北海道の片田舎、雪解けの風が吹く登園町。
その高校――登園高校に通う2年生の青木彼方は、身長にコンプレックスを抱えながらも、まじめに静かに学校生活を送っていた。
隣の席には、同じ中学からの腐れ縁、
野球部で坊主頭のチャラ男・黒崎雄三。
そ
して、ある春の日、青木の前に転がり込んできたのは――
バスケ部のムードメーカー、天真爛漫なスポーツ女子・朝比奈薫子。
「青木くん、ちっちゃくて、かわいい~!」
「やめろ!薫子!気にしてるんだ....」
「中学から変わらなかったからな」
「雄三も茶化すなよ」
そんな無邪気な一言に、彼方の心は妙にざわつきはじめる。
だが、彼の背後にはもう一人。
物静かで厳格な雰囲気をまとう蛭野裕子。
幼いころから彼方を見つめ続けていた彼女は、時折ふとした瞬間に、思いがけず鋭い言葉を彼に投げかける。
「...そうやって、また誰かに期待するの?」
何気ない日々、教室の窓から見える雪山、部活帰りの夕焼け。
小さな恋の種は、誰にも気づかれないように芽吹き始めていた。
これは、遠くて近い“彼方”の気持ちが、やがて誰かの心に届くまでの――
青春と恋が交差する、ちょっと眩しい日常の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 07:00:00
2197文字
会話率:41%
異世界から帰還した五十嵐 健斗は、変わり果てた景色に衝撃を受けた。原因不明の高熱化により、地上には人が住めなくなり、真冬でも熱風が吹く砂漠と化していた。しかも時空の歪みのせいで、到着したのは2099年。彼が異世界に転移してから80年後の日
本だった。
有識者は、人類を絶滅させないために地下にすべての機能を移したが、科学力では自然の脅威には敵わなかった。そこで帰還者の叡智を結集し、迷宮を造り利用する計画が進んだ。だがそれも限界を迎えていた。
最終手段が帰還者迷宮。その中でも高い能力を持つ帰還者を集めた『迷宮特区』が、最後の希望となっていた。
主人公は、そんな迷宮特区で、帰還者迷宮の主人となる。彼は自分が暮らしていた頃の街を、ダンジョン内に作ろうと考えたのだが……。
「ケント! 遊ぼっ! チョコむいて」
「おい、ケント、暇だから手合わせしようぜ」
「あたいのピコピコは?」
「新しい眷属を創ってみた。ダンジョンボスにしてくれよ」
彼がいた異世界から、親しい魔王達が遊びに来るようになると、今度はそれを目当てに多くの冒険者が集まってくる。
これは、ドタバタで、ゆる〜いダンジョン街づくりの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 19:05:18
903151文字
会話率:53%
転生した戦国の覇者たちが「スーツ侍」に変身し企業の闇をぶった斬る!
東京のオフィス街。
働く者たちは、長時間労働、理不尽な評価、心をすり減らす毎日に苦しんでいた。
そんな現代社会に、あの男たちが甦る。
織田、豊臣、武田、徳川、上杉――
戦国の覇者たちがスーツに身を包み、企業の闇を斬る!
部署は戦場、会議は決闘。
その刃は、名もなきサラリーマンたちの「心」と「未来」を守るために振るわれる――
正義か、制度か、それとも改革か。
今、この世のオフィスに、侍たちの風が吹く!
※歴史上の人物をイメージしていますがオリジナル要素ありのファンタジーです。しっかりとした歴史ものとは異なるのでご了承下さい。
※作品はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 13:10:00
53223文字
会話率:42%
——私たちの花園が咲き乱れる。
女子会という花園を通して、自己肯定感を育ててきた3人。そこに1つの風が吹く。
最終更新:2025-06-06 09:39:40
4301文字
会話率:18%
輪廻の先
異世界で記憶と共に生き直し
過去の自分と向き合い浄化しながら成長し
今世を幸せに生きる
今ある幸せを大切にする事
学校〜メイド〜スーパーメイドになるまで
能力を使って諍いを回避出来るのか?
目指すはクリーンな国政
私事な悪事
は起こるより前に潰す
利用されるならされる前に逃げる
何も起こらない何もさせない物語
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 21:29:51
124145文字
会話率:38%
春の訪れとともに、新たな風が吹く――。
歴史ある温泉旅館「友江旅館」にやってきた高校生・如月早菜は、妖が出るという噂をきっかけにアルバイトを始める。そこには、銀髪の青年・雀部ハルをはじめ、どこか人ならぬ気配を持つ者たちがいた。
不思議な
日常の中で、少しずつ明かされていく秘密と、ハルの正体。そして、出会いがもたらす心の変化。
妖と人が共に生きる世界で、誰かの過去と向き合い、未来を選ぶ詩のような物語が始まる――。
春の愁いに包まれた君に贈る、静かであたたかなファンタジー。
【この物語で何が見れるの?】
・妖と人間が共存する現代妖恋愛ファンタジーです
・眉目秀麗、頭脳明晰で、命を分け与える妖術を持った半妖・雀部ハルの一生を書いてます
・武道家の娘で明朗快活、才色兼備なヒロイン・如月早菜がいます
・早菜の幼馴染で、早菜のことが大好きな妖退治を生業とする春夏冬千秋がいます
・ハルはある運命《さだめ》を背負っており、生きることに消極的だったが、あることから前向きに生きるようになります
・結果、ハルと早菜と千秋の三角関係が見れます
・どんな物語よりもずっと愛と優しさで包まれたラストが見れます
それでは、お楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-02 23:57:24
88380文字
会話率:54%
吸血鬼ミツバは、夜闇に身を溶かしながら戦いの余韻に浸っていた。
血飛沫を払う剣先の輝きは、彼の焦燥を映し出している。
しかし、彼の心を占めるのはただひとつ――お嬢様のもとへ帰ること。
一方、吸血鬼討伐を誓う聖騎士シンキは、神像
に祈りを捧げていた。
彼の剣は正義の名の下に振るわれ、吸血鬼という存在を根絶することを使命としている。
そんな彼の前に現れたのは、かつての因縁を持つ吸血鬼――ミツバだった。
偶然の邂逅は、避けられぬ戦いへと発展する。
激しい剣戟が夜の静寂を切り裂き、ミツバは記憶にない過去の罪を突きつけられる。
逃げるか、抗うか――答えを出せぬまま、彼はただお嬢様の屋敷へと戻ることを決意する。
しかし、シンキの憎悪は止まらない。
光の弓矢が闇を貫こうとする中、ミツバは必死に避ける。
その瞳には涙が滲んでいた。
闇と光が交錯する戦場。
この戦いの行方は、まだ誰にも分からない――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-02 20:28:16
1084文字
会話率:7%
日本を揺るがした歴史的事件・本能寺の変から五年――時は天正十五年(西暦1587年)、夜の峠道を歩く少女は様子のおかしな山賊に出会し、生命の危機に瀕する。山賊曰く、両眼の赤い人間に襲われたと嘯く。
そんな彼女の危機を救ったのは、片方だ
け赤い眼をした男だった。梟風と呼ばれる彼は、信じられないコトを言う。
その両赤眼の人間は、吸血鬼と化した織田信長であると。
死んだハズの信長が甦った? そんな疑問よりも、少女には喜びが勝った。何故なら、甦ったのでならば、この手で復讐できるからだ。少女は危険を省みず、信長を追うこの男に着いていくコトを決意した。
これは、空を満たす物語。
天正伊賀の乱にて家族を失った少女・くららと、梟風と恐れられながらも信長を追う男・サラが出会うとき、怪異蠢く畿内に一陣の風が吹く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 21:00:00
81703文字
会話率:68%
車椅子の高校生・風見凛は、短期転校先で出会った少女・三穂に「昔、走るのが好きだったでしょ?」と声をかけられる。
片羽根の折れた風車が立つ丘で、三穂は「壊れていても、そこにあることが大事」と語り、凛に競技用車椅子の世界を教える。
やがて凛は気
づく——心が動くことも、選択することも、すべて「走る」ことなのだと。二人の少女が紡ぐ、希望と成長の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 21:21:12
9256文字
会話率:46%
核戦争で荒廃した大陸。16歳の狩人セミリオは、父ガイアを殺した「復讐の天使団」を追うため、「親切な悪魔」カインと旅に出る。道中で出会ったバイオノイドの少女セラを救い、絆を深める三人。セミリオの故郷でセラに家族を与えた後、彼女は再びカインと荒
野へ。赤い風が吹く中、父の遺志と己の未来を求め、銃声が響き渡る。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 18:07:35
99198文字
会話率:48%
ジャンクの丘で、たい焼きを待つポンコツAI。
帰ってこない“マスター”を信じて、今日も空腹と戦いながら、静かに座っている――。
潮の風、野良猫の声、ホログラムの月。
そして、甘く香ばしい、たい焼きの記憶。
これは、あるAIのちいさな想い
出と、レモンの風が吹く町で紡がれる、
「さよなら」と「はじまり」の、ちょっとだけ温かい物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 19:00:00
1512文字
会話率:16%
見知らぬ街で、なぜか懐かしい風を感じるときがある。
何も知らないはずなのに、胸の奥がふっとざわつく。
それは、名前のない記憶が呼びかけている証かもしれない。
少女は旅をしている。
行き先に特別な理由はない。
ただ、穏やかな日々の中を歩いて
いるだけ。
けれど、彼女には“ひとつだけ奇妙なこと”があった。
――自分の子ども時代を、まったく思い出せない。
16年分の記憶は日記のようにくっきりと残っているのに、
その前の時間だけが、まるごと霧のように失われている。
まるで“最初からそこに何もなかった”かのように。
そんなレンのそばにいるのは、
落ち着いた雰囲気をまとう女性。
どこか姉のようで、どこか影のある彼女は、
“過去を知っている誰か”のように見えた。
ふたりがたどり着いたのは、春風が吹く街。
古びた写真、奇妙なペンダント、見知らぬ誰かの言葉――
「前にも、あなたに会った気がするんだよ」
静かな違和感が、やがて確信へと変わる。
記憶、感情、そして“自分”という存在への問い。
――人は、記憶を抱えてどう生きていくのか。
――感情を失ったとき、何が残るのか。
――忘れられない記憶は、祝福か、それとも呪いか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-08 06:30:00
38705文字
会話率:22%
潮風に吹かれた草原の向こうで、少女はひとり、空を見上げていた。
まるで何かを待つかのように。
風が吹くたび、白いワンピースの裾が小さく揺れる。
青年は、ただその姿を見つめていた。
どこかで、あの背中を見た気がする。
遠い記憶の中、夢の中、
或いは——前世のどこかで。
少女が、こちらを向く。
その瞳は、まるで…涙のように透き通っていた。
羽衣「また、誰かを探しているの?」
空「……ああ。だけど、見つけられないんだ。名前も、顔も、思い出せない。」
羽衣「きっと、見つかるよ。だって——」
羽衣「空は、つながっているから。」
そのとき、風が強く吹いた。
羽衣の髪が宙に舞い、空の匂いがふたりの間をすり抜けていく。
——そして、ふたりの時間が、静かに動き出す。
これは、夏の終わりに紡がれる、忘れられた記憶と約束の物語。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-02 09:13:50
6160文字
会話率:36%
父王の力の衰えに伴い、王代理の権限を得た第一王子デートレフ。彼の、国を思いながらも性急で気儘な性質に付き合わされる、忠義者な護衛兼側近のマルト。彼ら主従が駆け抜ける話。
注意1:王子がだいぶ難ありな人なので、好みに合わなければそっと閉じて
下さい。
注意2:洪水と疫病と奴隷に関する話があります。苦手な方は回避して下さい。
都合によりゆっくり更新予定。
(2021.02.26 タイトル変更しました。旧タイトル「熱風」)
(2021.03.12 誤字修正いたしました)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-25 08:10:00
564096文字
会話率:42%
「熱風が吹く」の閑話集です。
本編とリンクしていますが、あまりストーリーに関わらない部分です。しかし、本編を読んでいないと分からない話ばかりだと思います。
視点は色々、文の長さも適当、作品傾向も様々です。
以前、活動報告にちょっと出
したのを手直ししています。ボツにするのもったいない精神で集めました。
おまけなので、不定期更新にしています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-01 23:50:00
9739文字
会話率:45%
― 始まりも終わりも、同じ場所にあった。 ―
【 PROLOGUE|前編・後編 】
海と崖に挟まれた港町——。
鯨殻街=ソルトマグナ
その街の大灯台には、灯台守の姉妹が暮らしていた。姉のシアナスと妹のキロシュタイン・ヴォルケ・ベッカ
ー。二人は流れる雲のように、静かで変わらぬ時を生きていた。
しかし、ある日。
キロシュタインが灯台に置かれた不思議な椅子に座った瞬間、意識が遠のく。次に目を覚ますと、そこは都市も人々も消え去った、水没した世界だった。
その世界で、彼女はノアという少女に出会う。
ノアは「アカシアの巫女」として、この世界を観測し続ける宿命を背負い、一万年もの孤独を生きてきた。二人はやがて心を通わせ、「オルデキスカのサイン」で友情を誓う。
しかし、静寂は長くは続かなかった。
突如、漆黒の魔法起動機兵/カルディアがアカシアを襲撃する。絶望的な状況の中、エメラルド色に輝くもう一機のカルディアが現れ、二人を守った。
その機体のコックピットから降りてきたのは—— 成長した未来のキロシュタインとノアだった。
やがて、風が吹く。
気がつけばキロシュタインは、再び灯台の椅子に座っていた。まるで夢のような出来事だった。しかし、目の前には確かに、ノアがいた。
それは幻ではなく——
運命の輪が導いた、新たな始まりだった。
【 ACT 1|メフィスト・ワルツ 編 】
⇒ 現在執筆中……
※カクヨム/様でも連載中です。
@或火譚 『Orde Qiska//オルデキスカ』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 13:13:39
256497文字
会話率:22%
主人公は異世界転生にあたり、”体力、筋力、魔力、知力、素早さ、幸運の、六つのパラメータがランダムで変動するスキル”を手に入れた。パラメータは寝て起きるたびに変動、変動幅は1~99、そしてこの世界の人間の平均は高く見積もっても10程度。俺は
平均して常人の五倍は強いということになる。二度寝でリセマラも可能。
高いステータスを使って異世界で無双! しかし少年の前に立ち受ける敵は多いのであった……。
ーこの作品を読むときは、頭を空っぽにして、現実からほどよく離れてお読みください。ー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 16:21:16
6974文字
会話率:54%
前世の記憶を持っての異世界転生。聞こえはいいが生まれ変わったのはヌンサと呼ばれる半漁人だった。前世三十四年の人生なんてもはやどうでもいいけれど。
外見そのまま魚。ヌンサ族全員バカばっか。理不尽なことも多くて心の折れそうな境遇に俺は前世の社
畜で得たあきらめをもってその人生を受け入れて生きていく。
明日は明日の風が吹く。というか生きるだけで精一杯だし。
そんな俺のヌンサ転生ライフが始まる。
※思いつきで好き勝手にかいているため、思いつき次第の不定期更新です。
第零章はヌンサ村の中-主人公アッシュの生まれてから一ヶ月間。
(第零章は気まぐれの次第で話数が増える予定です)
第一章はその外へ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 22:23:26
148580文字
会話率:58%
冬の大阪、冷たい風が吹く夜。仕事帰りの俺は、疲れ果てた心を抱え、公園のベンチに座る。手には暖かい缶コーヒー。しかし、心は冷え切っていた。
会社ではパワハラ上司に罵倒され、限界寸前だった。そんな時、不意に「元気ないね」と声をかけられる。振り
向くと、そこには見知らぬ綺麗な女性がいた。彼女は自販機で買ったばかりの缶コーヒーを差し出し、静かに話を聞いてくれた。
胸の内をすべて吐き出した俺は、気づけば泣いていた。彼女は優しく微笑み、「たまには休んでもいいんじゃない?」とだけ言い、公園を去っていった。
それ以来、彼女に会うことはなかった。名前も、連絡先も知らないまま。だが、今でも公園で缶コーヒーを飲むたびに、あの夜の温もりを思い出す。
彼女は今、どこで何をしているのだろうか——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-13 11:17:22
827文字
会話率:20%
凪崎ヤエは13年ぶりに幼馴染の青風トオルと再会を果たす。意外にも会話が弾む中、トオルの『彼女できたことない』発言を疑問に思ったヤエは、彼の心に踏み込んだ。
最終更新:2025-02-07 18:05:09
4830文字
会話率:65%
黙っていても光り輝き、微笑めば花が咲き、口を開けば爽やかな風が吹く——と讃えられる絶世の美貌を持つ騎士エーリクは、上官命令でお見合いをすることになった。いざ対面した見合い相手をエーリクはいたく気に入ったが、実は……エーリクは見た目からは想像
もつかないレベルのとんでもないおしゃべりなのだ。彼女に嫌われないよう必死で猫を被るエーリクだが、ひょんなことから自分の話を「おしゃべりな同僚」の話として彼女に聞かせたところ、彼女はそのおしゃべりな同僚に興味を抱いたようで……◇◆◇残念系美男子×懐の深い女の子の、大した山も谷もなくサクッと読める短編ラブコメです。コメディ要素は主におしゃべりな主人公と同僚のわちゃわちゃ具合に詰まっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 16:20:54
10230文字
会話率:53%