五郎太は十五年ぶりに比叡山に登った。
かつて出家として山上の洞春院で修行していたのだ。その洞春院も今は灰燼に帰していた。
修行していた当時、非業の死を遂げた少女・るりを供養してやったことがある。
ある夜の夢に、るりが出て来た。すぐに山を下り
なさい、という。
織田信長軍による叡山焼討ちの前夜だった。
※ この作品は「北条かおる小説工房」(第92夜)に掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-15 10:20:45
9440文字
会話率:12%
信長による、比叡山延暦寺焼き討ち。
その直前という最悪なタイミングで、当の延暦寺のトップに憑依してしまった男。
身体の持ち主の寿命はすぐそこだし、かといって放っておいてもいろいろとヤバイ状況。
少しでも長く生きるため、今、天台座主の奮闘が始
まる!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-09 23:17:24
9213文字
会話率:26%
日本の仏教界の比叡山と並ぶ聖地、高野山内で、1人の尼僧の首吊り死体が発見された。このショッキングなニュースは全国の真言宗の末寺まで伝わり、高野山尼僧学院は、一度廃止になる。苦慮する高野山の高僧達だが、再び期間を二分の一にして尼僧学院をオープ
ンする運びとなった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-29 00:36:28
870文字
会話率:0%
元亀二年九月十二日――この日、信長の手によって比叡山の焼き討ちが行われた。
僧侶、学僧、児童――逃げ惑う多くの者が見つけ次第、斬首され、踏み躙られていく中で、一人の僧侶がある術を用いる。
憎悪を持って行われた儀式は、魔を司る大門を押し開く
禁断の秘術だった。
僧侶の命と引き換えに押し開かれた地獄の大門からは、無数の亡者共が溢れ出し、それは見境無く暴れ出した。
これに対し、信長は一時撤退後、二度目の比叡山進攻を開始し、著名な僧侶達の協力の下、比叡山に開いた大門を封じる事に成功する。
しかし、時既に遅し――
秘術によって空間の繋がりが乱れた事によって、各地で地獄の門が開き始める。
そして、そこから溢れ出た亡者達は圧倒的な数と力で、人々の住処を奪っていった。
元亀三年二月十日――多くの国が亡者を前にして崩壊していく中、ようやく各地の大名達は生き延びる為に手を組み始める。
全ての国が同盟によって結ばれた頃、日本の半分は亡者が蠢く死の土地となっていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-14 12:50:17
73908文字
会話率:28%