人は死ねば終わるという。
だが、それを証明した者が、この世にいただろうか。
死は終わりか、救いか、それとも――始まりか。
宗像志貴にとって、「死」とは、他人事ではなかった。
*
黄泉使い――
死後に「問答」を受けられなかった魂を、
悪鬼化から救う者たち。
宗像志貴は、その中でも最も古き宗家の直系に生まれ、
右肩に“王の痣”を宿していた。
だが、術も矛も使えない。
誰よりも脆く、誰よりも危うい少女だった。
そんな彼女の前に、神の獣が現れる。
白銀の狼。
あらゆる術を凌駕する力を持ち、志貴の前にのみ姿を現す存在。
その声は、骨の奥を震わせ、痣を疼かせる。
――懐かしさと痛みを帯びた声。
「壊したいものがあるなら、壊せばええ。
でも、お前に手ェ出す奴は――俺が殺す」
志貴はまだ知らない。
けれど、どこかで知っている気がする。
忘れたくない誰かの匂い。届かない過去の温度。
そして、痣が語る――まだ触れていない真実。
*
これは、「千年王」と呼ばれた少女と、
その命を代償に炎を纏う宿命を背負った者たちの物語。
恋とも言えない。けれど、愛よりも重い執着が、そこにはある。
燃えるように美しく、
終わることすら許されない魂たちの軌跡。
『黙の月 ― 千年の孤独に咲いた紅』
どうか、この焔の奥に、触れてほしい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 21:30:00
150285文字
会話率:21%
彼女の本職、それは国家の“暗殺者”。
無表情な仮面の下、ターゲットの心臓さえピタリと狙う冷徹な暗殺者――姫原レイナ。
けれどそんな彼女に、唯一読み切れない最大の脅威か現れる。
その名も氷堂レン、笑顔で人を翻弄する学園の王子様。
実は彼、表向き完璧、裏では病み付きの執着型。
しかもなぜか、ピンポイントで彼女にだけ“しつこい”。
任務よりやっかい、駆け引きは命がけ!
笑顔の裏に潜む毒と、ツッコミすら研ぎ澄まされた無表情少女の、
絶対バレてはいけない"裏任務ラブ"開幕!
「近づかないで」×「もっと近づきたい」――
今日も机2つ分の距離で、心の狙撃戦が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 08:12:09
4925文字
会話率:45%
16歳のリリー・カーショーは魔法学園の卒業パーティーの最中、微笑みながらも呆れて果てていた。目の前にいる婚約者の、男爵家嫡男ウィリアム・カークと隣でほくそ笑むプラム・ナイトレイが原因だ。
そもそもはウィリアムの勘違いから結ばれた婚約を、
リリーは様々な我慢から続けていた。しかし途中から現れたプラムの行動により、ウィリアムの勝手は我慢しがたいものになっていった。
友人たちも心配する中、とうとう迎えた卒業パーティーでの彼の愚行。リリーは仲の良いセシルと反撃する。そこに参入してきたのは、セシルの婚約者のはずのクリストファーだった。
意趣返しは上手くいったけれど、なんだかクリストファーの様子がおかしい。困惑するリリーだが?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 16:24:47
12931文字
会話率:35%
――儚さを 他には言わじ 桜花 瞬きの間に 散りぬ 我が身も……
高校一年の春休み――佐久良 櫻子は母親が狂乱の果てに起こした火事に巻き込まれた。
次に目覚めると、目の前にいたのは桜のような髪と緋色の瞳を持った、この世のものとは思えな
い美貌の青年。
「僕と結婚して、子を生んで頂けないでしょうか?」
「……断る」
自称 神を名乗るカグツチからの申し出を、櫻子はバッサリと断った。
しかし、帰る当てのない櫻子はカグツチの邸に滞在することに……。
なぜか櫻子を襲おうとする異形のものもいて、混乱する櫻子。
そんな中で、カグツチの深い愛情に、次第に警戒を解いていく。
だが、ある日を境に、カグツチの態度は一変して……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-05 23:14:15
9184文字
会話率:33%
他人の死期が見える女の子と、その子の未来が見える親友。
二人の校舎裏で起こった日常?の一コマ
最終更新:2016-04-01 01:02:53
866文字
会話率:28%