学校の帰り、アキナは記憶を失って途方に暮れていた少年カナタと出会い、放っておけないと思い同居することにした。その日の晩、カナタは自分とアキナが惨殺される夢を見る。
頭を冷やすために家を出ると、目の前に夢の中でカナタ達を殺した張本人がいた
。カナタはそいつから逃げようと足掻いた末に迷い込んだ廃墟から声が聞こえてきて……
これはカナタが失った記憶を、過去を取り戻すために未来を視る物語。欲と欲がぶつかり合う故の戦いが始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-08 13:28:15
3800文字
会話率:56%
人間が生まれながらにして持つ魔法の力と、遅れて発展した科学の力が融合した世界。
終わりのない戦乱の中に誕生したエルディラント帝国は、建国以来の軍事主義を貫き、次々と他国を侵略していった。
皇帝ペルガモンの圧政によって、民は厳しく税を取り立て
られ、兵役を課せられ、明日も分からない日々を生きていた。
国境付近にある小さな町プラトウに住む少年シェイドは幼馴染のソーマと共に、税目のひとつであり、エネルギー源でもある鉱石を採掘する毎日を送っていた。
ある時、首都エルドランに隠遁する高名な予言者が、
”プラトウが自国軍の襲撃を受け、廃墟と化した町から放たれたアメジスト色の光が世界を包み込む”
と予言する。
真偽を確かめるべく国の重臣が現地に向かうも一足遅く、町は蹂躙されてしまう。
襲撃を生き延びたものの家族や親友を失ったシェイドは、怒りと悲しみから秘められた魔法の力を解き放つ。
眩い光が軍を一瞬で蹴散らしたのを見て、重臣は彼の規格外の力を見込んで救世主として祭り上げ、叛乱軍を結成することを画策する。
果たして叛乱は成功するのか?
予言にある、”アメジストの光が世界を包み込む”とは何を指すのか?
これは時代に翻弄され、時代に利用された、ひとりの少年を取り巻く物語である。
(ノベルアップ様、カクヨム様、アルファポリス様にも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-08 11:56:40
311050文字
会話率:31%
一人の幼い少女が暗闇の中をひたすら走っている。
ハァハァと吐く息が白くなる冬の寒い時期だった。
何時から走っているのか、足は縺れる縺れる。
フラフラしながら動く足は止めない。いや、止めてはいけない。止めたら最後。
少女はずっと追いかけてくる
親だったモノをちらりと見ながら走る。
「あっ、、、」
雪に隠れていた木の根に引っかかっり、盛大に転けてしまった。幸い雪が積もっていたので大した怪我はしなかった。
怖さと寒さで我慢しきれなくなった少女は大きな声で泣いた。
助けて、怖いよ、寒いよ。
幼い子供の拙い語彙力で全部を説明するのは出来なかったが、吐き出したように叫んだ言葉は全て本心であった。
バケモンが近付き、少女を殺そうとした時、黒色の軍服を着た青年二人組がバケモンを倒していた。
倒し終えると震えている少女を一人が抱き上げ、名前を聞いた。
「君の名前は何かな?」
「、、、ルナ、、、」
「ルナちゃんか、いい名前だね」
優しく微笑む男性。
「ほら、オウバイも抱き上げてみなよ!」
ルナを抱き上げた青年は刀を持ったオウバイと呼ばれたに話しかける。
オウバイは言った。「ショウゾウ、その子はどうするんだ?」
ショウゾウはルナを抱き上げながら言った。
「本部で保護しよう」
「却下」
「え〜、、、」
却下という返答に納得いかないのか怪訝そうにオウバイに目を向ける。
「東京支部で良いだろ」
オウバイの出した案に渋々納得し、ルナは東京支部に保護されることになった。
それから十一年の月日が流れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-07 11:45:37
17236文字
会話率:34%
霊媒師が訪れたのはテーマパークの廃墟。
そこには幽霊が・・・・・。
最終更新:2024-12-05 18:42:13
987文字
会話率:85%
(あらすじ)
呪いによって死んだ人間「呪死体」のみを専門に供養する、志乃崎 佩李(はいり)。その助手である二人の女子高生、掃除屋・壱景(いっけい)と舞台屋・千梛(せんなぎ)と共に、何者かによって呪い殺された弟・志乃崎 篇李(へんり)を供養す
るための方法を探る。そんなある日、吉野という男から、廃墟に行ったきり戻らない友人について相談されるが———。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-04 22:32:26
14990文字
会話率:51%
原因不明の現象により廃墟と化した東京――かつて賑わいを見せた街は沈黙し、生き残った人々はわずかに散らばるのみだった。
そんな中、元ホテル従業員のカケルは、旅の途中で出会った少女ナナと共に廃墟を彷徨う。ナナは母ココを探しており、その過程で彼女
がカケルのかつてのはぐれた恋人であることが判明する。
二人は、再び失われた東京で新たな未来を切り開くことができるのか。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-12-04 17:27:26
5972文字
会話率:34%
廃墟と化した2055年の地球。
人工知能アークが支配するその世界で、突如として始まった生存競技
「星々の戯れ」
冷徹な戦士リナ、天才プログラマーの少年メリイムウス、そして謎めいた元研究者サラ。
三人は、生き残りを賭けた謎解きに挑
む中で、驚愕の事実に直面する。
それは人類への"最後の試練"だった。
過去への逃避か、未来への挑戦か。
その選択が、世界の運命を決める。
星空を失った地球で、人類は何を選ぶのか。
アークの真の目的とは。
そして、失われた星空は取り戻せるのか。
すべての謎が解かれるとき、新たな夜明けが始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-02 17:00:00
16356文字
会話率:47%
「私は、なぜ死ぬことができないのだろう――」
人類が姿を消して200年。不老不死の青年アシモフは、忠実な家事用ロボット・メアリーと共に、廃墟となった東京で静かに暮らしていた。彼の唯一の使命は、人類の記憶を守り続けること。
ある日、神秘
的な少女型ロボット・イヴとの出会いが、彼の永遠の時間に波紋を投げかける。彼女が語る「希望の箱」の存在。そして、もう一人の少女リリスの出現。
人類は本当に滅んだのか? 永遠の時を生きることは、本当に呪いなのか?
眠りし記憶が目覚めるとき、新たな進化の序曲が奏でられる。
これは、最後の人間と、二人の人工生命が紡ぐ、希望の物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-02 07:18:34
12222文字
会話率:45%
リリアーヌは炎に包まれた世界の果てに立っている。かつて栄華を誇った首都は廃墟と化し、彼女の手には暗い真実を囁く呪われた小さな遺物が握られている。未知の力に追われ、望んでもいない力に取り憑かれたリリアーヌは、荒野への逃亡を余儀なくされる。そこ
へセラという謎めいた少女が現れ、助けを求める。忘れ去られた魔法、古代の遺物、あらゆる影に潜む敵に満ちた世界を、ふたりは危険な旅に出る。リリアーヌは自分の中にある力をコントロールしようと奮闘する中、一歩一歩つきまとう疑問に立ち向かわなければならない。このサバイバル、秘密、自己発見のハイ・ファンタジー物語では、リリアーヌとセラの絆が、想像以上に暗い運命に直面する中で試されることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-02 04:35:52
58998文字
会話率:3%
世界を覆った毒の霧――それは全てを奪い去った。
廃墟と化した街でただ一人生き残る青年アレン。彼は亡き妹の最期の言葉を胸に、絶望に飲み込まれながらも、わずかな希望を探していた。
ある日、廃墟の中で銃声と共に現れた一人の少女ミナ。彼女は謎の武
装集団に追われ、命を狙われていた。助けを求める彼女を前に、アレンは再び心を震わせる。
「俺は守る。この手で、もう一度。」
しかし、ミナが抱える秘密は、彼の運命を大きく揺るがすものだった――。彼女の中に眠る力、そしてその力を狙う組織の存在。絶望の果てで明かされる真実とは?
荒廃した世界で再び「生きる意味」を見つけた二人の物語。命の輝きと絆を描く、サバイバル・ダークファンタジー、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-27 02:58:03
24937文字
会話率:50%
普通の大学生・木村悠太(きむら ゆうた)は交通事故で命を落とすが、気がつくと異世界の王国に転生していた。しかし、目を覚ました先は壮麗な玉座の間ではなく、廃墟と化した王城の一室だった。しかも、自分が転生したのは「人類が千年前に滅んだ世界」。
唯一動いていたのは、王国のAI管理システム「アスター」。かつて王国を支えていたが、管理者の人類がいなくなり、永遠に閉ざされた廃墟で悠太を待っていた。
「王よ、人類再興計画を開始しましょう。」
そんな提案を受けた悠太は、魔物や亜人種族が支配する世界で、かつて栄えた人類の痕跡をたどり、仲間を増やしながら再興の道を目指す。
しかし、悠太を待ち受けるのは、かつて人類を滅ぼした「理由」、そして現存する種族との衝突だった。果たして悠太は人類の未来を取り戻せるのか、それとも新たな秩序を作り出すのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-22 09:10:00
19616文字
会話率:56%
×××××年――
地球が荒廃してから数十年がたった。
ヴァンス・レインハルトは、『生きたカプセル』として数千年にわたってコールドスリープ状態から“起き”、廃墟と化した研究室で見つけた日記から自分が実質、最後の人類なのだろうと知る。
誰もいない地下都市『ノヴァ(NOVA)』、地上をはい回る巨獣、そして謎の少女「ラビ」……。
誰もいなくなったって、きっと世界は美しい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-24 17:59:57
2217文字
会話率:11%
◇◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆◇
イヴの声
「わたしたちの暮らしている星は……ううん、星ではなく宇宙船と言ったらいいのかしら……それは、とてもとても、とてもとっても、大
きな、大きな大きな輪っかなの。
(イラスト 101 01)
わたしたちはこの輪っかを、リングとか大地とか読んでる。リングは、ある星を中心に回っていて、わたしたちのリングの他にも、内側に一つ、そして外側に2つ、大きなリングが回ってるの。
このリングは、誰もが人工物だと思っている。だって夜空の他の星とは、あまりにも形が違うから。昔は、リングは神様が作ったって言う人もいたけど、いまではそんなことだれも信じていないわ。
そして、わたしたちの中心にある星、その赤い星は、メーテラっていう名前で呼ばれてる。その星は、もう死んじゃった星だって言われてるわ。星にはとても大きな目玉の模様が描かれてる。その目玉の大きさは、学者さんが調べたところ、端から端まで80万マイルはあるって言われてるわ……そして、地表の大半は、赤い砂漠と、廃墟になった建物で覆われているの。地表には、水もないし生きた生物はいない……だから、あの星はもう、死んだ星だって言われてる。
なぜそんな細かいことまでわかるか話すね。
わたしたちの住んでる土地はずいぶんかわってるから、むかしからいろんな人が夜空を見上げて、どうして世界がこんな風になってるのかって考えたの。だから、天文学がすごい発達してる……天文学はすべての学問の基礎なの。そして、星を見上げるために望遠鏡がたくさん作られた。
わたしたちは、その望遠鏡でいろんな場所を観察した……メーテラも、他のリングも。そして太陽や、太陽をまわるほかの惑星も。
(イラスト 101 02)折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-22 16:53:52
29640文字
会話率:44%
深夜の廃墟に現れて、飯テロ動画を配信する美少女配信者・暮柳マミ!
今日は東は明日は西へ。
ソロで廃墟に忍び込み、ひっそりと料理を作り食べまくる!脅威の爆食美少女配信者。食べても食べても太らない、秒でなくなる山盛りご飯…
視聴者の画面に映るの
は爆食美少女だけなのか?
暮柳マミは無事に飯テロを遂行できるのか?
さぁ今夜も〜シムラ後ろ後ろ!で突撃です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-18 17:37:24
11674文字
会話率:1%
高校二年生の黒丸景虎《くろまるかげとら》と白鷺《しらさぎ》エリスは、互いに互いが人生唯一のオタ友。憎まれ口を叩きつつも、辛い高校生活を互いを頼りに、なんとか過ごしていた。
だが、二人で行った生まれて初めてのオールジャンル同人誌即売会の帰り
、行きがかり上ラブホテルに泊まり、目覚めると世界は一変していた。ラブホテルの中は廃墟のようになり、周囲には人影一つなく……
太っていた体はどうしてか、すっきりスリムに。
自分たちと世界に起きた異変の謎を解くため、二人のキモオタ陰キャが、静まりかえった東京の中でサバイバル!今日から使える防災知識と非常食グルメ、そしてラブコメです!
※※※※
セルフレーティングで残酷描写、性描写あり、としましたが、それを目的としたものではないです。ツンデレオタク友達があほあほカップルになっていくまでをじっくりねっとり書きます。毎日19時更新。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-16 19:00:00
239427文字
会話率:52%
時代は遥か未来。
日本は高度な技術発展を遂げていた。
人々の暮らしは豊かになり、都市のビルはより高く、より巨大になっていった。ビル同士を繋ぐ回廊が生まれ、空中を利用した新たな交通手段が生まれ、上層の人々はますます豊かな暮らしを送ってい
た。
ビル群の最上部はガラス張りの豪華な回廊が並び、輝くネオンが絶え間なく光を放っている。空気は清潔で、まるで作り物のような世界だった。空中回廊に漂う香りすら人工的に調整され、どこか冷たさを感じさせるほどに完璧だった。
上層のガラス張りのビルは、太陽光を反射して眩いばかりの白銀の輝きを放っていた。
だが、その下層では、日光がほとんど届かず、陰鬱な空気が街を覆っていた。徐々に地面へと近づくにつれ、錆びたパイプや崩れた壁、荒廃した通りが次第にその存在を主張し始める。
その光僅かな最下層はまるで別の世界。空気は重く、錆びた鉄の匂いが漂い、地面には長く放置された廃墟が放置されていた。ひび割れた路面には雑草が生え、路地には壊れたドローンの残骸が無造作に放置され、不穏な緊張感を漂わせていた。
そして、その下層では貧しい人々が身を寄せ合っている。
AIの進化により、中間層だった人々の仕事は無くなり、貧富の差は拡大する一方だ。
その中をバイクで走り抜ける一人の少年。
これはそんな世界で生きる、彼らの物語である────。
※カクヨムにも挙げています。そちらの方が更新が速いので最新話が読みたい方はそちらのご確認をお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-15 15:24:23
7132文字
会話率:30%
山田さんは、群馬県高崎市の高校に通う高校2年生。ある時、クラスメートの田中さんが彼女を見つけ、追っていくと、廃墟に向かう彼女の姿が。女子高生が小型バイクで廃墟を巡る、ちょっと変わった探訪記録。
最終更新:2024-11-14 09:00:00
45759文字
会話率:28%
暗い地下室に閉じ込められていた、翼と美宇の二人の少女は、ふとしたきっかけから、外の世界を知り、バイクで旅をする。全てが「終わった」北の大地、北海道で二人が見たものとは。北海道出身者の作者が送る、ポストアポカリプスの旅行記。
最終更新:2024-03-27 09:00:00
73639文字
会話率:30%
地獄の底の釜は開き、這い出た悪魔によって東京は崩壊した。天国の扉は開き、舞い降りた天使によって東京は廃墟と化した。人々は絶望し祈りを捧げる。救世主へでもサタンにでもない。今、信仰を取り戻した日本の神々による反撃が始まる。その数総勢――八百万
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-07 10:13:19
103380文字
会話率:31%
セリとナズナは幼なじみの少年少女。ある日セリはナズナから謎の日記を見せられる。ナズナの亡くなった祖父、ゴギョウが遺したその日記に書かれていたのは謎の地図、そして宇宙船の文字。地図に導かれて廃墟の遊園地を探索するふたりの前にあらわれたものは…
…。
明かされるナズナ出生の秘密、秘められたセリの想い。ふたりは宇宙船で遥か銀河を目指して旅立つのだった。
◇◆
ジュブナイル風味のスペースオペラSFです。ヒロインは銀河帝国の皇女様、それを影から護る主人公は宇宙の忍者だッ!
この作品は日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024の共通文章から創作したものです。
https://www.pixiv.net/novel/contest/sanacon2024
オリジナル作品はpixivサイト上で公開されております。「小説家になろう」での掲載にあたって大幅な改稿・追加を加えてあります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-03 08:00:00
73003文字
会話率:18%
人類種の天敵、<N-ELHH>の侵攻によりあらゆる事物、あらゆる価値が壊れたポスト・アポカリプス。 特殊パワードスーツ<Ex-MUEB>をその身に纏い定められた終末に抗う者たち。 最終戦争と裁きの刻を超えた後の世界。
―――廃墟の世界で、二人は出会った。
なろう版:https://kakuyomu.jp/works/16817330668445496600折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 00:38:57
209532文字
会話率:29%
アリエの実の両親が殺されたのはアリエが一歳のときだ。育ての養父母が殺されたのはつい二週間前だった。チェロック村は村そのものがアリエひとりを殺すために全滅させられた。いっしょに育ったキリがアリエの身がわりに殺された。キリは親友とも兄弟とも言
える男だった。キリがかえ玉になったおかげでアリエはひとり生きのびた。
もっとも。それはあとで知った事実だ。当夜は大混乱だった。ミッドナイト皇国の黒の暗殺隊が四方からチェロック村に殺到した。月のない深夜を狙ってだ。
アリエとキリは同い年だった。顔立ちも背かっこうもよく似ていた。
襲撃がはじまったときアリエはキリの父ニコラス・ニジンの手で土に埋められた。頭をなぐられてだ。死んだらどうするんだ? 気絶する瞬間アリエの頭に浮かんだ言葉はそれだった。結果としてアリエは生き残った。だが撲殺されてもよかったのだろう。死ぬのがその夜のさだめだったはずだ。生死の境をさまよう仮死状態だったから生き残った。そんな思いが強い。
気がついたときアリエは土の中で窒息しかかっていた。あわてて這い出すと村は廃墟になっていた。おびただしい血と焼け焦げ。見知った人々の死体。徹底的に破壊された家々。
たったひとり首から上のない死体がキリだった。自分とおなじ体格をした少年の首なし死体。それを見たときアリエはすべてをさとった。キリがアリエの身がわりとして殺されたと。十五年前にほろぼされたセントラル王国の王子アリキエル・セントラルとして。
アリエは死体を前に泣いた。養父母。顔見知りの村人たち。幼い子どもたち。身体中に矢が刺さり刀傷や槍傷だらけの死体ばかりだ。特にひどいのはキリの父でありアリエの養父であるニコラス・ニジンの死体だった。同一の剣によるすさまじい数の刀傷がきざまれていた。傷は深く浅く無数と言えるほどの手数で養父をさいなんでいた。養父のニコラス・ニジンは格闘拳の達人だ。そのニコラス・ニジンを斬った者もただ者ではないはずだった。
アリエはひとりずつの前で手をあわせた。涙がいちいち落ちた。
村人全員の遺体を埋めおえてアリエは確認した。生き残ったのは自分ひとりだと。全滅させられる原因であるアリエだけが残された。
おれが十五年前に死んでいれば。そうアリエは歯をかみしめた。
次にこぶしをかためた。ゆるせないと。
アリエは復讐を誓って旅立った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-26 19:09:58
137925文字
会話率:44%
※最新話の更新はもうしばらくお待ちください。
不慮の事故で死んでしまった16歳の少女、羅奈は一人孤独に空を浮かんでいた。
「生き返りたくはないのかい?」
突然聞こえた謎の声の主、ラグリスに羅奈は導かれる。
そこは廃墟の入り口だった。
その中で羅奈は大鎌の絶斬《ゼツキ》を見つけ手に取りかける。
「この鎌の呪いを解かないと君は生き返ることはできない」
ラグリスはそう言って羅奈を強引に異世界へと連れていく──そこで知ったのは羅奈が持つ大鎌を我が物にしようと企む『天使』とそれを阻止しようとする『悪魔』だった。
悪魔達と協力して数々の天使を倒していく羅奈だったがレッヒェルンと呼ばれる最強の天使達が出てきてしまい、戦いはさらに激化していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-23 21:47:40
238210文字
会話率:47%