上京して叔父の縁故で広告代理店に勤めるキョウコ。ランチにいつも決まって座る公園のベンチを巡りタクヤと出会う。仕事を通して二人は親密になりキョウコはタクヤに思いを寄せていくが、タクヤが既婚者であることで諦めようとする。そこに割って入ろうとする
叔父の友人からの頼みでお見合いをしたユウキ。それぞれの思いが交差していく中で、タクヤが飛行機事故に巻き込まれたことで大きく変わっていく。キョウコはショックのあまり記憶喪失になり、ユウキは記憶がないキョウコの世話をすることで彼女の心をとらえていく。果たしてタクヤは生きているのか、キョウコはこの先どうなっていくのか、衝撃の結末に目が離せません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-20 11:16:46
35812文字
会話率:29%
第一章あらすじ
とある雨の日。いわゆる普通の高校生『白銀拓海』はただの偶然か、それとも運命か、岩の下敷きになって死んでいる少女を発見する。
彼女の名前は『ネネ』。死から蘇った彼女は自身の記憶がない。それでいてとても気が強く、暴力をふる
うことに抵抗のない危険な存在だった。そんなネネが平和で過ごせるはずがなく、次々と暴力沙汰を起こしていく。高校の不良たちや殺人鬼、さらには戦闘する機械女まで相対する。戦いを重ねるうちに、彼女は何を考え、そして何を得るのか。
容赦のないバイオレンスで送るアクション小説。自分を思い出すため、手段を選ばぬ少女の『小さな冒険』が始まる。
第二章あらすじ。
殺し屋ラン・ドンとの壮絶な戦闘の後、人造人間ナンバー9『白銀ネネ』は己の記憶を取り戻すため、そして居場所を手に入れるために人造人間ナンバー14『六条ハナ』を信用することにした。
それから三日後、ネネの居候先の高校生『白銀拓海』と共に謎の人造人間と遭遇し、ネネは大けがを負ってしまう。
謎の人造人間が追う少女の正体とは?
東京に存在する『24区』の秘密とは?
そしてネネは人造人間としての能力を取り戻せるのか?
ブラッド&ゴアな第二部、開幕。
第二章24区決戦編あらすじ。
とうとう能力を取り戻したネネはハナ、ナナを連れて24区へ襲撃に出る。誘拐された拓海とその母親を救うために。そして奴らを皆殺しにするために。そこにモラルもルールもない。
同時に動き出す誰もが思わぬ存在。それが行動し始めたとき、24区で何が起きるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-15 14:16:32
351267文字
会話率:50%
スモールアドベンチャーというお話のあらすじが長くなってしまったのでこちらに歴代のあらすじをまとめておきます。
新シリーズが始まるたびにあらすじの方も更新しますのでその都度こちらも更新します。
スモールアドベンチャー、略してスモアド。初
めてこの作品を読まれる方は最初にこちらを読んでいただけると置いてけぼり感が少ないかもしれません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-14 23:26:07
1327文字
会話率:9%
少し気の弱い男子大学生、幸太は夏休みを前にして彼女である唯に別れを告げられる。茫然自失となりベンチで項垂れる幸太に「君大丈夫?」と声を掛けて来た女性、鬼龍叶。幸太は叶の美しさに思わず見とれてしまう。二人の出会いは運命か?偶然か?
想いを募ら
せていく幸太を叶は冷笑を浮かべて見つめる。『人の気持ちは変わるもの。本当の私を知った時、君は今の気持ちでいてくれるかな?』
若い男女が織り成す恋愛ホラーミステリー。語り継がれる怪談には裏がある。
短編『縛られた想い』より、鬼龍叶をヒロインとして迎えた作品です。
ジャンルはホラーですが、恋愛要素が強い為怖さは全然ありません。
(この作品は他にエブリスタ、アルファポリスでも投稿しています。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-13 12:10:00
95808文字
会話率:52%
高校を卒業した矢先、一人暮らしをしていた栗林ノルン(魔女)のアパートが火事で燃えてしまった。
途方に暮れて公園のベンチに座っていたところ、アルバイト先の先輩、住谷幸譲(大学三年)が「俺も一人暮らしだから、家に来るか?」と助け船を出してく
れる。
ノルンは幸譲の後に着いて行き、アパートへ行くのだが……。
っと、なぜかこの設定で恋愛小説でない。
ほのぼの小説を目指していたのに、なぜかコメディーに……。
鋼鉄の舞姫のネタ出しに困ったときに書いている不定期連載。
笑って頂ければ幸いです。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-12 14:19:58
28232文字
会話率:60%
アフメド医師にとってサラは最愛の女性だった。最も近くにいたのにも関わらず、彼女について知らないことがあった。そのうちの一つが窓のそばで祈る彼女の姿だった。サラは何を祈っていたのか?
サラの祈りについて気になっていたのはアフメドだけではなく
、二人の友人ブシュラもだった。調香師であるブシュラのアトリエにある日突然やって来る若い新聞記者ウムト、ブシュラは彼にサラについて話してみる。ウムトがサラの祈りついて解き明かすことは星を掴むような話かもしれない、それでも彼のことを信じてみた。そこにも祈りに似た何かがあった。
エジプトの政治家マルコは、医師として許されないアフメドの望みを水を飲むように受け入れる。アフメドは彼の黒く不吉な影に気が付いていたのだろうか?全ての光を集めるように陽光の下に立っているダリヤ、病院の中庭で立ち尽くす彼女の姿はウムトにはあまりにも眩しかった。
カモミールが病院の中庭にあるベンチのそばで咲いている。花の香りと花弁の奥底にある真実は何か?ウムトはサラの祈りに辿り着くことができるのか?古いカセットテープから流れる音楽がアフメド医師を包み込んでいる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-10 22:00:00
418958文字
会話率:38%
ベンチャー企業に勤めるわたしはひょんな事から月に行く船に乗り込む事になった。
月には行方不明の子供達が取り残されており、月からの帰還を試みていく。
最終更新:2024-09-09 04:00:00
26613文字
会話率:54%
謝罪
こんな夢を見た。
駅のホームでベンチで電車を待っていると、ハトがてくてくと自分のそばにやってきた。きたって、やれるものは何もないし、ハトにエサをやるほど物好きじゃない。はぁ、とため息をついた。自分はこれからも何年もこうして電車
に乗り、つまらない仕事をし続けるのか。本当、私は何のために生きているのだろう。何がしたいのだろう。
何もしたくない。何もしたくないのだ。なのに、ずっと私は働いている。やめてほしい。コミュニケーション能力もないし、ストレスはたまりやすい方だし、ほんと、生きてて良いこと1つもない。
皆、何が幸せなんだろう。どうして生きているんだろう。何も面白くないじゃないか。生きてて何も面白くないじゃないか。
ハトはいつか消えていた。私はホームで一人、本を読んでいた。田舎だから、電車がなかなか来ない。まぁ、ずっと来なくて良いけど。
この何も面白くない世界で人はどうして生きているのだろう。こんなに不幸を感じているのはもしかして自分だけなのだろうか。きっとそうだ。そうに違いない。私以外は皆、幸せなのだ。私だけが、まるで世界中の不幸をゴミ箱に全部集めたみたいに、不幸なのだ。
苦しいものだ。どうしてこんなに苦しまなければならない。誰のせいだ。誰を責めればいい?神か?仏か?
絶対に己自身を責めろだなんて言わせない。そう。何で私の責任なんだ?意味がわからない。意味がわからないんだ。私のせいじゃねぇだろ。
「違うよ」
どこかから、声が聞こえる。
「違うよ」
後ろを向いた。小学生ぐらいの男の子が立っていた。
「誰?」
「違うよ」
「・・・何が?」
「君のせいだよ」
「え?」
「他人のせいにするのは、甘えだよ」
「は?」
「他人のせいにするのは、甘えなんだよ」
「なんだよ、急に」
私は呟いた。
「自分のせいにすると、気持ち良いんだよ」
「・・・」
「自分のせいにすると、格好いいんだよ」
「・・・」
この男の子を、どこかで見たことがある。この子は・・・。
「ごめんね。僕の伝え方が悪いみたいだね」
男の子は、小さな手で、頭を掻いた。
「ごめんね。全て僕が悪いんだ」
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最終更新:2024-09-07 10:52:43
1339文字
会話率:67%
試合が始まった。パスを受けたセイヤは、右サイドに展開し、ボールを受けたサイドバックがドリブルで上がっていった。相手陣地でセンタリングを上げ、ゴール前でセイヤが相手と競ったが、ボールを相手キーパーに弾かれた。セイヤはすぐ切り替え、守備に回っ
た。
僕は観客用に置かれたベンチに座って、高校のクラスの皆と一緒に試合を観ていた。高校サッカーの試合を観戦するのは初めてだった。もう、高3の夏。皆が勉強にいそしむ中、サッカーに明け暮れる選手達。夏休みの教室で自習していた高3のクラスメート達も、勉強そっちのけで校庭に出てきて、試合を応援しに来ていた。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-18 07:16:40
1179文字
会話率:0%
アゼラという国のとある村で、一人の少年を除いた全ての住人が姿を消した。残された少年—カイは十年後、養子となった先で便利屋として暮らしていた。そこに一人の男が訪れ、便利屋への依頼を持ち掛ける。
その依頼の内容は、男が数日前に耳にした噂──『村
人が全て消えた』という山村の調査だった。
かつて自分の村で起きた謎の事態を忘れられないカイは、警戒心を抱きつつもその依頼を引き受ける──。
初投稿です。不定期での更新予定。念の為、R15とさせてもらいます。
過去に作ろうとして挫折したオリジナルアドベンチャーゲームのシナリオをもとにした小説です。拙い所や至らぬ点はなにとぞ温かい目で見てやって下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-04 18:27:58
298876文字
会話率:32%
ひとしきりに泣いたあとでエルミートは鍵やら財布やら煙草やらをそこまで大きくないポケットに突っ込んで海の底から浮き上がるように家を出た。
それからコンビニで適当な飲み物を買って、彼の唯一の居場所だった公園のベンチに座った。
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最終更新:2024-09-04 03:45:07
2469文字
会話率:21%
勇者はレベルアップしてどんどん強くなれるのに、モンスターには生まれながらに『固定レベル』が定められている世界。
そんな理不尽なルールを作った魔王を倒すべく、レベル2のゴブリンが立ち上がる!
ガチャで排出されたアイテムを召喚できるチート
装備『スマートフォン』さえあればどんな魔物でも一刀両断!
……と思いきや、ハマるハマる課金地獄!
そして陥る借金苦!
ついにはドワーフのギャング団に捕らえられ、小金稼ぎのクエスト攻略に駆り出されて……!?
ゴブリンガールのドタバタ返済アドベンチャー、ここに幕開け!
※Twitterでキャラ絵や挿絵の公開などの活動しています!
https://twitter.com/GoblinGirlGacha
※「ノベルアッププラス」と重複投稿です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 00:22:13
698977文字
会話率:37%
夢アドベンチャー。それは、夢の記憶を用いた、アドベンチャー小説。
筆者が観測したものを、なるべく純粋に、あるがままに記述する。
明晰夢は、睡眠中、夢の観測を認識し、分析することで始まる。その後、覚醒中、夢の記憶を想起し、分析することで小説
を書く。つまり、夢の解析とは、それ自体が明晰夢と同等の価値、性質を持つ。覚醒中に付加された要素は、明晰夢においても付加されうる。夢アドベンチャーとは、夢の解析そのものである。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-31 02:36:52
1224文字
会話率:22%
市販の改造キットを取り付けたホビーアイテムが探査機となり、異世界を冒険してその結果を動画で送ってくれる。良い時代になりましたね。貴方はどんな探査機を送り出して、どんな活躍を受け取りましたか?
最終更新:2024-08-30 23:24:33
9008文字
会話率:22%
慎吾は中学から本格的な野球を始めた。
当然周りとのレベル差はあっていつもベンチ。そのせいでプレーはどんどん雑になっていく。
しかし友人の幸太郎に支えられ自分のプレーの愚かさに気づく。
底から這い上がる物語。
最終更新:2024-08-29 20:55:05
342文字
会話率:17%
満天の星の下、庭園でベンチに座る侯爵令嬢
そこにお姫さまがあらわれた
話す言葉はこてこての関西弁
ファンタジーと人情話が交わるホラー
泣かせて見せます女道(おんなみち)
咲かせて見せます乙女花(おとめばな)
最終更新:2024-08-29 17:05:24
1692文字
会話率:98%
「行こう! 楽しくってしょうがない冒険へ!」
卵から生まれるクリーチャー、通称『エッチャー』。
魔法のような埒外の能力を使う彼らの強さや価値は、生まれてくる卵の大きさで決まり、孵化して最初に触れた者にしか懐かない。
さぁ、力を欲する者よ、
栄光を欲する者よ、伴侶を欲する者よ、金を欲する者よ、大きな卵を手にして見せよ。
人には許されぬ欲も、際限もない。あぁ、もっと大きな卵を手にして見せよ。
大いに争え。豪快に奪え。隣人をも騙し、命すら売買し、そのどれをも嫌うなら、己が手で人外大魔境を切り開け。
そうしていつかは手にして見せよ。
最も大きいとされる伝説の卵を、『ジャイアントエッグ』を手にして見せよ。
*新人賞応募用作品として企画していたものの、完成するまで公開しないとなるとムズムズするので連載します。
全七章を予定しており、最後までプロットは出来ていますが、書きながら随時修正していくつもりです。なので、「修正前と内容違くね?」「名前変わってね?」みたいなとこは、「お、頑張ってんな」と大目に見てください。
ゲームキューブの隠れた名作ゲーム『ジャイアントエッグ ~ビリー・ハッチャーの大冒険~』とは何の関係もありませんが、四人対戦モードが面白過ぎるので是非友達や家族とわちゃわちゃ遊んでみてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-29 09:52:47
17715文字
会話率:49%
電子機器メーカー『紫雲電機』――まだ起業してからまもないベンチャー企業である。
社長紫雲蓮也(しうんれんや)は、自社製品には自信を持っているが会社はまだまだ小さい。
そんな家電ベンチャーが、一大ムーブメントとなっている機械格闘技イベントに参
加を表明する。
イベント名は『BU-ROADバトル』――遠隔操作型の格闘マシン大会である。
参戦マシンは烈風猛竜(ルドラプター)。
様々な機能(ギミック)を持つ、紫雲電機が総力を挙げて作製したマシンだ。
何故、小さな家電ベンチャー企業が参戦したか?
自社宣伝のためもあるが――それだけではなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-26 21:01:50
9828文字
会話率:37%
魔法師団に勤めるエリザは、士官を目指す恋人のために学費や生活費を援助していた。だがある日、恋人の誕生日にお祝いをするためエリザはプレゼントを持参して彼の家を訪れた時、恋人とその友人たちから酷い罵倒をされ、自分が都合よく利用されていたことを
知りショックを受ける。
ただの金蔓だったと嘲笑され突き飛ばされたが言い返すこともできず、失意のままその場を後にする。
呆然と公園のベンチに座り込み、夜が更けてもそこを動けずにいたエリザだったが、気が付くと隣に薄汚れた男が腰かけていた。
エリザが持っていたケーキの匂いにつられてきたらしいその男にそれを渡してやると、こんなところに座り込んでいる理由を言い当てられ、それをきっかけについ恋人から受けた仕打ちを話してしまう。
同情されるかと思いきや、自業自得のような言い方をされ、ついカッとなるエリザに対し、男はとんでもない提案を持ち掛けてくる。
『そのクズ男の後釜に、僕を飼いません?』
クズの見本のような発言に呆れつつも、エリザは捨て鉢な気分でうっかり了承してしまうのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-22 19:00:00
76575文字
会話率:39%
《栄養》×《ミステリー》
管理栄養士として、芦屋医大の精神科に勤務する宇田川舞(28)は、同大学院で、ヒトの食行動と神経についても研究している。
ある初秋の早朝、殺害現場を目撃した。
被疑者は白い寝間着姿の若い女。
川沿いのベンチで眠る
浮浪者の頸椎を、ペーパーナイフで一突。
舞は、夢遊病者による突飛な行動だと直感。
興奮神経の跳躍運動を行う《ランビエの絞輪》に注目した。
通報時に、舞の事情聴取を担当したのは、西宮警察署の喜多川俊子(27)。
被疑者の精神鑑定は、精神科医局長の錦城孝則(63)。
被害者の遺体の解剖は、荒垣壮太(38)が行った。
そして、被疑者の白い女の正体も、分かってくる……。
そんな折、大手製薬会社から新しい抗鬱薬が発表される。
考案者は、前述の錦城だった。
四年前から治験も実施されていた。
舞は、解剖医の荒垣に、押収品から桐花の指紋の分析を依頼。
荒垣は桐花の血液を手に入れて分析。新薬の主成分が出てきた。
だが、新薬の治験対象者リストに、被疑者の白い女の名はない。
リストを管理していたのは、院内の薬剤師、北島楓(31)だった。
新薬の主成分の副作用に、若年層の自殺願望や突飛な行動がある。
新薬の発売を確実にするため、錦城が、事実を隠蔽している可能性が高かった。
事件の謎を解くため、舞は、指導教員の精神科医、仁川優子(53)に相談する。
しかし、錦城への不信感が大きくなる中、錦城が脳梗塞で急逝した。
錦城は、献脳に登録していたため、迅速解剖が行われた。
舞は、錦城の胃の残留物から他殺だと考察した。
荒垣も錦城の他殺説を疑っていた。
舞が、管理栄養士の目線で、独自調査を続ける。
その結果、荒垣と優子には、錦城を亡き者にする動機があった……。
※作品内容はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 09:20:00
184642文字
会話率:37%
佐竹聡史はブラック研究室で研究をし、ブラックITベンチャー企業でインターンとして働く大学院生。
ある日、自宅マンション前の公園で、マンションの真下に住んでいる疋田(ひきた)桃子という美少女と出会う。
疋田は大手事務所からデビューする直前
のvTuber最北南の中の人で、そのことは企業秘密だった。
疋田がポンコツ過ぎて佐竹はすぐにそのことに気づいてしまうのだが、疋田の不思議な魅力に取り憑かれ、そのまま知らないフリをして世話をする。
ある日、佐竹が気まぐれで作ったvTuber向け配信お助けシステムを匿名で疋田に提供。それが爆発的にvTuberを助けてしまい、佐竹は疋田に正体を隠して引出を助けるITエンジニアとして仕事をすることになっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-18 20:26:44
267990文字
会話率:55%
湖の見えるベンチにイーダは座る。王宮に戻る前に、食べそこねたお昼をすますことにしたからだ。
1品目は肉の燻製をはさんだパン。口に含むと麦穂と牛肉が燃えてだいなしになったのを知る。ボリボリというパンにあるまじき食感が、午後に必要な気力を
遠ざけて……。生産者たちの嘆きの声が、料理人の無遠慮な笑い声にかき消されていった。
「食べられるタイプの廃墟、かな」
魔王のまねをして、皮肉をひとつ。
2品目はマッシュポテト。ビーツと小さく切られた人参の葉が相席していてかわいい。でも、食感は「ベチャ」だし、妙に硬いビーツが顎に入れる力加減を迷わせる。全体的に無味。「素材の味を生かした」という苦しまぎれのほめ言葉すら使う余地がないくらいに。
「……共同墓地」
紙につつまれた3品目を手に取る。小さく黒いグミのようなもの。日本で食べていたものよりも硬く、色も相まって強者感がすごい。舌の上に置くと広がる、独特な味。ダイオウイカの浮袋、古い時代の咳止め。自分の故郷では工業製品にも使われた、つまり塩化アンモニウム。
――これは食べ物じゃない。これは食べ物じゃない。食べても害のない、食べられるよう配慮された、食べ物以外のなにかだ。
なんとか飲みこみ魔界の食事に肩を落とす。腰にぶら下げた皮水筒に手をのばすと、横にならぶのは戦利品の入った袋。
開けて中を見る。暗い井戸のような袋の底から、いくつか指の欠けた右手が、こちらに手のひらをむけていた。
むやみに力を振りかざし、神様を馬鹿にし、この世界を踏みにじった『勇者』の体の一部。適切に保存されたそれから、新鮮な血の匂いが香る。
「あなたみたいな勇者がいるから、本物の勇者が迷惑するんだよ?」
怨嗟を吐く右手をイーダは笑顔で見下ろした。魔王たちが同じことをしたら、口の中へ他人の不幸でできた蜜の味が広がっただろう。
今自分はそうじゃない。けれど魔界の魔女として、ふさわしい言葉は知っている。
そう思った彼女は今日一番美味しいだろうそれに声をかけてあげた。
「ごちそうさま」と。
【作者より】
興味を持っていただき、ありがとうございます。
本作はローファンタジー風味のアンチヒーローものです。
第4回HJ小説大賞後期・2次選考突破作品
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-18 11:20:00
1387928文字
会話率:37%