現代ではすっかり珍しいものとなった野辺送りという風習がある。その地域では野辺送りに加えて野辺帰りというものも合わせて一連の儀式とされている。その野辺の送りと帰りの儀式を執り行う『おくりもん』である「僕」は、儀式の最中に周囲を彷徨く影を気にし
ていた。
儀式が進む中で次第に明らかになる、その地域の闇とも言えるべき状況と過去、そして「僕」の覚悟。その結末が救いであるのかどうかは、読まれた方の判断に委ねます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-20 02:21:42
20316文字
会話率:5%
とある地の、野辺送りと埋葬の話。
最終更新:2023-07-22 00:12:20
4200文字
会話率:14%
冬の花火。あなたの好きな線香花火に火をつけましょう。夏の終わりに線香花火に火をつける。大好きなあなたはもういない。
最終更新:2023-01-28 00:00:00
303文字
会話率:0%
夕立は服の袖を濡らしてゆく
昔の世が息づく田舎では
野辺送りを繰り返し
時計は逆さに廻って
末の世を嘆いているというというのに
季節は巡って
また涙は繰り返し
輪廻も繰り返し
人の想いを残して
蜉蝣は去ってゆく…
緑豊かな水田では
滾々と
湧き水が
神社では灯篭があかあかと
夕べの祭りみたいに
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-24 17:42:10
1778文字
会話率:0%
古き街で逢いましょう。
貴方の横顔、ブラウン管のトップスターの様。
羊水で満たされたグラスの中の、赤子に呪われしチェリーも酔っている。
泡沫。
チンチン電車は、風に吹かれて、過去へと旅に出る。
ちょっと其処の瀬戸物屋さんへ。
信楽焼のお狸さ
んを、買いに行くためにね。
坪庭に飾る、置物だ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-21 16:27:44
835文字
会話率:0%
今日も、三途の川の渡し守エフのもとに、生者とも死者ともつかぬ悲しき彷徨人(ワンダラー)が訪れる。日比野幸三(ひびのこうぞう)。55歳。存在意義は、農作物の新種開発に係る会社の人事部長。死因は過労死。身体は告別式の棺桶の中。それでも現世に強い
心残りのある彼は死にきれず、ワンダラーとなる。お見送り部長が今日まで見送った者たちに伝えたかった魂の叫びを聞け。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-28 16:10:51
4543文字
会話率:41%
太兵が死んだ――。知らせを受けて向った勢田川のほとりには、衣も纏わぬ太兵の骸がうち捨てられていた。民人にとって、穢人は犬猫と同じ。無残な刀傷も露わに、驚愕に目を見開いた姿は、庄助の哀しみを煽った。
自らを責め、哀しみにくれる庄助に、素間は珍
しく労りの態度を示す。
太兵は勘違いで殺された――。素間は謎の言葉を残したまま、野辺送りの場から姿を消した。深夜の御師邸に忍び込み、件の仲間の様子を確かめようと腰を上げた庄助は、朝熊岳の小坊主の元へ行けという素間からのメッセージを受ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-18 16:14:07
5706文字
会話率:23%