宇都宮氏との戦いの前夜、関東の主、鎌倉府君足利基氏は、密かに笙を手にしていた。
合戦を前に、演奏はためらわれたため、音無しの曲を奏でる。また、伝授を許された秘曲「荒序」を、家臣にして笙友の高坂氏重とともに合する。
基氏は常に血と裏
切りの中に身を置いた。幼いころの父と叔父の擾乱に始まり、自らも義兄や忠臣を滅ぼしてきた。
殺し合いに飽くことのない武士の性を厭いつつも、その運命に抗えぬ基氏は曲に己れの思いを込める。笙の音に秘められた主の諦念を知るのは氏重だけであったが、若くして病に倒れた基氏の死後間もなく、彼もまた自城を攻められ滅びるのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-01 22:03:02
3291文字
会話率:11%
京では、秀郷の末裔太田政光という男が、かつての将門と同様、悶々とした日々を送っていた。
内裏大番役を命じられていた彼は、後宮の女官なの葉と知り合い、夫婦となる。しかし、神官出身の父を持つ妻は、不思議な女だった。
京からの帰り道、夫婦
の一行は山賊に襲われるが、なの葉を守り切れなかった政光のもとに、龍神が現れて彼女を助ける。霊威に打たれた政光はいっそう妻を大切にし、関東で領地の拡大を目指し本拠を下野小山に遷す。
やがて、世は源平合戦や奥州征伐など殺伐とした時代を迎えるが、政光の息子たちは、なの葉が童女のころ源頼朝の遊び相手だったことで主君に引き立てられる。朝政・宗政・朝光の三兄弟は実戦でも活躍し、鎌倉の御所内で重きを置く。
政光の死後、なの葉は長寿を保ち、尼となって悩める女性たちの相談相手となっていた。そのなかには美しくも悲しい過去を持つ女性がまぎれてこんでおり……
※この物語は、前作、『永遠なるものが~』の狐女と重衡が出会う数十年前に遡ります。さらに、前々作の『Brotherhood』の時代をはさみ、小山三兄弟のその後が描かれています。
また、つねに報われぬ恋をしていた狐女ですが、この物語のラストでようやく救いの手が差し伸べられます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-01 13:54:57
33574文字
会話率:30%
(編集のうちに、この物語は『夢幻犬鏡』の一部となりました)
将門を失った狐女は人の世のまにまにただよいます。
愛する男を忘れるため、狐女はさまざまな男たちと付き合いますが、彼ほどの男と出会うことはあいませんでした。その一方で、狐女は短
命の人間の男を本気で愛することを恐れていました。
そして、二百四十年後の平安末期――
狐女は官女ゆかり子となって後宮に住みつき、そこで知り合った平清盛の息子、重衡の愛人となっていました。
彼はこれまでの男とはちがいました。ゆかり子は重衡との関係は遊びと割り切ろうとすしますが、美しく才に長けた彼に魅かれていきます。
しかし、日本国中に反平家の機運が上がり、重衡も武将として戦闘へ向かわねばならなくなります。狐女として妖力を使い、重衡を守ろうとするゆかり子でしたが、やがて彼との愛人関係に疲れ、男を見限ろうとします。
一方、武将として天賦の才能をもつ重衡は常勝不敗、平家の大軍勢を率いますが、頼朝が派遣した義経軍との戦いで敗れ、囚われの身となります。
鎌倉の頼朝のもとへ送られることを知ったゆかり子は重衡を救い出そうとしますが、彼の子を身ごもったことで霊力を失っていました。
本作は、狐女と平将門の悲恋を描いた過去作『星の夜明けに流れゆく』の続編となります。
※今回は恋愛がメインで、合戦シーンは少なめですが、相変わらず人がいっぱい死にます。いつものくせで警告タグに『残酷描写あり』とは入れてません。(作者が本サイトに掲載した物語は血飛沫やら生首やらが飛び交いますが、合戦物なのにわざわざ警告もないだろうということで)しかし、今回はさずがにタグを入れようか迷いました。合戦シーンは淡泊でも、非戦闘地域での幼児の首ちょんぱとか、その髑髏を母親が抱いて歩く場面(元ネタ:源平盛衰記)があります。
残酷かどうかは読者の方々にゆだねたいと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-27 19:05:36
30470文字
会話率:15%
「昔の話を致しましょう――」
極北の海に浮かぶ島国「朱音」には、幻の神獣「風伯」が棲むという。
田舎者の「普世」が、王都でおのぼりさんになることから始まる話。
※世界、歴史を共有したシリーズの一つのエピソード。
国と時代がまったく違う
ので、これだけで独立しております。完結済み。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-30 21:00:00
27659文字
会話率:39%
「かつて――神の園から逃げ出した愛し合う二人の姉弟は、そこに楽土を創った――」
二藍(ふたあい)の国の南端には女神の爪痕と呼ばれる深い渓谷があった。
その何人もを拒む天険の彼方に一つの隠れ里があり、そこで罪を背負って生まれ落ちた独りの
子――咲方士(さくほうし)。
一方、天下の趨勢は数多の人心を翻弄し、二藍の地に淡然(たんぜん)という賢者を生み出す。
肥沃な大地にもたらされる戦乱の兆しは、北風に乗って民の胸裡を不安で満たしている。
その中で、二人の邂逅は大きく時代を流転させることとなる――。
※中華風・歴史小説風・異世界ファンタジーです。完結済み。
世界・歴史を共有した大きなシリーズのうちの一つ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-17 23:01:40
182797文字
会話率:37%
事故で死んだはずの青年は異世界に転生していた。
その世界は色んな種族が領土を取り合う【陣取り合戦】の様な世界だった。
一緒に転生したはずの幼馴染を探すため、青年は領土を広げていくことを決意する。
最終更新:2015-05-13 16:28:55
3624文字
会話率:35%
あの有名な「さるかに合戦」から数年。親の仇を討つことに成功した子ガニに、インタビューの依頼が来た。
最終更新:2015-05-07 11:03:19
2105文字
会話率:50%
アシハラ大陸。
この大陸は今まさに、激動の時代を迎えていた。
大規模な農民叛乱に因り乱世が幕を開け、人々の欲が解放されたのである。
その時代を或る者は「戦国時代」と呼んだ。
『帯を盗む者は罪人となり、国を盗む者は大名になれる』
とはこの時代の者達の言葉であり、人々は下克上して成り上がり、それまでの秩序と平穏は崩れ去った。
未だに戦乱の呈をなし、平和の兆しは見えない。
――時代は英雄を希求していた。
これは欲深な者達を従え、そして彼等に終生苦しめられた英雄の物語である。
戦国の世に名乗りを上げた『風雲児』
後世『欲徳の雄』として語り継がれる戦国大名――アガロ・ユクシャ。
一人の英雄の苦悩と挫折、理想と現実、そして天下統一を目指した生涯と、等身大の姿を記す物語。
異世界戦記ここに開幕。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-07 06:00:00
525319文字
会話率:52%
鎌倉幕府末期のエンターテイメントです。
鎌倉や京都が舞台となります。心躍る激しい合戦や、ぞくぞくするようなオドロオドロしい話を目指そうと思いましたが、結局政治や謀略の話が多くなりそうです(毎度申し訳ない(-_-;))。
主役は足利尊氏
の弟、直義です。エキセントリックな兄と、サイケデリックな執事に振り回される、苦労性のイケメンです。
ご興味を持たれた方は是非!どうぞ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-24 21:08:03
119961文字
会話率:30%
ユニークな生徒たちが通う魔法学校、『聖アルヴェジーナ学園』。
そこに転校してきた少女には、三人の友達ができた。
友情に勉強に恋に忙しい中、生徒全員を巻き込んでの魔法合戦が始まって……?!
最終更新:2015-03-18 00:37:30
68470文字
会話率:30%
願いは叶えるべきなのか、魔法と願いにどんな関わりがあるのか
注意:魔法学園で繰り広げられる個性豊かなヒロインたちによる壮絶な主人公横取り合戦ではありません
お笑い要素控えめ、シリアス路線です
最終更新:2015-03-16 14:32:49
6701文字
会話率:42%
日露戦争の折、日本の四国から多くの狸ががロシアと戦うため大陸に渡った。この物語はそんな狸たちとそのうちの一匹である楠藤兵衛に焦点をあてた物語である。
最終更新:2015-03-14 03:54:16
5124文字
会話率:35%
「八文字以上しりとりをしよう!」
そう言い出した友人を前に思ったことは一つだった。
(八文字以上しりとりって何……!?)
最終更新:2015-03-07 21:42:08
1438文字
会話率:52%
好きな子に告白してフラれた九十九大和は気が付くと戦国時代とよく似た異世界にやってきていた。
フラれて自暴自棄になっていたことと元の世界に戻るあてがない大和は裸一貫で戦国の世を渡り歩くことにした。そして新たな恋と愛を求めて戦国乱世で生きていく
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-02 22:09:37
304417文字
会話率:49%
将棋大会にて、勝ってしまうと鬼のように強い棋士と戦わねばならない二人の男。精神的ダメージ回避のためにワザと負けようと手を抜くが、もちろん二人同時に手を抜けば決着など訪れるはずもない。そして二人の対局は、将棋史上類を見ない泥沼の反則合戦へと
展開していく――(※筆者は将棋ド素人です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-20 17:07:46
3781文字
会話率:9%
さるカニ合戦のパロディ。原作使ってるけど容赦のない主人公が生息中です。
最終更新:2015-02-17 00:20:17
3796文字
会話率:20%
なぜか魔界にワープした少年、カイ。
カイは魔王城のアパートで、平和に暮らすのであった。
(魔王と徹夜でゲーム合戦やったのは内緒)
最終更新:2015-01-21 17:55:42
1501文字
会話率:93%
雪合戦と告白の話です。
最終更新:2015-01-18 13:08:37
1050文字
会話率:10%
織田信長麾下の召喚師・引田妖冥に召喚された演習中の陸上自衛隊員らは、突然目の前に現出した合戦絵巻のような光景に困惑していた。
「これを夢と思うか? 夢と思うならその中で死ぬがよい。夢だろうと現だろうと、生きたい奴は我に続け!」
ともかく
、戦うしかなかった。
この戦場が、長篠の戦と知るのはしばらくのちのこととなる。
「従えない、と言った場合は、どうなる?」
後日、引田に詰め寄る自衛隊の部隊長。
「どうもするつもりは無い。そなたらに命令を下すことも無いし、そなたらを帰すために術を使うことも無い」
引田曰く、彼らを元の世界に返すには三か月の気力回復の期間が必要だという。
仕方なく、従うことになった。
が、二か月後の一向一揆鎮圧戦で引田は命を落とした。
「もしも天下を取れれば、人材を探しやすかろう。……歴史を、変えろ。天下を、取れ。そして、召喚師を探すのだ。さすれば、元の世界にも、もしかすれば」
引田の最後の言葉である。
そして、本能寺――。
他サイトの競作企画に出展した旧作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-01 00:00:00
4253文字
会話率:39%
しっかりさんの意外な弱点とか、白黒合戦の新境地とか。……でも、こう毎日薄暗いと、気が滅入ってしまいますね。
最終更新:2014-12-18 12:25:09
5372文字
会話率:62%
「トマト革命」。
トマトの新たな活用法に気が付いた人類は急速なさらなる進化を遂げていく。
トマトはもう、食べ物などではない。
地球の人類は、地球を使い尽くそうとしていた。
地球に代わる大地を求め、人類はトマトという新たな高エネルギーを使い
、宇宙での陣取り合戦をいま、始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-14 13:53:42
799文字
会話率:3%
日本の新しいマニフェスト、天下統一政策。
政治離れをした現代の日本人に関心を持ってもらおうと政府が出した政策。
それは各都道府県それぞれが一国とし、半年に一度戦をし、国を取り合うと
言うものです。
主人公織田直也は天下統一を果たすことはでき
るのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-13 17:35:30
4527文字
会話率:67%
ひっそりと山に暮らしていた猿の元に、両親から手紙が届いた。
「柿と言う物を食べてみたい」
柿を見た事のない猿は両親の為に『赤っぽい物』という噂だけを頼りに【柿】を探す。
そんな中、態度がLLセットなカニに出会い、不自然に置かれた【握り飯
】と【不思議な種】を見つけた……
※文章作りの能力が欠けてるので、文章の練習のつもりで書いていったら思ったより長くなりそうだったので、3~5ページぐらいにする予定ですm(__)m 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-03 22:56:24
2446文字
会話率:44%