まったくもって認めたくはないが、僕は“普通”じゃない。
まず鬼ババア───母が、人外じみて強い。
あんまり顔を合わさない父は母曰く、さらにその万倍強いらしい。
そんな母に鍛えられた僕も、走行中の大型トラックを投げ飛ばしたりする程度には人外じ
みている。
そのせいで過去───中学時代は自惚れで痛い目をみたもんだ。
僕は突出した力があれば、“特別”な力があれば、ヒーローになれるだなんて勘違いをしていたんだ。
そんな僕も、今年からは新高校一年生。
これを機に僕は、鬼ババアの地獄の訓練を抜け出し、“普通”の高校生として友達を作って、ラブコメ成分たっぷりな青春を送るんだ。
と、思った矢先───僕は見知らぬ異世界に召喚拉致された。
色々あったけど、どうにかこうにかして召喚騎士契約を条件に現代日本に帰ってきた僕は、ようやく落ち着いて高校生活をスタートさせた気分だった。
……とは言え、それは僕の本当に忙しい学校生活の序章に過ぎなかったんだ。
「いいか、よく聞けシーラ! 僕はッ! 今ッ! 穂乃果ちゃんとのラブコメ展開で忙しいんだ! 君とシリアスな戦闘を繰り広げてる場合じゃないんだよォーーーーー!!」
「……美加子先輩、僕はこれでも結構貴方の……って待てッ! おい、シーラッ! なんでこんな時に召喚するんだァーーーー!?」
僕の名前は南 千曲。
普段は学生、時々異世界で召喚騎士やってます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-19 18:00:00
18620文字
会話率:21%
昔むかしのそのまた昔、欲によって滅びた世界のお話。
世界は欲によって亡くなる…
最終更新:2015-09-09 20:16:23
874文字
会話率:0%
もののけなんか怖くない。だって、抜け首とかはおとなしいもの。
怖いのは、ウチのオニババだけ。
だから、村人が「近寄るな」って言ってる場所に来ても平気。ウチのオニババより怖くないよ。
その場所はもののけを封印してるらしいんだ。子供の頭
ほどあるケヤキの珠が七つ、数珠みたいに巨石を取り囲んでる。
そうか。
これを一つ持って帰ってもののけが蘇ればいいな。そしてウチの鬼ババを村ごと滅ぼしちゃえばいい。ぼくは子だから、狭い森にでも逃げ込めば安全だ。
そして持って帰った晩、もののけがボクの元に来たんだ。しかもこいつも鬼じゃないか。
「オラの宝物、盗るでね」
なんてこった。ケヤキの珠は封印じゃなくて鎮魂してたんだ。
そして鬼はぼくの頭をむんずとつかんで戻っていくんだ。どうやらケヤキの珠と間違えたらしい。
こまったな、と思った瞬間――。
他サイトに発表したことのある旧作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-30 11:30:48
774文字
会話率:8%