賀茂光栄は当代随一の陰陽師賀茂保憲の嫡男として生まれた。
長月のある夜、父保憲に伴われて貴族の館で方違えや物忌みの儀式とその手ほどきを行って帰る時、神泉苑のそばで月明かりの中、牛車の中に美しい姫の姿を垣間見て心をときめかした。
一、二か
月後の神無月、十六夜の月の美しい夜、下人、蜘蛛丸を伴って京の都をそぞろ歩いていた光栄は、生温かい風に惹かれるように神泉苑までやって来た時、物々しいいでたちの武士の一団、検非違使庁の役人に囲まれた。
その一団の長である源満仲によると、彼らは間もなくそこにやって来る物の怪を退治するためにその場にいるとのことであった。
しかし、そこにやって来たのはあの長月の夜出会った美しい姫の乗った牛車であった。
武士達はその場を通り過ぎようとする牛車に対して戦いを挑むが、ことごとく跳ね飛ばされる。武士団の長、源満仲も通り過ぎる牛車を討とうとして倒れた。
光栄は、源満仲の命を陰陽道の術で蘇生させたが、満仲は、近くの屋敷の生け垣の後ろに隠れ、姿を見せない中将様と呼ばれる「雇い主」らしき者から事態の首尾を激しく叱責される。
光栄は、源満仲とその兵士、得体のしれない「中将」と呼ばれる者たちを後に残し、牛車の跡を追ってその場を離れた。
牛車の残像とその轍の跡から、牛車が鴨川の流れのほうへ降りて行ったことを確信した光栄は、荒涼とした薄の穂の茂る四条河原に分け入って行き、そこで、鬼の姿をした妖怪と出会うのである。
かくして、賀茂光栄は陰陽の術の持てる全てを駆使しながら事態を打開し姫を助けるための戦いを繰り広げるのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-27 13:34:56
121919文字
会話率:31%
もう何も失くなった。
私の中にあるのは、死んだ彼女の残像だけ。
最終更新:2015-06-19 22:10:29
521文字
会話率:11%
別所で公開したものを加筆修正。
ある老人の昔話。
史実を題材としておりますが、実際の人物や事件、子孫の皆様には関係ありません。端的に言えば戊辰戦争の話です。
最終更新:2015-05-09 23:01:01
2405文字
会話率:33%
一度きりの 時 巡り
会うは現
触れるは幻
残像となりし その姿
残るは夢幻の簪(かんざし)のみなり
山手に住む高校生・野村千里は、毎年恒例の秋祭りへ出かけた。そこで出会った一人の老婆。老婆は彼女にとある簪を渡してきた。
「その簪は、おめぇさんが失くしてしまった片われのもとへ連れて行ってくれるはずじゃ」
出会うことなどなかったはずの二人を、簪が繋ぐ――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-26 23:00:00
16014文字
会話率:42%
とある夏の日、高校生の男女二人が富士の樹海で自らその命を絶った。
二人はあの世に行けると思っていたが、完全に成仏しきれずに幽霊となり、しかもあの世とこの世を行き来できるイレギュラーな存在となってしまった。
憑依、物質透過、ポルターガイスト…
…二人はあらゆる手段で問題を解決し、成仏するための手立てを探していく。
※携帯で執筆のため一話分の文が少量、かつ不定期更新になります。ご了承を。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-03 00:47:44
14441文字
会話率:56%
渡せなかった手紙の残像
※pixivより転記
最終更新:2015-02-04 01:23:07
907文字
会話率:0%
26歳、光が長く付き合った恋人に振られ、
絶望の淵で失恋と向き合うお話。
失恋すると死にたくなるけど、
過去を弾けるほど光らせる。
失恋するから恋は終わるけど、
愛は泣けるほど大きくなる。
高校生のようにひたむきな、まだほんの大人の物
語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-09 12:36:40
1271文字
会話率:0%
高校生の男の子が久しぶりに夏祭りにいくと、神社の境内にには5歳ほどの女の子が。そこでのやりとりが彼を変えていく。
初投稿です。読みにくいところも多々あるかと思いますが、目を通していただけると幸いです。
最終更新:2014-07-07 12:02:53
5029文字
会話率:66%
恋は鳥のように飛んで後ろ姿の残像だけが
最終更新:2014-06-21 00:38:15
246文字
会話率:0%
母を亡くした女性。彼女の一部は母の死と共に死んでしまい・・・
記憶の断片を亡くしたが、母の残像を生活に見出していく
キーワード:
最終更新:2014-06-08 18:17:20
11439文字
会話率:13%
中学二年生の三人は、幼い頃から団地に住むお隣さんである。
一人は頭の良い重吾。次に運動大好き勉強嫌いという健太。最後に紅一点でありながらも男勝りな蜜芽。そして、それぞれ特殊な能力を持っている。
三人は毎日一緒に登校し、帰宅するとパソ
コンを通して遊んでいた。事件前夜もいつも通りにパソコンで、ゲームを楽しんでいた。そこに、最近毎日のように参加してくるカノンという少女が来る。四人で楽しくゲームに興じるが、夕飯の時間や塾の時間が来て、健太と重吾がアウトしてしまう。
翌日、学校に蜜芽が来ないことを心配した二人は、蜜芽の家に様子を見に行く。ところが、蜜芽が昨日の夕方出かけてから戻っていないと知る。
重吾の持つ力で蜜芽の『残像思念』を追跡すると、蜜芽が誘拐されたことがわかる。
中学生の二人がどうやって一人の少女を救い出すのか!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-19 20:00:00
51027文字
会話率:45%
約五十年昔のことです。
地方の駅に夜汽車が着き、そして旅立つ一瞬を表してみました。
最終更新:2014-04-13 18:10:53
1211文字
会話率:14%
『俺変』『俺イチャ』から数年後
卒業前に小月が思い出作りとかなんとか言って1泊2日の温泉旅行に行こうと言い出す
温泉はどうやら混浴らしいのだが・・・
最終更新:2013-12-30 12:02:50
10020文字
会話率:84%
某部員という名前で寄稿しました。10月二作目になってしまったので。
音楽は好きです。
H25,10月号掲載(二作目)
最終更新:2013-11-18 12:38:43
4305文字
会話率:22%
消して、書いて、作ったのは。ただの虚ろな残像
最終更新:2013-10-11 02:12:10
410文字
会話率:17%
いつになったら救われる?
最終更新:2013-09-11 16:43:48
283文字
会話率:0%
母親と娘、親子、女と女…思春期から母親に反抗ばかりしてきた36歳の娘、佐和子。離婚をし女手一つで娘2人を育てた勝気な母親、富子。 佐和子とは対照的な妹、エリカ。
かつて家族が手にした緑に包まれた幸せの象徴、高台の家。父と4人で暮らした芝生に
季節の花々の咲き乱れる母の自慢の花壇、白い壁、ハナミズキの白い花、ボーダーコリーのラルフの走る息…。
その家にしみ込んだ古い天井の濃いシミのように、家族として形あるものとしていつまでもそこに存在し続けようともがく家族の残像やいかに…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-07-04 18:52:06
233文字
会話率:0%
少年はある人の教えを守りながら生きている。
最終更新:2013-03-19 03:09:42
409文字
会話率:8%
文学部の部室には残像がいる。
最終更新:2013-03-14 09:03:51
3343文字
会話率:50%
きみが消えたのは、あの暑い夏の日だった。だからだろうか、こんな幻に遭遇したのは。【SS】
最終更新:2013-03-13 20:00:00
3781文字
会話率:9%