異世界線。それは多くの宗教や作家たちが使い倒してきた「破滅」の世界。何度も何度も滅ぼされる彼らの姿を、安全圏からただ消費してきたのが、われわれだ──そう、彼らは言う。地球は滅びると何度もくりかえし、その世界に苦しむものたちを示しながら、みず
からはのうのうと豊かさを享受している、おまえたちこそが代価を支払うべきだと。
彼らは強制徴収のために「侵食」を開始した、それが真実だとして、彼らを呼び寄せたものが身近にいる。おそろしい予断と伏線がばらまかれるなか、異世界線からもどったチューヤは、複数の「やることリスト」を抱えながら、それをただ着実にこなしていくしかない。
青山、上野、月島、小岩……戦場は西から都心、さらに東へと拡大していく。
目黒区の柿の木坂高校で、救いを待つ知人たち。一方地元、杉並区の高円寺、阿佐ヶ谷、大久保あたりでも、やることはたくさんあった。日本橋、田園調布、小伝馬町、東京テレポート……ああ、それでもリストはまだ折り返しでしかないという……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 01:00:00
353093文字
会話率:32%
都心で一人暮らしを始めた私の部屋では、水道水が次第に異様なものへと変わっていく。粘度を増し、髪の毛が混じる水。誰も信じてくれない中、ついに蛇口から「開けて」と懇願する声が聞こえ始める。
最終更新:2025-07-24 12:21:02
3838文字
会話率:23%
その日、東京湾の中心――お台場が“独立”を宣言した。
謎の軍事勢力による占拠、遮断された通信、崩壊する橋。
都心は混乱し、国家は沈黙する中、ひとりの男が動き出す。
白石颯太、31歳。通信会社勤務。お台場のタワーマンションに暮らす妊娠中の
妻を救うため、封鎖された海を越え、決死の潜入を試みる。
しかし彼の“帰りたい”という想いは、やがて国家作戦の鍵となり――。
敵の正体も、目的も、誰も知らない。
唯一わかっているのは、彼女があの場所で待っているということ。
国家vs正体不明の独立軍。その真ん中で、「家に帰る」ただそれだけの男が挑む、現代戦場のヒューマンドラマ。
静かに始まり、怒涛のクライマックスへ向かう社会派アクション小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 11:36:50
88908文字
会話率:33%
「僕の描いた絵が本物になったらいいのに」
そんな夢を抱く絵描き好きな少年・織部緑光(おりべ ろくみつ)は、科学の発展によって可視化された人の魂の持つ「色」を重視する現代に生まれる。
情熱の赤色、ひらめきの黄色、冷静な青色etc…
それら人気
色と比べ、臆病と評される「緑色」の緑光だが、色に囚われず前向きな幼少期を過ごしていた。
時を同じくして都心では、人類を脅かした感染症のパンデミックとネット社会の相乗作用が、放置されたグラフィティから夜な夜な這い出して人を襲う落画鬼(らくがき)を満天下に知らしめる。
その悪鬼に唯一、太刀打ちできるのは、絵を具現化させる摩訶不思議な文房具で戦う、憂世の英雄・浮夜絵師(うきよえし)。
夜ごとに増える落画鬼の被害。それに決死の覚悟で挑む者への偏見や誹謗中傷がくり返されるネット社会。
月日の流れによって、夢を見なくなるほど「緑色」らしくなっていた緑光だったが、SNS上に浮上した「すべての絵師を処せ」という一文を目にし……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:18:19
198926文字
会話率:25%
田舎の公立高校に通うごく普通の少年・竹田明日真(たけだ あすま)は、家庭の事情により、都心の名門私立校・名桜学園に編入することになった。
特筆すべきは「少しだけ数字に強い」こと。それ以外は目立たない明日真だったが、転校初日に謎めいた白髪
の美少女・天吹珀(あまぶき はく)と出会う。
彼女が所属する「投資部」は、廃部寸前の危機に直面していた。部の存続条件は、学園内で繰り広げられる“投資バトル”に勝ち続けること。
企業分析、株式運用、FX、仮想通貨……高校生とは思えない高度な頭脳戦の中、明日真は否応なくその渦に巻き込まれていく。
廃部寸前の弱小部が、送られてくる投資エリートの刺客たちに挑む!
友情と成長、策略が交差する、学園投資バトルストーリー――いま、幕を開ける!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 07:43:15
20160文字
会話率:44%
――その水音は、泣き声だった。
フリーのデザイナー・神崎美咲が引っ越したのは、古びたマンション「メゾン・アクア」の一室。
都心へのアクセスも良く、家賃も破格。リフォーム済みの内装に安心したのも束の間、彼女の日常に、じわじわと“異変”が忍び
寄る。
浴槽の排水溝から聞こえる不気味な音。
水道水に混じる赤黒い液体と生臭い匂い。
そして、無限に“生えてくる”髪の毛――。
次第に露わになるこの部屋の過去。
水回りに潜む女の怨念が、静かに、確実に、美咲の精神と命を蝕んでいく。
日常に潜む恐怖を、静謐かつ粘着質に描き出す都市型ホラー。
あなたの家の蛇口からも、今夜、誰かの「叫び」が聞こえてくるかもしれない――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 17:48:05
4149文字
会話率:11%
日本の都心に霧の街があった。
それは嘗ての産業革命時のものとは異なる自然の霧に染まった街。
その街の一角に、年齢も性別も身分もバラバラの男女が住まう【マンション・ワルツ】があった。
穏やかな日常、満たされた日々、彼らには苦に感じることはなか
った。
だが少しずつ、歪の足音が近くなってきた。
僕らは、何かがおかしい存在だと、認識し始めた。
そして揺らぐ存在、それはまるで―――――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 12:00:00
32981文字
会話率:57%
静かに本を読み、穏やかに暮らしたいだけの青年・静流(しずる)。都心の古びた図書館で司書として働く彼は、ある日事故に遭い、気がつけば異世界へ――。
転生先は、あやかしと人が共に生きる和風ファンタジー世界。しかも生まれ変わったのは、陰陽師の
名門「九重家」の末子!?
目立ちたくない静流は、前世の知識と神から授かった「全属性適性」「古代知識吸収」「魔術と術の融合才能」を隠しながら、密かに魔法と陰陽術を組み合わせた独自の術を研究し始める。
そんなある日、書庫で試した術式が暴走し、現れたのは毒舌で忠義心に満ちた黒狐の異界式神・クロ。
「主のことは何でも分かるぞ。それが式神というものじゃ」
口は悪いが頼れる相棒との出会いは、静流の運命を大きく動かし始める。
穏やかな日々を望む彼が、やがて世界を巻き込む存在になるとも知らずに――。
異世界×陰陽術×魔法!
静かに生きたい転生者と毒舌狐の、静かじゃない和風異世界冒険譚、ここに開幕!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 19:10:00
96199文字
会話率:44%
近未来SF+現代ファンタジーです。
最終的には長編になります。
(あらすじ)
この街で進行している病"白痴化"
気力を失い、記憶、感情、意識を奪われていく不治の病である。
白痴化に侵された画家 坂崎が助けた子猫が、
世界の理(ことわり)の・・・
[ 公開エピソードが増えるに従って追記します ]
( 世界観 )
2080年過ぎの日本。
都心にほど近い、とある地方都市。
(登場人物)
坂崎 翔画:画家
美雪:赤子
ミューキー:白い子猫
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 09:56:27
2410文字
会話率:7%
動画配信グループ 《ミッドナイトグレイ》 は
都市伝説や心霊スポットを
巡る動画で人気を集めている三人組。
三人が今夜訪れたのは
都心に取り残された古いホテルだった。
かつて屋上にプールがあったというその場所で
深夜の一泊生配信を始めた
彼らはすぐに異変に気づく。
廊下に続く濡れた素足の跡。
誰もいない隣室から滴り続ける水音。
ライブのコメント欄に流れた一文。
「……さっきから四人映ってる」
足跡の先は、立入禁止の屋上への扉。
そこには夜風に揺れる水面が
あり得ないはずの波を立てていた。
フェンスのそばに立っていたのは
五年前、あのプールで命を落とした女…
そして3人は知るのだった。
このホテルではいまだに“その人”が
名もない足音を増やし続けていることを───折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 22:01:46
3535文字
会話率:28%
都心の古びたマンション。
家賃が格安なその部屋には、ある“噂”があった。
大学進学で上京してきた浩介は、そんな事故物件に迷わず入居を決める。
しかし引っ越し初日の夜、彼の背後に現れたのは――。
思いがけず始まった幽霊との奇妙な共同生活。
怖いはずの怪談が、なぜかちょっと笑えて、ちょっと温かい。
事故物件で暮らす大学生と、幽霊の“同居ライフ”を描く、ちょっと不思議な現代怪談。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 18:07:55
1104文字
会話率:45%
都心の闇に潜む悪しき魔物。人知れずこれを討つ特殊な力を持った忍者。
怨魔《おんま》と浄忍《じょうにん》。
この国において、古代より続く闇の闘争――
浄忍の名門の中でも最強と目される「御三家」の一角、「火走家」に生まれた天才少女「火走 呉奈
《ほばしり くれな》」。
「共学の学校に進んで、イケメンの彼氏作って、青春満喫するんだ」なんて、女の子らしい願いも、そんなのは実家が許さない。
高校デビューの夢破れ、名門女子高「門森《かどもり》学園女子高等学校」に進学することに……。
しかし、彼女の所属する一年九組は「特務クラス」、エリート忍者の養成機関。
お嬢様女子高は昼の姿。夜は忍び装束に身を包み、怨魔との熾烈な戦いを繰り広げる!!
マイペースな幼馴染の「水切 葵《みずきり あおい》」。お堅い委員長タイプの「木隠 柚葉《こがくれ ゆずは》」。
超常の力を携えた御三家の新星は、誰に気づかれることもなく、夜の街を駆け抜ける――!!
(※)本小説は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアップ+」に掲載しています。
(※)本作は連載に向けたプロトタイプとして、要素を整理した再構成した短編版です。
ご興味を持っていただけましたら、続報をお待ちいただけますと幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 15:17:41
18142文字
会話率:41%
【大企業が隠蔽した、ある事故の真実】
東京都心の高層ビルに隠された、目を背けたい現実。
安全管理部の田中圭一が気づいた「軽微な機械トラブル」の裏に、新人作業員の死があった。
会社は事故を隠蔽し、病死として処理した。
「鈴木君か...彼は最近
、精神的に不安定でね。妄想を抱いているのかもしれない」
真実を追う田中を阻む、会社からの圧力と脅迫。
「田中君、君の行為は会社に対する背信行為だ。守秘義務違反にも当たる」
しかし、田中は諦めなかった。
フリージャーナリスト、被害者の妻、そして勇気ある証人たちと共に、巨大な闇に立ち向かう。
「林君は蒸気に巻かれて倒れました。みんな見ていました。でも、上司から『何も見なかった』と言うよう指示されました」
隠蔽された事故の証拠が次々と明るみに出る時、会社の運命は?
そして、田中の正義は、社会を変えることができるのか?
『誰も語らない事故』
これは、一人の男の勇気が、腐敗した企業文化を打ち破る、衝撃の社会派ミステリー。
あなたの知らない「事故」が、今、語られる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 06:36:35
13127文字
会話率:49%
「スマホは圏外、人生はオンライントラブル。情シス女子、森でバグる!?」
都心の情シス女子、綾瀬くるみ(27)の人生は、デジタル漬けで完璧なはずだった。しかし、突如として舞い込んだのは、Wi-Fiも電波も届かない山奥の「デジタルデトックス合
宿所」のシステム構築という、充電切れ寸前の悪夢。偏屈な元僧侶のオーナー・源さんに振り回され、スマホ依存の若者たち(佐倉アカリ)の不満に晒されながら、泥だらけでサーバーと格闘する日々。
物語の核心は、デジタルに全てを委ねていたくるみが、アナログな環境で「自分自身のシステム」を再構築していく過程です。落雷で電気が完全に落ちる究極のアナログ危機に直面した時、くるみはITスキルだけでなく、源さんの「システムは木を育てるのと一緒」という言葉の真意と、人との温かい繋がりこそが真の「ネットワーク」であることに気づきます。
登場人物それぞれの葛藤と成長が交錯し、テーマである「デジタルとアナログの共存」「情報過多社会における真の豊かさ」が紡がれていく。くるみは、スマホの充電を気にすることなく、心のネットワークを再起動し、「私、電波、ときどき、人間。」として、新たな一歩を踏み出す感動の物語です。
本作品とあとがきはAIを利用して創作し、加筆修正しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 12:34:15
6442文字
会話率:31%
東京の毒舌グルメ評論家・斎賀泰成は、取材先を間違え、辺境の港町・日縁町(ひえんちょう)に降り立つ。そこには、都心の「洗練」とは程遠い、古びた定食屋「磯辺食堂」があった。
「期待できる要素、皆無だな」
そう呟きながらも、空腹に耐えかね
て食堂の引き戸を開けた泰成。彼の目の前に現れたのは、都会では決して味わえない、「記憶」を揺さぶる料理だった。
最初はビジネスライクに味を分析する泰成だったが、女将と若女将・結衣子、そして個性豊かな町の住人たちとの交流を通して、彼は「料理」が単なる味覚の記号ではないことを知っていく。人々の営み、町の歴史、そして「守りたい」という想いが込められた日縁町の味は、泰成の冷徹な評論家の心を溶かしていく。
美食コンテスト、外部からの買収話、そして町全体を巻き込む「料理まつり」――。数々の困難の中で、泰成は評論家として、そして一人の人間として、**「本当に伝えるべき味とは何か」**を見つめ直していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 14:30:00
31881文字
会話率:59%
大きな荷物を抱えて、指定された住宅街の地図をたどる。都心からは少し離れた静かな住宅地。古びたアパートやマンションが並ぶ中に、ぽつんと現れたその家は、思った以上に風情のある、そしてどこか懐かしい雰囲気の平屋だった。
深緑の瓦屋根に、白く塗ら
れた木の壁。小さな庭には、桜の木が一本、ほころびかけた蕾を揺らしている。
「ここ…か?」
門の前に立つと、ちょうど玄関の引き戸が開いた。
「高木くん、だよね?ようこそ。待ってたよ」
現れたのは、落ち着いた雰囲気の女性だった。黒髪をゆるく束ねていて、アイボリーのエプロンをつけたまま。おそらく30代前半だろうか。上品な笑みが自然で、どこか懐かしい感じがする。
「あなたの姉の陽菜ちゃんとは、高校のころからの親友なの。彼女に頼まれちゃってね、しっかり面倒見させてもらうわ」
そう言って彼女は手を差し出した。
「私は白川楓しらかわ かえで。この家の大家であり、いまのところ同居人でもある、かな」
僕は思わず、彼女の手をぎこちなく握った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 16:01:51
6224文字
会話率:36%
朝の光が窓から差し込み、東京都心に位置する私立星陵高校の教室を穏やかに照らしていた。五月も半ば、中間テストが終わり、生徒たちはどこか浮ついた空気に包まれている。三年B組の教室では、担任である田中先生の退屈な古典の授業が緩やかに進んでいた。
「……故に、この歌は古くから男女の情景を」
田中先生の単調な声が子守唄のように響く中、俺、**黒木蓮くろき・れん**は窓の外に目を向けていた。高層ビル群の合間に見える、わずかな青空。都会の喧騒は、この教室の中まで届くことはない。退屈な日常。しかし、それが崩壊する日だとは、誰も想像していなかっただろう。
俺は別に成績が良いわけでもなく、運動神経が特別優れているわけでもない。クラスの中心にいる陽キャでもなければ、隅でひっそりとしている陰キャでもない。どちらかといえば、存在感が希薄な方だ。だが、自分なりに冷静に物事を観察し、判断する癖はついていた。特に、人々の行動原理には興味があった。群れることで強くなる者、群れることで弱くなる者。人間なんて、所詮そんなものだ。
その時だった。
突如として訪れた異変
一瞬、教室全体が白く輝いた。強烈な光に目を閉じると、耳鳴りがキーンと響き渡る。まるで、高速のエレベーターが急降下するような胃の浮遊感と、全身を包み込むような圧迫感。それは数秒間続き、次に目を開けた時には、見慣れたはずの教室が、まるで何かの装置の中にいるかのように揺れていた。
「な、なんだ!?」
誰かが叫ぶ。田中先生も呆然とした顔で立ち尽くしている。教室の窓の外に見えていたはずの高層ビル群は、跡形もなく消え去っていた。代わりに広がっていたのは、見渡す限りの深緑の森。そして、視界の遠くには、まるで空に浮かんでいるかのような巨大な岩の塊がいくつも見えた。
「うわああああああ!」
「地震!? いや、違う!?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 17:11:05
9617文字
会話率:29%
関西郊外から都心へ通う社畜サラリーマンの“俺”。
朝五時半、LiMEe未読のまま始まる一日――混雑列車、改札エラー、残業、終電逃しと、日常の“軽い詰み”がリズムを刻む。
唯一の癒しは同じ駅を使う彼女――奔放女子。しかし連絡は既読すら付かず、
温度差は開く一方。
登場人物
主人公俺(34)
ヒロイン 彼女
先輩 横井さん
部長 鬼越部長
警備員藤樹さん
清掃員おばちゃん折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 00:36:43
1632文字
会話率:22%
良い大学を出て、上場企業に就職し、綺麗な妻と結婚し、子ども二人に恵まれた。
誰もが羨む「人生の正解」を、俺はひとつずつ手に入れてきた。
順調だった。いや、完璧だったと言ってもいい。
ある日、妻がぽつりと呟いた。
「子どもたちに、ちゃ
んとした環境を用意してあげたいの」
その言葉に背中を押され、俺はタワーマンションの購入を決意した。
都心の再開発エリアにそびえ立つ、新築の制震タワー。
駅直結、徒歩0分。コンシェルジュ常駐、スカイラウンジ、ジム、パーティールーム完備。
そして何よりも、リビングから見下ろす景色は絶景だった。
価格は1億円――年収の10倍。だが、銀行は購入資金をポンと貸してくれた。
「年収1000万円の上場企業勤務」の肩書きがあれば、住宅ローンもクレジットカードも、すべてのドアが開かれる。
管理費は月3万円、修繕積立金は当初こそ1万5千円程度だったが、入居から数年で倍額に。
家計をじわじわと締めつけていく。
それでも、「まあ大丈夫だろう」と思っていた。
妻は専業主婦。子育てに専念してくれているし、俺が稼げばいい。
業績も好調で、ボーナスも毎年しっかり支給されていた。
……そう、「あの日までは」。
振り返れば、どの選択にも“理由”はあった。
無謀だったとは思っていない。むしろ、あの時点での判断としては“正しい”とさえ思っていた。
だが今、手元に残っているのは、
限界まで膨らんだ借金と、赤い封筒の督促状だけだ。
なぜ、あれほど堅実だったはずの自分が、ここまで転落してしまったのか。
なぜ、「正解」ばかりを選び続けた人生が、こんな結末になったのか。
この物語は
年収1000万円だった俺が、夢のタワーマンションを買い、
やがて自己破産するまでの記録である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-30 20:17:42
16617文字
会話率:13%
クモ女、九条恵美は改造人間である。
悪の秘密結社デスカンパニーに誘拐された彼女は、組織の最高傑作怪人として製造されたのだが……。戦闘前に首領及び本拠地が撃破&爆破され、正気を取り戻してしまった。つまりただ改造されただけの一般人である。
そん
な彼女は組織を破壊したヒーローに酷く怯え、その地から逃走。地方の「ひかりが丘」に身を下した。そうして悪の秘密結社とヒーローたちが戦い続ける都心から離れ、新たな生活を享受していた彼女だったが……。魔法少女と謎の怪物の戦闘に巻き込まれてしまう。
そう、この町は放送時間が30分違ったのである!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 17:00:00
397249文字
会話率:39%