吸血鬼――それは、かつて世界で最強と呼ばれた種族であった。
世界の支配者にすらなれるはずだった彼らは、しかしその道を選ぶことはなく――人間に紛れて生きる道を選ぶ。
アルシャ・グレンティアは、そんな世界を象徴する人間と吸血鬼の間に生まれた子で
あった。
全て隠して、アルシャは普通の人間として真っ当に生きる道を選ぶ。
王国騎士となった彼女は、目立たない日々を送るつもりであったが……吸血鬼としての力もあって、騎士としてその名を知られる程度にはなってしまう。そんなある日のこと、
「あれ? 先輩も吸血鬼ですよね?」
後輩として新しく配属された騎士、レイテ・ネーミラの教育係を任されたアルシャだったが、彼女はなんと本物の吸血鬼であった。
半吸血鬼であるアルシャに興味津々な彼女は、秘密を共有する代わりに『血を飲ませてほしい』とせがんでくる。
さらにその現場をもう一人の後輩騎士であるローナ・ファミルトンに目撃されてしまう。
「そういうの、人前でやらない方がいいですよ」
――のだが、なんと彼女も吸血鬼で……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-21 22:47:18
2309文字
会話率:36%
後輩騎士に斬り殺され、怨念として冥府を彷徨っていた男は、冥術師の手によりスケルトンの体で現世に蘇る。
【シャッフル短編企画参加作品】
最終更新:2019-12-15 10:30:12
9291文字
会話率:42%
勇者に唯一の恋人を奪われた騎士、エデル。
彼は恋人を奪われたその時から、何かに取り憑かれたかのように戦場の前線に立ち続けた。
何時でも氷点下まで冷めきった顔、しかしエデルは幾度も撤退時には殿を務め、撤退する仲間に迫る敵軍の魔の手を食い
止めながらも、敵部隊を半壊させ、前線を維持するという偉業も何度も成し遂げる、軍人の鏡のような活躍をする。
表情は冷めきっていても、その手から救われた兵士、国民は数知れず、何時しかエデルは『救国の戦槍』と英雄と同様に称えられるようになった。
しかし、エデルはそれに喜びを示すことはなく、その日も戦場で殿を務め、且つ前線を維持する。
──戦うことしか、自分にはない
恋人が、何時か振り向いてくれるのを願って、エデルは今日も戦場で斧槍(ハルバード)を振るい続ける──が、心身ともに限界が近づき、遂にそれまで感情を押し殺していたエデルはある日、敵兵士の死体が転がる血生臭い戦場の中心で、感情吐き出したのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-02 12:37:41
58102文字
会話率:35%
騎士ユーステット、愛称をユースとされる彼は、とある大国の騎士団に属する騎士の一人。このたび本国を離れ、海を隔てた同盟国の女王様に、期間限定でお仕えする立場として派兵されました。
異国の女王様に任せられる仕事は色々です。大国の騎士様である
ユースに剣技指導の依頼があったり、護衛任務を任されたり、よからぬことを考える者の取り締まりを命じられたり。ユースは4人の仲間達、頼もしい先輩騎士や二人の同い年傭兵、後輩騎士と共に、授けられる仕事に一生懸命取り組みます。
お仕事の中でやはり活きるのは、彼が幼少の頃より養ってきた剣の腕。でも、求められるのはそれだけではありません。名目上は4人の仲間を束ねる隊長格に任命されているユースは、人の上に立つ立場として色々考えなきゃいけないことがあったり、同盟国の方々と良き関係を続けていくために神経を遣ったり、剣の腕だけじゃなく色んなものを求められる立場です。
何だか大変そう? はい、意外に大変です。だけど、頑張り屋さんのユースは生じる問題にしっかり向き合い、色んな仕事をきっちりやり遂げてくれるはずなのです。若くして、しかしもう大人、騎士としての数々のお仕事に取り組む彼の姿を、優しく見守ってあげて下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-03 18:00:00
1012643文字
会話率:34%