カミラは異国出身の祖父母に似て、目鼻立ちのはっきりとした濃い顔の美人。
しかしその容姿のせいで、キツイ性格で奔放な悪女という一方的なレッテルを張られ、通っている王立学院では『女の敵』『魔性の女』と噂されていた。
誤解を解こうとしても、逆に『
脅された』『睨まれた』と言われてしまい、卒業まで我慢するしかないと耐えていたある日。隣国に留学していた侯爵令嬢マグダレーネが帰国。取り巻き令嬢を引き連れてカミラに言った。
「わたくしの婚約者を返してください」
誰のことなのかわからないが、どうせなにを言っても信じてもらえるわけがない。
そう思っていたカミラだが、マグダレーネは「貴女の考えが聞きたいのです」と、話を聞く姿勢を見せてくれた。マグダレーネはカミラの祖父を知っていて、孫娘の話を聞かされていたらしい。
この方なら信じてくださるかもしれない。
勇気を振りしぼり、カミラは自身の気持ちを言葉にする。
そのうち、マグダレーネの婚約者とやらが現れて、騒動の真相が明らかになっていく。
謂れのない悪意に晒されて萎縮していたヒロインが、偏見にまみれた学院生活から脱出するおはなし。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 20:11:21
13961文字
会話率:39%
かつて、世界は『物語』によって動いていた。
物語は決して空想ではなく、世界を書き換える『力』そのもの。
太古より選ばれし者――『作家魔術師』たちは、『言葉の魔法』を操り、歴史の裏側で密かに戦い続けてきた。
そして現代。
文学は衰退し、言
葉の力が「忘れられたもの」となった時代に――
とある高校に通う平凡な青年、津島綾人は、文豪・太宰治(津島修治)の直系の子孫だった。
そして彼に与えられたのは、
「書いた物語が現実になる」という、あまりにも強すぎる力。
だが、その力は祝福ではなかった。
その一文の結末が誰かの運命を変える。
誰かを救えば、別の誰かが死ぬ。
選ばなかった未来を、綾人自身が背負わなければならない――。
“書く”ことは“裁く”ことと同義であり、
“語る”ことは“奪う”ことでもあった。
「そんな力、いらない」
「誰かの代わりなんてできない」
「俺に何かを創る資格なんてない」
過去の栄光に縛られた“偉大な血脈”。
逃げたくなるようなプレッシャー。
自分の言葉を書けない自分への劣等感。
だがしかし、彼は出会う。
同じく文豪の血を引き、それぞれ異なる“物語魔術”を操る継承者たちに。
芥川龍之介の曾孫であり、人の心を操る言葉を紡ぐ少女・芥川美緒。
夏目漱石の系譜に生まれ、論理と構造で言葉を武器にする天才少年・夏目春樹。
詩で精霊を呼び出す、宮沢賢治の後継者・宮沢ルナ。
それぞれが過去と現在の狭間でもがきながら、
“禁書”と呼ばれる、書いてはいけない物語にまつわる戦いへと巻き込まれていく。
“焚書派”――文学の魔力を否定し、すべての物語を焼き払おうとする異端組織の影が忍び寄る中、
綾人は、選ばなかった結末たちの“痛み”を通して、物語の本質と向き合っていく。
継ぐべきは、才能か、責任か、魂か。
そしてその先にあるのは、自らの手で綴る「ただ一つの物語」。
「書きたいと思った。僕は、僕の言葉で“誰か”を救いたいって、初めて――そう、思ったんだ。」
運命に書かれたレールをなぞるのではなく、
その先の“白紙”を恐れずに、筆を取る。
これは、ただの血筋の物語じゃない。
これは、“物語の力”を受け継いだ少年が、
過去も未来も超えて、“今”を言葉にするまでの成長譚。
――その一文が、君の現実を変える。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 11:10:00
7666文字
会話率:39%
かつて映画研究会で共に過ごした女性から届いた、結婚式の招待状。
人気女優となった彼女をテレビ越しに見ながら、心の奥で抱え続けた「伝えられなかった想い」。
返事を出せずにいたある夜、彼は目を覚ますと大学時代に戻っていた。
そこには、懐かしい
ジャージ姿の彼女と、撮影に打ち込む仲間たちの姿。
これは、やり直すための奇跡じゃない。
後悔しないための、最後のチャンス。
あの時の想いを、今度こそ言葉にするために。
過去と向き合う、ひとつの青春と再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 06:34:14
6851文字
会話率:20%
主人公は、夜になると活動を始める詩人、勒枢薇朧(ろくすいびろう)です。彼は、性別の違和感や精神的な病を抱え、孤独な日々を送っています。
夜になると、酒を飲み、薬を飲み、タバコを吸いながら、彼は心の闇を言葉にする詩を書き続けます。それは、苦
しみから逃れるための、彼なりの戦いです。
この物語は、そんな彼の孤独な夜の記録です。彼が詩に込めた思い、彼が求める救いとは何か。読者は、彼の言葉を通して、彼の心の奥底に触れることができます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-31 08:10:00
3260文字
会話率:0%
経済書の編集者として淡々と日々を過ごす野村隆介は、春の訪れとともに心の奥底に眠っていた詩人としての自分に再び向き合い始める。かつて学生時代に詩を学び、「群れの声にまぎれずに」という詩を書いた彼は、ニーチェの「群衆の中にいると、人間は軽くなる
。賢者は孤独のうちに深くなる」という言葉に共鳴していた。
仕事には真面目だが熱意に欠けると評される隆介は、ある日公園で詩を書いているところを後輩の田中美咲に見つかる。美咲もまた詩を愛する人だった。二人は詩を通じて交流を深め、美咲は隆介に詩を発表するよう勧める。「孤独も大切だが、時には自分の言葉を他者に届けることで、新しい深さが生まれる」という美咲の言葉に触発された隆介は、長い沈黙を破って詩を文芸誌に投稿する。
投稿した詩は反響を呼び、隆介の詩は徐々に認められていく。一年後、隆介は自身の詩集を出版することになる。経済書の編集者としての生活を続けながらも、隆介は詩人としての生き方を取り戻していった。
孤独の中で深めた思索を言葉にすることで他者とつながる喜びを知った隆介は、静謐さと深い思索を特徴とする「静寂の詩人」として、そして美咲との新たな関係とともに、自分らしい人生を歩み始める。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-23 23:09:39
3760文字
会話率:41%
人を心から愛せない女性千春は、付き合っても直ぐに別れてしまう。大学生活という長くも短い時間で見つけた彼女の愛とは。
人間の本心を言葉にする難しさ。それを乗り越えられたとき、彼女は人を、、。
最終更新:2025-03-12 20:00:00
10124文字
会話率:23%
世界は終わりに向かっている。
住んでいる誰もがそう言葉にする。
都市と呼ばれる周りは暗闇に包まれており、明かりがあったところでほんの少し先を照らすくらいしか意味がない。
そんな世界だからこそ、生まれながらに体が世界に奪われた者。
世界から欠
落した者と呼ばれる欠落者というものが生まれた。
体の一部が世界に欠落させられた人らには、逆に体の一部に力が宿った。
気味悪がれながらも、特別な力を利用しようとする人もある程度はいた。
そんな終わり始めた世界であっても、人の欲望というのはなくならない。
欠落者を利用していろんなことをする人というのは多く、そんな世界だからこそ、殺し屋というものもいまだに存在していた。
そんなときに殺し屋の少年は、欠落者の女性と出会う。
だが、あることがわかった少年は女性を殺さない。
そして、二人の物語が始まる。
※物語はフィクションです。
かなりよくない描写なども可能性があります。
あらかじめご了承ください、よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-16 23:27:47
87653文字
会話率:50%
本作は、高校生たちの瑞々しい恋模様を描いたオムニバス作品です。言葉にするのは、星をつかむより難しい。そんな不器用な想いを胸に秘めながらも、彼らは懸命に「今」を生き、それぞれの「好き」の形を模索していきます。
天文部に所属する、星好きな彼女
と、本当は君と話したい彼。
図書室で交わされる、秘密のメッセージに込められた、ふたりの想い。
幼馴染の彼が見せる、不意打ちの優しさと、戸惑いながらも芽生え始める恋心。
どの物語にも共通しているのは、登場人物たちの「不器用な優しさ」、そして「伝えられない想い」です。直接的な言葉ではなく、視線や仕草、何気ない会話の中に散りばめられた、繊細な心の機微。それはまるで、夜空に瞬く星々のように儚く、しかし確かに輝きを放ち、見る者の心を優しく照らします。
もしかしたら、あなたも経験したことがあるかもしれません。あの日の言葉、あの時の笑顔、そしてあの人との、もどかしい距離。胸の奥に仕舞い込んだまま、名前をつけることさえできなかった、淡い感情。本作は、そんな青春時代の記憶を呼び覚まし、忘れかけていた大切な何かを、そっと思い出させてくれるはずです。
登場人物たちは、皆、完璧ではありません。時に素直になれず、すれ違い、傷つけあってしまうこともあるでしょう。しかし、だからこそ共感できる、愛おしさを感じられるのです。彼らの姿を通して、あなた自身の青春時代を追体験し、あの頃の自分と、そして今の自分と向き合うきっかけになるかもしれません。
これから先も、様々なシチュエーション、様々なキャラクターを通して、彼らの物語は紡がれていきます。甘酸っぱいだけじゃない、時にほろ苦く、時に切ない、青春のリアルな一面も描きながら。
「いつか」じゃなくて、「今」伝えたい。そんな彼らの想いが、あなたの心に、どうか届きますように。まだ名前のない、あの感情に、そっと触れられるような、そんなひとときをお届けします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-06 16:10:00
2061文字
会話率:0%
「その言葉、必要かな?」
最終更新:2024-11-19 12:00:00
628文字
会話率:8%
詩や日記のようなものです。毎日、1ページ。
思いを言葉にすることが苦手な私の、リハビリのようなもの。果たして、続けられるのか…
物語を書く日もあります。短編です。
キーワード:
最終更新:2024-09-04 23:18:58
1314文字
会話率:43%
暴力的な父親のトラウマを抱えるキミカは、ある朝突然自分がゴブリンに変身したと感じる。一方、母親からの愛情不足に苦しむヒメキは、「好き」という言葉を聞くと嘔吐してしまう。二人は互いの傷を理解しながら、恋愛関係を築こうとする。
しかし、ヒメキ
の元カレが現れ、二人の関係を引き裂こうと企む。キミカは自分の中に眠る力に気づき、ヒメキを守るために立ち上がる。ヒメキもまた、キミカへの想いを武器に、自分の弱さと向き合う。
二人は困難を乗り越え、お互いの「好き」を言葉にすることはできるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-17 18:07:49
18381文字
会話率:51%
死んだら知らない場所にいた。気付けば集落になり、村ができ、街となり――気付けば国となった。国作りの中心となっていた6人の魂は、周りの者達に請われ王となる。いつの間にか領土も広がり、人種も増え、種族も様々。6人での統治は難しいと、領土に寄り
王を別にたてた。彼等は皇帝となったのだ。
安定した帝国は人々が穏やかに過ごす。その中で、彼等も彼等なりに楽しく生活をしていた。
最初の6人のうち、紅一点の皇帝桜は感情の表現が苦手だ。好き嫌いの表出は大切なものを奪われる原因となった。
だが、この世界では関係ない。周りにいる者達のためにも、少しでも感情を表出したいと願っている。感情が伝わらないことに寄るトラブルを避けられれば、周りの者達の苦労も減るだろうと判断したのだ。努力をしてみても、理解し得ない感情は表情に出ない。感情を言葉にする練習は成果があるのに、表情には出なかった。
皇帝桜が最も苦労を掛けていると思っている相手――最初の6人の皇帝達の一人、皇帝凜夜。生前から彼女に仕え、彼女を愛している彼は別に何とも思っていない。彼女から与えられるものは、例え苦労だろうが何だろうか喜びを感じている。
そんな彼等彼女等の話
※文豪コロシアムにも同一作品を投稿しています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-28 21:43:16
103379文字
会話率:29%
高校二年生の夏休み。
文化祭実行員——略して『文実』の実行員長を務める女子高校生、清水清香は、夏休み明けに開催される文化祭に向けてその準備に励んでいた。
そして、夏休みも中盤に差し当たり、文化祭準備に精を出す清香のもとにやって来た友人の
——矢尻夏帆から唐突に持ちかけてきたとある提案により、清香の秘めていはずの想いに火が灯る。
高校生たちの想いが入り乱れ、交差する、夏——。
とある街の、となる高校の、とある少女もまた、それは例外ではなかった。
たった一つの、されど言葉にするにはあまりにも大きすぎる想いの丈を、彼女はとある『物』にのせて——この夏を、甘く、彩っていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-08 18:37:22
26591文字
会話率:56%
世のため、人のため
なんて綺麗事だ
結局、人は自分のことしか考えてないし
自分のために生きている
自分も同じ人だから
自分すら愛せない人に
自分すら大切にできない人に
何ができるんだろう
だから、自分のことを考えようと思うんだ
自分
で考えて、感じたことを言葉にする
それって
とても大事なことだと思うから
読んで、何かを感じてほしい
書いて、自分自身をより深めていきたい
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-04-29 15:53:43
8568文字
会話率:0%
平和な日々が続いていた。尤も、『ちっとも平和じゃない!』という人もいるだろう。戦争はなくとも犯罪はある。いじめに軋轢、競争の社会。人間であるゆえ避けられないことも多々ある。
しかし、ここ最近はどことなく人々の心は穏やかであった。
理由
を言葉にするのは難しい。冬が過ぎ、春が訪れたからそう感じているのかもしれない。稼ぎの良い親の庇護下。株の投資が順調など、安定が保証されているような気分。世の大多数の人間に不安や憂鬱とした気持ちはなかったのだ。
それゆえか、経済情勢も悪くない。そしてそれがまたこの平和な日々を補強している。
なんか気分がいいなぁ、と夜になっても人々から笑顔が消えず、ストレスがなくとも酒はうまいものだ。どこの飲み屋も盛況。酒が入っても争い事はなく、平和であった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-25 11:00:00
2583文字
会話率:63%
無口キャラって本心では色々考えている。
ただ言葉にするのが苦手なだけで……。
世界が変わっても無口キャラな俺。
「……護る」
「鬼頭君!」
言葉はいらない。 男は黙って女を護り――ガチャを回せ!
現代xファンタジーxガチャ
『
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
なろう様では規約違反の表現(エチエチ度)があるためカクヨム様にてメイン投稿中!50万字突破!
https://kakuyomu.jp/works/16817139557384884636/episodes/16817139557384973938折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-22 17:45:38
1869文字
会話率:30%
婚約破棄された姉の代わりにテレーズは王子と婚約した。
でも王子はちっとも自分の方を見てくれず──
「わたくしとの婚約は、白紙に戻されるということでよろしいでしょうか」
そう、言葉にするのだった。
*他サイトでも掲載しています。
最終更新:2023-11-06 20:03:30
2228文字
会話率:25%
同居人は、好きな物はひっそりと愛でる癖がある。
目を合わせることはせず、崇拝する事を恥ずる。
けれども行いひとつを見ていくと、好きで堪らない事くらいは分かるもので。
「推しの概念見るだけで最高。本当最高。脳みそ焼かれちゃう」
「言葉にする
のは珍しいな」
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
読み返してみると、この小説に登場させるだけで不敬極まりない気がします。
大抵、推しの概念見た時の反応はこんな感じな人間です。
客観的に見る為に書き起こしてみました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-21 19:55:21
1101文字
会話率:47%
大晦日、一夜前。
人々の願いの籠った絵馬が山を生している。
其れに乗じて願いを叶えていると、ざんばらに切られた髪が伸びていく。
切って……仕舞われるのですか……?
うん。持て余す事は良くないからね。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
最後の落ちが意味不明。
でも言葉にすると絶対こうなる。
という思いを持って書きました。
「かーっ!! お美しっ!!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-30 21:05:40
1031文字
会話率:48%
ずっと言葉にすることができなかった父の死を書くことができました。力を与えてくださったなろうの皆さま(もちろん今これを読んでいるあなた様も含みます)に感謝です!
最終更新:2023-08-20 11:16:39
3315文字
会話率:0%
人付き合いが苦手でほっちで陰キャな戸田春明(とだはるあき)は部活の顧問から学校に来ていない隣の席の女の子、板垣志乃(いたがきしの)が学校に登校できるよう手伝ってほしいと依頼される。
最初は乗り気ではなかった春明だが、予想外の明るく天真爛漫そ
うな彼女と対面し、その苦痛にゆがむ表情を見て放ってはおけなくなり手紙でのコミュニケーションを取りはじめる。
自分も同じ状況になったことなどを打ち明けていくうちに、徐々に彼女との距離は縮まっていき、志乃を外へ連れ出し買い物に……。
そして彼女は今一番やりたいことを言葉にする。
似ていているところも似ていないところもある二人。
二人の
「恥ずかしくて死にそう……」
「恥ずかしくて死にそうだよ……」
な毎日が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-15 19:05:43
16003文字
会話率:42%