「お上手なんだから」と本気にしてもらえない道楽公子は今日も華麗に空回る──
赤髪赤目の麗しき公爵家の末息子。
真実を見通す「天眼」と「怪力」のダブルスキル持ちの天才。
気に入らない者は全て拳でねじ伏せ、彼の暴れた後には血だまりが残る。
「
血紅(けっこう)の公子」とは、暴れん坊デルロイ・スカイラーを表すに相応しい二つ名だ。
しかし彼にはもう一つの顔がある。
一風変わった骨董品店の店主であり黒髪黒目の美丈夫、鑑定士のロイはデルロイのもう一つの顔だ。
「ああ、レディー・メラニアは今日もなんて美しいんだ。毎日のように貴女と会えて、僕は本当に幸せ者だよ」
「ふふ、今日もお上手ね。そんなことより、ロイさん! 私、昨晩は血紅の公子に会ったんです! とっても素敵でした……!」
ロイはずっと、客の一人である平民の女性メラニアに恋をしているのだが、彼女は「デルロイ・スカイラー」に憧れていた。
愛しい彼女から別の男(自分)の話をされ、心中複雑なロイ。
しかも、彼の本気の求愛はいつもメラニアに「お上手なんだから」と言われ、どういうわけか伝わらない。
「最大のライバルは自分、か。僕ほど完璧な紳士はいないからね。この世の誰よりも強敵だ」
はたしてロイはデルロイ(自分)に勝てるのか。
本気の求愛にはいつ気づいてもらえるのか。
人から悪意を向けられる血紅の公子へのゴタゴタ事件を、権力(力)と金(力)と拳(力)でゴリ押す男の、器用そうで不器用な一方通行の恋模様。
※2024年12月の文フリ東京に出展した「妄想リアリスト」さんの「一人称変化アンソロジー 僕→俺」に寄稿した作品の長編版です。
なお、ヒロインとの出会いも描かれている寄稿した短編は今の所アンソロ本でしか読めません。あしからず……。
※カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-13 21:00:00
45410文字
会話率:39%
長い間、人に可愛がられ、念が宿った人形を引き取った。今まで散々囃されて来たからこその矜恃。
其れを裏切られたら、傷付くよね。
新しい子がいる。
僕が引き取ったんだ。良い買い手が居れば売り渡すけど。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
心霊番組で人形が出る度に思うんですよ。
散々可愛がられてやってきたのに、ある時『化け物』呼ばわりされて、笑いものにされるのは、辛いだろうなと。
でもまぁ、私も怖がる側なのですが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-22 17:42:56
1089文字
会話率:32%
僕は、僕達という種族はその特性上、地下を好む。
漂う鼻を刺す古い匂い。化粧を落とした仄暗い世界。
けれどもそれにゾクゾクとした興奮を覚えるのは、何も僕達だけではないと思うんだよ。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申
し訳御座いません。
注意事項2
壁に染み付いた煙草の匂いと、骨董品特有の古い匂いは例外なく鼻を押し付けたくなります。
※一応、異常である事は分かってます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-04 14:55:52
994文字
会話率:45%
骨董品店の店主と段々を見に行く事になった。
その場所は螺鈿の門を潜ると存在する巨大な段々だった。
彼はこの空間に浸って、息を吸い込む。
そしてぼんやりと夢を吐く。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません
。
注意事項2
何時見てもいい物はいい物だと思いますよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-03 12:17:34
644文字
会話率:39%
考古学に強い興味を抱く辺境伯令嬢ロゼッタは、長年の夢がある。
辺境伯領に隣接する山岳民族の先祖が残した遺跡の調査・発掘を行うことだ。
しかし、とある貴族との婚約問題を破談にしてしまった結果、彼女は辺境伯領から自ら追放となる。友人の男爵令嬢の
つてを頼って向かった先は、小さな骨董品店『ル・ビュー』
ロゼッタがそこで出会うのは、一人の骨董品店の店主と、誰も知らない、はるか古の先祖たちが残してきた真実であった。
砂を被ろうと、その姫は古き言葉を掘り起こす。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-01 18:59:12
132574文字
会話率:48%
この世界に当たり前のように体現し、しかしほとんどの人間には視えない”霊”と呼ばれる存在。
生前の怨みや未練、その強い念から生まれた霊がもたらす災厄に対処する術が呪術であり、それを扱う人間を術師と呼ぶ。
時には悪霊を祓い成仏させ、時
には相手を呪い、時には増益や息災のまじないをかける。
それが呪術師の仕事であり、存在意義となる。
そんな非科学的な力と存在を相手取る術師でありながら、大学生でもあり、骨董品店の店主でもある叶堂千景は、視える人間、視えない人間、様々な人と関わりながら今日も平和な非日常を過ごしていくのであった──。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-18 06:39:08
316982文字
会話率:28%
――『壊せ』という飼い主の命令だけが、青年の日常だった。
犯罪組織「オルカ」に人殺しの奴隷として飼われていた青年、カレル。
命令だけを聞く生活をしてきた彼には過去の記憶がなく、つねに真っ黒な影が付きまとっていた。
ある日の夜、彼は組
織内のトラブルに巻き込まれてしまい女刑事のマグノリアたちに保護される。
トラブルのことで事情聴取されるが、カレルは口を閉ざしたまま逃げだして町のなかに迷い込み行き着いた公園で絵を描く少女、メレディと出会ったことをきっかけに町で起きた誘拐事件にかかわることになってしまう。
一方、カレルを保護した女刑事と骨董品店の店主たちは彼が名乗った名前に驚きの顔をかくせないでいた。
それは、とある過去の事件のせいだった……。
この作品はnote(https://note.mu/shinonome69/m/m4762a801ad62)でも告知があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-25 12:34:29
131429文字
会話率:20%