さなぎからちょうちょうに変わるのを羽化という。或いは仙人になることを指す言葉でもある。
朝みる夢が肌に残るとき、経験もないくせにその感覚が羽化にぴたりときます。書き留めることでその肌合いが今の己れであるようにと、連作のタイトルとしました
。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 04:58:57
168680文字
会話率:4%
貴族の三男として生まれたシャリクは、魔力も剣もからきしダメで、家族にも見放されていた。竜騎士団の適性検査でも「ゼロ判定」を突きつけられ、すべてが終わったと思ったそのとき――彼の中で、何かが目を覚ます。
頭に響く、聞いたこともない言葉。手の
甲に浮かぶ古代紋章。そして、空気を揺らすほどの力。
それは、千年前に封印された“皇竜”の魂だった。
目覚めた力は、各国の“竜姫”たちの目にも止まる。彼のもとへとやってきた彼女たちは、剣を捧げ、忠誠を誓い、時に恋さえ語り始める。
だが、皇竜の継承は、大陸の均衡を崩す引き金でもあった。竜騎士団は彼を戦力として囲い込みに動き、封じられていた“邪竜”までもが目覚めようとしていた。
最弱と蔑まれていた少年の中に、世界を変える竜の力が宿る――戦乱と陰謀、そして恋の狭間で、シャリクの運命が大きく動き出す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 21:30:00
36491文字
会話率:16%
『ルナガディア王国の光、夜空を照らす“月”は、特別な存在となるであろう』
主人公、セレネフォス=三日月は『月の加護を受ける奇跡の子』だと、密かに期待され育つ。その理由は生後二日目に起こった髪色の変化、そして微弱の魔力を発動させ右手の
甲に月の紋章がうっすらと光り現れたことにあった。
月日は流れ――三日月が五歳の誕生日を迎える前日の夜に起きた、ある事件。狙われたのは、人並みならぬ力(能力・魔力)を持って生まれた三日月であった。その事件がきっかけで彼女は心に大きなトラウマを抱え、一部の記憶を失くしてしまう。
どこから情報が漏れたのかと、身の危険を感じた周囲の者たち。ともかく今は三日月の未来を守ることが先決であると考え、月の加護を受けた彼女はこれまで以上に固い護りが張られ、その存在は静かに隠されたのだった。
事件後は、記憶が欠けてしまっていることも影響しているのか、極度の人見知りと魔力コントロールが上手くできなくなった幼い彼女。ただでさえ大人顔負けの魔力を持つ三日月の力は扱えないと彼女自身も危ない。
そこで技術が安定するまでは……と、上級魔法士である母により魔力制限魔法をかけてもらうことを、余儀なくされた。
それから平穏な暮らしを送っていた彼女であったが、九年が経ち、十四歳となったある日。三日月はあの辛い思いをした心を再び夢に見てしまい、苦しめられる。『欠けた記憶(トラウマ)』がうっすら、少しづつ、自分の中に蘇っているのではないか、それがどんなものなのか、という不安と恐怖心。それ以上に、自身の内から湧き上がる、大きな何かを感じていた。
「このままじゃいけない」
誰からも知らされていないはずの宿命を自ら悟ったかのように、無意識に行動し始めた彼女は、過去の記憶(トラウマ)を思い出すために、その苦しみへあえて向き合うことを決意。まずは魔力をコントロール出来るように頑張ろうと王国随一の魔法科のある学園へと入学した。
そこで経験するたくさんの人との、出会い……そして、別れ。
心と力の成長を感じながら、大切な仲間との時間で手に入れた思い出を胸に。この物語は、変えられないそれぞれの宿命に今、力を合わせて立ち向かっていくお話です。
※すべての表現において完全オリジナルです。
※以前、投稿していた作品を加筆修正後、再投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 09:32:04
118749文字
会話率:39%
残業でボロボロの社畜・二宮悠斗(28)は、終電後に金色の光へ飲み込まれ、辺境“ゆる村”へ転移してしまう。
手の甲に浮かんだ【スキル:星契〈スローライフ・ブースト〉】は〈生活行動効率500%アップ〉――だが攻撃力はゼロ。
「剣も魔法もある世界
で、これ詰んでない?」と青ざめつつ、ブラック職場で叩き込まれた在庫管理や段取り力を武器に、食糧不足や衛生トラブルを一つずつ片づけていく。
星空と焚き火で締めくくる、戦わない開拓スローライフ。今日もゆる~く始めよう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 03:01:10
62042文字
会話率:27%
とある理由が原因で2年前に東京を離れて地方へと逃げ出した常盤 大河は、たった一人の親友の自死の報せを聞き久しぶりに東京へと戻って来ていた。
そこでかつての中学の同級生である、成美悠理と偶然の再会を果たす。
親友の死の報告の後、なぜ
か大河と別れたがらない悠理を疑問に思いながら、新宿中央公園をデートする事になる二人を、経験した事のない規模の地震が襲う。
同時になんの脈絡も無く、東京都庁の側に騎士甲冑姿の大剣を担いだ歪な巨人が現れ、都庁や高層ビル群をまるで積み木を崩すかの様に薙ぎ倒していく。
次いで地面から湧く様に出現した様々な姿の奇々怪々な異形の生物が、周囲の人間を無惨にも食い散らかしていく。
混乱しながらもなんとか新宿駅構内へと駆け込む二人のスマホに、突如鳴り響く奇妙なアラーム音。
『チュートリアルクエスト モンスターを10体討伐せよ』
『クエストレベル☆ 三日間生き残れ』
全てのアプリが消え去り、代わりに表示された見覚えのないアプリに表示される謎の文章。
右手の甲に現れた、剣の形をした刺青。
太陽を覆い隠す様に天に鎮座する、謎の黒い球体。
全てが全て理解の追いつかないまま、やがて異形の生物たちはタイミングを図っていたかのように駅構内へと侵入する。
東京はこの日を境に、絶望的な変容を遂げた。
それは魔が闊歩し、生者が追い詰められる世界。
出来の悪いロールプレイングゲームの様なシステム。
明らかに理不尽を押し付けてくる高難易度のイベント。
拡大し、縮小し、樹海化や砂漠化、果ては凍土や焦熱地獄へと成り代わる23区。
生き残った人々は最初に与えられた『剣』を戦う事で進化させ、マジックアイテムを駆使し、レベルを上げて肉体を強化し、生き残る事を強いられる。
誰一人として理解の及ばない土地と化した東京で、ただ一人。
大河だけが奇妙な既視感を抱いていた。
モンスターのその姿や習性。
特徴的で纏まりのない、出来の悪いゲームシステム。
イベントギミックや設定に垣間見える、懐かしさ。
それは、自殺した親友が長年妄想していた理想のゲーム。
『東京ナイトメア』の世界と全く一緒だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 19:46:32
681188文字
会話率:36%
勇者と共に魔王を倒した英雄のヴァンはいつものように家で過ごしていると、勇者を辞めた幼なじみに一緒に冒険者になろうと誘われ、ヴァンも英雄を辞め元勇者と一緒に冒険者になる。
手の甲に人の強さを表す階級があり、ヴァンは11、元勇者は10と
世界トップ2がパーティーを組んでしまっては魔物では歯がたたないようで───!?
英雄と勇者を辞めた2人は、次は冒険者としてセカンドライフを謳歌する!
魔王を倒した後の2人のアフターストーリー、ここに開幕!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 17:20:30
1309文字
会話率:65%
日下部ひまわり は、グルメオタクの中学三年生の女の子。
学校の帰り道、不思議な妖精と出逢い、追い掛けて辿り着いた先は、グルメオタク界隈では有名な伝説とされている───とある国の三銃士が命を懸けて護った レストラン・「エルピス」が目の前に建っ
ていた。
お店の中に入ると、錆びた"スプーン" "フォーク" "ナイフ"が置かれていた。そしてその食器達から三色の光が放たれ、気が付くと 穏やかな笑みを浮かべた "ソウ"と名乗る青年に抱きかかえられていた。
ソウは、『お待ちしてました、女神様』と…ひまわりの手の甲に口付けを落す。
この世界ではもう時期戦争が起きると言われ、『エルピス』でレストランを経営する・ソウカンパニュラとスイレンとエンジュはそれを止めようと、戦い以外の戦争を考えていた。そして思いついたのが『食戦争』人間同士で傷つけ合うのではなく、料理で闘うものだった。
しかし、その戦い方はまだ広く浸透されてはおらず、戦争までに間に合わせる為に、ひまわりは食戦争に必要な『スパイスの女神』として召喚されたのだ。戦争を無くす為に闘い、人の心を動かす料理を作る為に、ひまわりは彼等に協力をする事に……。
外部サイト アルファポリス・カクヨムにも重複投稿しております!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 23:50:17
41114文字
会話率:64%
「ふつうって、なんだっけ?」
高校1年生の美緒は、“ふつうの女子高生”を目指して生きてきた。
目立たない髪型、無地のペンケース、スカート丈はジャストが基本。
だって、目立つと笑われる。笑われると、傷つく。
“ふつう”でいることは、美緒にと
って、最大の防御だった。
そんな彼女の“ふつう”が、ある日、あんパンひとつで崩壊する。
「お願いっ!そのパン……一口分けてっっ!!」
現れたのは、朝から全力テンションであんパンを土下座レベルでねだってくる、美形の先輩・神谷ルカ。
茶髪ふわふわ、制服ラフ着崩し、でも中身はド天然。
そのギャップに、思わずパンを分けた美緒は――その日から“ふつうじゃない日々”に突入する!
次の日、校門で待ち構えていたルカ先輩に手の甲にキスされ、女子の悲鳴があがり……中庭でお茶会する先輩たちに巻き込まれ……なぜか“変人カルテット”に勧誘され……!?
白鳥ミレイ先輩は優雅に紅茶を注ぎ、栗本かおる先輩はかわいすぎる顔で毒舌を吐き、黒崎俊先輩は静かに核心を突く。
そしてルカ先輩は、今日も美緒の“ふつう”を崩してくる。
でも、不思議だった。
“ふつう”じゃない毎日が、いつのまにか愛しくて、楽しくて――
変わっていく自分が、ちょっと好きになっていた。
だけど、恋はすれ違いの連続で。
信じてほしかった。伝わってると思ってた。
だけど、届いてなかった想いに、涙がこぼれそうになることもあって。
あのとき、あんパンを半分に割ったみたいに。
ふたりで、気持ちを半分ずつ、わけあえたなら。
どこまでもポップで、ちょっぴりほろ苦くて、
まっすぐで、不器用で、でもちゃんと“恋”な青春。
**
ふつうを卒業したいあなたへ贈る、
ちょっと変な先輩との、
ふつうじゃないラブコメ、開幕!
**折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 10:40:02
93210文字
会話率:34%
♣︎十年前に変わってしまったこの帝国を、俺があるべき姿に戻してみせる。
十五歳の誕生日という節目に『獣の因子』に覚醒する者が現れ始めた十年前、ベスティーナ帝国は変わってしまった。
獣の因子への覚醒者『獣人』達への優遇制度が作られたのだ。
因
子の種類によって決まるランクと、クラスという獣人にのみ現れる階級。それが紋章としてそれぞれ右手、左手の甲に現れるため、明確に身分が決まるようになった。
それだけならまだ良い。
確かに、獣人は普通の人間より高い能力を持っている。覚醒した時点で身体能力、知能などは格段に向上するという。しかし問題は、この帝国の中心である貴族のほとんどが、政治なんて知らない、たまたまランクの高い因子や高いクラスに覚醒した獣人であるということだ。他国との関係も、すでに崩れつつある。
主人公・猫宮クロは、そんな帝国を自分の手で変えたいと思った。天からの授かり物である因子やクラスではなく、自分の力で。
だがクロはその日、猫の因子(ランクB)のクラスⅠに覚醒する。
自分が嫌っていた獣人という存在に、自分自身がなってしまったという葛藤を抱える暇もなく、クロは大きな決断を迫られる。
今年設立した、その地域だけでなく全国各地からも優秀な獣人男子を集めた、帝国最上位の学園…帝王学園への勧誘。
帝王学園では、皆が未来の帝国の指導者『帝王』や高位貴族を目指し、スペード・ハート・ダイヤ・クローバーの四つの派閥(寮)に分かれて競い合う。
帝王学園からの勧誘を受けるか、受けないか。
その先に待つ未来を思い描いて、決断する。
そしてクロは進む。理想の未来へと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 07:13:05
10593文字
会話率:40%
「お初にお目にかかります、俺はクインチェル様の……犬です」
大国アーヴルメスは世界を統一して日が浅く、支配下に置いた国々の小競り合いが絶えない。そんな各国の関係を維持し、アーヴルメスの平和を守っているのは才女として名高い歴代最年少大使、女
爵令嬢クインチェルだ。
各国の元首からプティタンジュ(小さな天使)と愛されているクインチェルのもとにある日、脅迫状が届く。そんなアーヴルメスの天使を守るべく、アーヴルメスの支配下にある帝国から護衛役が献上されてきた!?
「お初にお目にかかります、俺はクインチェル様の……犬です」
「血眼の狂犬(ブラッド・ドッグ)」の異名を持つユベールは、綺麗な顔で恭しく跪き、クインチェルの手の甲にキスをした。
過保護でクインチェルにあだ名す者に容赦ない。初対面のはずなのに、ユベールはなぜかクインチェルには甘く、四六時中片時もそばを離れない溺愛っぷりで……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 02:22:53
53775文字
会話率:41%
ただ手の甲が冷えたので、首すじから暖を取っていたら。
なんか、勘違いされそうになったの、ねっ?
最終更新:2025-01-08 19:22:19
200文字
会話率:50%
※この小説の登場人物はわたしの執筆の他小説(大人向け含む)の登場人物の使いまわしです。
※幾つか枝分かれした世界の一つだとお思い下さい。
わたし、畝 双樹はトラブル続きの連日残業を終えて、自宅に着いて小腹を満たそうとした瞬間、異世界へと召
喚されてしまった。
召喚された先には、わたしの他にもう一人、高校受験の勉強をしていた女の子が召喚されていた。
わたしたちを召喚した者たちはどうやら聖女とやらを召喚出来たと歓喜している。
暫くすると銀髪イケメンが現れ、女の子の前に跪いて「貴女が聖女か?」と問い、手の甲に口付けをする。
そして彼らは女の子を連れて行く。
わたしを無視して……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-31 23:12:21
19446文字
会話率:28%
平凡な高校生活を送っていた少年、カイル・オハラ。だが、彼の左手の甲に浮かぶ奇妙な紋様が、普通の日常を静かに蝕んでいた。
ある日、放課後の廃工場で、カイルの紋様が輝きを放つ――それが「ファントム」という異能の力を目覚めさせるきっかけとなる。
突如巻き起こる未曾有の出来事。現れた謎の人物たち。そして、自分を狙う者たちの存在。
「なぜ俺がこんな力を……」
葛藤と恐怖の中で、カイルは異能の力を持つ仲間たちと出会い、やがて彼らを導く役割を背負うことになる。
「力を持つ者」と「力に抗う者」、それぞれの思惑が絡み合う中で、世界を揺るがす戦いの幕が上がる――。
異能の力が引き寄せる運命、そして交わる絆。カイルがその先に見出すものとは?
運命に抗いながら紡がれる壮大な物語が今、始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-16 16:58:14
47326文字
会話率:47%
かつて世界の半分を支配した吸血鬼の真祖一族。その姫たるアンジェリカはあるとき魔の森で一人の赤子を拾う。その赤子の手の甲には聖女の証たる紋章があった。ペット感覚で拾ったアンジェリカだがそのかわいさにメロメロに。魔族と対立する可能性がある聖女を
娘として大切に育てるアンジェリカ。その結末はいかに。。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-24 10:28:11
716616文字
会話率:47%
《王の刻印》。それはクラウン・ゲインと呼ばれる薬品を投与された、王の証。
頭に刻まれる言葉、喚起の詩《アクセスコード》を唱えると王剣と呼ばれる聖なる武器と下僕たる召喚獣を呼び出し、召喚獣の力、「権能《オーダー》」と呼ばれる魔法が使える。
初
めてこの刻印が現れた少年はこの世界で最初の王となった。
軍事技術が発達した現代でも《王の刻印》が刻まれた人間、王剣使い《アーサー》はたった一人で戦局を変えると畏れられていた。
王剣使い《アーサー》を育成輩出するいくつかの学園の内、国内で最強を誇る聖翔学園に一人の少年が入学した。
その少年の召喚獣は前例の無い「セレナ」と名乗る人間の少女の姿をしている。
召喚獣の強さと「権能《オーダー》」で
|王剣使い《アーサー》としての才能が測られる。
しかし見落とすな。少年の召喚獣《しもべ》の手の甲を。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-12 16:00:18
7925文字
会話率:42%
世界で有数の貴重な鉱石産出国であるアーレンシュには、『異形の呪い』と呼ばれる呪いがあった。それは、右手の甲に1から12番の数字を持つ呪われた子供達が、アーレンシュの成人にあたる十七歳になると『異形のモノ』と呼ばれる兵器に姿を変え、寿命で力尽
きるまで一生国のために戦うと言うものだった。
主人公である十五歳の少年セルは、呪われた子供達が暮らす施設で唯一「呪いを解く」と宣言する子供だった。セルは親友の少年ルーサ、話す事が出来ない少女マイと共に、施設で暮らしながらも数少ない外出の機会に、呪いを解く術を探していた。
多くの子供達が未来に希望を持てない日々を過ごす中、存在してはいけない13番目の少女が現れる。
自身の運命に必死に抗い生きるセルは、呪いの連鎖を断ち切れるのか――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-12 08:32:32
109886文字
会話率:42%
泣けるラブコメ!
あゆむは缶コーヒー会社の下っぱ社員だ。
同社のレナは清純派をよそおって男あさりをする百戦錬磨な女だった。同僚のマユはあゆむをオトせるかとレナを挑発した。カラオケ代を賭けてだ。レナは受けて立ってあゆむに接近する。
そんなある夜あゆむは夢を見た。小学生の女の子が夕陽に向かって泣いていた。あゆむはその子にイチゴをわけあたえた。だが女の子が誰なのかあゆむの記憶になかった。
小学校の同窓会で心理学者の森崎にその話をした。女の子はしのぶだと森崎が指摘した。
「あんたは涙目のしのぶが好きになった。けど悪ガキにからかわれてごまかそうとしのぶをいじめた。あんたの弱い心はいじめた罪の重さを背おい切れなかった。長い夏休みが明けるとしのぶは転校していた。しのぶが目の前から消えたのを幸いにあんたの無意識はしのぶの存在をなかったものとした。いなかったしのぶはいじめられないし惚れもできない。あんたは初恋を封印しちゃったのよ」と。
あゆむは封印がとけた初恋に苦しめられてしのぶがいるドイツに飛んだ。あゆむはしのぶと再会してふたりでデンマークを観光した。だが最後まで好きだと告白できなかった。
あゆむは帰国して一部始終をレナに話した。するとレナに怒鳴られた。
「しのぶさんは『結婚指輪買っちゃおうかな? どんな指輪ならわたしに似合うと思う?』って左手の甲を見せたんでしょう? スカポンタン! 『きみならどんな指輪でも似合うよ』ですって? どアホウ! それがプロポーズされた男の返事かい!」
「なんの話だよいったい? ぼくはプロポーズなんかされてないよ?」
「されたの。されました。二十四歳の女が指輪をはまってない左手の甲を見せたの! それってきみに結婚指輪を買ってほしいって謎かけじゃない! わたしの指に結婚指輪をはめてよって催促よ! もう一度ドイツに行け! 行って男らしくコクって来い!」
レナに背中を押されてあゆむは再度ドイツに向かった。今度こそしのぶに告白するために。
そのころマユはレナにこう言っていた。
「あんた敵に塩を送ったんじゃない? 賭けはもう頭にないでしょ?」
「わかってるわよ。バカなまねをしてるなって。あーあ。なんでけしかけちゃったんだろ?」
「あんた男あそびのしすぎで経験がなかっただけだわ。それ初恋よ」
「うそ?」
レナはマユの言葉に愕然とした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 14:42:26
171395文字
会話率:41%
この国には、ある伝承があった。
異界の勇者、光を纏い魔王を倒す。魔王の魂の根源を贄にして異界へと帰還する。
ある日、王国により召喚されし勇者がいた。
だが、その異界の勇者の左手には、神より授けられるはずの聖痕は無かった。
この世界の
人間の左手の甲にはそれぞれの根源を象った痣が生まれた時より刻まれている。
それは神から与えられし聖痕として、その者の資質を表す証でもあった。
この世界の唯一つの例外が痣を持たない者。
この世界の者は、その痣の無い者を『悪魔の子』として災いを呼ぶ悪魔として迫害していた。
これは、召喚されし悪魔の子と呼ばれる聖痕無しの青年が、魔王を倒し元の世界に帰る為の物語……
◆◇◆◇◆
暇を持て余した方々の感想をお待ちしております。
[連載中]捨てられ聖女と森の主・妹のためにと捨てられたんですけど?
https://ncode.syosetu.com/n7147ji/
[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。
https://ncode.syosetu.com/n7409iu/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-29 19:10:00
7670文字
会話率:39%
小さな村の少年。15歳になったアル。
身長は165cmの細身、黒髪で右手の甲にはは太陽のマークが刻まれている。
朝起きると鶏にキレる。
アルは人口50人しかいない村に住んでいる。
大人が10人かかってもそれを振り払う体術を持っている。
アル
はそんな毎日に退屈していた。
この村は良い意味で平和主義過ぎて争い事が起きないから。
海から流されて来たシワシワの英雄伝の本。
誰かを救うことに憧れを持っていた。
英雄の名前はルルン・スピアーズ
能力はなく拳一つで国を収めた話が刻まれている。
6歳の頃に浜辺で拾い毎日読んでいる。
いつか人を救う人物になるために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-30 03:08:25
497文字
会話率:0%
魔王軍の幹部にして感情のない冷酷非道なる吸血鬼と名高いアルカードは戦場で捕らえた姫騎士ソーリス・アルジェントに対して陵辱の限りを尽くす──具体的には吐き気を催すほど甘ったるいケーキを食べさせたり、手の甲に口付けをすることで純潔を汚したり……
!
今日も今日とて冷酷非道な幹部としての責務を果たしていく
決して一目惚れした姫騎士を相手に色々おかしくなっている訳ではないのだと、自分に言い聞かせながら折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-28 07:11:06
7712文字
会話率:40%