─その日、空から数多の羽根が舞い降ちた─
『─犯人は捕まっておりません。目撃情報を─』
警察官を襲って拳銃が奪われた事件。襲われた警官は、喉を裂かれて死亡。目撃者もいない。
最近、こんなニュースが多い。
最近?
いや分かってる。
あの
日から……。
「ちょっと走ってくる」テレビを見ながらスマホを弄る弟に告げると、家を出る。
桐山睦月、大岐成高校普通科の二年。運動はできるが、文芸部所属の男子。身長178センチ、体重65キロ、AB型。比較的イケメンとは思うが、彼女はいない。理由は別にあるが、文芸部に所属しているところに理由の大半……。それが俺。以上、説明終わり。
いつからか日課になった、ランニング。
同行者を迎えに行く。
「遅〜い。睦兄」
少し行った家の前で俺を『睦兄』と呼ぶのは、如月夏海。弟の同級生で、俺とも幼馴染の中学三年生。
ショートカットの活発なイメージの女の子。ちなみに俺と夏海、二人共ジャージ姿で、一見するとランニング大好きな兄妹といったところ。
ランニングは、公園を抜けて、中学校の裏手に回る。
「今日も出るかな?」
「探せるか?」
そう、ここ三日、ちゃんと走っていない。別のところに目的がある。
中学校の裏手、人気のない事を確認した夏海は、猫化の動物のように靭やかに身体を縮め、伸び上がる勢いのまま、裏手から中学校の屋上へと跳び上がる。
繊月が薄く微笑む夜。
屋上の角に立った夏海が、瞳を閉じ、歌い始める。
賛美歌のような異国のリズムが静かに拡がっていく。
アルトからソプラノ。
そして、もっと高く。
「見つけた!」
夏海の声に、俺は走り出す。
虚空に差し出した右手に、黒塗りの曲刀が現れる。
路地の隅、暗がりに曲刀を薙ぐ。
── ギシャ!
続けて、もう一振り。
── ギシャ!
二匹目の陰から三匹目が、背後から四匹目が飛び出してくる。
俺は、無手の左手に現れた短刀を上空に投げると、躊躇わず三匹目を斬った。
四匹目は、落下しながら上空で短刀を掴んだ夏海が、そのままの勢いで首をはねていた。
「今日は四匹だけかな?」
「わかんないね。でも、根岸はいなかった」
「ああ、隠れてんだろ」
「どこに隠れてるんだろね」
絶対に見つけてやる。俺は、手を握りしめた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-04 07:53:57
56275文字
会話率:35%
「風が吹いて」で始まる、4つの全く違う短編を用意しました。
【1話目】のこちらは、長閑な南国の島国が舞台。
海の中には、色取りどりの美しい生き物に混じって、沢山の沈没船が。
今日、いつもと違う風が吹いたことにより、島々に不穏な空気が漂い
始めます……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-31 21:11:45
8734文字
会話率:42%
この街は、変に田舎だ。
自然崇拝が残っているし、景観もレトロだ。
方言もよくわからないとしか言いようがない。
海の声が聞こえる。
爽やかな潮風にのって、こちらに伝えにくる。
最終更新:2022-10-15 22:03:11
8123文字
会話率:28%
ある日突然かかってきた電話は、夏海の悲鳴だった。
「助けて!」という夏海の声を聴いた途端、悠は魔物が飛び交う異世界に転移されてしまった。
悠は夏海を探すための旅にでて、ついに「魔壊王ヘルギナンテ」のもとへたどり着いた。
聖剣グランドキャニオ
ンでヘルギナンテを両断した瞬間、白い光が放たれ、そこから現れたのは……。
果たして異世界転移した悠は夏海を救い出せることが出来るだろうか。
熱き友愛の果てに待つ結末を刮目せよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-24 00:03:22
930文字
会話率:36%
立てば毒花、座れば浜菊、歩く姿は男郎花。うら若き乙女と言うには野性味溢れる少女、氷室優は父の失業を機に母の地元『湊音町』で暮らす事となった。過疎化の一途を辿る海の美しい田舎町。そこではささやかな人魚のお話が伝説などと立派な冠を付けて語り継が
れていた。
この話は重複投稿をしています。
pixiv(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12503186)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-09 09:00:00
63934文字
会話率:37%
弓野絢子は、有名化粧品メーカーを退職し、親戚が暮らす港町・今浦へとやってきた。かつては会社で将来を嘱望されていた絢子であったが、今は親戚宅に居候しながら、目標もなく、定職にもつかずブラブラと過ごす毎日であった。ある日、絢子は飲み仲間に連れら
れて入ったスナックのママに、亡き夫の代わりに町最大の行事「いかだ競争」に参加してほしい、と懇願された。参加をためらっていた絢子であったが、かつての同僚でありライバルだった西村美玲が参加することを知り、会社員時代のリベンジのために、いかだ競争に参加することを決意した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-18 22:00:00
56464文字
会話率:51%
自己暗示によって演技力を向上させる声優・御柱七海は『劇場版・魔法洋菓子職人シュガー』のソルト役としてアフレコに参加。そして、ソルトの死亡シーンの収録中に倒れてしまう。
それから三年。七海は、親友の七井悠里、後輩の大西芽春らと共に、平和な
日々を過ごしていたが、ある日、都内にて殺人事件が発生し、あれよあれよと巻き込まれ、門条空羽という少年に助けられる。
想力師を名乗る空羽。その空羽に付き従う悪魔たち。そして始まる、彼らとの同居生活! 七海は生き残ることができるのか!? そして、声優活動を続けることはできるのか!?
これは、後に世界最強となる声優の、始まりの物語。
* この作品は『空羽七十三 転声の声優』というタイトルで、第一回集英社ライトノベル新人賞・二次選考を突破した作品を、加筆修正したものです。
* この作品はカクヨム様にも掲載させていただいております。ですが、話数とサブタイトルは一致しません。ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-16 07:10:20
191851文字
会話率:46%
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父さんの転勤で引っ越してきた"沖洲島(おきのすじま)"。
都会暮らしに慣れていた誠司にとっては"ど田舎"で何にもないつまらない島だった。
ある朝、海を眺
めているとこの島の少女"海美(うみ")と出逢う。
海美と出逢って知ったこの"何もないつまらない島"の美しさ。
そして初めての感情。
不思議な石が巡り会わせた長くて短いひと夏の淡い青春の物語。
この作品は「ノベルバ」「アルファポリス」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-16 07:55:15
159727文字
会話率:43%
温度差で風邪をひいた。
最終更新:2018-05-30 07:00:00
360文字
会話率:0%
〈ポエティック・ファンタジー〉
異世界に飛ばされてハーレム状態にも関わらず、なぜか成就することがない。シリアスな成長冒険談です。かなり重いです。いくつもの死を経験して多面的な生き方を獲得していきます。たぶん。
愛の描写に関しては、小学生が読
んでもOKなくらい、オブラートで包んだ内容となっていますので悪しからず。
【警】死に関する描写あり。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-06 20:20:42
225515文字
会話率:20%
全くの暗闇…暗夜。
暗夜の下の大海原は漆黒に染め上がり、空との区別すらつかなくなる。
そんな夜の
ある護衛艦乗りの話。
※舞台は護衛艦ですが、ミリタリー要素はほぼゼロです。
最終更新:2016-07-15 20:28:49
2059文字
会話率:21%
首かざりの一座の歌い手見習いの少年、「ララ」。彼は人とは違う、青い瞳と青い髪をもっていた。海の声を聞くことができる、『青き者』とは一体何なのか?自分の正体を探る、少年の旅がはじまる。
三部から成る児童書風ファンタジー
(小学校高学年〜中学
生)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-10 00:34:55
96603文字
会話率:48%
海の声が聞こえる休日
最終更新:2015-03-07 15:36:49
1010文字
会話率:0%
陸軍超能力部第2跳躍部隊の二人の話。二人ともテレパシーとテレポーテーションができます。ちなみにテレポーテーションはちょっと珍しい能力です。今はちょっと戦争もやっています。
そんな感じの世界観です。
最終更新:2014-12-16 00:52:19
4532文字
会話率:35%
高校教師の佐伯祐輔。海が好きで今日も行っていた。するとある女の子・莉緒と出会う。莉緒との出会いで祐輔は振り回されることになる。明るく元気な彼女にはあるトラウマがあって・・・
最終更新:2013-03-11 09:46:15
2458文字
会話率:63%