キスの麻酔が切れる頃には、傘も差さずにずぶ濡れで帰宅。
失恋の余韻は決まって、ある人から貰ったゲームで解消していた。
だけどこの乙女ゲームをプレイする理由は別に現実逃避を目的としてはいない。
ある人、私の目標でずっと背中を追いかけていたあ
る人はもういない。
ここまで落胆すると後追いも考えるが、おそらくあの人は望んでいない。
半年もしていない部屋の掃除を、どういう心境の変化かやり始めた。
綺麗にしてみてようやく壁のシミとかに気付くのだが、もう大家さんに怒られるとか気にもしない。
外に停めてあるバイクに久し振りに跨がってみると、何故か戻れ気がした。
あの人と一緒に走ったあの場所。海の見える峠をガソリンが無くなるまで走り続ける。
雨の日にコートも着ないで走らせるのは気分が良い。ついでに酒も入っている深夜帯だから無敵だ。
目先のライトで照らされた急カーブのガードレールには気付いていた。
だけど知らないフリをした。もしかしたらあのゲームの世界に転生してあの人に逢える気がしたからだ。
何故だか【失意の薔薇園】をプレイしていて、そう思えたんだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-05 21:18:46
17495文字
会話率:42%
僕は帰り道にある壁のシミに恋をしてしまった。
それはステキな女性の姿をしたシミなのだ。
ある日、帰る時間が遅くなった日。僕は意を決して壁の彼女に唇を合わせたのだ。
※これは「夏のホラー2023」参加作品です。
※この作品は「アルフ
ァポリス」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-01 08:00:00
1139文字
会話率:31%
王の菜園の『畑の騎士』コンスタンタンは夜会で壁のシミと化していた。
華やかな職業であるはずの騎士なのに、猛烈にモテないのだ。整っているのに地味な見た目のせいか、はたまた生真面目すぎる性格のせいか。
そんな彼が王の菜園で出会ったのは、ウサギを
追いかける美女。
まるで童話のような一幕であったが、彼女はうさぎを素手で捕まえ笑顔で言った「このウサギ、ミートパイにしてやりますわ!」
これは堅物な騎士と、菜園を愛すお嬢様の恋物語。
※書籍化、コミカライズ決まりました!
※本編完結済みです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-30 14:28:37
388569文字
会話率:43%
公爵令嬢ウルミリアは、聖女となった妹に王子の婚約者の座を奪われた。
公爵令嬢イルマは、突然聖女として覚醒したことで、姉の婚約者を奪うことになってしまった。
王子アルヴァは、聖女の身を守るためには自分の伴侶とする事が最善と知りながら、ウル
ミリアへの想いに苦しんでいた。
そして結局、ウルミリアの婚約を破棄して、イルマとの婚約を結び直す、その日が来てしまう。
だが、その婚約破棄は成立しない。
聖女よりも優れた力と、教皇よりも高い地位を持つ唯一無二の存在ーーー〝神爵〟の手によって、イルマは召し上げられる。
『聖女イルマを、神爵側付きとする。』
これは、お互いの幸せを願った公爵姉妹を『尊い』と見守る壁のシミになりたい神爵と。
その神爵に徐々に心を惹かれていく聖女のお話。
ハッピーエンドです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-14 12:00:00
24199文字
会話率:29%
いつか記憶も壁のシミ程度になる
最終更新:2018-09-30 01:11:21
835文字
会話率:0%
夜中に廃墟に探検に出かけた僕ら。そこで見た壁のシミが、僕には人の顔に見えて
最終更新:2018-07-07 12:38:09
598文字
会話率:31%
西浦姉妹は近所でも有名なキチガイ姉妹。壁のシミを相手に丸一日中会話をしたり、街中でカッターナイフを振り回したり毎日ドタバタ。しょっちゅう通報されながらも、16歳の二人は力を合わせ、日々を楽しく生きている。仲良しで楽しくてアタマがパーな、ち
ょっと壮絶な過去も持つ双子姉妹のオムニバス日常コメディ。毎週土曜夜とあとテキトウに投稿。
友人から表紙風イラストいただきました。第一話のアタマにのっけてます。
やったぜ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-25 03:54:02
579009文字
会話率:60%
曖昧さが彼女の美点だ。私はそれを愛した。
最終更新:2010-07-05 19:53:31
1978文字
会話率:24%