― 君の名前を、遺書の中だけに閉じ込めたくない ―
「もし世界が君を忘れても、私は君を覚えている。 運命が君の名前を間違えたのなら、私が書き直す」
結城美月(ゆうき みづき)は、全国でも屈指の名門高校に通っている。誰もが認める「完璧な優
等生」だった。成績優秀で、冷静沈着、規律を守り、決して間違えない。
彼女はずっと信じていた。努力さえすれば、きっと成功できる。未来は自分の手で掴めるものだと。そして、勉強こそが、自分の価値を証明する唯一の手段だと。
しかしある日、美月は学校の備品室で、長い間忘れられていた一通の遺書を見つける。その差出人の名前は――二年前に起きた、いまでは誰の口にも上らなくなった校内自殺事件の少女のものだった。
遺書を読み終えたその瞬間、美月は時を超えてしまう。気がつけば三年前――中学三年生の自分として、ある「消える運命にある少女」と出会っていた。
その少女の名前は、南條千雪(なんじょう ちゆき)。
口数が少なく、成績は常に最下位。教師からは見放され、クラスでは浮き、家庭でも息を潜めて生きている存在。
教育という制度の中では、彼女は「努力が足りない人間」として扱われていた。
だが美月はすぐに気づく。千雪のその成績の裏には、誰にも気づかれなかった読字障害(ディスレクシア)という事実が隠されていたことを。
点数だけが価値を測るこの世界で、千雪の努力は、ただ見えづらかっただけ。そして、誰にも「見よう」とされなかっただけだった。
その一年間、美月は彼女の運命を変えることを決意する。あの遺書を止めるためだけじゃない。彼女自身に伝えたかったのだ――
「——君の努力、私はちゃんと見てるよ」
「君の名前を、世界にもう一度、やさしく呼んでもらえるようにする」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 11:31:20
9715文字
会話率:17%
努力をしてきたつもりでした。
でもその結果は、私が学園に入学できるほどの学力がないというものでした。
できそこないと言われ、家から出ることを許されず、公爵家の家族としても認めてもらえず、使用人として働くことでしか、そこに私の居場所
はありませんでした。
でも、それも、私が努力をすることができなかった結果で、悪いのは、私のはずでした。
私が悪いのだと、何もかもを諦めていました。
諦めた果てに私に告げられたことは、魔法使いとの結婚でした。
田舎町に住む魔法使いさんは、どんな方なのか。
大きな不安を抱え、長い長い道のりを歩いて行きました。
*カクヨム、アルファポリスでも公開しています 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-16 19:49:28
57951文字
会話率:31%
反社会性パーソナリティ障害という極端に言えばサイコパスの人たちは政治家、宇宙飛行士、医者、スポーツ選手など、悪事が違法にならないマジックを使ってうまく生きている。
学習障害、自閉症など脳の障害がある人たちは、自己表現が下手で誤解を生む。
前者と後者はともに世間に迷惑をかけるが、前者は支配欲の結果、後者は無自覚の結果である。
脳の回路の違いにより様々な人がいる。
非常に身近に父と子の関係で私は実感している。さくらももこのエッセイにあるリアル友蔵が父であり山田が自分と思ってもらえば解りやすい。
そんな日常を気まぐれに書いていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-01 22:14:22
1077文字
会話率:0%
「ね、あれって……」
「アレ、だよね……?」
ひそひそと囁き合う女子の声が聞こえる。
私、三浦遥は、中学二年生の女子だ。
今朝のアレ、人にはみみずの這ったような文字で奇異に映ったのだろうけれど、私には誰の仕業でなんと書いてあるも
のなのかがわかっていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-02 08:56:55
1000文字
会話率:30%
12歳の時に声を失ってしまった公爵令嬢ローレインは、失声症から社交場でも相手にされない。許嫁も持たない彼女は、社交場で結婚相手を探すことも出来ず、ただその容姿の美しさから長年「社交場のお飾り人形」として周りから揶揄される。
そんなローレ
インに唯一声をかける殿方、国王陛下の末子アレクシス殿下。彼は言葉の話せないローレインを自室に呼び込み、精一杯の配慮をして言葉を介さずとも楽しいひと時を共にしてくれた。
だが、そんな王子も文字の読み書きが出来ない失読症(ディスレクシア)を患っている……筆談でしか会話の出来ない公爵令嬢と、文字の読めない王子がお互いの障害を支え合い、共にお互いに愛情を抱いていく恋愛小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-04 11:49:49
7763文字
会話率:24%
前作「back beat1」の続編です。
宮城県仙台市にある芸能プロダクションに新たに入所してきた拓真。
彼は他の人とは違う感覚を持っていた。
人には色がついて見える。
音楽にも色がある。
この子にはオーラが見えていると思っているという
母親。
彼を疎ましく思うものレッスン生と彼を庇うレッスン生。
「あんたと私は違うの?」
「彼と私らは違うのか?」
問いかけるレッスン生。
「夢を目指すには資格がいるのか?」
「みんなと同じじゃなきゃスタートラインにすら立てないのか?」
様々な思いを胸に秘めるレッスン生達とマイペースな拓真。
荏原はレッスン生達を導いていけるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-11 18:51:37
11656文字
会話率:91%
幼いころ、難読症(ディスレクシア)に近かったのではないかとさえ思えるほどの私の読書ぎらいは、壁に頭を打ちすえ続けるように読むという行為を繰り返すことにより、克服される。
最終更新:2016-03-30 05:00:00
311文字
会話率:0%
突然ですが質問です。あなたは本が読めますか?(YES/NO) ※はてなブログに載せた文章の転載です。
最終更新:2013-02-02 20:34:38
1707文字
会話率:0%