――この大陸で、君主を名乗った者は呪われる。
王や皇帝を名乗る者は、必ず非業の死を遂げると言われる世界。
そこでは四勢力の長たちがが危うい均衡の元にそれぞれの領土を支配していた。即ち騎士団の「大公」、医師団の「老師」、楽団の「総帥」、教団の
「教主」。
楽団領で生まれ育った孤児シノレは、
ある日、教団の聖者に見出される。
「あなたこそ、私の勇者なのです。」
かくしてシノレは勇者として教団内部の闘争、さらには世界の混沌に巻き込まれていく・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 12:30:00
499133文字
会話率:18%
世界は六つの色鮮やかなギフトに彩られた国々によって成り立っていた。世界の中心にそびえる世界樹は、生まれたばかりの子供たちに紋章とギフトを授ける。選ばれし者には神具も与えられ、彼らは未来の指導者として世界の秩序を担う存在とされた。
しかし、そ
の平和は脆い。各国は肥大化し互いを顧みず、武術と魔法の反目、自然と創作の不和、開拓の無関心、帝王の支配欲が世界を破滅へと導いていた。さらに、名を口にすることすら禁じられた「魔国」が常に存在し、街の外には魔物が跋扈する危うい均衡の上で世界は立っていた。
そんな中、「全てを統べるものが生まれた」という謎の噂が広まる。これは12神将の間にも亀裂を生じさせ、世界の矛盾を露呈させていく。特に帝王の国は、自国の神具持ちの天才児こそがその存在だと疑い、厳しく監視する。
だが、真にその可能性を秘めていたのは、別の場所にいた。
一人の少年は、紋章の色を誤って告げられ、武術のギフトを持つと偽られながら育つ。彼は全てのギフトを内包する異質な存在だったため、どんなに努力しても他の者より著しく成長が遅いという苦悩を抱えていた。
やがて、少年は仲間を救うため、自身の神具の力を使い果たし、神具は「型をなさなく」なる。国からは冷遇されるが、彼はめげず、その時、紋章が微かな変化を見せる。これを「複数のギフトを持つ」と誤解した少年は、自身の謎を解き明かすため旅に出る。彼のギフトは、感情の変化や出会いを通じて様々な側面を覗かせ、旅先で出会う師匠やサポーターたちとの交流を通じて力を深めていく。
一方、帝王の国にいる天才児は、驚異的な知能と理解力を持つに至った。しかし、彼は他者のギフトを理解できても自らは行使できない性質のため、帝王の国からは真の「全てを統べるもの」ではないと判断される。だが、彼はすでに世界の滅びの運命を見通しており、帝王国の神将たちを欺きながら中枢に入り込み、そこで「全てを統べるもの」の真の存在を知る。そして、帝王国の命令に従うフリをして、密かにその存在を探し始めるのだった。
分断された世界を救うため、それぞれの道を歩み始めた二人の「運命の子」。彼らの旅が交差する時、世界の隠された真実が明らかになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 19:08:55
35845文字
会話率:28%
人と妖怪が危うい均衡を保ちながらもかろうじて共存する世界、『陰陽界 百夜』。
人間は高天原の神々から与えられた霊能力により人に仇なす妖怪を『妖魔』として狩り、妖怪もまた人間と牽制し合う歪な拮抗状態で成り立つ世界。
1000年前の大乱『百鬼夜
行』以来、表立った人間と妖怪の争いはなくなった………はずであった。
しかし、記憶と神力を失って彷徨う一人の神、『御織女之神』の存在が人と妖怪、神々をも巻き込んだ新たな波乱をもたらす。
…………って、壮大なナレーションはさておき雨宿りの為に寂れた神社に入ったら、なんか記憶喪失系ボクっ娘神様が不法滞在してたんだけど……………折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-02 19:47:37
54402文字
会話率:34%
空に『天海』と呼ばれる海があり、当たり前のように異形の獣がいる世界。外界から隔たれているその島は、文明を形成し、武器を使う『人間』、『化け皮』を用いて獣になれる、原始的な暮らしをしている『人獣』、不思議な目で自然現象を操り、遊牧民のような
暮らしをする『人妖』の三つの種族が暮らしている。三つの種族は何度も、住む場所や考え方の違いから衝突し、その度に島の土を地に濡らしていた。
そして、今。厄介ごとを避ける人妖の不干渉の姿勢と、人間と人獣の不可侵の取り決めにより、その島は束の間の危うい均衡を保っていた。『落ち人』と呼ばれる波紋を与えられるまで。
海斗は海辺の田舎町で生まれ育った。歳は15歳。高校受験を控え、同い年の親友二人は夢を目指して田舎を出ることを決心する。引きこもりの兄がいる海斗は親に心配をかけないためにも、生まれ育った田舎で高校を探そうと思っていた。
海斗に夢はない。大好きだった空手への熱意も、大会で初戦敗退したことで薄れていた。残ったのは、自分だけが夢中になるものを見つけられないという空虚で些細な劣等感。自分がこれからどうしたいか、どうありたいかも分からなかった。
日々、ただ無為にどこにいきたいかも分からない高校に行くための受験勉強に勤しむ海斗の娯楽は、親友二人との時間と、流行りのライトノベルを読むこと。
夏休みのある日、海斗は親友二人と一緒に海へ行く。海斗はそこで、海が緑に光るのを目撃し、その海に飲まれてしまう。
気がつけば、海斗は異世界にいた。そこは、まるで、憧れたライトノベルの世界。困惑しながらも胸を躍らせる海斗だったが、やがて、回る歯車の中でその世界との向き合い方を問われることになっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-16 11:00:00
13543文字
会話率:49%
「パンパカパーン! おめでとうございます、祐二様! あなたは厳選なる抽選に選ばれました!」
「なんの話ですか? とても胡散臭いんですけど」
統括会の職員を名乗る比企嶋慶子は、大学推薦の話を祐二に持ってきた。しかも海外の超一流大学だ。
同じ
頃、ドイツ貴族のカムチェスター家では、当主をテロで失い、所有する魔導船が自壊の危機に瀕していた。
数年のうちに、新たな船長を見つけなければならない。
だがカムチェスター家の血を引き、高い魔力を保持する者など、簡単に見つからない。
本作品は、叡智の会、巨大企業ゴラン、栄光なる十二人魔導師の子孫たち、テロ組織ヘスペリデス、バチカンの異端審問委員会、ダックス同盟、アルテミス騎士団などが、それぞれの思惑で活動しています。
危うい均衡の中で成り立つこの世界で、魔導船を駆る魔法使いたち、地球を脅かす侵略種との戦い、『はじまりの地』をめぐる攻防……これはのちに、『英雄魔導船』と呼ばれるようになる一隻の魔導船と、それにまつわる人々の物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-18 18:00:00
669857文字
会話率:42%
勇者が魔王を打ち倒し、人類と魔族の総力戦が終結してから三年。その世界は危うい均衡の上で成り立っていた。
東の帝国は世界を滅ぼす魔法を知っている。西の共和国は世界を滅ぼす武器を持っている。両国は対立していたが、共倒れを恐れて全面戦争を避
けた。その代わりに敵対国や中立国へスパイを送り込み、密かに敵への妨害工作を行った。表向きは戦わずに、裏から手を回して敵を陥れる時代。諜報戦の時代である。
そんな一触即発の異世界に平凡な大学生の青年が迷い込んでしまう。彼はそこで奇妙な女騎士と出会った。彼女は諜報という名の騙し合いが当たり前になった時代で、正々堂々とした騎士道精神を貫こうとしていた。そのため、時代遅れの変わり者として周りから浮いていた。
青年はひょんなことから女騎士の従者になる。……しかし、青年は騎士道精神の建前とは裏腹に少々ひねくれた本音を隠していた。
そうとは知らない女騎士は、従者を連れて世直しの旅に出る。
これは熱血騎士と冷血従者が繰り広げる「勧善懲悪」の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-25 23:04:52
42430文字
会話率:41%
――これは魔法と科学が共存する、少し歴史が違う世界の話――
その世界は、魔法と科学、それぞれが補い合って発展を遂げていた。
ある国は空飛ぶ船を生み、ある国は電波で通話する機械を作り、またある国は鉛玉の代わりに魔法を撃つ銃を開発した。
魔法で出来ないことを科学で、科学で出来ないことを魔法でこなすこの世界では、この文の読み手方が知る世界と発展の仕方も戦争の仕方も異なる。……それでも、似たような歴史を辿るのは奇妙な偶然なのだろうか。
ある国は海を制し、ある国は独立という自由を勝ち取り、ある島国の鎖国は解かれ、各国で争いが続く。そして、世界全体を巻き込む戦争が二度も起こった。
異なるのは、歩兵や魔術師による接近戦が重要視され、核兵器が生まれなかったこと。
第二次世界大戦は決着がつかず、休戦。世界は二分され、いくつかの戦争が繰り返されながらも、危うい均衡を保っているということだろう。
そんな世界の極東の島国で産まれた、魔力が殆ど無い「魔力なし」の少年……本城幸雄。
彼は、祖父のような魔道具職人を目指し、魔法教育の最高学府と名高い「大和魔法術学園」への入学を志していた。
幸雄は「魔力なし」のハンデをはねのけ合格を手にするが、それは彼の想像を遙かに超える学園生活の始まりに過ぎなかった――。
※努力型の主人公が戦い、守り、苦悩する。バトルもあれば日常と恋愛もあるお話しです。
文字多め・展開遅め・筆者が遅筆ですが、是非お立ち寄り下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-18 21:19:45
99014文字
会話率:31%
多くの寺社仏閣が軒を連ね、観光客がひっきりなしに訪れる街、古都・鎌倉。
だが、その街は裏の顔を持っていた。無秩序に乱立した霊的建築物が生み出す歪みにより、各所に裏界への門を持つに至ってしまった魔都。危うい均衡が少しでも崩れれば、夜の鎌倉は、
瞬く間に魑魅魍魎が闊歩する混沌の街へと変貌する。その筋のモノたちは、この街をこう呼ぶ。「魍魎都市・鎌倉」と。
突如として鎌倉の街から魔法が消える。魑魅魍魎は姿を消し、ウィザードは月衣を失い途方に暮れる。一方、魔王級侵魔の反応を追っていたアンゼロットは、鎌倉が封鎖されたことに気付き、調査を開始した。魔法と現実が交錯し、赤の騎士が率いる軍勢が鬨の声を上げる特、紅い月が天上に上り地上を真紅に染めあげる。戦の気配に包まれた鎌倉の運命を決めるのは、キミだ。
ナイトウィザード 第XX話
「鎌倉魍魎戦記 間奏 閉鎖都市・鎌倉」
紅き月が昇る夜。百鬼夜行の幕が開く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-12 16:29:54
18364文字
会話率:20%
姉の緑子と弟の巽。仲の良い二人にとって、家の裏手にある木苺の実茂みは聖域だった。
ある時、その聖域が暴かれたことにより、二人の危うい均衡が崩れる。
最終更新:2018-04-17 01:03:01
1509文字
会話率:0%
聖戦歴1802年—。
かつての大戦により、人口の減少と技術の大幅な後退を招いた人類。
現在、同朋たる人類間での争いは激減した。
しかし、その代わりのように人類の敵となったのは、最後の大戦後に現れた常夜の住人“吸血鬼”。
どこからか突如として
現れて人類を餌とするようになった吸血鬼は、人類史上最悪最強の敵として人類の前に立ちはだかる。
幾度もの聖戦を経ながら、人類と吸血鬼の間で危うい均衡を保つ世界。
そんな世界の片隅で、母を失った少女と謎の青年が出会い、旅に出る。
やがて明らかになる母の死の真相、青年の過去とその苦悩、そして世界の隠された真実・・・。
世界を知った少女は何を思うのか。
これは、死にゆく少女と彼女に救われた青年の物語—。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-29 00:00:00
8457文字
会話率:31%
突如、現代社会に出現したモンスター。ダンジョン化する街の一部。既存の物質にはありえない特性をもった素材群の発見。その全てが、主人公である鈴木がやり込み、愛して止まなかったVRMMOゲーム『クラン・クラン』に出てきたものだった。
世界の変
貌に、誰もが悲観し絶望を胸に抱いた。化学兵器が一切通用しないモンスターに人類は蹂躙され、環境の変化に順応できず、滅亡の一途を辿ると。
しかし、同時に人類にも変化は起きていた。それは、ゲーム内でのスキルやアビリティを使用できるようになっており、自身のステータスさえも数値化して認識することが可能となっていたのだ。
元クラン・クランのプレイヤー達は、一般の人間よりもスキルに関する才能やステータスの成長率が高かった。彼ら彼女らは『幻想人』と呼ばれるようになり、政府によって傭兵の如く扱われ、対モンスター戦においての重要な兵器となっていく。
その中でも鈴木は、ゲーム時代で不遇と言われていた『魔物喰らい』というスキルを継承してしまうのだが……現実ではかなりチートな能力になっていた。
危うい均衡をなんとか保ちながら、平和と日常を存続させていく世界で。
ゲームと同一のようで、別物である未知との対面に。
幻想人となった鈴木は、ゲーム内で得た知識と経験を活用し、日常とファンタジーの狭間を生きていくのだった。いかに、退屈な学園生活が貴重なモノだったのかを噛み締めながら。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-19 13:04:43
32804文字
会話率:38%
「ここは乙女ゲームの世界らしい。プロローグの前、みたいな。」の続編です。
ゲームのヒロインが出てきます。糖度にご注意を。
* * *
ーーたった一人のために、自分の持てる全てで以て着々と功績を積み重ねていく少女。
自らのため
に力をつける少女が可愛くて仕方がない少年(青年?)。
じれったいながらに穏やかで甘い日常が崩れた時。 全力少女と穏やかだった少年は、危うい均衡で成り立っていた愛しい日常を崩した人へ牙を剥く。
※誇張あり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-07 12:00:00
6369文字
会話率:29%
人と魔物が共存し、人間たちのなかにもまだ魔法を使えるものがいた時代。
危うい均衡の上で成り立っていた世界で、小さな変化が現れだした。
徐々に闇に侵食されつつある世界で、いち早くそれに気づいたもの達が、動き始める。
魔物たちの動きを憂う巫女
、
国の行く末を案じる王子、
独自の視点でそれらを観察する魔法使い、
そして、
光の力で闇を打ち砕いた異邦の者。
これは、後に伝説になる彼らがまだ、伝説になる前の物語。
※自サイト「月世界」からの転載作品です。
★傾向★
短編連作(*1)、複数主人公(*2)、魔法、極軽い戦闘描写あり
*1 各話は独立した状態でもある程度わかるように書くつもりですが、初めは掲載順に読むことをお勧めします。ただし、掲載順と時系列は、必ずしも並行しません
*2 複数の主要キャラが存在し、話によって視点が変わります。よって、A話の主人公がB話では脇役ということもあります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-17 09:00:00
78043文字
会話率:65%