢人と一緒に、彼と同じ学校に進学する事を決意した。彼がいたら夢が叶うかもしれないと思って。
僕の夢は全国高校駅伝に出場して都大路を先頭で走る事だった。
僕らの県は駅伝が爆裂に弱い。いつも最下位争いをするぐらいだった。
それもあって僕らの島で駅伝はあまり人気なスポーツじゃない。本気で駅伝をやっている人なんて全然いない。
部員は僕らを含めて7名。
僕はその中でも一番遅かった。憧れの新藤に追いつくなんて夢のまた夢だった。それでも諦めずに僕は練習に励んだ。
妹に笑われても、ペットの犬に馬鹿にされても、僕はめげずにトレーニングを続ける。
皆に追いつくために。
少しでも新藤の背中に近づくために。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-30 10:45:56
200074文字
会話率:19%
『詩の、翻訳ですか?』――私は驚いてしまった。彼の瞳が寂しそうに揺らいだ。緊張したようにテーブルのグラスを掴む手は、震えている。私の前にも何件か巡って、ことごとく断られてきたらしい。
『そう。方々を回って頼んでるんだ。もう、うちの国はおしま
いだからさ、せめて文化だけでも残したくて。ほら、忘れ去られるのって、寂しいし、怖いじゃん』彼の故郷では内戦が相次ぎ、民族ごとに独立運動が行われていた。来年にでも、地図から名前が消えていてもおかしくない。
『国の英雄でね、すっごく強くて、優しい人がいたんだ。馬の名手で、領土を山脈の方まで広げたり、身寄りのない人を引き取る施設を作ったり。で、これはその奥さんたち(彼の国は一夫多妻制なのだ)が書いた詩』私がメモまで用意して熱心に聞いているからか、彼は嬉しそうに話していた。
彼の話は、日が暮れても終わらなかった。その英雄の生い立ちや冒険譚を、妻たちとの出会いを、そしてその業績にどんなに国が救われているかも。窓辺から冷たい風が吹きつけるまで、彼は我を忘れたように語りつづけた。その硬そうな額には、汗が滲んでいる。「やってしまった」とでも言うような顔をしていた。
『あの、ごめん、遅くまで。失礼します。また、後日にでも電話で返事をもらえれば』
『お受けしますよ』
『……え?』
『この翻訳の話、お受けします。私でよければ』
驚きのあまり彼の細い目が真ん丸に見開かれるのが面白くて、くすくすと笑ってしまった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-18 22:22:58
7433文字
会話率:0%
大丈夫なんて不確かな言葉で、そんなことで君が救われるなら僕はいくらでも言うよ。
最終更新:2019-06-16 03:00:00
373文字
会話率:0%
俺はキミに好きになってもらえるなら! どんな風にでも言うよ!
俺の好きな女の子は、クラスでも人気の女子で。
ライバルが多いから、どうにかこうにかして俺の方に振り向かせたいんだ、、、!
例え、それが卑怯な手でも、、、俺は気にしないよ!
好きになってもらうには、それぐらいしないとね、、、!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-19 03:00:00
2063文字
会話率:61%
まさとには1週間前に初めて出来た彼女がいる!
幸せ絶頂だったが、その代わりとでも言うように不幸なことが始まった。
最終更新:2018-09-02 16:03:47
13892文字
会話率:48%
とある王宮の玉座の間にて、、、、
側近達に囲まれ、見るからに高そうな王冠や宝石や衣装で着飾り、サンタクロースのような口髭を生やした”男”が目の前に立つ若者へと向かって言い放つ。
「前例にない、12年もの間、、、大儀であった。
して、其方は
何を望むのだ?」
そう言われた若者は”仕様がないなぁ”とでも言うように首を振りながら言葉を返す。
「えぇーっと、偉そうにしているところ悪いんだけど、、、『|交換《エクスチェンジ》』で!」
そう言いながら右手の人差し指と親指をU字のように曲げて手首をクルッと捻った。
『すると、どうでしょう!
目の前の”男”が”王様”になっているではありませんか!!』
心の中で下らない事を呟きながら、笑顔で話を戻す。
「それでは王様、お願いしますね!」
「流石は我が国が誇る歴代最強の勇者じゃ。
|ワシ≪影武者≫と瓜二つじゃったのだがのぅ、、、」
そう言いながら感心したように口髭を撫でるサンタk、、、
いや、王様でしたね、分かってますとも、、、ホントーデスヨ?
「確かに外見は問題ないでしょう。
しかし内側、魂までは違いますから見分けるのは容易ですよ」
「ふむ、そうか、、、
大分、話が逸れてしまったのじゃが、、、
して、勇者よ!お主は何を望むのじゃ?」
「王よ、
私が望むのは異世界への転生だ!」
それを聞いた側近達がざわつき、口々に”無理だ”とか”出来る訳がない”などと言っている。
そして王様の表情も曇っている。
「すまぬ、勇者よ、、、それは出来ぬ望みじゃ、、、」
「分かりました。
それでは、この世界を滅ぼすとします」
「「「、、、!!?」」」
勇者は世界の全てを人質にして異世界へと転成するのであった。
『あれ、、、俺って”勇者”だよね?』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-12 12:00:00
17853文字
会話率:24%
『はろーはんと+オンライン』正式サービス開始時、ジャノメはデスゲームに巻込まれたことを知る。
死にたくないなら攻略しなければいい。とでも言うようなシステムを見てジャノメは何故か『DEX』器用さに極振りしてしまう。
ノンノン。攻撃じゃないよ?
罠だよ罠。
システムの穴を付いてデスゲームを攻略するジャノメは、後に【ジョーカー】という通り名で注目されるようになる。
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超初心者です。お手柔らかに御願いします。
R15は念のためです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-24 17:51:35
13469文字
会話率:27%
この世界には、かつて"最凶"と謳われた者がいた。
――"死の調律師"。
約百年もの間地上に居座り続けた魔王を討ち滅ぼした大英雄たちの一人であるにも関わらず、人々は彼の繰り出す魔法の残虐さからそう呼び、
ある者は畏怖の対象として、そしてまたある者は狂気的なまでの信仰の対象として彼を語った。
そして八人の大英雄たちの活躍により魔王が滅ぼされたあと、千年という長い年月が過ぎた。
かつての仲間に頼み【保存魔法】によって辺境の森の小屋に眠っていた若干十六歳の少年アミル・ボードネスは、魔法の効力が切れ千年越しに目覚める。
自ら【視覚魔法】を発動し千年経ってさぞかし発展したであろう世界の風景を観察するが、至る所で凶暴化した魔物による障害事件や人間同士のいざこざが見られ、千年経って発展した世界は、まるでその発展が代償だとでも言うように、荒み、そして欺瞞に満ち溢れていた。
そんな世界の有り様を見てしまったアミルは、内心では面倒臭いと思いつつも、一度救ったこの世界を愛する心から"死の調律師"として、乱れた世界の調律を正すために再び立ち上がる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-08 23:41:21
234234文字
会話率:33%
先ほどから、二階で何やら
低い、まるで、酷く疲れたような、空気が漏れるようなおとと
甲高く、甘い果実のような、悲鳴にも似た音が響く
其れを、二人の男が炬燵の中で聞いていた
「おい、これは、喘ぎ声と言うものではないだろうか」
髭を、大いに生や
した大学せいふうの男が言う
対して、何処かの優等生とでも言うような
こごれいなふうていをした
これも、大学生のような男が
「いや、どうだろう、世の中には、スクラップ音という物が」
と、うんちくを語り出す
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-02 11:00:24
1634文字
会話率:67%
主人公の操間作時(そうまさくと)のもう2度と来るはずのなかった青春恋愛物語が今始まる。
最終更新:2016-06-15 12:00:00
1558文字
会話率:48%
王の一言は町を超え国全体に伝わっていたらしい
「かなわないねぇ……」
城主のボソリという独り言
笑って言いながらのんびりと歩く
「アマンダも、そう思うでしょ」
ニコりと音が出そうなほど、アマンダという少女とも言えるような容姿の少年に
言い聞かせた
「………」
だがアマンダは黙ったままずっと抱きしめている目のないうさぎの人形を持ったまま何も言わなかった
「おや……随分とお高い身分何だね君は…」
彼は可愛らしい顔をしたままアマンダを引き止めた
「……僕に……関係ないもん……」
そうアマンダが言うとそうだね、とでも言うように彼は笑ってまた進み始めた…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-05 22:50:30
2482文字
会話率:54%
僕とヨシノブが朝起きて家の扉を開けると、世界が傾いていた。地面や建物だけじゃない、出会う人々もみんな傾いている、まるで重力の方向が変わりましたとでも言うように。世界と僕との間のズレを巡る物語。
キーワード:
最終更新:2015-04-10 19:47:34
13861文字
会話率:13%