ウチ(私)が生まれて、はや5か月余りになろうか? 生まれたころの記憶はないが、その後の何日かを暗い箱の中で過ごし、前の飼い主さまから今の飼い主さまのもとにやってきた。
新しい飼い主さまの名前は、宮本大輔(みやもとだいすけ)という。
飼い主さまはウチに、‘すず‘という名前を与えて溺愛(できあい)してくださり、毎日共に食事をして、夜は同じ布団に潜り込み一緒に眠る仲である。その飼い主さまが、このたび高校2年生というものに昇進され、それはとても苦難の道のりであったということであるらしい。
飼い主さまは狩りが不得意のようで、いつも朝は何かの目玉を焼いたものに、サダラ(サラダ)、それにトースター(トースト)などというものばかりを食べている。ウチも猫年齢では立派な大人であるらしいゆえ、狩りの下手な飼い主さまのために、今宵(こよい)はスズメでも狩ってくることとしよう。この前、ネズミを狩ってきたときには散々と叱られたものだが、飼い主さまが鳥を好物としていることは、妹の陽菜(はるな)殿との会話に猫耳を立てて調査済みである。今夜のうちにスズメ共の寝床にロックオンし、日の出とともに一網打尽(いちもうだじん)とするのだ。ネズミなどより難易度は高いが、鳥好きな飼い主さまのためである。因みにロックオンとは、飼い主さまが、たまに四角い平らな箱と会話されているときの話し言葉で、見つける!ということであろうと理解している。ここは飼い主さまの家の近くだが、道幅が狭く、両脇には背の高い草がはえている。自動車はまず通れない私道である。たまに自転車や人が通るが、ウチを見ると近寄ってきたり抱き上げようとしたりする事があるので、飼い主さまの母殿がいつも妹殿に、知らない人についていってはいけないと言っている事を思い出し、視程内全方位の警戒は常に怠りなく行っている。ここは既(すで)に、スズメ共との主戦場である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-27 20:10:59
998文字
会話率:0%
家紋 武範 様主催の「知略企画」参加作品です。
真夜中に、寝ぼけて、FMラジオをつけたら、変な番組が流れてきました……。
最終更新:2022-01-27 12:00:00
1200文字
会話率:6%
令和元年、大晦日の夜をすごす田中の様子である。
最終更新:2019-12-30 22:52:55
1285文字
会話率:47%
新年を迎えた「私」は自身にかかってしまった呪いについて考える。
山道でひいてしまった猫の死体がきっかけで全ての生物が「猫」に見えるようになったのだ。
「私」は自分の中の何かが書き換わってしまったという事実に次第に気付いていく。
最終更新:2018-01-01 00:00:00
3181文字
会話率:2%
拙著同名タイトルの改訂版です
最終更新:2017-11-08 10:04:32
1705文字
会話率:9%
2022年を猫年にしたらおもしろいよね
最終更新:2016-08-05 01:51:21
1424文字
会話率:8%
子猫がトラックにひかれそうになったところを旦那(猫)に助けられ、目が覚めるとそこは、異世界で子猫は人間になっていました。
旦那様は人間でこの世界は故郷だそうです。
魔導師で最強な旦那様は子猫だけにやたらと甘い美中年(見た目、美青年)と、遊び
=狩りが大好きなお転婆美少女(子猫)。
猫が人間として生きるのは大変ですが、旦那様がいるので安心です。
戦闘は遊び、陰謀は笑いに、恋愛は本能任せに。
子猫が少しずつ人間に成長します。体も心も………………………たぶん。
猫年齢9ヶ月=人間年齢13歳、白髪青目の美少女と猫年齢4歳=人間年齢32歳、黒髪緑目の美中年の物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-02 00:00:00
170203文字
会話率:41%
猫年がないからいけないのよ。お正月に浮かれた人間達に、自分達のかわいさを思い知らせるため、猫のベルとチャイムが立ち上がる。彼らの作戦はうまくいくのか!ペットのありがたみが分かる(?)小説です。
最終更新:2009-01-08 16:51:01
6570文字
会話率:56%