# 元禄密事剣 外伝「時の流れ」
## 作品紹介
元禄期の江戸を舞台に、赤穂事件の裏面を描く時代小説。南町奉行所の密偵として活動する商人・若木屋真之助が、歴史の重大な転換点に立ち会い、その意味を見つめていく物語。全三部作を通じて、武士道精
神と町人意識の覚醒という二つの大きなテーマを描き出す。
## あらすじ
### 第一話「影の邂逅」
元禄12年9月、本所・深川の地で、密偵の真之助は変装した赤穂浪士・堀部安兵衛と出会う。吉良邸を探る浪士たちの動きを察知しながらも、時代の必然として見守ることを選択する。新設の遊女屋「松の家」を舞台に、歴史の暗部が描かれる。
### 第二話「陣太鼓の夜」
元禄14年12月14日、討ち入り当夜の本所を舞台に、歴史的瞬間が描かれる。真之助は、二年前に出会った浪士たちの最期の行動を目撃する。陣太鼓の音と共に、武士の生き様と、時代の大きな転換点が浮き彫りにされる。
### 第三話「民の目覚め」
討ち入り後の江戸で、芝居小屋を発端とする新たな動きが描かれる。町人たちの意識の芽生えと、それを警戒する権力側の動き。真之助は、両者の間で時代の大きなうねりを感じ取っていく。民主主義の萌芽とも言える社会変革の予感を描く。
## 主要登場人物
### 中心人物
- 若木屋真之助(25歳)
- 呉服問屋の次男
- 表向きは遊び人、実は南町奉行所の密偵
- 鋭い観察眼と深い洞察力の持ち主
- 時代の転換点に立ち会う「歴史の目撃者」として物語を導く
### 幕府側
- 井上正行(55歳)
- 南町奉行
- 時代の変化を察知する老練な行政官
- 真之助の密偵としての才能を見出した人物
- 鍋島善九郎(32歳)
- 南町奉行所与力
- 真之助の直接の指示者
- 実務能力に長け、現場の状況を詳しく把握
### 密偵網
- 小衣太夫/糸子
- 遊女屋「松の家」の遊女(後に魚屋の女房)
- 南町奉行所の密偵
- 本所での情報収集の要
- 春木半兵衛
- 南町奉行所同心
- 変装の名手
- 町の動きを探る重要な情報源折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-01-12 20:10:00
13283文字
会話率:46%
色街花街ここは吉原、傾城の箱庭に噂お一つ紅紋婆。阿弥陀堂の僧清秀と連れの小坊主は、呼び出された遊女屋で物の怪退治を依頼される。夜な夜な現れる紅紋婆の末路は如何に。
最終更新:2024-07-15 16:20:00
2271文字
会話率:64%
この物語の主人公は、越後の百姓の倅である。
本当は跡を継いで百姓をするところ、父の後釜に邪険にされ家を出たのであった。
江戸に出て、深川で飛脚をして渡世を送っている。
歳は十九、取り柄はすけべ魂である。女体道から女観音道へ至る物語である。
慶応元年五月、あと何年かしたら明治という激動期である。
その頃は、奇妙な踊りが流行るは、辻斬りがあるはで庶民はてんやわんや。
これは、次に来る、新しい世を感じていたのではないのか。
日本の性文化が、最も乱れ咲きしていたと思われるころの話。
このてる吉は、飛脚であちこち街中をまわって、女を見ては喜んでいる。
生来の女好きではあるが、遊び狂っているうちに、ある思いに至ったのである。
女は観音様なのに、救われていない女衆が多すぎるのではないのか。
遊女たちの流した涙、流せなかった涙、声に出せない叫びを知った。
これは、なんとかならないものか。何か、出来ないかと。
……(オラが、遊女屋をやればええでねえか)
てる吉は、そう思ったのである。
生きるのに、本当に困窮しとる女から来てもらう。
歳、容姿、人となり、借金の過多、子連れなど、なんちゃない。
いつまでも、居てくれていい。みんなが付いているから。
女衆が、安寧に過ごせる場を作ろうと思った。
そこで置屋で知り合った土佐の女衒に弟子入りし、女体道のイロハを教わる。
あてがって来る闇の女らに、研がれまくられるという、ありがた修行を重ねる。
相模の国に女仕入れに行かされ、三人連れ帰り、褒美に小判を頂き元手を得る。
四ツ谷の岡場所の外れに、掘っ立て小屋みたいな置屋を作る。
なんとか四人集めて来て、さあ、これからだという時に……
てる吉は、闇に消えたのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-29 22:05:25
143797文字
会話率:76%
街道沿いに立つ、非合法の遊女屋でもある旅籠の養女として引き取られた「私」は、ずいぶんと長く虐げられ、醜女と言われながら、朝から晩まで下働きをして暮らしていた。
そんな自分の名を呼んでくれるのは、年にたった一度。桜のころに秘密裏に届けられる
誰かからの文(ふみ)だけ。
慈しみにあふれ、毎年一通ずつ増えてゆくそれらを心の拠り所に生きてきたが、ある日、とうとう養母に戒められた禁を破ってしまった。外の客に顔を見られたのだ。
「私」の運命は。
まさか、このまま──?
五千字弱の和風短編。ひとの子の乙女と、いつかのときに約束を交わした「文の君」との物語です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-21 12:51:23
4498文字
会話率:15%
その昔、陰陽師と呼ばれる代物がいた。
忍びに使え、暴君に使え、遊女屋に使え、詐欺師に使え、何もしない者がいた。
時は遡り、令和となる現時代で人知れず森で屋敷暮らす青年の下に、五人の来訪者が顔を隠して屋敷に上がり込む。
真相がわからず、混乱す
る青年に唐突に訪れる不幸は来訪者を思わぬ展開へと呑み込む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-07 10:15:37
7750文字
会話率:43%
主人公ザントは遊女屋に居残り用心棒をしている。
彼のもとには日々トラブルが巻き起こり、それをそつなくいなしつつ、それなりに面白い毎日を送っていたわけであるが……。
小さな出来事の積み重ねが、やがて大きな事件を呼び込み、
本人の意思に反して
、そのしがない一用心棒は見る見るうちに世界の中心へ。
しまいには、世界を救ってしまうのかもしれない。
というお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-03 20:02:05
36393文字
会話率:34%
蒸気機関の発達したもう一つの日本。
プロペラの力で空を飛ぶ空中遊郭「天原」に暗殺者の少年〈鉛〉が潜入する。
〈的〉は天原一の大見世「白寿楼」の主、九十九屋虎兵衛。
ところが、ひょんなことから〈鉛〉は「扇」と名を変え、天原に暮らすことになって
……。
暗殺者の剣士。「興」を重んずる遊女屋の楼主。
そして、天原に住む人々が織り成す冒険活劇ファンタジー。
はじまり、はじまり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-02 07:12:40
1705872文字
会話率:50%
まるで硝子でできたような、儚く美しいその鳥籠には一匹の烏が囚われていた。
美しい漆黒の可愛らしい鳥。
天女様に愛でられ、愛され、そして天女様を愛する鳥。
だけど天女様は病気になり、余命幾ばくもなく・・・。
最終更新:2012-05-13 02:31:54
4565文字
会話率:11%
黒い・・・禁忌と呼ばれる色を持つイツクは、大輪の薔薇のような男天女と出会い、恋に堕ちる・・・。
何も知らないイツクと、少しだけ不器用な男天女の物語。
*サイト公開済み
最終更新:2012-01-04 10:15:05
22699文字
会話率:21%
とりあえず保留・・・
*サイト掲載済
最終更新:2012-01-03 02:30:26
17486文字
会話率:22%