ある日の朝、道行く途中で奇妙な男とぶつかり、落とし物の手記を拾った、その瞬間までごく普通だった彼女は、その手記がわざわざ「鏡文字」で書かれていることに気づき、好奇心に負けて解読してしまう。
──それが、運命の別れ道とも知らずに。
その夜
、女性の悲鳴を聞いた隣人の通報で一つの事件が明らかになった。荒らされた形跡のない部屋、すべての窓と扉の施錠。しかし家主だけが煙のように掻き消えた。謎の密室失踪事件から数日後、消えた彼女の名は、朝のニュースでひっそり取り上げられ、覚えられる間もなく忘れられた。手がかりは皆無に思えた。
ただひとつ、消えた手記を除いては。
一方その頃、当の本人はというと──
「ローズグレイ!」
「はいお義母さま」
「何時になったらその繕いものは終わるのかしら?」
「あと少しで出来ます。今日中には必ず…」
「そんなことは聞いちゃいないよ」
絵に描いたような継母のもと。
「ロージー私の分もよろしく」
「あたしも。のろのろしないでよ」
判を押したような異母姉妹にいびられながら。
(今日のうちには終わりそうに…ない…)
ありがちな令嬢生活を送っていた。
……かに見えた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-27 21:20:04
13817文字
会話率:38%
ラジャーニエよ。俺は貴様との婚約は破棄して、愛しいサブレーヌと結婚する。貴様はこの邸から即刻去るのだ」
婚約破棄を叫んでいるのは、伯爵令息のリンゼール・ガルダ。彼の最愛は、ラジャーニエの義妹のサブレーヌだと言う。
リンゼールとラジャー
ニエは、親同士が決めた利害が絡む政略結婚の相手だった。
ラジャーニエ・クラウテンは格上の侯爵令嬢であったが、父親の無理な商会経営は多大な悪化を辿り、侯爵家は借金まみれであった。
ラジャーニエの母、ダブリエは病で寝込んでいたが、彼女が12才の時に逝去した。
亡くなる前に、形見のロザリオをラジャーニエに首にかけて囁く。
「ラジャーニエ、弱い母を許して。
一人残された貴女は、きっとたくさんの困難が待ち受けているでしょう。でも私(わたくし)はずっと見守っていますよ。貴女が幸せになれるように。
だから諦めずに頑張るのですよ。
そして何を奪われても貴族としての誇りを守り、毅然としていなさい。
奪われてはいけないのは、そのロザリオだけ。
必ず味方は現れます。
残念ながらレンバック、貴女の父は信用に値しません。
こんな場所に残していって、ごめんね。
愛しているわ。私のラジャーニエ…………………」
ダブリエは最期の時まで娘を心配していた。
夫であるレンバックは、ダブリエに全てを頼り遊び歩いていた。だが彼の言い分は勝手なものだった。
「妻は何にでも口を出して、俺を否定するんだ。だからもう、俺は妻の好きなようにさせてやってるんだ。その分少し、好きなようにさせて貰ってるけどな。はははっ」
レンバックの回りには彼にたかって遊ぶ悪い者が多く、彼はそれに気づかず煽てられて散財していた。
ダブリエは口出しではなく、詐欺や無謀な投資を止めるように注意しただけだ。レンバックのせいで今まであった侯爵家の蓄えは減り、彼女は知人から借金をしたが財政は火の車だった。
何とか伝手を辿り、やりくりをしていたダブリエが病に倒れ、それに目をつけたのがガルダ伯爵家。リンゼールの父親マイルだった。
マイルは息子のリンゼールを婿に入れ、借金を支払うことで逆らえなくし侯爵家を乗っ取ろうとしていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-17 19:11:07
17174文字
会話率:28%
普通の高校生の香帆は今日も友達の萌々と一緒学校から帰っていた。しかし、いつもの別れ道にやってくると萌々は突然後ろにいるストーカーの男に気づく。やがて、2人は、男から逃げるために走り出す……
最終更新:2023-11-18 22:17:40
3780文字
会話率:45%
山岳信仰の強い地で、行方不明になった叔父の消息がわかったのは、春雪の季節だった。沢に転落したらしい遺体は、頭部のみで、叔父とわかるのは、携帯とカメラと車の鍵のみ。母親に急かされ、駆けつけた15歳の桂華にとって、寂れた山々は、懐かしい思い出ば
かりで。亡くなる前、叔父さんは、山岳信仰について、話をしていた。山で、遭難したらおおかみさんが助けてくれる。狼=大神。叔父さんが、山岳ガイドとして務める以外は、寂れた高校の共闘をしていて。訪れた高校の図書館には、不思議な絵があり、桂華は、狼達の世界へと足を踏み入れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-17 21:30:06
11863文字
会話率:60%
全ての中で生きていく。いくつもの別れ道を得て、自分を知る。
最終更新:2022-08-27 05:24:43
219文字
会話率:50%
とある冒険者たちが世界を救ったその後のお話。
それぞれが、それぞれの帰路につく瞬間のやり取りを書いてみました。
冒険者たちが旅の途中、何を見て、何を感じ、そして最後の別れ道で何を思ったのか。
登場人物たちの会話メインで話が展開されています
ので、比較的するっと読める仕上がりになっていると思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-09 00:19:55
2541文字
会話率:50%
古来、別れ道には魔が立つという。
最終更新:2021-12-03 02:11:44
1094文字
会話率:0%
別れ道の先の自分を思い描いて書いてみました。
最終更新:2021-01-03 22:41:30
521文字
会話率:0%
恋人という道の途中。そこは分かれ道だった。いつだって私と彼は同じ道を選んで共に歩いてきた。今回もそんな分かれ道の一つ。そして最後の一つ―――別れ道。
最終更新:2020-08-12 20:31:18
631文字
会話率:17%
明日は人生の別れ道。今日もまた然り。
最終更新:2019-07-27 00:27:13
9853文字
会話率:63%
藜と浅葱は双子。ある日、彼らは思いもよらぬ事に見舞われる。今回は藜が主人公。藜はこの災難をどう潜り抜けるのか?
最終更新:2019-01-16 07:11:28
1673文字
会話率:33%
幼い頃から騎士の英雄譚が大好きだった僕は騎士団入団試験が受けられる14歳になっていた。
そんな僕は憧れのウルスラ王国騎士団の入団試験を受けるために王都を訪れたんだけど……
でも間違えて騎士団は騎士団でも、女性だけで編成される百合騎士団の入団
試験を受けちゃったのが僕の運命の別れ道。
これは百合騎士団の団長だけが名乗る事を許される称号『白百合の騎士』を目指す僕の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-22 12:25:16
69775文字
会話率:29%
父の意思を継ぎ、旅をする商人のカシムは、一人でポツンッと歩むエルフの少女を拾った。
手を携え、あらゆる困難を乗り越えて旅をする、人間の青年とエルフの少女。やがて迎えた分かれ道を描く。
エルフに語り継がれる、西方の謎とは。その答えとは。
そして、二人の行く道は。
カクヨムにて掲載中の同名小説です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-02 21:50:24
7146文字
会話率:21%
※2018/9/30 スピード感を高めるため、「波紋」「別れ道」「真実」の章を大幅に改稿しました。
私の名前は佐藤芽菜(さとう・めな)。スポーツは得意だけど、勉強は苦手な17歳。
夏休み前、私の周囲で不審な出来事が起こり始める。
身に
覚えのない満点テスト。知らぬ間に模様替えされた部屋……。
何処かに、もう一人の自分が居る? 出会う筈のなかった『私』達の感動青春ストーリー
時の終わりまで訪ねても、出会う筈のなかった私たち。
私は忘れない。私たちの過ごした、17歳のこの夏を。
※この作品は、横書き・1行37文字の体裁で調整されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-09 07:00:00
110611文字
会話率:22%
栗山 弥由美(くりやま やゆみ)は、180cmの身長に日々悩んでいた。中3のときにそれが原因で失恋。ショックによるやけ食いで肥満体型になり、ますます弥由美の悩みは深まっていった。
失恋から2年たったが、未だに思い、思いを馳せては傷つき、幼な
じみ二人を巻き込み買い食いによるやけ食いという負の連鎖。
そして、二人と別れ道で離れた時、異変が起きた。
これは、一人の高身長ぽっちゃり女子が、(主人公視点で)美男美女にちやほやされて戸惑ったり、命の危機に立たされたりする異世界トリップ物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-10 22:27:44
701文字
会話率:8%
別れ道で別れたはずの二人が南家で遭遇!二人はどんどん恐怖の奈落に落とされる‼︎
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最終更新:2015-04-06 00:59:26
503文字
会話率:80%
普通の高校生、久我 響は不慮の事故により命を落とす。命を落とした響が暗い一本道を歩いて行くと二本の別れ道の手前で半分が黒、もう半分が白のタキシードを着た頭に輪っかがある少女と出会う。少女との出会い、話しにより初めて自分が死んだことに気づく。
生前にそれなりに善良な行動をしてきた為、天国に行けることを知る。少女に案内され開いた扉の先にあったものとはーー折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2014-09-02 14:46:24
2350文字
会話率:51%
普通の高校生、久我 響は不慮の事故により命を落とす。命を落とした響が暗い一本道を歩いて行くと二本の別れ道の手前で半分が黒、もう半分が白のタキシードを着た頭に輪っかがある少女と出会う。少女との出会い、話しにより初めて自分が死んだことに気づく。
生前にそれなりに善良な行動をしてきた為、天国に行けることを知る。少女に案内され開いた扉の先にあったものとはーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-31 15:00:00
2534文字
会話率:45%
結婚したい私と結婚したくない彼の、別れの話。
最終更新:2014-08-30 13:24:57
607文字
会話率:10%
こちらもブログから引っ張ってきました。
同僚が仕事を辞めることを三月に聞いて、何か書きたくなりました。それがこれです。
本人には送ってません(笑)
最終更新:2014-08-25 17:00:00
295文字
会話率:0%
僕らには別れ道しか存在しない。 サヨナラなんて・・・まだ、言いたくないのに。
最終更新:2013-06-29 23:00:00
636文字
会話率:0%