30歳を迎えた大友。
結婚し、子供も授かり、一般的な幸せをつかんだが、唯一の心残りを思い出す。
それは、中学2年の時、夢中になった初恋の子への告白。
SNSが普及した現代でもその子の情報は少ない。
頼りは、過去の思い出、友人の協力、情報
収集、そして…
妻子持ち30歳が、家族に内緒でどうやって秘密の恋にケジメをつけるのか…‼
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-10 23:03:27
2530文字
会話率:10%
楠木蓮《くすのき れん》が通う学校、鳳櫻高校の二年二組には、『雪白姫』と呼ばれる美少女がいる。
雪のように白い長髪と肌。物静かに教室で本を読む彼女はしかし、誰とも交流を持とうとしないことで有名だ。しかし、男子の中では密かに人気を集めているが
、誰もが無駄だと告白すら躊躇するような美少女。
それが『雪白姫』、本倉悠莉《もとくら ゆうり》だ。
本来関わることのない相手だと思っていた蓮だったが、雨宿りのために訪れた図書室で悠莉と遭遇し、時間潰しのために図書委員の仕事を手伝った。
「何かお礼くらいさせてください。貸したままは気持ちが悪いので」
「気持ち悪いって言われても……別に礼が欲しくて手伝ったわけじゃないし」
「でしたら……こういうのはどうですか? 毎週月曜日と木曜日の放課後、ここに来てください。お礼を聞きます」
偶然から始まった、放課後に図書室で悠莉と過ごす日々。
周囲を欺くために偽装交際をしたり、お出かけという名のデートをしたり、夏祭りへ出かけたり。
そうしている間に、二人は芽生えた淡い感情を自覚していく。
これはゆっくりと互いを知り、惹かれ、二人が結ばれるまでのお話。
少しでも面白いと思ったらブクマや評価、感想など頂けると嬉しいです。執筆の励みにもなりますので、よろしくお願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-31 20:20:10
104676文字
会話率:37%
第一志望の高校に幼馴染の孝義と共に合格した僕たちは、春休み、入学までの暇な時間を利用して学校近くの街へと探索に来ていた。
孝義と別れ、一人道に迷いながらたどり着いた河川敷の防波堤。そこから奏でられてくるアルトサックスの音色に僕は引き寄せられ
た。
そこには金髪の長い髪をした妖精のような女の子がサックスを奏でていた。
その音色はどこかもの悲しく僕の胸に届く。
そんな彼女を見つめる僕の鼓動は少しづつ高鳴りを覚えてきた。
一目ぼれというのは本当にあるんだ。
初恋、ひとめぼれ。
僕のunrequited love(片思い)は1年以上の時間を引きずらせた。
ようやく意を決して告白した高校2年の夏。
青い空に立ち上がる白い入道雲。校舎の裏庭で僕は彼女からひと言告げられた。
「好きな人がいるの」
その一言で僕の初恋は終わった。
初恋はもろくも砕け散ったが運命という女神は僕にほほ笑んだのか? それとも大いなる試練をかせたのか?
両親が事故で突然この世を去ってしまった。
孤児となった僕を引き取ってくれたのは、若き時、フランスで修業をし「カフェ・カヌレ」という洋菓子店を営むパティシエ。三浦政樹と三浦ミリッツア夫婦。そこは――――振られたばかりの三浦恵美の家だった。
振られたてホヤホヤの彼女と共に暮らすことになった僕は、とても気まずい。
心の傷はいえぬまま見えてくる彼女の本当の姿。
料理ダメ! 性格きつし! 外ずら猫かぶり! ハーフ金髪ロングの僕の妖精の本質は最悪だった。
ただ、彼女はアルトサックスを今は亡き、想い人にささげる人生しか送ることしか出来ないでいた。
そんな彼女を僕は諦めることは出来なかった。
多分、これは報われない恋だ。ならばこの報われない恋をとことん育てよう。
無謀な恋の育て方。報われない恋を育てよう。
そして僕と彼女をつなぐフランスの焼き菓子「カヌレ」。この焼き菓子が二人の間を取り持つ。
たとえ報われなくとも頑張る青春ラブストーリー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-27 00:00:00
87484文字
会話率:39%
山口正太は高校三年生。
彼には忘れてしまいたい過去があった。
それは父親の仕事が失敗して夜逃げ同然で生まれ故郷を去った記憶。
そんな過去を持つ正太は新しい土地でやり直す事となった。
性格を偽り、目立たないように過ごす正太。
そんな正太
に1人の女が告白した。
『付き合ってくれる?』
『....どうして僕なんだ?』
『好きだからに決まってるでしょ?』
学校で一番の美少女、伊集院栞の告白に半信半疑ながらも頷く正太。
しかしある日正太はクラスの女から意外な事を聞いてしまう。
『やっぱりな、アイツも由美香と同じか...』
打ちのめされる正太。
そんなある日、正太は帰ってきた。
懐かしい故郷に。
止まっていた時間が再び動き始める。
その時正太は?
彼を巡って女達は?
全3話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-30 19:48:58
18882文字
会話率:40%
私の名は寛永寺理英、九州の北の端っこに住んでいる中学2年生。進級して早々、片思いしてる相手に告白をしたらフラれちゃって、少し落ち込んでたんだ。でも、そのことがきっかけで周りの物事が動き始めたの。それまで単なる同級生としてしか認識してこなか
った男の子に強引な告白をされて、断る理由も無かったからつき合ってみたら、これまで退屈で平凡だと思っていた日常が、実はそうでもなかったことに気がついたの。それは、今まで物事を深く洞察してこなかったことで知らなかったことや、周囲の大人たちの努力で知らずに済んでいたことで、徐々に私の目にも入るようになって来たんだ。それは彼と付き合い始めたことで、自分の視野が広がったのか、それとも違う視点から物事を見ることができるようになったからなのか、は分からないんだけど・・・でも、そのせいで次々といろんな事件や事故に遭遇することも多くなったわ。それに伴って、不愉快な出来事に遭遇してそれを解決したり、不思議に思ったことを解き明かしたりもしてきたの。これは、そんな私が中学2年生として過ごした1年間の記録です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-20 16:06:53
392933文字
会話率:64%
望まぬ結婚を強いられ、はるか年上の男性に嫁いだシルヴィアナ。
未亡人になってからは、これ幸いとばかりに隠遁生活を送っていたが、思いがけない縁談が舞い込む。
どうせ碌でもない相手に違いないと諦めて向かった先で待っていたのは、十歳も年下の
青年で「ずっとあなたが好きだった」と熱烈に告白をしてきた。
「十年の結婚生活を送っていても、子どもができなかった私でも?」
それが実は白い結婚だったと告げられぬまま、シルヴィアナは青年を試すようなことを言ってしまう。
※妊娠・出産に関わる表現があります。
【他サイトにも公開あり】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-14 05:50:14
7950文字
会話率:26%
「また君に会いたい」
高校2年目の文化祭準備に追われる中、初恋の相手と再会する紫音。
その日、7年前に止まった時間が動き出した。デートを重ねる内に自分の想いを再確認する紫音。そして、告白へ⋯⋯。
再会から動き出す初恋の物語。
こちらの
作品はアルファポリス様でも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-13 23:47:06
21278文字
会話率:29%
その日僕は本の精霊に恋をした。本がある場所で何度も見かけた、幸薄そうな印象の同級生。最初は気になっていただけだったのに、話しかけられた途端僕は告白をしていた。本の精霊こと笠折枝真さんと、交際を前提にお友達になりたい!でも笠折さんには忘れられ
ない初恋の人がいるようで――?
愚直なまでにアプローチを続ける文芸部員の主人公・崎村佑飛と、人付き合いが苦手だけど誠実な本の精霊……ではなく同級生・笠折枝真。これは、笠折さんを幸せにするための奮闘記。
*読み手によってNLともBLとも、もっと複雑な性別の話とも解釈できるようにしているためキーワードにボーイズラブを設定しています。ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-11 21:05:13
58334文字
会話率:53%
主人公である陽輝(はるき)はリモート塾の経営をしている24歳。
父と再婚した義母の妹、つまりは血縁関係のない義叔母である25歳の霞(かすみ)に頼まれてその娘の陽茉莉(ひまり)が幼稚園から帰ってきてから霞が仕事を終えて迎えに来るまでの間面倒を
見ている。
ある日陽茉莉が陽輝に突然抱きついてきて「異世界に15年行っていた」と告白する。
幼稚園児のままの姿だったので初めは疑ったものの、魔法などを見せられて信じることになる。
しかも陽茉莉が異世界で無双してきた魔法の出処は自分が過去に書いた中二病ノートだったため衝撃を受ける陽輝。
そして陽茉莉は魔法で大人の美女になると、陽輝をデートに誘う。
陽輝はそもそもひとつ違いの霞が好きだったので悩みながらもデートをしたが、それが霞に知られることとなり…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-09 00:00:00
12079文字
会話率:59%
『私』は、ちょっと前世の記憶があるだけの普通の女子高生。
転生した先は、前世と同じ世界かと思わせて、魔法と科学が共存してるようなファンタジーな世界。
日課は、大好きな幼なじみの少年へ、好きだと告げること。
どんなに塩反応されようが、ほぼ毎日
一回好きだと告げていた。
でも、それは今日で終わり。
記念すべき五千回目の告白をして、私は長い初恋を終わらせようと思う。
そんな『私』が初恋を失くすまで。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-02 02:32:13
10912文字
会話率:28%
俺こと藤本錦は中学生の時に初恋をした。だが内気な俺は初恋の相手である弐式戸葵に告白することが出来ずそのまま卒業し、初恋は終わりを迎えてしまう。
高校に入ってからは吹っ切れた部分もあり友達を作ることに成功した。その友達からSNSを教えら
れ使い始めた。
そうして大学2年生の現在。今でもSNSを使っている。
最近はSNS繋がりの人と会って遊んだりしている。だが弐式戸に告白できなかったことで生まれた俺の中の満たされない感覚は健在でどこか空虚な感じがしてしまう。
そんな生活を送っていたある日、SNSで交流のあったアオさんと会い食事をすることになった。だが、当日に待ち合わせ場所に現れたのは俺の初恋相手の弐式戸だった。
これがきっかけとなり当時の癒えない傷を鮮明に思い出してしまう。
この苦しみを忘れられず同じ大学の友人の榊に相談をするも解決策は得られずに弐式戸と再び会う約束の日になった。
これはそんな俺達2人の再開の物語。
当作品はカクヨムでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-21 13:04:50
51132文字
会話率:35%
恋する季節は春。世間には色恋沙汰が溢れかえる中、私こと咲村菫(さきむらすみれ)は高校に入学して間もなく、中学時代から付き合いのある、スポーツ万能、爽やかイケメンと女子たちから定評のある、男の子に告白されてしまいました。ですが、この歳になって
も恋というものを知らず、興味があるのはお菓子&スイーツ、読書、嫌いなものは本の虫(紙魚)な私は、男の子と付き合う気などはなからなく、あっさりお断りさせていただきました。そんな色々あった日に借りた本に――。
※ 本作は『カクヨム』様にも掲載しています。
※ ★マークにはイラストが入っています。不要な場合はオフにしてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-20 22:01:54
35021文字
会話率:21%
「朱雀くんってオタクだよね……オタクから告白されるのって暴力だよ」俺はクラス一の美少女神崎に告白したあと俺はそう言われた。
俺の初恋は小6の時に無惨に砕け散った。
そしてなぜか告白したことを教師にまで責められて俺はイジメられることになった。
俺は純粋な思いを踏みにじった神崎が許せなかった。俺は復讐を誓った。
俺はファッションを学びイケメンになった。
そして俺の復讐が始まる。俺をイジメていた女を惚れさせて依存させたあと捨てるという俺の復讐が……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-17 18:18:23
12313文字
会話率:8%
21歳の麻木(あさぎ)真樹(まき)は、まだデビューして2年目の駆け出しライトノベル作家。本屋さんで働きながら、一人暮らしをしているマンションの部屋でパソコンで執筆する毎日。
そんな彼女には、ずっと彼氏がいない。でも、モテないわけではなく、彼
女自身がすべて断っているのだ。
その理由は、「初恋の相手が忘れられないから」。彼女は中学時代、卒業まで丸二年、ずっと一人の同級生に片想いを続けていたのである。
それでも告白すらできず、卒業とともに音信不通となった彼への想いは、5年経った今もなお真樹の中で〝終わらない初恋〟として燻っていた。
そんな4月のある日、真樹のもとに中学校の同窓会の案内状が届く。それと同時に、真樹の片想いの相手だった岡原(おかはら)将吾(しょうご)から電話がかかってくる。
「俺も出るから、お前も絶対に同窓会に出ろよ。お前に伝えたいことがあるから」と。
彼が自分に伝えたいことって――? 真樹はバイト先の店長に有給休暇をもらい、同窓会に出席することに……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-13 15:04:18
37828文字
会話率:46%
「好きです。俺と付き合って下さい」
「ごめんなさい。佐藤君と付き合う気はありません」
十年前、高校二年生だった俺は一世一代の告白をした。
相手は誰もが恋い焦がれる高嶺の花。
結果は撃沈。
平凡な俺が彼女と付き合えるはずもなく——。
誰にでもある苦い青春。そう思い、俺はもう忘れていたのに。
「久しぶりだね。佐藤一樹くん」
十年後、俺は彼女と再会した。
もう出会うはずもないと思っていた、初恋相手に。
「ひ、久しぶりだな。白川結奈」
俺と彼女の差は変わってなかった。
ブラック企業に勤める俺と、一流企業に勤める彼女。
と言えど、久々に再会しただけだ。
これ以上は関わらないと思っていたのに。
——隣の家に住んでたんだ……これって運命かなー?——
——もうー。何を暗い顔をしてるんだ。一緒に頑張ろう!——
——引け目を感じても何も良いことないぞぉ!?——
これは一度終わってしまった青春を取り戻す物語。
あの日、付き合う選択肢を選ばなかった俺と彼女の。
『カクヨム』でも連載してました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-31 20:27:05
31826文字
会話率:41%
赤羽蒼は、28歳にして中卒のフリーターだった。
学生時代の友人は弁護士になっていたり社長になっていたりする中、所謂『負け組』の赤羽は惨めな人生を歩んでいた。
そんなある日、赤羽は何故か中学時代の姿のままの初恋の相手、『渚紗那』を見かける
。
吸い込まれるようについていくと、そこは古びた洋館で――
「――後悔してる?」
「――やり直したいと思う?」
必死に抑えてきた惨めな気持ちを刺激され感情が爆発する赤羽。
「なぁ、教えてくれよ……どうして、俺の前に現れたんだ? 俺の人生で、一番の心のつかえだった君が、俺を苦しめにきたのか?」
しかし、有り得たかもしれない未来を見せられ、ついに赤羽は自分の本当の気持ちを認める。
それは、お金持ちになることでもない。
学歴が欲しいわけでもない。
――やり直して、ただ初恋の君に好きだと伝えたい。
そして赤羽は決断した。
今よりも辛くて、悲しくて、大変な過去が待ってるとしても、必ず未来を変えるためにやり直すと。
これは、何ひとつ面白くない人生を歩んでいた男が、本当に欲しいものを手に入れる話。
「じゃあ、行ってくるよ」
「――うん、気をつけて」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-29 22:02:22
11152文字
会話率:39%
幼い頃に出会った安達孝裕と宮園沙織は、高校生活初日に偶然再会する。
『初恋の相手』だと知った二人は、『恋人前提の友人関係』に発展。そうして仲を深め、互いを知っていく中で沙織は孝裕の底知れない優しさを目の当たりにする。しかしそこには自己犠
牲がつきものだった。
生まれ得た性質を変えることは無理だと感じた沙織は、彼が人に優しくする分、自分が彼に優しくし、癒やせばいいのだと気がつく。
「これからは、私が孝裕君をたくさん甘やかしてあげます。ーーだから、遠慮なく甘えてくださいね」
「!?」
「甘えてくれなくても私が甘やかすので、拒んでも無駄ですけどね」
これは初恋をずっと抱え続けた二人の物語。そして、優しすぎる人間とそれに憧れ好きになった人間の不器用ながらも甘い恋物語。
※こちらの作品は、カクヨム様でも連載しております!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-27 21:00:00
88889文字
会話率:52%
同じ人に何十回も告白して失敗した私に初めて恋愛の機会ができた。
一つ目の愛、たとえ3ヶ月という短い関係の間ですが
少し歪んだ彼女でも心から愛します。
最終更新:2021-07-23 20:00:00
145099文字
会話率:14%
住吉愛翔(すみよしあいと)、華押桜(かおうさくら)、橘楓(たちばなかえで)は、家が近所で親同士も仲が良く、生まれた時から一緒に過ごした幼馴染3人組。愛翔と桜はスポーツに万能で小学生時代はクラスの中心人物だった。楓は楓で明るい性格のインドア派
で絵を描くのが得意。そんな3人も中学生になりお互いを異性として意識し始める。そんなタイミングで愛翔が親の都合で海外へ。「待ってて」「待ってる」そんな言葉を交わした3人。高校生になり活発な可愛い少女に成長した桜、明るくおしとやかな美少女となった楓。そんなふたりは度々男子生徒から告白を受けるほどもてるようになっていた。いつメンの一人剣崎勇人(けんざきゆうと)から何度も誘われ楓から止められながら周囲からの圧力もありお試しで付き合ってしまう桜。そんな高校1年の9月に愛翔が帰国して……
カクヨムにて先行連載中です。基本同じ内容となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-18 18:00:00
429866文字
会話率:62%
サンファンバティスタ号に乗りスペインに渡り帰還しなかった仙台藩士瀧上嘉蔵から数えて一六代目の海彦は嘉蔵不帰還の謎を抱えていた。それは瀧上家にとって代々の解けない謎であった。海彦は帰還しようと思えば帰還できたのに不帰還とは、残された家族の悲し
みを顧みない嘉蔵には人間としての欠陥が在ったと捉えていた。その結果、嘉蔵は偉大ではあるが、尊敬できないに繋がっていた。そんな折に嘉蔵の子孫と名乗るマリアからの手紙が舞い込む。日西友好協会の招きで仙台に着いたマリアは四百年前の仙台とお正月を体験する。マリアは嘉蔵を尊敬していた。美人で聡明なマリアに一目惚れした高二の海彦は戸惑いながらもマリアへの想いを強める。マリアも海彦の優しさに触れ、切っても切れない関係の強さを確かめてゆく。マリアの唄は抜群だった。楽器が得意な海彦はバンドを組もうと提案。快諾された海彦は音楽の路に進もうと決意して曲を創り、カラオケテープを帰国したマリアに送り、唄を吹き込み、それを家族に披露。父親の海太郎から「大学に行って歴史を学べ。墓を守れ」と認められる。優しくも頑固な海彦は嘉蔵への認識を変えられずしてマリアとの関係は何時もギクシャク。軽音楽部に所属している海彦は正月明けの音出しにマリアの要望であった学校案内を兼ねて参加。マリアの挨拶と唄に静まり返る部員たち。マリアから「佐々木薫子に警戒を怠るな」と忠告。薫子は海彦を誘惑。かろうじて誘惑から逃れた海彦。ある日学校から帰ろうとした海彦に橘南が声をかけた。「海彦。話できる。時間ある」。南とは小五の時に学校の屋上で一枚の毛布にくるまっていた。二人は屋上から荒れ狂う黒色の津波を震えながら見つめていた。両親を喪った橘南は会津若松の祖父母の元に引き取られて行った。話すのは小五の時以来。橘南は海彦が通うであろう高校を予測して祖父母を説得。独り仙台に戻って来た。橘南は海彦に告白。健気な南に心惹かれる海彦。「マリアとは切っても切れない関係。私とは切ろうとすれば直ぐにでも切れる他人の関係。だから遠くて近いマリアを気にしていないんだ」。嘉蔵が暮らしていたアンダルシアのコリアデルリオの『ハポンの会』から招待状が届いた。揺れる橘南。海彦は嘉蔵不帰還の謎を解き晴らすチャンスと決めるも、海上保安庁に勤める海太郎がオホーツク海で国籍不明船から銃撃を受け生死を彷徨う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-17 20:00:00
153449文字
会話率:21%