我孫子芽友は空気が読むことに長けていた。しかし小学高学年で、クラスメイトから『本当に空気読めないよね』と言われ、自信をなくし、中学時代も立ち直れず、知り合いのいない高校に進学した。
そこには鬼仏雫の姿があった。
中学時代、誰からも相手に
されなかった芽友に唯一話しかけてくれた相手。
卒業間近に長かった髪の毛をバッサリ切って、今の彼女の髪は短かった。
七不思議の一つ『願いが叶う案山子』の前で、涙を流しながら拝む雫を見て、彼女の願いを叶えようとする芽友。
でも、どうすればいいかわからないでいる時に、電話ボックスから呼び鈴が鳴った。
相手は異世界にいる自分で、女性だった。
彼女のことをサツキと呼んだ。
当初は疑っていた芽友だが、心が詠まれ、自分とは違い明るくとても話しやすいサツキに、芽衣は雫のことを話した。
雫を恋人にする提案をされた。
全く具体的内容もないサツキの指示に、芽友は黙って従った。
雫と話す機会も増え、馴染めなかったクラスメイトとも仲良くなっていった。
小学校の頃に彼女と会っていたことを知らされたこともあって、芽友は雫に告白したが。
芽友が好きなのは私じゃなくてサツキだと言われてしまう。
小学生で好きになって、中学の時芽友を助けようとしたが上手くいかず、そんな時に雫も異世界の男性である自分とあの電話ボックスで話し、好きになった。
髪を切ったのも、彼の声が聞こえなくなり、上手く思い出せなくて、足掻いたのが理由だと告白される。
サツキは自分が作り出した幻聴と理解しながらも話したい気持ち。
それでも雫が好きな気持ちも確かで、葛藤する芽友。
芽友はサツキが好きな気持ちを捨てずに、雫と一緒にいる決断をする。
何故なら、サツキが好きなことで、自分を好きになれて、そんな自分を好きになってくれた雫がいてくれるから。
芽友の結論に雫も同意して、これからもっと、自分も相手も好きになれるように話がしたいと、二人は思った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-10 20:23:13
97872文字
会話率:44%
自分の倍の年齢の男と結婚させられそうになったのを機に、イサナは家を出た。
思えば実家では兄ばかり優遇され、割を食うばかりだった。行きたい学校にも行かせてもらえないし、趣味だって満足にさせてもらえない。結婚が嫌と言うよりも、なにもかもが嫌に
なっていた。
食べていくために、以前から好きだった魔術を商いはじめたところ、大当たり。ついには自分の店を持つまでになった。
ところが開店直後、街の周辺では隊商の消失事件が連続して起こる。
流通の拠点として経済を保っていた街の空気は一気に悪くなる。
その上に、なぜかイサナが消失事件の犯人ではないかと噂が流れた。
そんな中、イサナの前に魔術師が現れて事件解決の協力を求めてくる―――
劣等感を抱えながらもたくましく自分で生きていこうとする、ちょっと職人気質な女の子の話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-17 23:00:00
96011文字
会話率:47%
灯里は、恋をしたことがなかった。もちろん、一目ぼれなんて言葉に対しても否定的だった。相手のことを何も知らないのにどうしたら恋になんておちるのかわからなかった。ドラマや映画を見ていても、あんな熱烈な愛を囁く自分が想像できなかった。
かっこいい
彼氏と手を繋いでデートなんて、自分には縁のないものだと思っていた。
なのに、恋をした相手は女の子。同性だったのだ。この気持ちは恋?ただの思春期?
尊敬するところはあっても、憧れはない。なのにどうしてこんなに惹かれるの?
空気よりも軽そうで、へちまのタワシよりもスカスカそうな愛の言葉が、彼女から囁かれる。
「うん、かわいいね。世界で一番かわいいよ、基準は私。
よし、すっごくかわいいからナンパされちゃうね。駅までお見送りしようかレディ」
「電車使うの高嶺ちゃんだよ」
「寂しーい、一緒に駅までいこう」
「学校が停留所なんで」
「この、スクールバス族め。ナンパの心配がなくて安心した、ナンパされそうになったら、私の彼氏の高嶺君はかっこよくてイケメンで、茶華道を嗜んでて料理ができる家庭的な男でちょっぴり音楽の成績が悪いバイオリニストっていうんだよ。わかった?」
「バイオリンできるの?」
「手拍子ができない私に楽譜が読めるわけがんないだろう」
灯里の好きな女の子は本当に心底変な子で、おバカちゃんだけど、人をドキドキさせる天才。
これは、高嶺に恋をしているがアタックできない灯里と、そんな灯里を無自覚にドキドキさせる高嶺の話である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-03 22:36:30
10118文字
会話率:60%
アメリカにて突如と現れたある種族。
その種族の出現によって、アメリカ大国は一瞬にして滅んでしまった。
首脳会談にて各国の首相を殺した種族は尖った耳に特殊な力を使い、こう名乗ったのだ。
『エルフ』と。
数か月後、どこにでもいる普通の家庭
で両親と伸び伸び暮していた鴨橋 蓮と親の都合から鴨橋家に良く泊まっていたエヴァリーナ共に十二歳は学校帰りに友人の一夏と共に蓮の家に向かっていた。
家にたどり着くと不穏な空気が漂っていた。
嫌な予感を察した蓮たち三人は、家の異変の正体に気付く。
――エルフだ。
エルフが蓮の親を惨殺していたのだ。
エルフに母の惨殺された遺体。パニックにより三人の自我が壊れそうになった時、蓮の父が助けに入った。
しかし、蓮の父は三人を逃がす事と引き換えにエルフに殺されてしまったのだ。
時は経ち、十七の年になった。
エルフは世界を支配し、日本もまた壊滅に追いやられていた。
あの日から逃げ去った蓮たちが行きついた先はエルフ討伐部隊『ハメツ』の入隊であった。
訓練学校を卒業し、蓮たち三人はハメツ部隊へ入隊する。
同時に訓練学校時代に成績優秀者十人に与えられる『刀魂』と呼ばれる武器を貰った。
刀魂とは、遥か昔、戦乱の日本を駆けた武士の魂が宿った武器の事であり、武士の魂と己の技量、それらが唯一エルフに対抗する術であったのだ。
エルフ討伐への一歩を踏もうとした時、ハメツ部隊本部がエルフによる奇襲によって崩壊してしまう。
奇襲と同時に行われるエルフとの実践。そして奇襲を目論んだのは蓮の両親を殺したあのエルフの姿があったのだ。
対峙したのだが、力及ばず逃がしてしまう。
蓮たち刀魂を持つ者たちは修行をし、人類の土地を奪還する為に作戦に参加した。
蓮やエヴァ、他の部隊は苦戦を強いられるけれど、それでも無事、刀魂と自分の実力を武器にエルフの討伐に成功して、人類の大いなる一歩を歩んだのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-03 17:11:34
46140文字
会話率:42%
普通の高校生寺川太陽は順風満帆なリア充ライフを送っていた。
ある日の放課後いつも通り彼女の霙と下校しようと校門を出た太陽は一人の刑事に話しかけられる。
下校中の生徒達の注目を浴びた最悪の状態で空気の読めない刑事は太陽にある怪奇事件についてい
きなり問いかけてくるのだった……
「この事件は君が昔投稿したVモンの話とそっくりなんだ!」
最悪な状況でオタクだった頃の黒歴史を暴露された太陽の順風満帆な学校生活はこの日を境に一変してしまった……
彼女にも振られバンドまで追い出され友達も失った太陽は絶望の中淵に沈む中やけくそでVモンを書き始めた。
「Vモンを喰らいその物語を消滅させるVモンの物語」
本当に自分が昔投稿したVモンがいるのだとすればコイツが黒歴史を消してくれるだろうと……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-04 00:09:18
21554文字
会話率:60%
時は2050年、VRMMORPGの「IDW(インフィニティ・ドリーム・ワールド)」は進化していた。全国各地の「ゲーマー管理施設」にある「ワープボックス」に「VRゴーグル」をして入ればたちまちゲームの世界に自分自身が生身で入れてしまうような
感覚を味わえるのだ。
東京都内のシェアハウスに住む、高校一年生の霧ヶ峰秀平(きりがみねしゅうへい)は同級生の親友、涼川道也(すずかわみちや)から近年話題になっているVRMMORPG「IDW(インフィニティ・ドリーム・ワールド)」を紹介され、とある理由から学校にも週一度しか行かず、それに没頭していた。
秀平(しゅうへい)ことコードネーム「シュウ」は馬鹿力で片手で剣で岩を叩き切ったりプレイヤーを百人抜きをしたりした為「破壊神」の名を持っている。しかし昔のある事件が理由でその名を嫌う。道也(みちや)ことコードネーム「ミチヤ」はその理由を知りながらも一緒に行動し、「IDW」を楽しんでいた。
いつも通り「IDW」を堪能していたある日シュウは森林にある「聖火の泉」で美しい少女に出会う。そしてその時から不思議とシュウを取り巻く空気が段々と変わっていくーー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-25 18:00:00
6493文字
会話率:41%
耳を塞ぎたい。口を塞ぎたい。目を塞ぎたい。そして、心の穴を塞ぎたい。
主人公の瀬川華那(せがわはるな)は美術部の高校2年生。
華那は自分の意思に反して、過去のトラウマを度々思い出してしまう。
特によく思い出してしまうのは、クラス
メイトの女子たちから嫌がらせを受けていた小3の頃の記憶だ。
理不尽な嫌がらせは華那の心に一生残る深い傷をつけた。
華那の唯一の異性の友人である清水雪弥(しみずゆきや)。
華那は不器用な自分とは違って、器用な雪弥の事を心底羨ましく思っていた。
五月十五日。雪弥が華那が飼っている猫たちに会う為に自宅に遊びに来た。
遊びに来る直前、学校で雪弥の異変に気づいた華那は雪弥の事をとても心配していたのだが……。
思いの外、楽しい時間を過ごす事ができた。
安堵していたのも束の間、帰り際になって華那と雪弥の二人の間に不穏な空気が流れ出す。
やがて、雪弥は自分の悩みを打ち明けてきて──?
仲の良い部活の先輩と喧嘩してしまった男子生徒。
「怪物」に執着し続けて、虚無感に苛まれながら生きている男子生徒。
「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」という病気を患い、自殺したいと思うようになった女子生徒。
心優しい性格なのだが、自分を「異物」だと認識しており、排除しなければならないと思っている男子生徒。
過去に、男子生徒がクラスメイトに嫌がらせしている様子を目撃しながらも見て見ぬ振りしてしまった事を、ずっと後悔している女子生徒。
大切な友人を支えるために今まで生きてきたのに、ある日その友人の秘密を後輩に暴露して友人を追い詰めてしまった男子生徒。
そして──……過去のトラウマや苦手な音に怯えながら、毎日を過ごしている女子生徒。
みんな異なる悩みを抱えていて、「独りぼっち」で「もがき苦しんでいる」。
誰かと繋がる事で、凍ってしまった心がほんの少しずつでも溶けていったらどんなに良いだろうか。
……多分、懸命に信じ続ける事しか他に方法はないのかもしれない。
これは、未だ脆く繊細な10代の彼女たちの灰色、青色、鮮紅色、そして朱殷(しゅあん)色が醜くこびりついた物語。
※この小説は、『カクヨム』・『アルファポリス』・『エブリスタ』でも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-04 20:50:54
127699文字
会話率:34%
1作が5~10分で読める(予定の)オムニバス青春短編小説シリーズの第14弾です。
コンセプトは「思春期の頃の自分に読ませてあげたい物語」。
実感の湧かない“突然の別れ”の物語。二度と会えない先輩を想う物語。
SS用ブログ「言ノ葉
スクラップ・ブッキング(http://mousou-story.jugem.jp/)」にも同じ内容のものを掲載しています。
なお、自作サイト「言ノ葉ノ森(http://kotonohano25mori.web.fc2.com/)」に本シリーズの「小説家になろう」版とSSブログ版両方へのリンク一覧を載せた「もくじ」ページを制作してあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-20 19:48:00
2614文字
会話率:5%
「生徒会、ないしょの欠員1」に続くシリーズ第2弾! 欠員の数も(ときどき)2人になりました。兄弟校の生徒会役員を救うため、スシくんたちの奮闘は続きます。
【前作あらすじ】泥縄第二高校と隣の県にある系列校・泥縄第一は、生徒数が下限を割って統
合されそうだった。生徒が1減となりそうな泥縄第一に、泥縄第二生徒会執行部は身代わりとして自校の生徒会長を送り込む。自分のところの人数も減っていないように見せるため、会長が必要な場面でほかの役員が頑張って化身(本人の制服を着て、同じ髪型をして、本人が言いそうなことを言う)して代役を務め、半年しのぎきった。
【今作あらすじ】もう化身しなくてよくなったと思ったのも束の間、泥縄第一の役員が学校側から中退を迫られそうなピンチが訪れる。泥縄第二の役員の面々は統合阻止のため、今度は泥縄第一の役員に化身する。後期から会長に昇格したスシは「女子役員がスシくんの目を覚まさせようと仕掛けた勝負に臨む」「化身して応援に行った泥縄第一の生徒総会が大荒れになる」「魔性の女に解職請求署名を集められる」「出場人数が14人ずつに限られた泥縄第一との交流体育祭に出ずっぱりで頑張る」という試練に立ち向かう。そして学校側による統合の検討もまた、新たな段階を迎える。
【登場人物紹介】
スシくん=後期から会長。本編の主人公。浮かれやすくフヌケになりやすいが、基本的には頼れる人
マヤさん=副会長。スシくんの彼女。おとなしくて、場の空気を優先して言葉をのみこみがち
クロハ書記次長(中身マヤ)=マヤさんがクロハ書記次長に化身した姿。マヤさんともクロハさんとも性格が違い、喜怒哀楽がはっきりしている。マヤさんが鬱憤を晴らすために化身することが多い
キラさん=書記長。スシくんのことが好きで仕方ない。副会長を狙ったが、折れて書記長に就任
クロハさん=書記次長。スシくんのことをどう思っているか、よくわからない
オロネさん=非正規役員。スシくんのことを弟のように思っている
カニくん=非正規役員。執行部でスシくんと2人だけの男子
スハさん=泥縄第一高校・中学生徒会長
【泥縄第二高校校歌】生徒作品と言いつつ本当はキュー山はちお作詞作曲、局乙来造(キュー山の別名義)編曲です。ニコニコ動画で公開中。「泥縄第二」でご検索ください。
【アクセス数】1月14日までに1017アクセスいただきました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-15 23:00:00
298216文字
会話率:51%
登場人物: 哲夫 中学2年生の時から不登校 萌花 哲夫の一歳下の妹。明るくて活発。 母 忙しい兼業主婦。萌花を精神的な頼りにしている。 父 寡黙な大黒柱。海外への長期出張が決まり、家族を残して家を出る。 祖母 女寡。
哲夫を小さいころに可愛がった。 エイ子 哲夫の中学時代の同級生。いじめの加害者。 担任 中学時代の担任。哲夫が引きこもることに反対しなかった。 アヒルおばさん フリースクールの先生。 先輩 フリースクールの先輩。絵を描き、洞察力があるが、空気が読めない。 牧野結美 哲夫が憧れるアイドル。彼女のポスターがきっかけで哲夫はバイトを始める。 おばさん アルバイトさきのおばさん。哲夫のことを一方的に敵視して苛める。 リーダー アルバイトのリーダー。イギリスにサッカー留学の経験あり。 ナースとドクター 握手会で倒れた哲夫の治療する。病巣を診断し手術を勧める。 哲夫は気が小さく几帳面だと思われているやさしい男の子。中学2年生の時にいじめがきっかけで引きこもり、不登校生となる。妹の萌花に言われた「自分のキャラクター」と言う言葉を引きずり、自分のアイデンティティーについて思い悩んでいる。 学校の代わりに親に連れられて行ったフリースクールで、同じく不登校生の先輩に会い、彼に感銘を受ける。先輩は絵を描くこととテレビで見る「歌のお姉さん」に夢中で、高校を受験して先にスクールを卒業した。哲夫はフリースクールを辞めてしまう。 中学校の校長、フリースクールの先生、両親の努力など様々な救済策が取られるが、哲夫はその支援の手をすり抜けてしまい、なかなか社会に戻ることができない。中学校を卒業し、通信制の高校生になるが失った青春を取り戻せないままでいた。アイドルの牧野結美にはまり、彼女がきっかけで再び社会に出る。彼女に会いたい一心でお金を貯め、握手会で彼女に会いに行くことを決心したが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-22 18:44:41
63970文字
会話率:16%
成績不振を理由に、学校を退学になってしまった主人公ローランド。
しかし、実は自分の魔力が強すぎて普通の杖では魔法が発動できないことが発覚する。
その秘めた力が認められ、リメリア王国一の美少女と名高い王女リースの護衛のために、王都にあるラスタ
ード魔法学園へ通うこととなった。
隣の席になったリース姫と仲良くなり、護衛任務を忘れ学生生活を楽しむローランド。しかし、同級生の闇の力の暴走や怪しい行動をする貴族などが現れ、不穏な空気が流れ始める。そんな中で、敵対している帝国のスパイがクラスメイトに紛れ込んでリース姫を狙っていることが発覚し、その人物を捜し出すことに。
果たして、帝国のスパイは誰なのか?
旧題 2度目の学園生活は、魔法世界一の王女とともに
※この作品はカクヨムにおいても投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-23 22:22:59
99579文字
会話率:55%
二学期の初登校日に加藤静波は担任の長川先生が学校の正門から教室まで自然のままの坂を上ってやってくることを思い出す。自分もやってみたいと思うが、先生にやり方を聞くことを逡巡してしまう。そこで静波は一学期の時から何も変わっていないと言われている
ような緊張した空気と、何か新しく変わっていくかもしれないという優しい空気の両面を感じ取る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-22 18:29:43
676文字
会話率:0%
____自分を作って過ごしていた中学時代…。誰とでも仲良く、学校の中心だった僕は、本当の僕ではなかったのではないか。それが本当にやりたいことだったのだろうか。
人を信じることができなくなった僕は、自分さえ見失ってしまう。
すべて自分
が悪いのに…。
勝手に好きになって、勝手に嫌いになって。もうそんなのは嫌だ。
やりなおすんだ、新しい地で。
__________________________________________
人の発する言葉、雰囲気から、相手の気持ちや場の空気を理解する能力に長けている少年は、その能力ゆえの苦悩があった。
その能力の上で出来上がってしまった性格は、人当たりがよく、みんなの人気者だった僕は、本当の、飾り気のない僕なんだろうか。
いいや、違うだろう。やりなおそう。こんなのは僕じゃない。
もう一度、作り直すんだ。『僕』を変えよう。
さぁ、『俺』を作るんだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-25 23:42:45
2681文字
会話率:0%
私、小畠二三子は14歳にして、自分にとって無難に生きることは大変に困難であることを悟った。
いや、それ以前の幼少期から、具体的に言うと小学校入学式に、期待と不安でひしめく体育館から逃げ出したくなった時点で、本能的に勘づいていたのだ。
それを
気のせいだと、そんなはずは無いと長年無意識下に沈めていたのだ。
認める勇気が無かった。自分が普通以下だということを。
そんな彼女の日常がある空気の読めない自己満足のアンポン男子先輩との出会いから少しずつおかしくなっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-20 16:33:26
11542文字
会話率:28%
生まれつき体が弱いシェルローザは、空気の良い場所で療養するために都会を離れ、人口五百人程度の常夏の島へとやって来た。付き添いには執事と主治医。しかしろくに学校にも通えず、ほとんど運動もしたことがない彼女は、場所を変えたところで自分の病気は治
らないだろうと悲観していた。
ところが島で天真爛漫な少女ベルと出会ったことで、シェルローザの心に少しずつ変化が訪れる。はじめは自分と正反対のベルに戸惑っていたが、自分の元へ訪れて集めた貝殻を見せてくれたり、島での冒険譚を話してくれるうちに少しずつ好きになっていった。都会の学校で自分はきっとみんなから忘れられていると話したとき、ベルは言った。「人魚姫みたいだから、簡単に忘れないと思うけどなあ」と。シェルローザはその言葉を頬を染めて聞いた。
シェルローザが島に来て一ヶ月半が経った頃、港町で祭が催された。ベルに誘われて祭に参加したシェルローザは、その時初めてベル以外の島の子供たちと会う。健康な彼らを見て、シェルローザは自分の体質に劣等感を抱き、ベルの友達にふさわしくないと感じてしまう——。
※この小説はpixivにも掲載しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12094127折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-27 12:38:37
25326文字
会話率:48%
スクールカーストという悪しき制度が蔓延る昨今、学校と呼ばれる空間においてオタクの扱いはやはり良いものでない。
ただ自分なりの生き甲斐を見つけただけなのに、彼らは教室で、あるいは行事において、積極的に学校生活を楽しむ事を許されない。
「でしゃ
ばるな」「空気を読め」「何をイキってんだオタク風情が」
いわれのない軽蔑を恐れ、オタク達は自分を抑えて空気の読解に勤しむ。
しかし思春期の自尊心はそんな下らない事に屈したりしない。
「オタクだって、青春して良いじゃない」
かくして、三人のオタクが立ち上がった。
ライトノベルを創作したり、好きな曲の踊りの振り付けを考案したり、イラストを描いてみたり。
これは開き直ったオタク達が全力でイキってみせるお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-23 03:00:00
1805文字
会話率:30%
小学校6年生の一学期。
市松人形のように端正な容姿を持つ転校生が、クラスにやってきた。
しかし、彼女は自己紹介の段になっても、自分から口を開かない。
先生は、彼女が人前でしゃべることができない病気であることを語る。
なじんだ空気であれば
話せるかもと聞き、彼女が話せる雰囲気を作るため、接していくクラスの一同だけど……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-03 22:04:35
3640文字
会話率:17%
主人公(少年)、城田イブキは自分にとっては暗い日常を送っていた。小学生の頃のイブキはクラスの中で一番、明るい子供だった。その頃から、不思議な夢を時々見ていた。イブキは中学生となり、最初は明るく友達想いだった。ある日、友が多数の同じ学生に殴ら
れているところを見て、友を助ける為に、奴らに立ち向かったが、返り討ちにあった。奴らは去って行き、友はイブキに何も言わずに去って行った。一週間後、イブキは怪我が回復し、学校へと行く。しかし、イブキは厳しい現実を見る。友はあの時の奴らと何故か仲良くなっていた。奴らはイブキを見るなり、からかいを越えたイジメになっていた。何とか中学校を卒業し、高校生へとなるが、イブキは心を閉ざし、友達を作らなかった。イブキはイジメを目にしても見て見ぬ振りをする日々。そんな中、父親と母親の仲は悪くなり、離婚してしまう。父親に引き取られた。高校二年生のイブキは退学し、アルバイトをして生活をやりくりしていた。一方で父親は夜遅くに帰ってくるなり、酒を飲むばかりだった。そんな父親が嫌いなイブキは、父親が帰ってくる前に、アルバイトを終えて、顔を合わせないずに自分の部屋で眠っていた。
そんなある日、アルバイトから帰ってみると、いつも通り、父親は居らずだが、変な空気がしていた。すると、テーブルの上に書き置きを見たイブキは内容に驚く。イブキは家を飛び出し、街中を走りまわった後、公園へと入る。ブランコへと乗ったイブキは、今までの事を振り返っていると、黒ずくめの男と出会う。そこから始まる物語。
イブキは突然と異世界へと移転し、少女との出会いから新たな人生が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-18 12:39:56
18617文字
会話率:40%
高校生の治子は学校に忘れ物をしてしまい、恋人の一樹と夜の学校に忍び込む。
ドアはロックされており、足元の空気窓から侵入成功。
帰ろうとしたそのとき、廊下から足音が聞こえる。二人は机の陰に隠れて息を殺す。
開けっ放しにしていた空気窓から見えた
足は、赤いロングスカートだった。
自分たちのような生徒が他にいたと思った。一樹は好奇心から静かにドアを開け確認してみる。
赤いロングスカートの正体は、この世のものではなかった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-25 09:31:25
837文字
会話率:9%
人は人である。
これは揺るぎない事実である。
その事実を変えられる者なんていない。
はずだった。
俺の名は 普通のぼっち高校生だ。
趣味はゲーム、アニメ等。いわゆる只のオタク。
クラスで誰にも気にされない空気っぷりは誇れる程だ。
何気な
い毎日を過ごし、迫る進路から目を逸らし、日々妄想の世界に生きている。
「何か面白い事起きねぇかなー」
いつも呟くが世界はつまらないまま着実に衰退していっている。
退屈だ。退屈だ。退屈だ。退屈だ。退屈だ。
小説の中では異世界が広がっていて、その物語の主人公は苦しい思いをしながらも新しい人生を楽しくしている。
自分も異世界に飛ばされたらいいのにと心底思う。
そんな日常のある日。
今は学校の帰り道。
「人間はなんでこんなにつまらないんだ!」
突然頭の中で大音量のアホな叫びが響き、顔を顰める。
「あー、私は神です。」
先程の声の主が言った。
「この世界は非常に退屈になりました!なので、私こと神が楽しくしてあげましょう!」
意味不明だった。
だが、声の主は世界を楽しくしてくれそうだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-24 19:34:54
474文字
会話率:18%