ベアトリスの一生を回想するのは、私にとって哲学に似ている。
一連の事件を経て、彼女は巷で悪魔の子と呼ばれた。それはまさしく彼女にふさわしい形容詞であったが、
今になって思えば、それは客観的事実でもあった。
16歳になろうかという冬、彼女
は捕らえられた。聞くところによると、裁判中も暴れることもなくニコニコとして(不真面目とも思ったが)、おおむね大人しかったようだ。裁判を珍しがったらしい。純粋で悪戯好きな子供。最後までそんな印象だった。
私も一度傍聴に行った。傍聴席の私を見つけて、笑いながら手を振った彼女をいまだに忘れられない。
私にとってはそれが最後の彼女の姿となった。私は手を振り返せなかった。なにか言ってあげたかった。
異例だったことは言うまでもないが、彼女には死刑が言い渡された。
最終的に彼女はある監獄で留置中、17歳でその短すぎる一生を終えたといわれているが、その監獄は今は倒壊して廃墟となっている。
遺体は確認されていない。
彼女の超自然的な「力」――—破壊力とでも言おうか―――の秘密を解き明かそうと、研究者たちは躍起になっていたようだが、世論や司法がそれを許さなかった。彼女はそれを知る由もないが、処刑後、遺体を手に入れようと手を回す組織まであった。
人は皆、運命の奴隷だ。ベアトリスも自分の運命に振り回された人生だったのかもしれない。彼女のレールを作ったのは、彼女以外のものたちだ。ベアトリスに選択の余地はなかったのかもしれないと、今は思う。
彼女の力は、使い方次第でひとを生かすこともできたはずなのに、それを選ばなかったのは彼女だ。彼女の抱えていた破壊願望の身勝手さは擁護しようもない。だがその彼女の在り方さえも、私にはまるで…。
ベアトリスの一生がどんなものだったのか。
どうしても知りたかった。
そのために私は、
(以下、手記が破れていて読めない)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-04 09:02:32
27561文字
会話率:34%
未来(あす)を、変革する――
少女達の、戦いの夏休みが始まる。
2059年。安全神話の崩壊と共に、治安情勢や世論にも影が差しつつあった日本。
そんな日本の東京で生きる女子高生・虹丘藍理は、同級生・彩野あやめと『契約』を結び、同志となる。
そして、2年生1学期の終業式の日、藍理たちの長い戦いが幕を開けるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-20 07:11:53
3091文字
会話率:55%
以前ブログにてアップしていた連載小説の再投稿と続編となります。
あらすじ
20X5年。世界は民間人の命を削ることなく軍属同士での戦争を行っていた。テレビやラジオから流れる戦況報告は安全を確保された民間居住区の住民にとっては現実世界ではな
いアニメの世界の出来事であった。その戦争が始まり3年がたったころ、争いの火の粉は最悪の形で綺音たちへ降りかかる。
20X8 1月『東都北部民間居住区誤爆事件』。綺音たちが所属する学生バンド『Peace Generation Four』のラストライブの最中、悲劇は起こった。帝都上空で戦闘を行っていた帝都軍と皇国軍の無人軍用機の流弾がライブハウス『クレイドル』に飛来・爆散した。死者6名、負傷者17名。軍は戦争が終わるまで保護という名目で関係者および被害者を監視下に置いた。奇しくもこの戦争における初の民間人被害を出す事件となったこの事件をきっかけに世論はようやく終戦へのベクトルを歩み始め、間もなく『東都戦争』は終戦を迎える。
多くの人間に本当の平和が訪れた一方、『クレイドル』、とりわけ『Peace Generation Four』に関わっていた人物には大きな犠牲と痛みを残した。 歌う意味を見失いまた、負傷した両腕のせいでギターを弾き歌うことができない綺音。凄惨な光景の前に記憶と心を失い歩くこともままならなくなってしまった美桜。
何もできなかった自分を責め、鳴るはずのない携帯を握りしめ悔やむ優斗。未完成の最後の曲を届けられないまま命を落とした紘子。
仲間のいない教室・みんなで残すはずだった教室の落書き、旅立ちの歌、煙になって消えていく魂をつなぎとめるその絆の意味を彼女たちが理解するにはまだ若く、重い。
爆撃の跡から復旧したクレイドルで物語は小さな音を立てて動き出す。音楽とバンドを絆に再び彼女たちは仲間の待つステージへ歩みを向ける。かけがえのない仲間のため、
歌でしか残すことができない彼らと生きていた証を響かせるため。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-10 20:07:11
91265文字
会話率:54%
第三次世界大戦後の世界は、獣人(新人類)のものとなっていた。
以前は奴隷のように扱われていた旧人類も、戦争開戦から99年後の
今では解放した方がいいという世論も多くなっていた。
一方で、それを良く思わない人たちもいた。
新人類の解放派マリ
アとそのメイドで旧人類の、イフリート。
そして、謎の人物ノウマン。
三人の思いが交錯し、雪の降る世界で物語は始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-08 16:34:14
17390文字
会話率:30%
あくまで、僕の自論にしか過ぎないお話。
最終更新:2015-10-12 22:14:37
642文字
会話率:0%
暮葉 驟雨。センターシティー・ゴーラ。2262年生~2296年没。代表作、『ドンファンまがい』『屍臭期』。二十歳で処女詩集『ドンファンまがい』を世に出し、一躍時代の寵児となる。放蕩無頼の詩人。醜悪な容貌だったが女性にはモテた。恋人を奪われた
男にナイフで襲われ、絞殺したため過剰防衛で訴えられる。不倫や未成年への淫行などで世論の批判を浴び一気に凋落。失意と貧困の内に自殺した。長雨の夜に彼のアパルトマンで発見された遺体は腐爛が酷かった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-10 17:00:00
1084文字
会話率:0%
訳あって大学を辞め家に引きこもっている佐伯みのりの元に、その報せが届いたのはクリスマスイブのことだった。
件名【訃報】
差出人は高校卒業と同時に別れた元恋人・廣岡亮。
それは、元クラスメイト高嶋玲奈の父親の死を報せるメールだった。
『
遺族の強い希望により死因は公表されておりません』
ーー公表はしない。
だがその代わりに、公表しないという事実だけを曝したその文句に世論が翻弄される。
数ヶ月ぶりに家を出たみのりは、亮と2人、高嶋玲奈の家へと向かう。
※他サイトとの重複投稿です。
そちらの方が先行しています。
登録ユーザー名が違いますが本人です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-09 01:39:59
146041文字
会話率:20%
これはAB型(恐らく関係はありません)の作者による独断と偏見による世の中への疑問、不満を言う作品。
最終更新:2014-11-23 22:33:34
1570文字
会話率:0%
世界にはたくさんの恋や愛が落ちている。 その恋を落とす物、拾う物。 そうやって、恋愛という一つの形になるのだろう………
色々間違ってんだろうがぁぁぁぁぁ‼︎
落ちてるボケは見逃しません! たとえ二徹(二日徹夜)でも
拾いきります! 青田の世論に対するツッコミ人生、いざ開幕!
※不定期、実体験を元に執筆(笑)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-07 23:58:56
1761文字
会話率:37%
平凡な高校生であるところの浦和秀平は、高校二年生になったある日、ひょんなことから同じクラスで有名な歌手『秦ノ杜華恋』こと恋ケ淵凜空から、歌手活動についての悩みを打ち明けられる。世論を見返すため、ひいてはすべてのトリガーである存在"
井岡"に土下座をさせるため。浦和秀平・恋ケ淵凜空の協力する過程を描く。
※所どころに実在するライトノベルのタイトルが出現しますが、それは小説上の
設定ですのでよろしくお願いします。
なお、星空文庫様の方でも、この小説を掲載させていただいております。
ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-02 02:46:18
14646文字
会話率:70%
都内に流れ始めた、たわいのない都市伝説。
しかしそれはある事件と結合し、修飾されていく。
それは結果的に、世論の好奇心を刺激するに足る物となっていく。
だが、人はいずれ知る。
世の中には触れてはいけない部分があるということを。
火中の栗は熱
すぎるということを。
好奇心は、猫をも殺すということを。
※2014夏のホラー参加予定作品です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-10 20:00:29
29105文字
会話率:19%
さほど遠くない2020年の近未来現代。ギリシャ共和国の経済危機はずるずる続いて、国の政治存続が他国の支援があってもあと5年程と、カウントダウンまでもが、全世界と世論で噂されていた。
そんな中で過激派とも呼ばれる『アイテオ(要求)党』が第
一次世界大戦後のナチスドイツの如く登場。彼らは世界中に散らばったギリシャ文明美術を各国から返還させ、観光強化で景気を取り戻そうと『ギリシャ美術・全返還運動』を起こし、特に歴史的には因縁深きイタリアには鋭い矛先が向けられてしまい、更にギリシャのイタリア人観光客も、この因縁からか、5名の行方不明者が出ていたが、運動影響で現地調査が滞っていた。
そこで、イタリアの特別上院議会による緊急会議にて、芸術省長官の『ジョヴァンニ・ゴンブリ(65)』は、議題の【ギリシャに威嚇しながらも進撃出来る存在でしか、ギリシャやそこにいる不明者の元へは行けない】との議論混沌の中で、近年普及しだしたばかりの人工筋肉ロボット素体を大量購入し成型、遠隔操作する巨人型・人道的破壊兵器・『ウマーネ・アルミ』を提案し、他に案も無いため即採用、2ヶ月の急ピッチで製造する。
全長80メートル。偶像にならぬよう顔のない筋骨隆々で、白い男性像そのもののギリシャ彫刻風巨人を遠隔操作し、体内中央には『陰部型放水機・プリアポス』から最大8000リットル放水して威圧する必要最低限の武器で、人道的破壊兵器として制作された。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-24 14:25:46
9240文字
会話率:42%
ある一人の青年が、ひょんなことから魔女裁判へ赴くこととなった。
被告人は絶世の美少女。彼女の死はほぼ確定的だ。世論や傍聴席、検察などが彼女を追い詰めていくが、被告の魔女はたおやかにゆるゆるとそれら追従をかわしていく。
魔女はその裁判で何を思
うのか。男は魔女を見て何を感じるのか。
二人の視線が交差するとき、物語は思わぬ方向へ進んでいく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-10-15 20:34:07
1010文字
会話率:0%
札幌市の近隣に位置する北国市役所。主人公の木村有子は、入庁五年目で初の人事異動を迎えた。事務処理は得意だが、人間を相手にする仕事には強い苦手意識を有する彼女に示された異動先は、なんと市役所職員の誰もが行きたがらない「保護課」だった。
生
活保護受給者(ケース)に対して、様々な指導やケアを行わなくてはならない保護課。係員はケースワーカーと呼ばれている。
アルコール依存症を始めとする様々な依存症や、鬱病、統合失調症などの精神疾患のケースが巻き起こす色々な事件。更に偽装離婚、車両運転、無届稼働などの違反が横行する現場。ネグレクト、DV、発達障害…困難な問題がうずまく。やくざまがいの人間もやってくる。
有子がそこで出会ったのは、単なる経済的困窮者ではなく、それぞれの事情で、家族や近隣とのコミュニティから疎外された人々だった。
ケースワーカーの仕事は、有子が予想していた経済的支援にとどまらず、本来ならば扶養義務者が果たすべきことまで要求される。遺体の身元確認や遺骨拾いまで。相手がケースだというそれだけで、ケースワーカーには何でも押しつけられる。…いいのだろうか、生活保護はこんな制度で?…戸惑う有子。
不正受給が明らかになるたびにマスコミから糾弾され、一方で水際作戦(生活保護を申請に来た人に対し色々難癖をつけて申請書を渡さないこと)により生活保護を受給できずに餓死者が出るたびに糾弾される保護課。
マスコミや世論は振り子のように大きく揺れる。しかし、マスコミにも市民にも保護課の職員の日常やケースの実態、生活保護制度そのものが正しく理解されているとは思われない。また、議員からの横やりも入る。
それらを全て受けながらも、係長や先輩たちは、ひたすらケースワークに励む。ケースの最低生活の保障と自立助長のために。
新人の有子と、彼女を優しく育て上げる女性係長の柏木。そして、有子にぞっこんだが、上手く心を伝えられない先輩の北村。同僚たち。チームで頑張る保護課西部保護係の面々の活躍と、有子の成長、そして北村との不器用な恋愛を描いたお仕事小説。これを読めば、ついでに現行の生活保護制度の実情とそれがいかに機能不全に陥っているかが分かります。
なお、本作はフィクションであり、実在するいかなる団体、人物とも関係はありません。しかし、作者はケースワーカー四年、係長四年経験者です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-11 17:20:47
155809文字
会話率:39%
どこかの世界、
人類の帝国は魔族の領域へ侵攻を開始した。
これはその動乱の最中、足掻き続ける群像劇。
いつかの時、
諸種族連邦は潜在的な危機を迎えようとしていた。
楽観が議会を支配し、民衆と世論は平和を享受することに慣れきっていた。
こ
れはその時代、老いた軍人と若き宰相がより良き道を探る物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-09 22:53:02
2546文字
会話率:52%
荒廃する学校教育現場。官僚のお仕着せ学校教育制度に自由化を渇望する世論。果たして真の教育制度改革は実現するか?
「学習塾・予備校・フリースクールの評判・口コミ・授業料」に掲載中の教育小説。
最終更新:2012-08-23 01:55:08
5540文字
会話率:20%
滑稽。それは、私が日本人というものに抱く感情である。※見る方によっては、不快感を抱く可能性もあるので注意してください。
最終更新:2012-04-20 00:38:50
3532文字
会話率:22%
国家破綻後、世界連合の信託統治下にある東京。
新米保安官補である関口伸一は、巡回の途中で商店に押し入る強盗と遭遇し、一般市民を巻き込んでの銃撃戦の末に犯人一味を取り逃がすという大失態を犯してしまう。この一件がマスコミの報道に火を付け、関
口個人の責任だけではなく、日本の信託統治の是非にまで世論は紛糾し始めた。
一方、武器密輸シンジケートを追っていた関口の先輩保安官である笠木昭雅は、自身の経歴を買われ意外な任務を与えられる事となる。
果たして、関口は強盗団を検挙し自身の汚名を返上することができるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-23 12:45:51
266135文字
会話率:47%
子供の頃から今までに体験したり、見聞きしたことから学んだエッセイ集。短歌や川柳も交えて綴る人世論。
最終更新:2010-11-17 00:34:58
783文字
会話率:0%
馬鹿な男が一人、今日も走るもがいて、苦しんで、それでも走る
最終更新:2007-02-16 19:02:44
1920文字
会話率:16%