雨が降ってきたら
明後日の方角へ消えよう
艮の方へ鬼門の方へ
そうしたら僕ら鬼にだってなれる
背筋を蝸牛が這っている
死んだ人には友引の日に逢えるから
墓場に行って菊を持って
こんな雨の匂いのする日には
ちょっとだけ会ってみたい
自分の先祖
に
夢のあわいに
牛鬼が海から生まれいずる時にも
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-16 09:05:57
1971文字
会話率:0%
裏路地には、黒マントが潜んでいる
子供におもちゃをあげて
どこか遠い処へ連れて行ってしまう
焼け焦げたコンクリートに
わんぱく坊やが、正義の味方ごっこ
入道雲が、いじめられっ子をみているよ
君は悪くない自分の親を恨むのはやめろよと
潮騒は
、夕暮れを吹き曝し
君の姿は何処までも美しい
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-18 12:19:26
1566文字
会話率:0%
夢のアリバイは、ベッドの隅の染み。
夕餉の昆布はネクタイと取り換えておいたからね。
旅人のコートの中の赤い林檎と僕。
二律背反の猫をこれから粘土でこねてしまおう。
鳥の飛び湖は、朝の夕靄の雫。
泥のついた洗濯物を、因果論で片づけてしまう。
蝸牛の渦巻き模様は、線香花火の残り香。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-11 18:41:33
3389文字
会話率:0%