2022年
緊迫するアジア情勢を受け、四年前に決定された「平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱」を一部変更し、排他的経済水域と国境離島防衛強化を目的とした新防衛大綱が閣議決定された。これにより、海上自衛隊に航空機搭載型護衛艦と輸送用ホバー
クラフト搭載の輸送艦を擁した独立護衛艦隊を設立する事となった。
そして、三年後の2025年。むさし型航空機搭載型護衛艦DDV二番艦、ひたち艦長の高野浩司一佐は、この独立護衛艦隊群の司令を拝命、初任務である観艦式参加のため、むさし型航空機搭載型護衛艦DDV一番艦のむさしに座乗して母港である大湊を抜錨し、出港した。
陸奥湾から津軽半島と下北半島に挟まれた平舘海峡を通過した時、突然、雷鳴が轟き、隊群は過去にタイムスリップしてしまう。
タイムスリップした時代とは?
果たして隊群は無事現代に帰還する事ができるのか??
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-07 01:00:00
3101文字
会話率:41%
外江洋史(とのえひろふみ)は高校一年生の男子。自閉スペクトラム症で人とうまくコミュニケーションが取れない。自動車などの構造に興味を持っており工業高校に進学。学校の先生からもらったチラシを頼りに、“競技レッグホバー”と呼ばれるホバークラフトを
発展させた乗り物の競技を観戦、興味を募らせていく。
やがて学校にもレッグホバー同好会が発足、同好会はある目的のもと、高校生部門大会で優勝を目指すことになる。洋史はレッグホバーに搭載される砲撃機構の研究開発を任され、試合ではその砲手も担当するようになる。
ASDのためにコミュニケーションが上手く取れない洋史は様々な葛藤の中、少しづつ“人を信頼することの意味と大切さ”を知っていく……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-17 23:24:57
255571文字
会話率:35%
平成17年6月上旬、半月正夫は与謝野コンツェルン会長の与謝野耕造の招待を受けて八丈島の南に位置する、周囲2キロ程の冠島に行く。与謝野会長の招待を受けたのは半月を含めて15名。
豪華な建物の中で、与謝野会長の執事、西尾が招待の目的を告げる
。
ーー昨年の9月に与謝野コンツェルン傘下の企業から集められた50名の社員の研修会が行われた。その時与謝野会長の個人資産である銀行の預金通帳や貸金庫の鍵、暗証番号を記したメモ帳などが盗まれた。
犯人は研修生の中にいると思われるが、手荷物検査などを行って全員を解放した。
盗まれたこれらの重要書類は島のどこかに隠されていると思われるーー
そう説明して、西尾はその書類を探してほしいと言うのだった。
ーーただし期限は1週間、期限内に見つけられなかった場合は1人死んでもらう事になる。そしてまた1週間たっても、見つけられなかった時はまた1人が死ぬ。こうして最後の1人が死ぬまで続ける事になる。
非常識ともいえるこの提案に、15名の内6名が島を去る。残りの9名が与謝野会長の重要書類を探す事になるのだった。
書類探しを始めて1週間がたつ。1人が消える。また1週間、2週間と立つ。2人が消えて6名となる。
3週間が過ぎた頃、早川という者が、自分が書類を盗んだと白状する。書類は断崖絶壁の海の中から発見されてこれで一件落着かと思われたが、ここから予想外の展開となる。
与謝野会長は昨年の9月に死んでいると西尾の告白。だが、死んだはずの与謝野会長は生きており、西尾に殺されかけたという事実があぶり出される。そして書類探しに邁進した6名の命は・・・。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-16 15:46:42
29743文字
会話率:11%
三つの太陽に照らされ、夜のない惑星NL―333、通称ニトレス。
植民惑星としては不的確な枯れた星を支配するのは、東銀河連邦から自治を認められた六企業コンソーシアムだ。惑星自体には資源はないが、十八個の衛星は金属資源の宝庫であり、複数の企業が
採掘に当たっていた。そのため社員を常駐させるために、コンソーシアムを形成し、共同で植民地を経営していた。
過酷な自然環境の惑星上で、コンソーシアムの人々と資源が目的ではなく、植民地での商売を目的にした入植者たちは両極地帯と、巨大な太陽光発電用静止衛星が太陽光を遮るグロウミングゾーンにのみ、まとまった生活圏を築いていた。
氷河民族第百十二王朝の末裔であり雪女のユキ姫を乗せた原子力冷凍庫搭載の樽を背負い、グロウミングゾーンを目指して旅をする王朝近衛兵の六蔵は、途中の街道で兵士に追われていた少年ウラルを助ける。ウラルが乗っていたホバークラフトには同じ年頃の少年の腐敗した死体が、機能していない冷凍カプセルに納められて積まれていた。
ウラルを連れた六蔵は街道の宿場に立ち寄り、ウラルを女性医師カハクに診せるが、そこでニトレスの移植用臓器提供会社ペレットと子供の行方不明事件の関わりを知る。三つの太陽から容赦なく降り注ぐ放射線により、癌に冒される人々は、臓器移植により延命を図っていた。臓器不足の折に現れたのが、臓器を安く提供するペレットだった。ペレットは子供を誘拐し、臓器を違法に摘出し、売っているのだ、とカハクは語った。
ウラルがペレットから妹の心臓移植のための死体を盗み、逃げて来たことを知ったカハクは、六蔵にグロウミングゾーンまで、ウラルを送って欲しいと頼む。カハクもまた我が子をペレットに攫われた親の一人だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-17 10:00:00
23611文字
会話率:57%
アララト海。ソビエトおよびゲルマニア共和国、英国領ミストランドその他周辺国に跨がる世界最大の沼沢地。1年を通じて濃霧に覆われる霧の沼。
静かな世界を騒がすものは3つ。泥を滑る装甲橇。霧の王者浮動戦列車。そして、蒸気の鎧を纏う不退転の戦士、
機関猟兵。
泥にまみれた資源を求め、国家の威信がぶつかり合い、盲目の兵士達の壮絶な戦いが、神無き水底に沈殿する。
霧の沼に獣が吠える。姿は見えない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-13 12:06:01
9542文字
会話率:33%