時は1991年、バブル弾ける少し前。
ディスコの盛り上がりはマックスで、巨大なウーハーボックスの上にはワンレンボディコンの戦闘服を着た女性たちがひしめき合う。
太眉に合わせる口紅は、シャネルの青みがかったショッキングピンク。
高いハ
イヒールのせいなのか、膝が曲がった立ち方でくねくねと踊るパンツ見え見えの彼女たちのその手には、貴族さながら巨大な扇子。
扇子は巨大な方がいい。扇子の先のファーは必須だ。
扇子がない日は、長いフェザーマラボーを首から下げて手拭い代わりに汗をぬぐう。
「ね、昨日の101回目のプロポーズ観た?」
「みたみた!武田鉄矢の「僕は死にません!」でしょ」
「素敵よねー!あんな風に愛されてみたい!」
あそこでトラックに撥ねられていたら…
鉄矢は異なった世界が見れたかもしれない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-02 11:06:19
1999文字
会話率:28%
むかしむかし。
店の照明、月明かりのささない町の路地などに、黒づくめの少女が姿を見せたという。
手拭いまで、夜の闇に溶け込むような黒いもの。
その手にするのは、片手で扱える小さなほうきとちりとりで……。
最終更新:2021-01-11 22:00:00
2350文字
会話率:8%
一 十四(にのまえ とし)65歳は、娘の旦那の父親と妻が浮気している事を知る。そして、離婚を決意する。だが、慰謝料を支払い、家を失い、全てを失ったのはトシだった。彼は運を司る遊びの女神が正式な担当者の代行で担当し転生させた最初で最後の転生
者。全てを切り裂く英雄王の剣。全てを無効化する英雄王の盾。転生先の世界リュボーフィを、英雄王として救うはずだった。
彼の名前はドル。転生前の名前は覚えていない。フランス革命後の旧貴族家出身なのかフランス革命前の貴族家出身なのか曖昧な記憶を持って転生した。転生先はローザとトシの長男。成長と共に褪せる前世の記憶。鮮明な記憶が1つだけある。それは創造神様との約束。それは、勇者として父であるトシに協力する事。
これは、時代も国も異なる転生者親子と魔剣エクスの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-28 16:00:00
240892文字
会話率:65%
あちらとこちらの世界の狭間にある居酒屋"ひとにくや"の女将や、あちら側の客が迷い込んだ者達に手を差しのべる。
今回はその才能故に巻き込まれた染物職人の話。
最終更新:2019-08-12 10:00:00
2995文字
会話率:24%
「おひや、いらんかえーー」「お冷や、どうどすーー」
京都の町に間延びした売り声が流れた。盆の期間限定で出現する白川女(しらかわめ)の一団だ。
何事だろうと人が振り返った。手甲脚絆に草履履き、紺の筒袖も被った手拭いも時代錯誤の白川女。
それは
夏休みの課題研究でやってきた高校生だった。
記者の質問攻めに重い口を開いた彼女は、テレビスタジオで商品説明をすることになった。
迎え火とともに出現し、送り火とともに行方をくらます彼女たち。
これは、真夏の古都におこった小さな出来事の記録である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-17 08:31:37
10405文字
会話率:31%
「松の湯にようこそ。ここは江戸時代からある古き良き公衆浴場だ。
外観は、神社仏閣風の甍で、唐破風造り。おんぼろじゃなくてレトロで趣があるっていって欲しいね。
設備は、コインランドリー、売店(駄菓子あり)、石鹸、シャンプー、リンス、ドライ
ヤー、体重計、マッサージ機(故障中)、電気風呂(危険)、ジャグジー、薬湯(お勧め)、サウナ、水風呂、以上。水質は超軟水だから、お肌の弱い女性や乳幼児の方にもお勧めだよ。
年中無休。営業は午前十時から午後十時まで。
入浴料は大人が四百円、学生は三百円。十歳以下のお子様は無料だ。
……おおっとお客さんは異世界人だね?
子供の振りしちゃあいるがあんたはハーフリングだ。しらばっくれようたってそうはいかない。しれっとただ湯にありつこうなんざ太え野郎だね。おまけにそっちは女湯だ。お天道様が許しても公衆浴場法第三条とこの番頭さんが許さないよ。
さあさあこの手拭いとバスタオルを貸してやるから、身も心も、それから泥だらけのあんよも綺麗にしてくるんだよ」
所謂、テンプレ系異世界お店屋さんモノです。
短編連作の予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-09 18:35:57
28805文字
会話率:28%
陽だまり横丁猫かわら版のお知らせが入りました。
どうやら忘年会をおこなうようです。
幹事は三毛猫のミケのようです。 持参必須?ん?エサと手拭い?
はてはてどんな忘年会になるやら。ちょっと覗いてみませんか?
「ひだまり童話館」の
「ひえひえな話」参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-11 12:00:00
3294文字
会話率:50%
足元には濃い靄が揺曳し、空には薄白く月がかかっていた。
早朝、四時半である。
籐冶は家の木戸を閉めて、外に出た。
退身を願い出て、許されたのはひと月前のことである。女中のおやすも一緒だった。
結婚して、ふたりで料理屋をやりたいむね
、主人の大崎矢五郎に願い出たのである。
大崎矢五郎は水築藩の家老であった。
代々、家老を勤めている。格式は立派だった。
しかし、舌が利かない。
どんな料理を作っても、うまいとも不味いとも言わない。それが面白くなかった。
父親の代から数えると、五十年も奉公してきている。
「もうそろそろいいだろう」と籐冶はひとり言ちた。
「なあ、そう思わんか?」と、おやすに訊いた。
おやすとは、三年前からの付き合いである。
行儀見習いとして、おやすが大崎家に女中として入ってから、一年ほどして、ふたりは恋仲になった。
風邪を引いて寝込んだおやすに、籐冶が生姜湯を作って呑ませたのがきっかけだった。
それだけではない。籐冶は額の上の濡れ手拭いも交換した。玉子粥も作って食べさせてくれた。
そんな経緯がある。
おやすは、一月前から、実家に戻っていた。
途中でふたりは落ち合った。
天神様の祠の前であった。
籐冶とおやすは、今後が幸福であるようにと、手を合わせて願った。
「さあ、いくか」
籐冶が腰を上げて、おやすに声をかけた。
おやすも腰を上げて「いきましょ」と応じた。
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最終更新:2015-01-24 15:09:44
11957文字
会話率:29%
地球人に『グレイ』と呼ばれる姿形をしている農業青年NO.763。彼は宇宙農業協同組合の一員であり、辺境惑星を一人で開墾しながら農作物を作っている農業事業者だ。今日も麦わら帽子を被り、首から手拭いを下げて宇宙大根の若葉をいじる。
ある日、彼の
飼っている宇宙犬『味ごはん』が姿を消したことに763は気付く。宇宙船が一台無いことからあとを追って地球に向かったその先で、彼が降り立ったのは小さなホームセンターであった。
癒し系天然おねーさん(巨乳)と田舎もん純朴グレイとの、ほのぼのSFラブコメディ。たぶん。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-18 06:16:10
14001文字
会話率:41%