(主上の筋肉が見たいなぁ)
とある妃にちょっと騙され、うっかり皇帝のお手付きになってしまった後宮妃・来(ライ)桜綾(ヨウリン)。
(もう一度でいいからあの肉体美を拝みたい……拝みたい……)
邪な欲を抱きつつ、数多の妃嬪のなかに埋もれ、
不遇の日々を過ごすこと数ヶ月。
桜綾の欲は爆発した。
(よし! あの方に着せる【自主規制】な服をつくろう!)
波乱体質のせいか、訳あって今は後宮にいる桜綾だが。
親に捨てられて妓楼で育った彼女には、どこか遠くの世界で生まれ育った記憶がある。その知識を活かし、花街に居た少女の頃は、斬新な衣裳や化粧品をつくることで飯を食っていた。
(主上が可愛らしく赤面しちゃうくらい、ものすっごい衣裳を仕立ててやるんだから!)
かくして彼女らしい服づくり活動を再開した桜綾は、道中で他の妃の衣裳や化粧品もつくり、後宮の花たちからの信頼とたまに嫉妬をちゃくちゃくと集めていく。
皇帝が〝それ〟とめぐり逢えれば彼の治世は栄華を極める伝えられる運命の姫――〝赫糸(あかいと)の姫〟が今の後宮にいるとの噂が桜綾の耳にも入る頃。
桜綾は〝皇太后の暗殺〟と〝赫糸の姫の詐称〟を企んだという濡れ衣を着せられて捕らわれてしまい――?
「はわっ、わっ、あぁ、なんと美しき筋肉――!」
自らの〈糸〉の異能と知識、そして周囲からの愛に支えられて逆境に立ち向かう桜綾。
「――また生まれ変わっても、私と結ばれてくれるか? 桜綾」
味方になった妃たちに思いがけず外堀を埋められ、実は昔からいろいろと気にかけてくれていた皇帝とも心が通じ、あれよあれよと上級妃に仲間入りして皇后になっちゃう波乱の姫の話。
※一時期ノベマ!にも掲載しておりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-09 23:00:00
7351文字
会話率:2%
雪が降ると思い出す。
あなたと食べた、あの肉まんの味を。
私に初めて「美味しい」を教えてくれた人。
もう二度と、あれを味わうことはない。
※この小説は投稿サイト「カクヨム」「Pixiv」「アルファポリス」「エブリスタ」「ノベマ
!」にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 12:28:29
2781文字
会話率:15%
ゴロゴロとしたお肉がいっぱい入ったレトルトカレーが激安スーパーで売られていた
※カレーが食べられなくなる恐れがあります
最終更新:2024-04-18 01:50:22
561文字
会話率:0%
魔王。それは、『魔物を生み出す』という人智を超えた権能を持つ存在。
不死とも呼ばれたそんな魔王を倒した三人の英雄がいる。
内の一人、『封魔のヴェルテ』。
彼は魔王討伐後、故郷近辺の森林にある親友の墓参りへ赴いていた。
そこで、英雄
である彼の運命を狂わす出会いを果たす。
墓標として建てていた石碑に纏わり付く魔物の影。
肉塊にただ目玉と不揃いな口をつけただけのような見た目をした、数々の魔物を倒した彼ですら初めて見るその悍ましい魔物は明らかに何もできない低級のものだった。
彼は親友の墓を汚すその魔物を一閃しようとした。──が、魔物は魔法を極めたはずの彼が絶句するような、想像を超えた魔法を行使する。
『入れ替わり』
それは、肉体を奪い魂を交換するという馬鹿げた魔法。
彼はその魔法と魔物の存在について、一つの可能性を思い出した。
自分以外の他の二人の英雄が研究していた禁忌の古代秘宝にそれに近しいものがあった。
こんな異常事態を招いたのは、異常者としか思えないあの二人による謀りと見て間違いない。
肉体を奪われ低級魔物に身を堕とされた彼は、踵を返す自分自身だった背中を見上げて誓う。
この姿で生き残り必ずあの肉体を取り戻す。そして、なんとしてでも自分をこの状況へと陥れた二人の英雄を見つけ出し、殺す。
冒涜の錬金術師──ディラ=フェルディア。
傀儡の異端官──シシリア=デンフォード。
もはや英雄でなくなったヴェルテの殺意の渦はこの二人に向けられた。
──が、彼は知らなかった。
英雄たちの思惑と、ヴェルテに与えられた試練の真実を。
◆◇◆
短編を書いてみたくて執筆しました。
4日連続更新、5話で完結する予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-18 12:06:56
33013文字
会話率:19%
ある日の放課後、渕勇一朗(ふちゆういちろう)は、クラスの陽キャグループが町のはずれにある清僭莊という廃旅館に忍び込むところを目撃する。
普通なら無視して帰るところだが、正義感の強い幼馴染、朝霞友梨と一緒だったこともあり、彼らを止めに入る
ことになってしまう。
しかし、中にいた怪物によって、彼らはすぐに離れ離れになってしまう。
渕は、館からの脱出と、朝霞の捜索のため、陽キャたちと協力して動くこととなるが、彼らは次々と殺されていき、ついには友梨が....折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-22 15:09:37
17195文字
会話率:31%
自分の死に際を考える中で、私はこう思った。自分の骸を周りが見て、何と思うかと。腹が出ていたら、故人が立派であったと思われるのか?思われないのか?黄昏時を生きる私にとって、それは切実な問題であった。筋肉がつき、スラっとした質実剛健な体で亡く
なり、骸になれば、立派な日本男児が玉のように潔く散っていったと思われると思う。
思えば、切腹をする武士はみな立派な体つきを見せつけて果てる。鍛え上げられた上半身に満面の筋肉を張り付けながら覚悟を果たしていった。三島由紀夫もそうだ。あの肉体美を輝かせながら彗星のごとく生きたあの生き様は、今でも我々の記憶に深く刻み込まれている。
私は足元にも及ばないが、死に際を最高のものにするために努力をすることで、恥多い私の人生がマシなものになると考え、今日も運動をするのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-02 22:03:41
942文字
会話率:0%