評価で“強さ”が決まる世界で、俺は“影”から制度を壊す。
異世界に召喚されたKは、「評価不能」の烙印を押され、処分対象となった。
だが、数字で命が決まる“魔王市場”で、Kは“評価されない力”――〈影鬼〉を手に入れる。
魔力でもスキルでも
なく、「他者からの期待値」が生死を決めるこの世界。
Kは“影”から制度に干渉し、市場の「価値基準」そのものを書き換えていく。
見せかけの強さでは、もう勝てない。
必要なのは――“定義する側”への叛逆だ。
だがKは気づいてしまう。
全員が、この“資本主義”の共犯者だということに。
■異世界×召喚×情報戦×魔王市場■
「評価される側」から「価値を定める側」へ。
制度を破壊する、新たな魔王の叛逆譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 06:30:00
134291文字
会話率:20%
「社会に出すには、未熟すぎる」
その烙印を押された者だけが入学を許される――
ここは、国立・帝都錦章高等学校。
社会性の欠如を“国家の問題”とみなした明治政府によって設立された、異質な矯正教育機関だ。
入学希望者はいない。
だが、全国の中
学から「推薦送致」されてくる。
非社交的、共感力の欠如、感情の暴走、過剰な正義感。
社会に馴染めないと判断された若者たちが、強制的に集められる。
桐生瑞貴もその一人だった。
論理こそが人間関係を築く鍵だと信じ、感情を捨てた少年。
彼にとって“思いやり”や“空気を読む”といった価値観は、非合理で不正確な幻想にすぎない。
なぜなら、小中学校で受けたいじめが、彼から“感情の意味”を奪ったからだ。
そんな彼に与えられたのは、学期ごとに編成される学力別クラス、
寮生活を通じた他者との共同生活、
そして“社会性”を数値で評価される特別課題。
これは、人間としてのあり方を問う育成教室。
誰もが社会に適応できるわけじゃない。
だが、誰もが「人」になれると証明するための物語――
それが、帝都錦章高等学校の目的であり、彼の青春のはじまりだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 21:00:00
37762文字
会話率:40%
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。
異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度
はゼロ。
人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。
もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。
「わたくし、魔王ですのよ」
そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。
元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。
「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」
果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。
無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。
これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 08:10:00
164202文字
会話率:39%
誰しもが、自殺以外では死に方を選べない。
しかし、生き方は選ぶ事が出来る。
ただ、望むだけで、思う様に生きられる訳ではない。
自分が望む生き方をしたいと思うのなら、その為に自ら行動し責任と覚悟を持たなければならない。
生き方とは自らの
在り方であり、人生の命題。
その人生とは足跡であり、生きる事は歩む事。
故に、他者に評価されるのは死後となる。
だからこそ、人は生きている内に自らの価値を生み出す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 00:00:00
111596文字
会話率:6%
魔力主義と呼ばれる魔力が絶対的に評価される帝国で、主人公のアレックスはRANK1位を保持していた。
しかし、将来を大きく左右する競技会において、無名の女学徒の魔力のこもった一言で、敗北を喫する。
「ほら、もう足がすくんで立てなくなる」
その敗北を引きずったままのアレックスはある日、女学徒が暴力を受けている場面に遭遇し、助けに入るが・・・
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 18:15:32
42698文字
会話率:41%
最近行われた機能追加に一喜一憂した。
自分のやっていた事は無駄では無いのだと思った矢先、結局、からくりを見破ってしまえばなんて事はなかった。
虎になる前に気付けて良かったというべきか。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思わ
れたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
なんてことは無い。
私は井の中の蛙。もしくは虚勢を張った虎でしかない。
それでも。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 18:00:41
826文字
会話率:29%
毎月、Web小説投稿サイトでは数千もの物語が新たに投稿されます。
しかしそのうちの7割以上が、読まれることも評価されることもなく、静かに埋もれていきます。
この章では、小説家になろうやカクヨムの実際のデータをもとに、**「なぜあなたの物語
が読まれないのか」**という残酷な現実を直視しつつ、物語を書く私たちがそれでも希望を持つための出発点を探ります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 17:56:14
13145文字
会話率:6%
ゲームが趣味の社会人・佐藤健太は、日々の仕事に疲弊し、将来への漠然とした不安を抱えながら、寝落ちした拍子に異世界に転移してしまう。
彼は、転移特典として「ゲームスキルを現実の能力に変換する」というチートを得る。しかし、健太が極めてい
たのは、巷では「クソゲー」の烙印を押されていた『エターナル・ライフ・シミュレーター(ELS)』の「家事や料理、園芸などの生活系スキル」のみ。
健太は「こんなのチートじゃない!」と嘆くが、偶然助けた魔法使いのお嬢様フィオナと出会う。
自分の持つ「地味なチート」が異世界で高評価されることにに戸惑いながらも、少しずつ異世界での生活に満足感を覚えていく、勘違い系ほのぼラブコメディ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-24 21:00:00
24762文字
会話率:32%
ある日、「俺」は死んで、異世界に転生していた。
中華風っぽい感じの異世界の、廃妃――皇帝に捨てられた、元妃の女になっていたのだ。
皇帝を惚れさせれば帰れる、と脳内に響く謎の声に告げられた俺。そして、この国では芸術――詩作や絵画などが評
価されるようで、この体は文芸に秀で評価され、その末に皇帝と結婚した少女のそれだったんだと。
ならば、やることは一つ。
成りあがってやる。ゼロから、叩き上げの文芸スキルで。
その末に――皇帝の心を射抜いてみせる!
毎週土曜夕方更新。
※ネオページにて先行連載中です。
※本作品はネオページ公式から一部アイデア提供されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 19:30:00
120352文字
会話率:47%
言葉を持たぬ者に、この世界はあまりにも静かだ。
魔法とは、神々への“配信”――
構文を綴り、評価を得て、ようやく現実に干渉できる力。
貴族は家系ごとにフォロワーを継承し、専用の詠唱支援AIを持つ。
一方、庶民は声を持たず、評価される機会
さえ与えられない。
ハイクもまた、発信権を持たぬ無名の少年だった。
ある日、廃棄された詠唱端末の中から“声”が響く。
それは、かつて炎上とともに封印された、異端の詠唱者VOXの記憶だった。
世界はまだ知らない。
フォロワーゼロの詠唱が、やがて神々の視線を揺るがすことを――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 09:10:55
12732文字
会話率:23%
「お前のスキルはもういらない」
Sランクパーティ《白銀の牙》の補給担当として尽くしてきたルーク・フレイアスは、突然の言葉で全てを失った。
彼のスキルは《無限インベントリ》。
物を仕舞うだけの地味な能力。戦闘には不向きで、評価されることも
なかった。
――だが、ひとりで受けたFランク依頼で、彼は気づく。
このスキルには、まだ誰も知らない可能性が眠っている――と。
新しい出会い、美味しいごはん、少しずつ回復する心。
そして始まる、ひとりの“荷物持ち”の冒険者としての再出発。
誰にも期待されなかった青年が、自分の力で未来を切り拓いていく。
これは、優しさと強さを手に入れる、静かな成り上がりの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-12 15:55:25
41658文字
会話率:39%
アイリーンは、生粋の才人だった。
数十年に一人の逸材とさえ言われた。
だが、彼女は今、インフラ部門に所属していた。
誰にも称賛されることのない地味な仕事。
才能をもてあましながら、アイリーンはこの任務を“島流し”と受け取っていた。
「コネ
と愛想が物を言う世界ね。天才が評価される時代は、もう終わったのかしら」
彼女はいつもどおり冷たい笑みを浮かべ、次の監査指令を片手に起き上がった。
それが、あの事件の始まりだった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-11 19:06:02
4205文字
会話率:31%
地上は悪魔の楽園。
地下は人類の檻。
この世界では、生まれた瞬間に“ポイント”と“能力”が与えられ、
すべての人間は命を賭けるゲームに強制参加させられる。
力こそ価値、勝利こそ正義。
だが、勝つ者だけが生き残るわけではない。
地下第八
階層《サンクティア》。
そこは学生から大人まで、誰もがポイントを賭けて戦い、
勝者が娯楽として悪魔に評価される“賭博都市”。
無能力・無戦闘力・無名声。
そんな最低のステータスで生き延び続ける少年がいた。
その名は——黒烏 白鳥(くろがらす はくちょう)。
彼の戦い方はただ一つ。
「他人を勝たせる」ことで、最も効率よく利を得ること。
勝利者の裏で敗者となり、
敗者の中で最も多くを奪い取る。
その思考は誰よりも冷静で、誰よりも危険。
「このゲーム、勝った奴が生き残るんじゃない。
“勝った奴を勝たせた奴”が、最終的に頂点に立つ」
“加護”では測れない、唯一無二の力を秘めた少年が、
賭けと死と支配の舞台で、世界の構造そのものを覆していく。
これは、敗者のふりをした策士が、
勝者を超えて、すべてを手に入れる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 18:07:24
1559文字
会話率:17%
シェリルは見つめていた。腹違いの姉がシェリルの作った見事なドレスを武器に成り上がり、ルーファス王子とその騎士ヴィンセントと仲睦まじくする姿を。
美しい刺繍ができる女性が教養があると評価される国で姉のアイリスはシェリルの刺繍を横取りしてい
た。それは長年バレることなく、姉はとうとう王子の婚約者になったが、シェリルの落とした見事な刺繍のほどこされたハンカチを騎士ヴィンセントが拾ったことから事態が動き出す。
美しい刺繍をしていたのが本当はシェリルだと気づいた騎士ヴィンセントはすぐにシェリルのことを婚約者として屋敷に保護してくれ、そしてーー?
手柄を取り上げる姉のことを妹が見返す逆転劇。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 12:07:43
12761文字
会話率:35%
AIが全人類の感情をリアルタイム監視し、他者に感動や癒しを与える行動を「ポジティブトークン」として数値化する近未来社会。まるでSNSの「いいね」が現実世界の価値を決めるように、このトークンは医療・教育・交通での優遇を受けられる新たな通貨とな
った。自動運転電車には優先レーン、病院には即日予約、大学には推薦枠—すべてがトークンスコアで決まる格差社会。
一方で、ジョギングや読書など「自分のため」の行動には一切トークンが付与されない。他者への影響だけが評価される歪んだ価値観の中で、人々は本来の自分を見失っていく。
SNSでのバズりとトークン獲得に夢中な高校生・桃井大樹は、この完璧に見えるシステムの恩恵を受けていた。だがある日、クラスメイトの田中が突然「鬼」のような怪物に変貌する瞬間を目撃する。承認されない絶望が生み出す未知の脅威—その正体とは?
仲間たちと共に「鬼」と戦いながら、大樹は気づく。「いいね」に支配された現代の延長線上にあるこの社会で、一体何が起きているのか?感情をポイント化し、承認を数値化することの真の代償とは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 21:19:43
23426文字
会話率:31%
この世界には魔法というものが存在する。
それは人智を超える異能力で、1人1属性に特化している。
主に人間が使える魔法属性は火、水、風、土、雷の5属性。
しかし、中にはそうでないものもいる。
5属性以外の魔法属性を希代属性と言っ
た。
光や闇、聖属性などもこの希代属性に含まれる。
魔法は珍しければ珍しいほど高く評価される。
皇族が扱う魔法は5属性に該当しないからこそ高く評価されるし、属性が珍しい人ほど出世もしやすいのが魔法帝国。
魔法に重きを置いたこの国の人間が、自身の扱える魔法属性を知るのは早6歳の時。
6歳の誕生日に魔塔へ向かい、魔法士が水晶を使って対象の扱える属性を調べる。
希代属性が崇め讃えられるならば、反対に忌み嫌われるものもある。
それは、魔法を使えない人間だ。
もちろん滅多に現れることはない。
属性を調べる際、大抵は水晶がその魔法属性を象徴する色へと変化する。
火なら赤、水なら青と言ったふうに、水晶がその色に染まれば染まるほど濃ければ濃いほど魔法の素質を持っていることが分かる。
また、魔力の強さと魔法の素質は、血筋が大きく関係していると言われている。
そして皇族は、大抵が1つの属性に限られている中、2つや3つの属性を自在に操り、闘いや国のために扱う。
雲一つ上の存在だからこそ反逆を起こそうと言う思いなど微塵も湧かない。
そんな強者が揃う国にとある皇女が生まれた。
その皇女の母は、エステルを産んでから程なくして亡くなった。
元々体が強い方ではなく、死は想定されていたことであった。
皇帝には何人も愛人がおり、それは合法とされている。
その愛人との間に産まれた子供の1人がエステルだった。
エステルは物心ついた時から乳母以外と話したことはなく、姉や皇帝からも相手にされることはなかった。
だがエステルの悲劇はそれだけでは終わらなかった。
エステルが6歳を迎えた日、魔法属性を調べてもらった。
結果はもちろん良いものだろうと、誰もが思っていた。
しかし、水晶の色はどれだけ待っても変わることはなかった。
それからだった。
今まで優しく接してくれていた乳母が豹変し始めたのは。
姉がすれ違うたびに役立たずだ無能だと言ってくるようになったのは。
皇帝にいらない存在だと言われるようになったのは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 18:00:00
156803文字
会話率:32%
本が好きだ。書くのも好きだ。でも読まれるのは、ワイバーンに乗った母さんの話ばかり――。
テンプレばかりが評価されるWeb小説界で、自分の書きたい物語とのギャップに苦しむ“僕”。
あとがき、Web小説の神様、ドストエフスキー、太宰治……現れ
る奇妙な存在たちが、僕に問いかける。
「君は、なぜ小説を書くんだい?」
読む者すべてに刺さるとは限らない。それでも、自分だけの“文学”を探すショートショート。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 21:20:52
3217文字
会話率:55%
この小説が私の生きている内に評価される事を願って。
※この作品はハーメルン、カクヨムでも投稿されています。
最終更新:2025-05-18 17:14:51
1509文字
会話率:45%
小説投稿サイトに作品を出し続けながらも、読まれることも評価されることもない日々。そんな中、ひとりの男性は静かな喫茶店の帰り道で、不意に”かつて見た幻”とそっくりな女性と出会う。
それは現実か、それとも心の奥底に眠っていた過去の残像か――
。
見失っていた「言葉」を、ようやく届けられるかもしれない。
これは、誰にも読まれなかった物語を書き続けたひとりの作家志望が、「感想」という光に出会うまでの、静かで優しい奇跡の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 15:52:59
35174文字
会話率:66%
この作品には暴力、殺人、ごく軽微な性的描写や乱暴な言葉があります。
この作品の楽しみ方:
覚えのない話をしてくる人が多くてげんなりする主人公を応援しよう!
「式典の前に、諸君には伝えておくべきことがある!」
彫刻が施された壮麗な大階段
の中程に立ち、そう声高に言い放ったのは王太子フィアベル・ルミナント・アントピア。客観的に見ても「美しい」と評価される金髪青眼の彼は王族らしい煌びやかな式典服を纏っている。
そんな美青年に身を寄せているのは垢抜けない赤毛と栗色の瞳をした少女。無垢さや純朴さを引き立たせる淡い色合いのドレスに身を包む彼女はシーナ・ヨーギという名前の元庶民だった。
「私は今この時を以て、狡猾で陰湿な悪女、クロエカイン・リリーベル・ヘルロンドとの婚約を破棄する! そしてこのシーナ・ヨーギ男爵令嬢を新たな婚約者に迎える!」
「悪女」と名指しされたクロエカイン・リリーベル・ヘルロンドが、色めく人集りから現れた。
大階段の前へと進み出るリリーベルは、星の輝きに似た白金の髪、紅玉の瞳を持つ美しい淑女だった。
「フィアベル王太子殿下。この件については殿下と私の個人的なものであったはずです。何故このような場で、そのように一方的に決定を下されるのですか?」
ルミナントはシーナを庇いながら婚約者を睨みつけた。
「貴様の悪行を俺が知らぬと思っているのか! 貴様は嫉妬のあまり我が愛するシーナを虐げ、孤立するように追い込んだ! こうして悪行を知らしめねば貴様は罰を受けずに逃げるだろう! 王族に楯突くあの目障りな断罪卿に泣きついてな!」
断罪卿、という言葉を聞いてリリーベルは顔色を変える。
「フィアベル王太子殿下、婚約破棄については受け入れます。ですが謂れなき罪と当家への蔑みは撤回してください」
「王家を軽んじる断罪卿の義娘は罪を認めぬらしい! 貴様など貴族の風上にも置けぬ! 国外追放だ!」
怒りのままに王太子がそう叫んだ時、閉ざされていた大扉がけたたましく軋みながら開いた。
「今し方、我が家名を蔑む声と何の根拠もない裁定を下す声が聞こえた。はて、私には覚えがない。蔑みを受ける理由も、何の権限もなく貴族子女を罰する愚かな王太子がいることにも」
天井から降り注ぐシャンデリアの光が反射しないほど黒い板金鎧を鳴らしながら、背の高い影のような存在は嗄れた低い声で言った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 07:00:00
110310文字
会話率:36%